去年今年 1       100句

我をのせ廻る舞台や去年今年    上野泰

作品
作者
掲載誌
掲載年月
踏み出して心寄せ合ふ去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 199811
去年今年貫く記念館の夢 稲畑廣太郎 ホトトギス 199901
房をもて祀る法螺貝去年今年 岡井省二 199901
去年今年十年日記書き続け 水原春郎 馬醉木 199902
壺の百合のほぐれ初めけり去年今年 岡本眸 199901
去年今年自切(じせつ)の尾あり遠く見ゆ 中原道夫 銀化 199902
涅槃像横のままなり去年今年 栗栖恵通子 199903
去年今年母の前ゆく亡父の見え 外川玲子 風土 199903
締めくくる紐は仮止め去年今年 竹村悦子 銀化 199903
母大切妻も大切去年今年 深澤鱶 火星 199904
去年今年水の流れに起伏あり 関根洋子 風土 199904
さみしくて輪ゴム鉄砲去年今年 折原あきの 船団 199903
読みさしの寂聴源氏去年今年 荻野美佐子 船団 199908
沼の沖にこゑ継ぐ雁や去年今年 佐藤国夫 馬醉木 200001
去年今年不況の都心閑散と 稲畑廣太郎 ホトトギス 200001
去年今年とて倦みもせず我ありて 能村登四郎 芒種 199911
鉛筆の芯をそろへて去年今年 水原春郎 馬醉木 200002
此の世にて人のみ恋ひし去年今年 保坂加津夫 いろり 200001
去年今年此の世の神の思ふこと 保坂加津夫 いろり 200001
生かされて普段着のまま去年今年 保坂加津夫 いろり 200001
去年今年生きてゐるから明日がある 保坂加津夫 いろり 200002
貝塚の上に赤土去年今年 石脇みはる 200003
二千光年はどの星去年今年 鷹羽狩行 200002
去年今年ひつくり返す砂時計 宮城白路 風土 200003
千年を区切る一秒去年今年 八木岡博江 酸漿 200003
何程の事もなく越ゆ去年今年 原静寿 酸漿 200003
去年今年まこと馬齢を重ねたり 大橋宵火 雨月 200003
平常心にありたしとのみ去年今年 本城布沙女 雨月 200003
指ふれて脈のしづかに去年今年 島田尚子 馬醉木 200004
去年今年和紙より出でし椀二つ 武井美代子 風土 200004
幸あれと世紀の移る去年今年 西村咲子 六花 200003
仁王尊去年今年なき力瘤 和田敏子 雨月 200004
去年今年流るるごとく二〇〇〇年 北村香朗 京鹿子 200004
クレーンの腕伸ばすまま去年今年 市川舞 200005
栴檀の確と実をつけ去年今年 河野友子 六花 200004
電脳に振り回されて去年今年 浜麻衣子 六花 200004
わが棚にさみどりの笊去年今年 北原志満子 海程 200005
去年今年寝ても覚めてもここにいる 尾上有紀子 船団 199912
千年の移ろひ知らず去年今年 吉田有輝子 ホトトギス 200005
ファックスの働きづくめ去年今年 岩岡中正 ホトトギス 200005
去年今年己励ますことばかり 岩岡中正 ホトトギス 200005
身ほとりの何か欠けゆく去年今年 岩岡中正 ホトトギス 200005
去年今年虚子曼荼羅の中のわれ 中杉隆世 ホトトギス 200005
火の鳥を追ひつづけつつ去年今年 中杉隆世 ホトトギス 200005
去年今年虹の橋懸け明石の門 中杉隆世 ホトトギス 200005
枕頭に侍りつゞけて去年今年 大槻右城 ホトトギス 200005
臨終を告げんとするや去年今年 大槻右城 ホトトギス 200005
臨終を囲む一家や去年今年 大槻右城 ホトトギス 200005
癌に克ち得しを力に去年今年 千原叡子 ホトトギス 200005
句に侍り句に抱かれゐて去年今年 伊藤まさ子 ホトトギス 200005
去年今年心に栞る旅いくつ 伊藤まさ子 ホトトギス 200005
研ぎすます感性のほし去年今年 伊藤まさ子 ホトトギス 200005
