黄 落 4   100句

教壇は十歩に足らず黄落す   矢島渚男   采薇

作品
作者
掲載誌
掲載年月
東大の天孫樹(いちよう)黄落惜し気なし 泉田秋硯 200702
黄落へ風一陣や死はむなし 小林成子 200702
黄落や踏めば胸底動くもの 和田祥子 馬醉木 200702
鳥語待つ森に黄落とどまらず 山下佳子 馬醉木 200702
子にみせぬ顔まだありぬ黄落期 宮野照子 馬醉木 200702
黄落の空を蹴り上げ大道芸 山崎祐子 万象 200702
寺指してお瀧さんてふ黄落期 山崎靖子 200702
衝動買ひ本ならすべし黄落期 高橋道子 200702
黄落や檻のうちそと鳥のゐる 大山文子 火星 200702
坂は人に物思はする黄落期 三輪温子 雨月 200702
黄落の森に白磁のマリア像 滝川あい子 雨月 200702
黄落の並木珊瑚の夜を迎へ 丸井巴水 京鹿子 200702
黄落す沼を囲みて楢櫟 土井三乙 風土 200702
理学部の白き窓枠黄落期 佐々木幸 200702
黄落の頻るにちぎるドイツパン 伊藤一枝 酸漿 200702
黄落や天に差し出すこどもの手 佐藤喜孝 あを 200702
黄落の大正ロマン匂ひ立つ 小島みつ代 200702
黄落やパリ・オペラ座へ二頭馬車 山下佳子 200703
黄落の美しきに瞠る御堂筋 加地芳女 雨月 200703
黄落の道を辿れば絵画館 秋田直己 ぐろっけ 200703
黄落や野外演奏たけなはに 渡辺方子 万象合同句集 200703
黄落や脈のつまづく血圧計 藤原りくを 八千草 200704
黄落や閻魔堂より笑ふこゑ 百瀬七生子 海光 200705
黄落や誰かに似たる象の尻 丁野弘 200710
黄落に一絃琴をかき鳴らす 木下忠雄 酸漿 200712
黄落や安土に残る大手道 今谷脩 ぐろっけ 200712
落葉松のさわさわさわと黄落す 鈴木多枝子 あを 200712
黄落や森に木椅子の忘れられ 水原春郎 馬醉木 200801
黄落や保母のひとりは肩車 山岸治子 馬醉木 200801
黄落を促す葉騒と思ひをり 布川直幸 200801
黄落の港を点すガスライト 中村悦子 200801
黄落や止まらずに過ぐ停留所 大川ゆかり 200801
黄落の終へて天地の素肌現れ 小林雪雄 200801
黄落や我を支へて杖細る 神谷耕輔 200801
黄落や早起き雀はしやぎをり 中山純子 万象 200801
黄落の日がさし部屋が金色に 浮田胤子 ぐろっけ 200801
黄落やフランスパンのならぶ籠 芝尚子 あを 200801
大仏の耳たぶ染むる黄落期 中島玉五郎 200802
黄落の中少女らは鳥になる 中嶋昌子 春燈 200802
地には地のぬくみのありて黄落す 本多俊子 200802
黄落の今来た道を引きかへす 前川明子 200802
黄落の牧ゆく馬の背にゆられ 室伏みどり 雨月 200802
黄落のはじまると云ふこの気配 野路斉子 200802
黄落のまぶしさに鳥翔ちやまず 加瀬美代子 200802
黄落の明るさ胸に誕生日 小島みつ代 200802
向う岸の声のあかるき黄落期 佐々木幸 200802
くれぎはの湖水はなやぎ黄落期 成川和子 200802
人去りて黄落の刻流れゆく 布施まさ子 風土 200803
水の中までも華やぎ黄落期 船山律 200804
太陽が重し重しと黄落す 岩岡中正 ホトトギス 200805
木花咲耶姫黄落を愁嘆す 鈴木直充 素影 200811
前開きの喪服新調黄落期 奥村こちび 炎環 200811
今生の明るさ暗さ黄落期 村越化石 200811
森ありて森は黄落日和なる 村越化石 200811
黄落を誘ふ婚の紙ふぶき 品川鈴子 ぐろっけ 200811
黄落や音楽堂の窓高き 大沼まり子 200812
黄落にをどる音符のありにけり 近藤公子 200812
黄落やブルドーザーの小座布団 山尾玉藻 火星 200812
山の日に黄落かをる火山灰の径 手島靖一 馬醉木 200901
鯖街道黄落の路狭まりぬ 戸田和子 200901
黄落を集むるパンの紙袋 高田令子 200901
黄落を鎧ひて立てる道祖神 鈴木阿久 200901
黄落は眠りの序章峡の村 安居正浩 200901
黄落や昭和の残る丸ポスト 藤原はる美 200901
黄落や蛤御門近く泊つ 門伝史会 風土 200901
合掌は黄落の音の消ゆるまで 松田都青 京鹿子 200901
黄落や笑を湛へて乙女像 伊藤一枝 酸漿 200901
黄落をつらぬく道の真直なり 三井公子 酸漿 200901
黄落や街のつづきに王の庭 境幹生 200902
正面にサンシャインビル黄落す 山田暢子 風土 200902
「二輪車の通行禁止」黄落期 山田暢子 風土 200902
黄落やストリートオルガン鳴り出だす 岡本敬子 万象 200902
黄落やおしろい付けし道祖神 原田しずえ 万象 200902
黄落やトロンボーンを抱へ来し 涼野海音 火星 200902
箕面路に来て黄落に没しけり 川崎良平 雨月 200902
黄落のそのひとひらになつてゐし 豊田都峰 京鹿子 200902
鎌倉の黄落を行き人見舞ふ 椿和枝 200902
名画座の「カサブランカ」へ黄落路 木村美猫 ぐろっけ 200902
黄落の有馬の銀杏仁王立ち 林美智 ぐろっけ 200902
黄落や「ありがとう」のみ言ふ別れ 荒井千瑳子 200902
ガードマン座す黄落の喫煙所 瀬島洒望 やぶれ傘 200902
異国めくメタセコイヤの大黄落 植山美代子 200903
黄落の例へば爪を切るやうな 直江裕子 京鹿子 200903
黄落や大黒天も龍神も 大坪景章 万象 200903
黄落の風に怒濤となれるとき 山下美典 ホトトギス 200904
不在とす黄落を踏む闇にゐて 木山杏理 京鹿子 200904
黄落に座せばたちまち聖家族 岩岡中正 ホトトギス 200905
あづまはや日暮れて黄泉も黄落か 竹貫示虹 京鹿子 200909
堂縁にまで黄落の及びけり 安原葉 ホトトギス 200911
黄落にあまねくなりし虚空かな 島青櫻 炎環 200912
黄落や天満天神古書の市 北岸邸子 春燈 200912
黄落といふ喝采の中あゆむ 安藤利恵 春燈 200912
黄落や大樹ぐるりのリレーかな 東亜未 あを 200912
夕映の黄落馳せるツーリング 三川美代子 201001
黄落や日照雨の過ぐる鬼瓦 和田幸江 春燈 201001
信号は赤黄落へ手をかざし 堀内一郎 あを 201001
黄落や蕉翁句碑を読み解けり 山本無蓋 201001
黄落やガス灯揺るる茶房にて 村上洋子 201001
森閑と寺苑の真昼黄落期 村上洋子 201001
黄落や春琴抄の道修町 坂上香菜 201002
      黄落→ 5

 

2020年12月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。