木の実 7   118句

墓地へ行くだけのの道なり木の実降る    阿部寒林

作品
作者
掲載誌
掲載年月
木の実独楽大きく反転くり返す 樋口英子 200101
構造式のやうに連なる木の実かな 座古稔子 200101
コンクリから木の実蹴り出す偽善かな 常田創 200911
木の実落つ音にハイヒールの止まる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911
九九唱ふ二年一組木の実降る 熊谷尚 200911
神苑にグランドゴルフ木の実降る 三浦澄江 はらから 200911
けぶりつつ木の実の爆ぜる焚火かな 山田六甲 六花 200911
神在す柞の森の木の実雨 松本周一 200911
継橋にいま水音なく木の実降る 村上光子 馬醉木 200912
木の実雨静かなるもの苔に落つ 常田創 200912
木の実独楽まはりて闇を深めけり 小澤克己 遠嶺 200912
木の実降る羅漢も地蔵も石頭 鈴木鳳来 春燈 200912
親鸞の説法石に木の実落つ 山田春生 万象 200912
やり直したきこと数多木の実落つ 近藤倫子 ぐろっけ 200912
奥入瀬の阿修羅の流れ木の実落つ 佐田昭子 ぐろっけ 200912
裏山は木の実しぐれや葛の槽 山尾玉藻 火星 200912
公園の磴に木の実の並べあり 伊藤克子 酸漿 200912
並べては数へては子の木の実かな 吉成美代子 あを 200912
音立てて幻の世へ木の実落つ 渡邉友七 あを 200912
よくしゃべる媼の姉妹木の実酒 和田森早苗 201001
木の実独楽にも廻り澄むことのあり 稲岡長 ホトトギス 201001
金毘羅の門に音あり木の実降る 中島陽華 201001
人間じんかんは何のメタフアー木の実落つ 西村純太 201001
今日は過去日記閉づれば木の実降る 深川敏子 春燈 201001
掌より掌へ木の実渡せばこぼれけり 天谷翔子 火星 201001
立たされて木の実両手に二年生 鈴木とおる 風土 201001
木の実降る村社に巨き慰霊塔 直井たつろ 風土 201001
神官の木沓に跳ねてゆく木の実 柴田良二 雨月 201001
太閤の城の木の実と拾ひけり 椋本一子 雨月 201001
蓮如の世偲ぶ土塁の木の実踏み 久保田雪枝 雨月 201001
観音へ燈瞼しくて木の実落つ 中原敏雄 雨月 201001
雨情碑を見つつ木の実に打たれけり 小山漂葉 酸漿 201001
木の実降る山を愛せし夫の墓 永岡セツ 酸漿 201001
惜みなく木の実の落つる踏み歩く 鈴木多枝子 あを 201001
木の実落ち生きもののごと固まりぬ 田部井幸枝 201001
とりどりの木の実をふみつ里の山 山田和夫 201001
瑞垣の点字の碑にも木の実落つ 小阪律子 ぐろっけ 201001
沼風はさざなみとなり臭木の実 天野美登里 やぶれ傘 201001
木の実落つ独りぼつちの滑り台 小林朱夏 201002
木の実降る雑木林は秘密基地 伊東和子 201002
俳磚の千基を指呼に木の実植う 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
木の実植う文学館の未来へと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
天水の菊の御紋や木の実落つ 菅野日出子 末黒野 201002
小さき音空にかへして木の実落つ 大川暉美 末黒野 201002
思ひ出し笑ひのやうに碑に木の実 森さち子 201002
申年の二男が降らす木の実かな 金井香ル 201002
わびさびは猫の名前や木の実降る 宮崎裕子 春燈 201002
弘法の占りし絵伝や木の実落つ 河瀬俊彦 遠嶺 201002
木の実並べ黄泉教へをる奪衣婆 延広禎一 201002
木の実降る転校生の来る日なり 橋本順子 201002
しばらくは歩く鴉と木の実踏む 前田貴美子 万象 201002
おもかげの孤舟の岸辺木の実落つ 船橋とし 201002
語部が息を抜くとき木の実落つ 山田美恵子 火星 201002
河馬の子は乳足りてゐて木の実降る 緒方佳子 火星 201002
ピンヒールの跡続く径木の実落つ 近藤倫子 ぐろっけ 201002
島の子の課外授業に木の実降る 柴田志津子 201002
幼より爺の夢中や木の実独楽 宮野照子 馬醉木 201003
目が拾ひ指が拾ひし木の実かな 湖東紀子 ホトトギス 201003
木の実落つ音心頭をころがれる 竹下陶子 ホトトギス 201003
淋しさや木の実しぐれを出でてより 根本公子 末黒野 201003
