2   97句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初氷踏めば通学路の騒き 稲畑廣太郎 ホトトギス 200412
たてがみの檻の前なる初氷 遠野萌 200501
結氷の野にゐて何処となき水音 坪井洋子 200501
工事場の太き轍や初氷 若林杜紀子 百鳥 200502
氷上の軌跡辿ればよい知らせ 瀬下るか 200503
靴跡に汚されてゐる氷かな 高倉和子 200503
心臓のかたちの氷裏返す 齋藤厚子 200503
初氷をさな心につまみあぐ 早崎泰江 あを 200503
恋の息かけてとけたり初氷 片山タケ子 200503
一斗釜据ゑ影氷る峠口 林裕子 風土 200503
山脈やまだつながらぬ初氷 目黒慧 遠嶺 200503
蹲踞に木の葉の刺さる初氷 荒木武太郎 対岸 200503
初氷鴉一羽の嗄れ声 半谷弘子 遠嶺 200503
水割りの氷ゆさぶる夜の霧 山元志津香 八千草 200503
子祭や氷つてゐたる甕の水 石脇みはる 200504
浮氷深江に生まる三方五湖 福井久生 200504
閼伽桶に張りし氷を突きをり 岩月優美子 200504
初氷をさはつてをりぬ爪の先 近藤紀子 200504
唇に当つる氷の熱きかな 近藤紀子 200504
友の死やばりばりと踏む田の氷 門脇なづな 対岸 200504
船裂くる音立て軋み湖氷る 太田絵津子 200505
氷上に立ちぬ天女に身を変えて ことり 六花 200505
氷像の鷲の翼のよなぼこり 滝村みさ子 200505
歩く道氷湖の上と続きけり 徳永キヨ 築港 200505
解氷期ごろと踏みたる鬼胡桃 藤田輝枝 対岸 200505
叱られて強く踏み割る厚氷 長石彰 築港 200505
結晶の華ちりばめて初氷 山口速 200505
釣の小屋氷湖の上に数多立つ 徳永キヨ 築港 200505
池の杭よじ上るよに初氷 中野英歩 八千草 200506
先棒の口へ氷を入れてやる 篠田純子 あを 200509
採氷池さざなみはしり鮠あそぶ 瀧春一 菜園 200509
採氷池菖蒲の新葉(にひは)いろどりぬ 瀧春一 菜園 200509
かぜ晴れて氷雪の香をはこびくる 瀧春一 菜園 200509
トロツコと氷るばかりの池がある 瀧春一 菜園 200509
牛小屋のバケツの中の初氷 田口武 さうぢやなくても 200512
氷の貢かしこみ享くる身の糧と 本城布沙女 雨月 200601
神ながら献上氷拝し享く 本城布沙女 雨月 200601
献氷の透くやいにしへ杳けく見 本城布沙女 雨月 200601
駅伝や氷れる雨の奥へ奥へ 神蔵器 風土 200602
山頂に遭難の像瀧氷る 大西八洲雄 万象 200602
思ひ出にすこし罅入る初氷 柴田雪路 200602
初氷割つて砥石を浸しけり 松崎雨休 風土 200602
牛小屋のバケツの中の初氷 田口武 さうぢやなくても 200602
雲間より神のひかりか初氷 奥村邦子 200603
鳥獣戯画泡閉じ込め氷張る 奥村邦子 200603
虚空よりひかり集まり氷張る 奥村邦子 200603
初氷鳥獣戯画とジョツトの絵 岩月優美子 200603
曼陀羅の織り込んである氷かな 岡崎喜子 200603
溜池の半分だけの初氷 木野本加寿江 火星 200603
初氷めだかの安否たしかめり 早崎泰江 あを 200603
初氷路傍の石に声生まれ 奥村邦子 200603
小生瀬(こなませ)の涙の音の瀧氷る 松崎鉄之介 200603
借受人の白き標識瀧氷る 松崎鉄之介 200603
山影は氷の段差冬木の芽 山中明子 対岸 200603
鱈を売る土間の半分氷りけり 高倉和子 200603
地下足袋の庭師が揺る初氷 大塚民枝 酸漿 200603
池氷る木の葉筏を閉ぢ込めて 渡邉英子 馬醉木 200603
ゆりかもめ乗りし氷の動きけり 岡崎桂子 対岸 200604
砕氷船榊供ふる舵の上 小野千枝子 万象 200604
氷らむと草のあはひの水音かな 大島翠木 200604
氷上の妖精の舞酔ひしれぬ 森山のりこ あを 200604
鴨歩む晴れつくしたる氷の上 内山芳子 雨月 200604
石投げて石は氷湖に撥ね返る 清原彰子 河鹿 200604
雪上車氷湖へ描く幾何模様 笹原紀世子 200604
うねりつつ蓮葉氷の浮かぶ海 小野千枝子 万象 200604
氷壁を細々水の流れをり 小浦遊月 酸漿 200604
氷上に立つや天女に身を変へて ことり 六花 200605
浮氷かざせば空の青さ透く 泉田秋硯 200605
弥次郎兵衛となりて氷雪原野ゆく 中尾則子 四葩 200605
北限の湖を切り採る砕氷夫 本城布沙女 雨月 200605
厚氷割られし猿の水飲場 大平勝子 栴檀 200605
厚氷天井にして鯉沈む 長島操 万象 200605
睡りひろがる氷上通る風厚し 八田木枯 晩紅 200606
山湖なほ氷らず二日穏(おだ)しく暮れ 瀧春一 常念 200606
氷雪をめぐりて風の尾がかちあふ 八田木枯 晩紅 200606
氷張ることと母恋ふこととめぐる 八田木枯 晩紅 200606
歯にあてし菜漬の氷なつかしく 瀧春一 常念 200606
吾が声に埋もることなく野の氷 八田木枯 晩紅 200606
物干竿の氷滴かたし四日かな 平野きぬ子 八千草 200607
雪氷る東京の朝おづ怖づと 山元志津香 八千草 200607
塩竃や氷下に人の眠りをり 小澤克己 塩竃 200608
氷る月光絹靴下の少女老ゆ 八田木枯 晩紅 200609
氷投げしひびきの厚さ死が引き立つ 八田木枯 晩紅 200609
もの書くに軈て氷(ひ)を挽く音のして 水野恒彦 200611
氷原の端秋雲へつづきけり 山本耀子 火星 200611
初氷馳走となりて皿の上 東亜未 あを 200701
日を返し日に消えゆきし初氷 山田天 雨月 200702
神木の落葉とぢこめ初氷 世古幸久 200702
錫杖で割る御手洗の厚氷 齋部千里 ぐろっけ 200703
酒蔵に住む魂ありぬ初氷 大川ゆかり 200703
水とまだしつくりゆかず初氷 久染康子 200703
胸ふかく差入れて鴨氷割る 小山梧雨 200703
見つけては少女のやうに踏む氷 坂本知子 酸漿 200703
長命水氷の裏に水奏で 門伝史会 風土 200703
寂しくて輝きたくて滝氷る 近藤喜子 200704
揚舟の艪臍の氷る羅臼港 田中久仁子 万象 200704
白熊の氷を探す日和かな 久永淳子 春燈 200704
氷→ 3      

 

2021年12月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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