4   100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初氷思ひのほかの厚さかな 中村月代 末黒野 201204
氷輪を仰ぐや毒気抜かれたる 瀬川公馨 201204
滑り台ジャンプ台皆青氷 赤座典子 あを 201204
鉈漬の氷もろとも盛られけり 中田のぶ子 ろんど 201204
生きるとはときどき喜劇浮氷 水野恒彦 201204
月光一滴飛鳥の石を氷らせる 菅野雅生 ろんど 201204
湖面つひに感きはまつて結氷す 秋葉雅治 201204
登校の子らの踏みゆく初氷 小泉欣也 ろんど 201204
荒草に荒草の刻氷張る 熊谷ふみを ろんど 201204
初氷踏み確めつ通学児 古林田鶴子 ぐろっけ 201205
光りつつ日日遠ざかる浮氷 藤岡紫水 京鹿子 201205
黒砂にまみれる氷塊北の浜 丸山酔宵子 かさね 201207
亀の池パズルの如く氷浮き 前田恵美子 青鷹 201210
人間に壊すよろこび氷踏む 林昭太郎 あまねく 201210
真二つに割れ大甕の厚氷 江見悦子 万象 201212
鉢物を急かすがごとく初氷 仁平則子 201301
漂うて日のかけらなる浮氷 布川直幸 201301
さうめんに残る氷や夜の雨 高橋均 やぶれ傘 201301
彷徨へる三角池の氷かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
つくばひの木の葉絡めて初氷 松本周二 かさね 201302
初氷父の形見の鑿鉋 荒木甫 201303
融けかかりゐたりしがまた氷りゐる 根橋宏次 やぶれ傘 201303
余生とは爪先立てる初氷 佐藤淑子 201303
初氷足下の朝静かなり 長崎桂子 あを 201303
谷空に昨夜のけはひや初氷 蘭定かず子 火星 201303
枯蓮の骨が貫く厚氷 高橋将夫 201303
登校の子らの見っけし初氷 城戸緑 末黒野 201303
氷結の精進湖釣りの小舟出づ 中山良子 末黒野 201304
氷割り清めの水を使ひたる 中田禎子 201304
自転車のサドルに氷つめたいな 森下千聖 201304
小波の形のままの厚氷 山本無蓋 201304
久女忌の氷る湖面に真向かへり 神田恵琳 春燈 201304
一筋の草で繋がる浮氷 宇都宮敦子 201305
新婚の朝餉の仕度初氷 藤田宣子 ぐろっけ 201305
ひと踏みに微塵と砕け初氷 布川直幸 201311
初氷踏みし早出の苦にならぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201312
枯葡萄棚に氷らぬ水奔り 瀧春一 花石榴 201312
初氷とは壊されるために張る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
草の葉をたよりに氷るにはたづみ 布川直幸 201312
少女らの声の響きや初氷 横山さくら 春燈 201401
初氷さぞ蹼の忙しかろ 甲州千草 201402
初氷遠くの音が聞こえる日 水野恒彦 201402
たたまるる水の囁き初氷 工藤ミネ子 風土 201402
橋桁に曳き止めらるる浮き氷 山本無蓋 201402
海国の朝日が溶けて初氷 遠藤真砂明 201403
初氷透かし見る空よく晴れて 岩木眞澄 ぐろっけ 201403
結氷といふことバケツの水にも 仁平則子 201403
行きがけに出すごみ袋初氷 塩田博久 風土 201403
初売の声跳ね返す氷かな 浜口高子 火星 201404
魚狙ふ鵜の姿なし初氷 難波篤直 201404
犬連れの歩巾に余る初氷 中貞子 201404
猪撃ちの髭の氷つてをりにけり 南うみを 風土 201404
日をのせて岸離れゆく浮氷 水野恒彦 201406
氷晶の身の振り方を雪といふ 鳥居美智子 ろんど 201406
蓮氷縫ひて小舟の出で行けり 中鉢弘一 万象 201406
氷結の眼へ来る星は瑞々し 堀内一郎 堀内一郎集 201412
氷の上ペンギン気分ですべったよ 松久奈桜 201501
粛々と写経の古寺や初氷 松田和子 201502
白鳩や源平池の初氷 荒井慈 春燈 201502
鯉飼はれ氷らぬ水の寒からむ 山田六甲 六花 201503
バス停に朝の顔ぶれ初氷 塩田博久 風土 201503
