香水 1       100句

香水の香ぞ鉄壁をなせりける   中村草田男   吹越

作品
作者
掲載誌
掲載年月
駅頭に同じ香水すれ違ふ 三浦美穂 199808
香水やきれいな嘘をつきなさい 津田このみ 船団 199812
ダイバーの女なまめく夜の香水 安井和子 199906
香水の瓶に触れたる手となりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 199907
香水の同じ匂ひとすれ違ふ 稲畑汀子 ホトトギス 199907
使はざる香水減つてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199907
一穂いっすいの香水通る墓の前 神蔵器 風土 199907
手にふれし使ひ忘れの香水瓶 金國久子 青葉潮 199907
香水の匂ふ早出のナースかな 井上比呂夫 199909
つけ過ぎし香水夫にうとまるる 三村武子 酸漿 199909
香水や小雨がこゑを濡らす程 木内憲子 199910
香水のあと一滴が邪魔になる 寺田栄子 199911
香水を異に隣れる野外奏 鈴木まゆ 馬醉木 199911
心地よき男の香水狂気ふと 角田信子 六花 199911
閑居せりとて香水の強きまま 松井洋子 ぐろっけ 199911
香水を替へて病人爽やかに 朝倉和江 馬醉木 199912
香水や敵七人に止まらず 渡邉英子 馬醉木 199912
香水の嫌いなカッターシャツである 今城知子 船団 199912
どこか嘘言葉とキスと香水と 田中桜子 船団 199912
香水の桶に消えゆく牡丹雪 田中佐知子 風土 200001
香水の集まつて来し祝ぎ心 稲畑汀子 ホトトギス 200007
香水の入りゆく墳墓昏きかな 山本耀子 火星 200008
香水の濃き人のゐて国宝展 福間節子 200009
香水にすこし強気な一日なり 小菅暢子 200009
香水に求心力といふがあり 武田菜美 銀化 200009
香水は忘れず健忘症募る 堺久保晴子 雨月 200010
屑籠の香水壜の蓋匂ふ 上林孝子 200010
香水の誘惑多き風もらふ 佐藤康子 遠嶺 200011
香水瓶のみ知つてゐる月日あり 山田弘子 円虹 200011
香水を賜ひ老の身如何にせむ 村越化石 200011
香水を少し粧ひ夜の長し 保坂加津夫 いろり 200011
点晴となる香水のひとしづく 関根洋子 風土 200101
香水や行く手を阻むものあらず 小林あつ子 火星 200104
香水の匂へる席の空いてをり 鳴海清美 遊び蔓 200105
香水や浮かぬ心を消さんとす 小島とよ子 遠嶺 200105
めづらしく母が香水つけてをり 宮倉浅子 遠嶺 200105
香水を吹き付け笑う友の妻 平井奇散人 船団 200106
香水や人に語れぬことありて 保坂加津夫 いろり 200107
香水の売り場素通りして来たよ 松山律子 六花 200107
慶喜公の墓前香水匂ひけり 脇本千鶴子 200108
結婚後のいまも香水ミスディオール 細井隆子 200108
香水や眉のくもりを見逃さず 佐藤博美 200108
なんとなく香水瓶を捨てられず 清水ゆみ子 200108
香水のにほひほのかや形見分 川田さちえ 200109
香水や空港ロビーに再会す 林裕子 風土 200109
香水の一滴なんにも言はざりし 嵯峨根鈴子 火星 200109
香水の若すぎる香を淋しめる 岡崎るり子 銀化 200109
香水や気づかぬほどに友も老い 岡田和子 馬醉木 200110
香水の際だちアフロアメリカン 渡部伸一郎 百鳥 200110
香水やふはりと風の置手紙 大曽根育代 遠嶺 200111
香水の初めての香も避暑ホテル 江木紀子 雨月 200111
誰に会ふといふことなくて香水を 岡田芳子 ぐろっけ 200111
香水のおもひのほかに匂ひけり 大坂蛍火 200112
麻薬切れたかのごと香水を買ふ 山崎未可 銀化 200207
耳元に香水の潮さしてくる 山田六甲 六花 200207
遺品なる香水瓶の仕舞ひ場所 柳生千枝子 火星 200209
香水のふいに回転扉かな 山田禮子 遠嶺 200209
香水の試供たぷたぷカプリ島 柴田節子 帆船 200209
香水と香水けんかしてしまふ 志方章子 六花 200209
看護婦の香水仄と巡回す 高橋としを 酸漿 200209
香水の人に越さるる弥撒帰り 辻本みえ子 馬醉木 200210
医にひらく胸に香水一しづく 高橋たか子 馬醉木 200210
香水の秘密話を聴かさるる 小澤克己 遠嶺 200210
香水過ぐ南半球一のカジノ 久保田鼓笛 京鹿子 200210
香水を母に添はする別れかな 溝口八重子 雲の峰 200210
香水や昨夜より夫と口きかず 津村美和 200211
嫌ひな人よりの香水匂ひけり 川上昌子 200211
香水や他人に弱気は見せまじく 生方ふよう 200211
香水の若き眠りへ肩を貸す 小澤克己 春の庵 200305
香水と擦れ違ふより夜の銀座 稲畑廣太郎 ホトトギス 200307
香水に本性あらはさぬ女 稲畑廣太郎 ホトトギス 200307
香水や脚立へと司書席を立つ 田村園子 200308
立ち読みのとなり香水匂ひけり 上澤邦彦 対岸 200308
香水やショートカットの耳環ゆれ 落合絹代 雨月 200308
香水の同じ匂ひのすれ違ふ 丸山敏幸 200308
能のたけなは香水が鼻につく 品川鈴子 ぐろっけ 200308
立ち読みの左右香水匂ひくる 筒井圭子朗 ぐろっけ 200308
言ふべきを言ふ香水に力得て 大庭三千枝 200309
香水のささめきながらすれちがふ 熊岡俊子 雨月 200309
男物香水求む五番街 左官治郎 200309
振りむけば香水同じだけの人 玉川梨恵 200309
香水の香り行き交ふ参観日 渡辺真奈美 200310
香水やきのふに過ぎし業平忌 内田哀而 円虹 200310
告白にあらず香水変えてみる 宇野友梨 200310
香水のここ一番は失せてをり 遊橋恵美子 風土 200310
見舞客香水の香の残したる 塩川雄三 築港 200310
かの人の香水の名を未だ知らず 長谷川守可 百鳥 200311
香水のその美しき瓶買へり 福井隆子 対岸 200311
香水もお洒落も無縁吾老いぬ 伊藤康子 ぐろっけ 200311
香水一滴けふ母でなし妻でなし 山元志津香 西の峰 200401
香水や贅のひとつに独り身も 柴田佐知子 200408
香水に老人用といふあらば 伊藤白潮 200408
髪長くして香水は男物 玉川梨恵 200408
香水一滴夫なきあとの思はれず 城石美津子 京鹿子 200408
香水の馴染まぬ一日なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200408
香水や風の誘惑すれ違ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200408
あつさりとした香水を旅立に 稲畑汀子 ホトトギス 200408
香水の封そのままの余生あり 竹川せつ子 草の花 200408
教室のいずこ香水ほのかなる 近藤倫子 ぐろっけ 200408
耳打ちの一語香水匂ひけり 河口仁志 200409
香水→ 2      

 

2021年7月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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