去年今年山家を覆ふ星の音 大庭土筆 ホトトギス 200005
去年今年人に紛れず歩きをり 大庭土筆 ホトトギス 200005
去年今年山水の星湧くごとし 大庭土筆 ホトトギス 200005
灯を低く吊り晩学の去年今年 小野草葉子 ホトトギス 200005
無為にして無為にもあらず去年今年 辻本斐山 ホトトギス 200005
神奈備のゆらぎを窓に去年今年 辻本斐山 ホトトギス 200005
本棚にきらめく背文字去年今年 辻本斐山 ホトトギス 200005
枕頭に我は国手や去年今年 大槻右城 ホトトギス 200007
人の世に跳ね橋いくつ去年今年 鷹羽狩行 200101
開館へ用増えゆきぬ去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 200101
水槽の泡睨みをる去年今年 山田六甲 六花 200101
去年今年備浸炭をちょんと打ち 山田六甲 六花 200101
浮き世坂生きて来ました去年今年 保坂さよ いろり 200101
線香の途中なりけり去年今年 山田六甲 六花 200002
去年今年記憶の母はもう居ない 大平保子 いろり 200102
老人力ついてきたかな去年今年 柴田美佐子 いろり 200102
去年今年点滅つづく工事灯 立石萌木 雨月 200103
病人を叱り励まし去年今年 山田弘子 円虹 200103
鐘の音をはらにて聴けり去年今年 江本路代 酸漿 200103
去年今年棟萱に雪一文字 宮津昭彦 200103
去年今年変らぬ杖の置きどころ 村越化石 200103
去年今年巫女水引きで髪たばぬ 三代川次郎 俳句通信 200103
血を換へて命繋げり去年今年 若月瑞峰 春耕 200103
天涯に星の生れ継ぐ去年今年 斉木永久 馬醉木 200104
綺羅星のひとつ走りて去年今年 川口襄 遠嶺 200104
鼻毛抜く力養ひ去年今年 苑田ひろまさ 200104
ほんのりとつまさき濡れる去年今年 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
携帯の守護神めくや去年今年 成定紋子 船団 200105
去年今年とあるところのとある人 小川千子 船団 200105
火を鎮め水を静めて去年今年 小澤克己 遠嶺 200105
去年今年去年今年とて今更に 能村登四郎 200108
一枚の紙うら返る去年今年 堀内一郎 あを 200102
温暖化してゆく星や去年今年 斉藤嘉久 あを 200102
悲しみを抱きし人あり去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 200201
列といふものに従ふ去年今年 平子公一 馬醉木 200201
去年今年館三年てふけぢめかな 稲畑廣太郎 円虹 200201
一通の封切らぬまま去年今年 山田六甲 六花 200202
トンネルでラジオ中断去年今年 山田六甲 六花 200202
世渡りに上手下手あり去年今年 保坂さよ いろり 200202
風評の剥がされゆくも去年今年 保坂加津夫 いろり 200202
神ありて仏もありぬ去年今年 保坂加津夫 いろり 200202
口紅を少し濃くして去年今年 保坂さよ いろり 200202
病得てしみじみ感謝の去年今年 松本米子 あを 200202
去年今年かかはりもなく我ありて 能村登四郎 羽化 200110
今更のうろたへもなし去年今年 能村登四郎 羽化 200110
流木の沖へ消えゆく去年今年 澤本隆子 200203
為すべきをなして己れの去年今年 湯本道生 200203
去年今年繋ぐ赤子の寝息かな 辻美奈子 200203
去年今年→ 2      

 

2021年1月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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