氷上へ星落つる音ひびぎけり 有松洋子 201503
濁り皆除かれけさの初氷 有松洋子 201503
氷海や南下の雲のゾウリムシ 庄司久美子 201503
ひとり踏み皆が踏みゆく初氷 森藤千鶴 馬醉木 201503
初氷して初雪の日となりし 山口素基 万象 201503
盛塩の氷りつきたる行者滝 金森教子 雨月 201503
大空へかざす輝き初氷 小林文良 春燈 201503
初氷朝日を乗せて輝けり 愼野あさ子 風土 201504
氷片をあたためてゐる冬の水 熊川暁子 201504
月氷る 魑魄 すだま も眠る時なちむ 水野恒彦 201504
氷上に光る小悪魔とび跳ねて 後藤マツエ 201505
厚氷透けて水草のみどりかな 沢辺たけし 万象 201505
昼過ぎの魚はこぞりて氷の上へ 大崎紀夫 やぶれ傘 201505
小突きてもびくとも揺れぬ初氷 大橋晄 雨月 201505
シヨパンかな茶房に氷のとける音 塩見かず子 京鹿子 201506
氷張る池の緋鯉を開ぢ込めて 久保東海司 風鈴 201512
氷張る池の緋鯉を開ぢ込めて 久保東海司 風鈴 201512
水音の絶えてをりたる初氷 稲畑汀子 ホトトギス 201512
この庭の消息として初氷 稲畑汀子 ホトトギス 201512
山水の飛び出せるまま氷りたる 山田六甲 六花 201602
初氷しばらく過去は封じをり 時澤藍 201603
初氷ポストに本の届く音 中嶋陽子 風土 201603
金バッジつける一団初氷 辻水音 201603
金閣の影閉ぢ込めし厚氷 石田厚子 馬醉木 201604
畳み皺ほどの筋透く初氷 梅村すみを 201604
古傷のうづいてゐたる初氷 萩原久代 やぶれ傘 201604
氷彫の龍虎の融けて相打ちに 松本文一郎 六花 201604
ネバ川の氷らんとしてさざめける 田中佐知子 風土 201604
「白鳥の湖」落葉氷りゐて 田中佐知子 風土 201604
鐘氷る秘仏は固き扉を閉ぢて 雨宮桂子 風土 201604
田に氷張らせるリンク明日の真央 甕秀麿 201604
紺の水脈沖へまつすぐ砕氷船 榎美幸 万象 201605
氷割るスクリュー海を揺るがせり 榎美幸 万象 201605
海草を籠めし氷片渚まで 榎美幸 万象 201605
結氷の池の縁生む余白かな 森清堯 末黒野 201605
身の幅の足湯を固め氷(すが)落し 押田裕見子 201606
水浅き方より氷張りにけり 石橋幾代 201606
男手のあるも頼らず氷割る 押田裕見子 201607
正夢と覚しきデジヤビユ初氷 鈴鹿呂仁 京鹿子 201701
空堀川水ある処初氷 須賀敏子 あを 201702
乗鞍の尖峰晴るる初氷 布施政子 馬醉木 201702
初氷張ると日記に今日終る 田中藤穂 あを 201702
湖氷る風の道筋ありありと 菊川俊朗 201703
朝刊をポストに取りに初氷 森美佐子 やぶれ傘 201703
舟仕舞ふ波打ち際の初氷 濱谷和代 万象 201703
沢庵の芯の氷が口中に 大内和憲 万象 201703
汲み置しバケツに氷丸く解け 山本久枝 やぶれ傘 201703
氷張る西空大き星を上げ 田中藤穂 あを 201703
美しき氷の城は入れない 高橋将夫 201704
初氷固有名詞が喉の奥 木戸渥子 京鹿子 201704
始発駅氷の光るバスの窓 中村弘 末黒野 201705
鏡にはなれぬ氷の解けにけり 近藤喜子 201705
銀河系宇宙に我も浮氷 近藤喜子 201705
踏みつけし後のさびしさ初氷 西村白杼 京鹿子 201801
海峡の風ざらつきぬ初氷 佐藤哲 万象 201803
水底の草いきいきと初氷 笹村政子 六花 201803
田の氷ペットボトルの腰を抱き 南うみを 風土 201803
深爪の痛みや庭の初氷 柴崎和男 やぶれ傘 201804
水桶に初氷見る朝まだき 亀岡睦子 やぶれ傘 201804
心字池昼の氷に鎮もれり 平沢恵子 春燈 201804
藁一本立つ氷田の無音かな 石川幸子 馬醉木 201804
氷→5

 

2020年12月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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