去年今年 3       100句

去年今年貫く棒の如きもの  高浜虚子  六百五十句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
一燈を父にささげて去年今年 小野恵美子 馬醉木 200502
果報とは練つて待つもの去年今年 篠田純子 あを 200502
道化師のゆらりゆらりと去年今年 植木戴子 200502
去年今年常に鈴振る谷の水 守屋井蛙 酸漿 200503
ほどほどの年金暮し去年今年 國田ヤエ子 帆船 200503
折々に死後のことなど去年今年 大庭三千枝 200503
去年今年泣いて笑うて一つ顔 坂ようこ 200503
去年今年月は欠けたるままに在り 菅原健一 200503
手料理の味はさらりと去年今年 高橋将夫 200503
捨てがたきもの身ほとりに去年今年 鈴木勢津子 200503
夢の橋渡る途中の去年今年 岩月優美子 200503
去年今年篝火を守る宮世話人 渋谷まさ江 築港 200503
去年今年曙光を天に虚子素十 田村七三栄 築港 200503
心の張りを失ふなかれ去年今年 青垣和子 雨月 200503
鍵穴よりあかり一筋去年今年 内海なみ 200503
一通の文読み返す去年今年 中川晴美 雲の峰 200503
秒刻む音たゆみなく去年今年 小池とみを 雲の峰 200503
聞き慣れし振子のつなぐ去年今年 鈴木美江 雲の峰 200503
去年今年新居見取図展べにけり 菅沢陽子 春燈 200503
乱読の机そのまま去年今年 塩田博久 風土 200503
去年今年平和を祈る手でありぬ 橘高絹子 200503
葉牡丹のちぢれつぱなし去年今年 浜口高子 火星 200504
長編の冒頭忘れ去年今年 三橋早苗 ぐろっけ 200504
隣家に娘が越し来鍵ふゆ去年今年 禰寝瓶史 京鹿子 200504
何かある闇でつながる去年今年 千坂美津恵 200504
はらからのえにし淡かり去年今年 川崎洋吉 遠嶺 200504
去年今年指先ばかり良く使ふ 倉持梨恵 200504
地下足袋の泥をはたいて去年今年 有島夛美 河鹿 200504
何もかも深雪の中や去年今年 沢田邦子 200504
虚子の道ひたすら辿り去年今年 浅井青陽子 ホトトギス 200505
感動のこゝろ素直に去年今年 浅井青陽子 ホトトギス 200505
身ほとりに禅の一書や去年今年 浜田はるみ 遠嶺 200505
巡回のナースの灯去年今年 大平勝子 栴檀 200505
去年今年伝言板のアラブ文字 原田達夫 虫合せ 200506
虚子の道楽しく辿り去年今年 浅井青陽子 ホトトギス 200507
天災人災悪妻去年今年 和田美代子 八千草 200507
神主の所作事揃い去年今年 遠塚青嵐 200507
去年今年大河の如くありにけり 竹下陶子 ホトトギス 200508
校正の赤ペンを手に去年今年 卓田謙一 万象 200509
十年は二タ昔とや去年今年 稲畑廣太郎 ホトトギス 200510
十年の計百年へ去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 200511
去年今年机上に積まれたるままに 稲畑汀子 ホトトギス 200601
去年今年父の遺せし夢継がな 徳田正樹 河鹿 200601
人も世も断ちて断たれぬ去年今年 小澤克己 遠嶺 200601
しなやかに座り直して去年今年 戸村よねこ 遠き海 200602
街路樹に椋鳥さわぐ去年今年 大串章 百鳥 200602
魁夷作「道」を貫く去年今年 能村研三 200602
去年今年大手を振りて非合法 篠田純子 あを 200602
水底に積りゆくもの去年今年 佐藤博美 200603
去年今年送電五十万ボルト 坂ようこ 200603
鍵束に新しき鍵去年今年 大沢美智子 200603
天文時計プラハに刻む去年今年 菅沢陽子 春燈 200603
深鍋をたぎらせてをり去年今年 東芳子 酸漿 200603
去年今年波清々と心電図 増田八重 酸漿 200603
埋火を組みなほしてや去年今年 宇田喜美栄 200603
神田川継目を見せず去年今年 神蔵器 風土 200603
修羅能の笛の高音や去年今年 近藤幸三郎 風土 200603
いろいろの顔すぎさりし去年今年 河内桜人 京鹿子 200603
ていねいに生きてゆきたし去年今年 斉藤裕子 あを 200603
仮の世を愚かに生きて去年今年 千坂美津恵 200604
古家の梁のきしみや去年今年 斎藤道子 馬醉木 200604
島真中陣取る基地や去年今年 稲嶺法子 遠嶺 200604
去年今年去年今年とて呼気吸気 金澤明子 200604
石筍のひそかに育つ去年今年 佐々木よし子 200604
玉の緒の丈の絶えざる去年今年 生方義紹 春燈 200604
去年今年育児日記は十冊め 横内かよこ ぐろっけ 200604
一豊の妻にはなれず去年今年 瀬下るか 200604
去年今年神の火の粉を浴びてをり 武久昭子 風土 200604
トルソーのやはらかき影去年今年 江崎成則 栴檀 200604
去年今年なき随身の杖と笠 辻是心 ホトトギス 200605
蒟蒻の表裏曖昧去年今年 長井順子 200605
己が影踏みゆくばかり去年今年 岩岡中正 ホトトギス 200606
愛語る原監督の去年今年 中島英子 八千草 200606
去年今年もつぱら脚立の押へ役 荒川美邦 京鹿子 200606
生涯の大団円や去年今年 瀧青佳 ホトトギス 200607
巨いなる一樹揺れたり去年今年 小澤克己 塩竃 200608
好きなこと又あと回し去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 200611
迷ふなく素志を貫く去年今年 能村研三 200611
足音の確かな響き去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 200612
わがために組み込む時間去年今年 稲畑汀子 ホトトギス 200612
去年今年七色まじる砂時計 久保久子 春燈 200612
病む父も句作忘れて去年今年 竹内美智代 酸漿 200612
一念の軸ぶれざらむ去年今年 小澤克己 遠嶺 200701
秒針のステップ滑らか去年今年 後條さと子 200703
なほざりとなりし炊煮や去年今年 岡田和子 馬醉木 200703
目も耳ももう一つ欲し去年今年 近藤公子 200703
去年今年汀に生くるものの泡 千田敬 200703
六畳の居間を城とし去年今年 神田一瓢 雨月 200703
去年今年歳月容赦なく過ぎぬ 水野節子 雨月 200703
去年今年二本の足で稼ぐ巾 貝森光洋 六甲 200703
去年今年命いよいよ大なりし 村越化石 200703
鐘の音のしじま縫ひをり去年今年 牧原佳代子 酸漿 200703
去年今年煤け柱の古時計 関口青稲 万象句集 200703
去年今年好い湯加減に包まれつ 森理和 あを 200703
句のことをきかれ困るも去年今年 藤川國子 ぐろっけ 200703
終電のレールの響き去年今年 高野幸次 200703
小止みなく降りしきる雪去年今年 宮入河童 200704
去年今年厨を城として過ごす 西宮舞 200704
川音の高まりきたる去年今年 佐々木智子 200704
心底に水鏡あり去年今年 清水晃子 遠嶺 200704
去年今年 →4      

 

2021年1月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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