去年今年 4       100句

いつの間に一と眠りして去年今年  瀧春一  暖流

作品
作者
掲載誌
掲載年月
師に蹤きて歩む道なり去年今年 浜田はるみ 遠嶺 200704
恙なきこと只管に去年今年 河内桜人 京鹿子 200704
去年今年来し方思ふ卓に肘 上林孝子 200704
飛石の位置確かなり去年今年 金子野生 京鹿子 200705
胸中を貫く大河去年今年 岩岡中正 ホトトギス 200706
弟子として矩を踰えざる去年今年 浅井青陽子 ホトトギス 200706
お日和をよろこび憂ひ去年今年 浅井青陽子 ホトトギス 200707
体調をいとふことより去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 200801
たまさかの運はのがさず去年今年 高橋将夫 200801
おほどかに大空はあり去年今年 雨村敏子 200801
われ想ふ根強き一樹去年今年 小澤克己 遠嶺 200801
去年今年無言のままにすれちがふ 鷹羽狩行 200801
灯台光立つ浪宥め去年今年 雨宮一路 200801
親友となりし夫ゐて去年今年 小林朱夏 200801
蝋燭の紅白に火を去年今年 山田六甲 六花 200801
千万ちよろずの星の中なる去年今年 山田六甲 六花 200801
街の灯が空明るうす去年今年 山田六甲 六花 200801
一葉の写真の笑顔去年今年 ことり 六花 200801
夜泣きの子あやしあやして去年今年 ことり 六花 200801
去年今年人工呼吸唸るなり 峰尾秀之 200802
去年今年隣人すでに四十年 鈴木榮子 春燈 200802
海深く眠る抹香去年今年 加藤みき 200802
月面の向かうの地球去年今年 雨村敏子 200802
誰も越す一と跳び川や去年今年 神蔵器 風土 200802
それぞれの座に影戻り去年今年 小野恵美子 馬醉木 200803
風音が板戸を叩く去年今年 中山静枝 200803
ゆくりなく山湯に浸る去年今年 岡野ひろ子 200803
古代魚は戦争知らず去年今年 天野きく江 200803
去年今年大役担ふ昆布の耳 瀬川公馨 200803
香立ての灰やはらかし去年今年 藤井佐和子 200803
大鍋に湯の沸き立てる去年今年 松山直美 火星 200803
癌癒えてゆったりと酌む去年今年 弓場赤松 ぐろっけ 200803
遺伝子の組み換へ大豆去年今年 東亜未 あを 200803
母二人かはらずに居て去年今年 赤座典子 あを 200803
大殺界気にせず過ごす去年今年 高根照子 200804
白妙の波うらがへる去年今年 関根洋子 風土 200804
身に叶ふ硯一面去年今年 林いづみ 風土 200804
小黒坂近くて遠し去年今年 林いづみ 風土 200804
井戸蓋の雪を払へり去年今年 城孝子 火星 200804
去年今年蛇口の漏れを閉めに立つ 小形さとる 200804
公案をひつくり返す去年今年 西村純太 200804
ただ願ふ悲なき日を去年今年 服部珠子 雨月 200804
喪ごころは恋ごころなる去年今年 岡野峯代 ぐろっけ 200804
手つかずの本積みあげて去年今年 丹生をだまき 京鹿子 200804
侘助の咲き通しつつ去年今年 岸野美知子 酸漿 200804
遙か来て湯宿に憩ふ去年今年 檀原さち子 酸漿 200804
繋留の船の帆柱去年今年 米須あや子 遠嶺 200804
情と景詠ふ起き臥し去年今年 横松しげる 遠嶺 200804
去年今年同じ顔してゐたりけり きくちきみえ やぶれ傘 200804
がた落ちの本読む速さ去年今年 丑久保勲 やぶれ傘 200804
薬石の支配下に生き去年今年 柴田良二 雨月 200804
去年今年風のすさびの止むるなく 溝内健乃 雨月 200804
鳶の輪の高さかはらず去年今年 島谷征良 風土 200805
ものを煮る音のやまざる去年今年 白石正躬 やぶれ傘 200805
コンビニエンス・ストアは暮れず去年今年 秋千晴 200805
労ひの両の手膝へ去年今年 府川房江 遠嶺 200806
かやねずみの正體は影去年今年 佐藤喜孝 あを 200808
勃々と老の闘志や去年今年 竹下陶子 ホトトギス 200810
一歩よりはじまる百歩去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 200812
日本のホ句万代に去年今年 竹下陶子 ホトトギス 200901
悲しみを見せぬが淋し去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 200901
九十五歳の春も近付く去年今年 林翔 馬醉木 200901
護摩の火に去来するもの去年今年 高橋将夫 200901
名を変へぬ大樹ありけり去年今年 小澤克己 遠嶺 200901
切らずおく電源の数去年今年 千田百里 200901
変調の船笛響く去年今年 山田六甲 六花 200901
ちりめんのお手玉数へ去年今年 ことり 六花 200901
湾囲む灯消えゆき去年今年 ことり 六花 200901
さらさらさらと神田川去年今年 神蔵器 風土 200902
分け入りし言葉の森や去年今年 今城あき子 炎環 200902
そば食べて鐘聞く時ぞ去年今年 安部里子 あを 200902
去年今年ともに年取る床柱 安藤久美子 やぶれ傘 200902
去年今年手持ち無沙汰なコッペパン 塩路隆子 200903
こころまで渇く世にせじ去年今年 南光翠峰 馬醉木 200903
世も末といふ語ありけり去年今年 松本幹雄 馬醉木 200903
あるじなき書斎にも灯を去年今年 松本美簾 馬醉木 200903
コンコーネの本と俳誌と去年今年 和田政子 200903
地球儀に深息落とす去年今年 和田政子 200903
喜寿まではあと幾日の去年今年 飯田ひでを 200903
葱蕪大根揃ひ去年今年 石脇みはる 200903
新刊の腰巻はがす去年今年 丹沢亜郎 炎環 200903
十二打つ鐘のあはひや去年今年 飯塚恵美子 炎環 200903
一病を諾ふ生活去年今年 岸崎華堂 炎環 200903
足らざるは足らざるままに去年今年 中尾硫苦 炎環 200903
病ひとつ連れて来たりし去年今年 辺見狐音 炎環 200903
花活けて床定まりぬ去年今年 仙田孝子 風土 200903
去年今年人のいのちの定めもな 古田考鵬 雨月 200903
機嫌よきおてんとさまや去年今年 荒井慈 春燈 200903
苦楽てふ衣纏ひて去年今年 八家こひで 春燈 200903
去年今年わが家を出づる厨水 千田百里 200903
寝息聴くことも看取りや去年今年 佐々木よし子 200903
いのちとは漢字一文字去年今年 七種年男 200903
亡き夫に叙勲の知せ去年今年 家塚洋子 酸漿 200903
声出して遺影と語る去年今年 家塚洋子 酸漿 200903
YesWeCan大フィーバーの去年今年 山口キミコ 200904
百歳を以て人生の去年今年 瀧青佳 ホトトギス 200904
子に伝ふ言葉ひとすぢ去年今年 北川孝子 京鹿子 200904
賜りし句集を並べ去年今年 舩越美喜 京鹿子 200904
朱を入れし筆も納めて去年今年 有働亨 馬醉木 200904
秒針がこつこつ昇る去年今年 太田寛郎 200904
去年今年→ 5      

 

2021年1月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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