末社並ぶ雨の木の実を厚く敷き 柴田佐知子 201003
日の中に赤き木の実や青畝の忌 廣畑忠明 火星 201003
寄り行きて歌碑読む肩を木の実打つ 阿部悦子 酸漿 201004
木の実植う一つは君の未来へと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006
白き杖木の実の音に足を止め 中島玉五郎 201010
木の実飛ぶ秋葉上社は風を呼び 平賀扶人 馬醉木 201011
木の実落つ墓所の広さを響かせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
木の実踏み潰しバックをして駐車 林直入 ホトトギス 201011
鞭打つがごとく木の実が肩を打つ 鷹羽狩行 201011
裏山の木の実に人語豊かなり 水原春郎 馬醉木 201012
段違へ墓に序列や木の実降る 大谷昌子 馬醉木 201012
一等地拾ふ木の実にある微熱 甲州千草 201012
木の実降る音彼方の森深く 雨村敏子 201012
櫨木の実貸めがねにはビラ付いて 松本桂子 201012
木の実降る縄文人の起き伏しに 川崎真樹子 春燈 201012
子狸の山に放たれ臭木の実 浜福惠 風土 201012
木の実落つ階千段の久能山 雲所誠子 風土 201012
石燈籠こつと打ちたる木の実かな 上原重一 201012
げんまんの小指からめて木の実降る 柳生千枝子 火星 201012
鷗外の門とぞ木の実踏みて訪ふ 室伏みどり 雨月 201012
木の実隊コロコロコロコロトテチテター 貝森光洋 六花 201012
大丈夫よと笑まふ観音木の実落つ 篠田純子 あを 201012
湯の宿の夜どほし木の実時雨かな 松岡和子 201101
木の実降る動物園のしじまかな 今井弘雄 春燈 201101
あてもなく転がる木の実無縁坂 矢口笑子 春燈 201101
木の実降り心弱きを叱咤せり 泉田秋硯 201101
吟行の袋たたけば木の実出づ 岩下芳子 201101
木の実降る音の混りて骨董市 宇都宮敦子 201101
木の実しかと握り幼なの手の湿り 柳生千枝子 火星 201101
抛りをくベッドの下の木の実独楽 飯塚ゑ子 火星 201101
持ち帰り自由文学館前の木の実 甲州千草 201101
どこよりか熊の現れさう木の実降る 大石よし子 雨月 201101
遠州の作りし庭に降る木の実 下平しづ子 雨月 201101
抜け道や木の実車に乗るまじく 上田明子 雨月 201101
よく廻ると褒められ木の実独楽澄める 上田明子 雨月 201101
木の実独楽少年の日の廻り出す 川崎良平 雨月 201101
石ひとつ置きたる墓や木の実落つ 廣瀬雅男 やぶれ傘 201101
ベランダに見知らぬ木の実二つ三つ 森山のりこ あを 201101
人声の山へ消えけり木の実落つ 白石正躬 やぶれ傘 201101
水神社の祠小さく木の実落つ 國保八江 やぶれ傘 201101
拾ひきし木の実に糸を通しけり 久世孝雄 やぶれ傘 201101
勾配にくばりて木の実坂となる 湯川雅 ホトトギス 201102
子供らに拾はれたくて木の実落つ 村上絢子 馬醉木 201102
木の実いろいろかくもかがやく命かな 上山永晃 春燈 201102
水琴窟永久に正調木の実降る 山中宏子 201102
不法駐車にわらわら木の実礫かな 今井淨子 201102
木の実降る皇女降嫁の石畳 直井たつろ 風土 201102
夫逝きしあとの年月木の実降る 大木清美子 201102
木の実落つ闇の深さを測るごと 久保東海司 201102
木の実拾ふ子等先生の視野の中 和田崎増美 雨月 201102
木の実降る吾妻渓谷遊歩道 吉田きみえ 末黒野 201102
出鱈目の数言ふ孫や木の実落つ 小田嶋野笛 末黒野 201102
ひよ鳥が楤木の実競い啄ばめる 武智恭子 ぐろっけ 201102
林道の木の実のぬくみ拾ひけり 小川玉泉 末黒野 201103
木の実拾ふポケツトのない服を着て 井尻妙子 京鹿子 201103
先々に赤き木の実の山路かな 渡辺玄子 酸漿 201103
吹き晴るる山城跡や木の実降る 中野久雄 末黒野 201104
どの木の実いづれの樹よりとて見上げ 細野恵久 ぐろっけ 201110

木の実→8

     

 

2021年10月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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