蟋蟀 3(ちちろ)        63句 *

酔うてこほろぎと寝てゐたよ    種田山頭火

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書・その他
膝折れば浮腫かすかに夜のちちろ 岡本眸 200610  
長編を伏せてちちろに耳を貸す 宮入河童 200611  
音合せの如き細音の朝ちちろ 奥村鷹尾 京鹿子 200611  
降る前の山ちかづき来ちちろ虫 丸山照子 火星 200611  
寝支度に寄り添ふごとくちちろ鳴く 村越化石 200611  
徹宵の友やちちろと鉦叩 水原春郎 馬醉木 200611  
震災の更地手つかずちちろ鳴く 博多永楽 雨月 200611  
種蒔畑遠くでちちろの鳴くは良し 島崎勇作 酸漿 200611  
仕舞風呂はやちちろ虫すだきをり 渡辺寿美子 酸漿 200611  
積まれたる蛸壷みんなちちろ飼ふ 泉田秋硯 200612  
灯を消してこほろぎと夜を共にせむ 駒井のぶ 200612  
まどろみの中へ聞ゆる昼ちちろ 岡本敬子 万象 200612  
悼む文書けば鳴き出す夜のちちろ 藤岡紫水 京鹿子 200612  
蟋蟀のふと止む闇の北枕 丸井巴水 京鹿子 200612  
独り住む靴に蟋蟀入らしめて 鈴木榮子 春燈 200612  
蟋蟀の入り込みたる脳裡かな 高橋将夫 200612  
蟋蟀のころころ闇を丸くせり 犬塚芳子 200612  
蟋蟀の鳴くや夜空の高くあり 岩月優美子 200612  
からつぽの島の兵舎やちちろ鳴く 小阪喜美子 遠嶺 200612  
碑の低き分校跡にちちろ鳴く 今井忍 ぐろっけ 200612  
決め難き終の栖やちちろ鳴く 山本浪子 風土 200612  
寝そびれし夜半に鳴く音やちちろ虫 井上幸子 酸漿 200612  
画かれてこほろぎの四肢たしかなり 木村茂登子 あを 200612  
平凡に生くる齢やちちろ鳴く 道給一恵 遠嶺 200701  
蟋蟀のひそみて土間の俵機 今越みち子 万象 200701  
師在さぬ千里丘陵ちちろ鳴く 加藤北天 雨月 200701  
かたりべの稗田阿礼もちちろかな 山中志津子 京鹿子 200701  
痰を取る看取りの妻やちちろ鳴く 今井忍 ぐろっけ 200701  
こほろぎや家へ百歩の上り坂 関戸国子 酸漿 200701  
われになきこの蟋蟀の一途な眼 市場基巳 200702  
子規庵の冬のこほろぎ鳴いてみよ 岩淵彰 遠嶺 200702  
捨てきれぬものを焚きをりちちろ鳴く 内山けい子 200702  
こほろぎの声に囲まれ暮るる畑 関戸国子 酸漿 200705  
今生のいまを忘れてちちろ聴く 佐藤國夫 馬醉木 200706  
こほろぎの減りゆく聲の冴えにけり 瀧春一 200706  
拗ねたよに昼のちちろの声やまず 遠藤実 あを 200709  
蟋蟀や諭すつもりはなけれども 小林朱夏 200711  
昏れ際の通り雨すぎ初ちちろ 府川みよ子 200711  
蟋蟀売る回族の籠毬めけり 手嶋小夜子 200711  
籠の虫庭のちちろと鳴き合へり 中江恵子 200711  
研ぎ澄ます大脳皮質初ちちろ 天野きく江 200711  
ちちろ鳴く赤膚焼の窯の闇 近藤きくえ 200711  
熟すまで言葉寝かせてちちろの夜 北川英子 200711  
ちちろの夜つくづく夫の無精髭 千田百里 200711  
愛に渇きこほろぎひとつ土間に鳴く 渡邉友七 あを 200711  
草一本なき厨裏ちちろ鳴く 五十嵐光郎 200712  
こほろぎの一声のこるあしたかな 四條進 200712  
ちちろ鳴く庭に落とせり独り言 中村悦子 200712  
しみじみと蟋蟀を聴く湯船かな 平照子 酸漿 200712  
留守らしき楽器工房ちちろ鳴く 菊池由惠 酸漿 200712  
暗闇の足許ちちろ跳び立てり 池崎るり子 六花 200712  
蟋蟀の声に聴きゐる夕べかな 筒井八重子 六花 200712  
雨つぶは光の粒や朝ちちろ 若槻妙子 200712  
よきこゑのこほろぎのこと文結ぶ 亀ヶ谷照子 遠嶺 200801  
うちそとを結ぶ夜なりちちろ虫 浜田はるみ 遠嶺 200801  
庭闇のちちろの声に眠りけり 木野本加寿江 火星 200801  
蟋蟀に呼び止められて独り旅 森津三郎 京鹿子 200801  
唐門は勝者の悔悟ちちろ虫 丸井巴水 京鹿子 200801  
昼ちちろ戸籍いちまい消しにゆく 村田冨美子 京鹿子 200801  
晩学の鉛筆削る夜のちちろ 山田正子 200801  
ちちろ鳴く灯ともし頃といふ刻の 野路斉子 200801  
うかららのけふ川の字に夜のちちろ 飯塚ゑ子 火星 200802  
湯加減はいかがですかとちちろ虫 府川房江 母の空 200808  

08/09/13 制作

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