黄 落 3   100句

黄落をあび黒猫もまた去れり   中嶋秀子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
法要の背中黄落感じゐし 的池遙 百鳥 200402
欧州に広場の多し黄落期 久保晴子 雨月 200402
ふり仰ぐたび黄落の大銀杏 岡淑子 雨月 200402
天地清朗黄落の日和にて 溝内健乃 雨月 200402
黄落のグリーンに跼み芝目よむ 内藤三男 ぐろっけ 200402
黄落のシカゴ大学バス走る 秋田直己 ぐろっけ 200402
黄落や流転二代のギター弾き 安達実生子 200403
と見かう見して黄落の大銀杏 佐藤淑子 雨月 200403
黄に染めて輝く学府黄落期 落合絹代 雨月 200403
黄落や真青なる空ありてこそ 小山尚子 雨月 200403
黄落や酌みて減らぬを酒友とす 松本鷹根 京鹿子 200403
黄落のバスの延着詫びことば 市橋香 ぐろっけ 200403
黄落の高原に座し瞑想す 小石秀子 酸漿 200406
放たれて矢は黄落の的の中 若泉真樹 瑠璃 200407
黄落の端へ農家の移築さる 若泉真樹 瑠璃 200407
銀杏黄落いま晩年の砂時計 橘澄男 山景 200408
黄落や念珠を持ちてよりの顔 柴田佐知子 200410
黄落の始まりてまた浅間噴く 村越化石 200411
黄落の墓石荒しに何言はむ 伊藤白潮 200412
風吹き上げて黄落の幹であり 今瀬剛一 対岸 200412
東京の雲の重たく黄落す 今瀬剛一 対岸 200412
黄落やテナーサックスのけ反りぬ 山尾玉藻 火星 200412
黄落や公衆電話硝子箱 森理和 あを 200412
黄落やささやきごとのなかにをり 森理和 あを 200412
黄落の真つ只中に厄除け受く 神蔵器 風土 200501
黄落やひとの華燭の宴果つ 小林和子 風土 200501
考へる人黄落の大樹背に 田中藤穂 あを 200501
黄落の見え仏塔の日を返す 上薗櫨夫 河鹿 200501
ひと雨に黄落葺きの東司なり 品川鈴子 六香 200501
一せいに信号変る黄落期 吉野知佳 帆船 200501
黄落やゴスペル響く礼拝堂 中里とも子 百鳥 200501
黄落やをさなき画家の椅子のこる 吉村一郎 百鳥 200501
本願寺東寺等しく黄落す 大橋敦子 雨月 200501
蹴上の名かなし黄落はやるのみ 大橋敦子 雨月 200501
標的は今黄落の一樹とす 豊田都峰 京鹿子 200501
黄落の止まぬ湖ゆく小舟かな 鈴木多枝子 あを 200502
黄落やあしたを語る影二つ 佐藤洋子 帆船 200502
夕べの日称へ黄落盛んなり 谷村祐治 雨月 200502
黄落の静けさにあり光堂 長野純顕 対岸 200502
菩提樹の黄落止まず愛染堂 山本耀子 火星 200502
黄落のキャンパス日だまり風だまり 佐々木幸 200502
黄落の一本づつを歩むなり 冨田正吉 200502
銀杏黄落レンガ倉庫の美術展 平田紀美子 風土 200502
榎大樹は江戸一里塚黄落す 林裕子 風土 200502
黄落や閉ざして久し日吉館 河合佳代子 栴檀 200502
黄落や巫女先頭の婚の列 岡野輝子 万象 200503
ぎんなん降り尽し深々黄落期 鎌田篤 雨月 200503
一陣の風またよかれ黄落期 有山紫於 雨月 200503
シスターの腕にシスター黄落す 高橋芳子 火星 200503
黄落やピエロの鳴らす手風琴 山本あかね 百鳥 200503
黄落や轍伝ひに海辺まで 鳴海清美 六花 200503
黄落の庭釜出しの干支の鶏 江崎成則 栴檀 200503
黄落と喝采浴びてドラム止む 野中啓子 200503
黄落の雨惜しみなく招魂碑 有島夛美 河鹿 200503
黄落の梢をさ迷ふ旦暮の陽 荻野千枝 京鹿子 200503
人のうしろ見ての果報や黄落季 北川孝子 京鹿子 200503
黄落のしきりに風の遊びおり 馬場三枝子 200503
一陣の風黄落となりにけり 竹村尚絋 200503
黄落やひらりひらりと我に舞う 佐藤利夫 200504
どの径を抜けても黄落の高麗郷 酒本八重 里着 200506
黄落や森にかすかな木々の息 清水ゆみ子 200510
黄落のはげしさ鶏舎に鶏は留守 能村研三 研三句集 200512
黄落をつらぬく音の矢を放つ 神蔵器 風土 200512
黄落やヘリコプターの着地点 人見靖子 対岸 200601
黄落の一樹の下に来て去りぬ 村越化石 200601
黄落や雨を貫く鳥の声 鷹羽狩行 200601
黄落や物乞ひの子の瞳澄む 大平勝子 栴檀 200601
黄落の母校や遠き安保の日 堀口希望 200601
黄落やともに果てたる風の嵩 豊田都峰 京鹿子 200601
美術館出で黄落の只中に 渡辺寿美子 酸漿 200601
黄落の壇香梅にはや蕾 中緒和子 酸漿 200601
黄落やゆつくり廻る風見鶏 青山悠 200601
黄落やキャリーバッグに麺麭載せて 杉本綾 200602
黄落や瑞垣の内堆し 岩下芳子 200602
空撮の黄落に我が事務所あり 大海いつ子 百鳥 200602
黄落や御所拝観の列につく 中谷信子 百鳥 200602
黄落や素焼き茶碗にあるぬくみ 篠藤千佳子 200602
京大の黄落の道まっすぐに 福盛悦子 雨月 200602
黄落の中立ち上がる墓碑ばかり 今瀬剛一 対岸 200602
長持も駕籠も黒塗黄落季 福井隆子 対岸 200602
黄落のそのひとひらのリーフ・パイ 宮津昭彦 200602
黄落につつまれ俳句文学館 宮津昭彦 200602
さざ波の志賀に黄落皇子の墓 鈴木愛子 ぐろっけ 200602
わが句集古本屋に在り黄落期 河合佳代子 栴檀 200602
黄落や子供ランチに星条旗 遠野萌 200602
黄落や枡形にバス行き詰まり 村上沙央 200603
黄落を突つ切る鵯の速さかな 大坪景章 万象 200603
黄落やきりんに千里を馳する夢 的池遙 百鳥 200603
お手植ゑの記念樹はいま黄落期 角直指 京鹿子 200603
本懐を遂げ黄落に墓眠る 河内桜人 京鹿子 200603
黄落に硝子戸洗ふ時国家 辻恵美子 栴檀 200604
バックミラーの中黄落の閉ぢてゆく 小嶋洋子 200611
黄落にお宮参りの赤子抱く 大西八洲雄 万象 200612
黄落に空軽くなる大銀杏 中村翠湖 馬醉木 200612
黄落す寝墓しづかに眠らせて 荒井千佐代 200612
軋みけり尼寺の木戸黄落期 定梶じょう あを 200612
黄落や手を挙げ合ひて行き過ぎる 前川明子 200701
日輪のなか黄落のいさぎよし 福盛悦子 雨月 200701
黄落の一葉拾ひて栞とす 伊藤セキ 酸漿 200701
黄落や河馬は水面に目を浮かべ 樋口みのぶ 200701
黄落→ 4      

 

2020年12月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。