木の実 4          100句

つくるよりはや愛憎や木の実独楽   橋本多佳子   紅絲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
底抜けの防火バケツや木の実降る 菅原末野 風土 200402
「童謡の小径」へ抜けて木の実降る 仙田孝子 風土 200402
木の実踏むぐらつと空を掴みけり 手嶋節子 200402
御祓の車に木の実落ちにけり 小儀洋子 百鳥 200402
木の実踏みのぼる高磴將の像 角直指 京鹿子 200402
八幡は源氏の守護神木の実降る 高木智 京鹿子 200402
木の実踏む足裏でんぐり返るなり 高木智 京鹿子 200402
木の実拾ふ柔らかきあり硬きあり 高木智 京鹿子 200402
はてしなく遠く行くため木の実手に 沼田巴字 京鹿子 200402
どんな木の実握つて吾は生まれしや 栗原道子 京鹿子 200402
山林に楽あり木の実降りはづみ 田中藤穂 あを 200402
あをによし奈良の仏に木の実ふる 石原光徳 酸漿 200402
温かき落葉の中の木の実かな 沖増修治 百鳥 200403
教室の隅にころがり木の実独楽 猪俣洋子 200403
けんけんぱ遊ぶ子等なく木の実降る 鈴木多枝子 あを 200403
木の実落つわが体温の山くぼに 豊田都峰 京鹿子 200403
島に立てば足裏に堅き木の実かな 松井洋子 ぐろっけ 200403
かうしてはをれぬと木の実降り出しぬ 中島たまな 200403
足裏に触るる木の実や行者道 橘沙希 月の雫 200404
鈴鳴らす熊笹の径木の実降る 橘澄男 山景 200408
木の実落つ音をうしろに世代閣 小野寺節子 風土 200409
朝涼や青き木の実を折りて来し 里中章子 200410
邂逅の句碑の歳月木の実降る 稲畑汀子 ホトトギス 200411
車椅子押しつつ木の実拾ひくれ 村越化石 200411
木の実降る外語学校二次募集 遠藤米 帆船 200411
木の実落つ蓮如の道に樵る音 竪ヤエ子 雲の峰 200411
木の実独楽猫に回して登校す 中川晴美 雲の峰 200411
手話の子の明眸皓歯木の実降る 浅川正 雲の峰 200411
僧兵の力石とや木の実落つ 浅川正 雲の峰 200411
山寺の猿の谿の木の実落つ 下平しづ子 雨月 200411
憩ひたる石榻に木の実不意なりし 淵脇護 河鹿 200412
木の実季栗鼠跳梁の庭となり伊豆山荘 水原春郎 馬醉木 200412
木の実降るどれもこけしは下り眉 野坂民子 馬醉木 200412
丸橋忠彌の墓の木の実のなに探る 鈴木榮子 春燈 200412
地に落ちて地のぬくもりの木の実かな 太田佳代子 春燈 200412
恋の日のベンチに今日も木の実降る 平野加代子 春燈 200412
寝て覚めて夜のつづきに木の実降る 中山純子 万象 200412
崩落の岩をつかむ根木の実降る 内山花葉 200412
ポケットに瓶の蓋やら木の実やら 新井佐知子 遠嶺 200412
木の実降る長き祈りの巨漢かな 高村洋子 遠嶺 200412
浅間嶺の裾野の木の実降りにけり 鈴木五鈴 草の花 200412
少林寺拳法道場木の実降る 鈴木智子 草の花 200412
木の実にも正常異常に落つる音 丸山佳子 京鹿子 200412
木の実とぶ木曾のねずこの日和下駄 山路紀子 風土 200412
木の実落ち新たな命始まれり 高橋としを 酸漿 200412
木の実雨起居に声無く音の無く 須佐薫子 帆船 200412
鳴龍の見開く眼木の実落つ 渡辺美代 対岸 200412
占へる木の実につやの生れにけり 戸栗末廣 火星 200412
木の実降る錠前しかと神輿蔵 辻井桂子 春耕 200412
木の実ふる宿の出迎へ暖かく 芝宮須磨子 あを 200412
木の実降る三角定規使ひしころ 高倉和子 200412
木の実降る白鳳仏を玻璃囲ひ 神蔵器 風土 200501
子規庵に「はて知らずの記」木の実落つ 井口ふみ緒 風土 200501
丈高き回転木馬木の実落つ 山本浪子 風土 200501
二つ三つ木の実の落ちてそれつきり 林裕子 風土 200501
御廟への坂のぬかるみ木の実落つ 二瓶洋子 六花 200501
樹の洞に溜まる木の実も生地かな 遠野萌 200501
木の実落つ呼吸を止めるシンデレラ 瀬下るか 200501
少年に父のおもひで木の実降る 星井千恵子 遠嶺 200501
木の実降るリスくるくると寺の苑 古川洋三 遠嶺 200501
おほかたは垂れ目の羅漢木の実降る 仲尾弥栄子 雲の峰 200501
抽斗の旅に拾ひし木の実かな 高橋瑛子 河鹿 200501
木の実落つ奥宮かげの隠士墓 九万田一海 河鹿 200501
全身にかすり傷あり木の実独楽 坂口美代子 河鹿 200501
木の実独楽いま鉢合せせしところ 近藤きくえ 200501
怖ろしき闇あるばかり木の実降る 泉田秋硯 200501
木の実拾ふ背にまた木の実受けながら 柴野靜 200501
木の実落つる音に目覚めしログハウス 山口順子 200501
祠打つ音のいろいろ木の実雨 長沼冨久子 馬醉木 200501
二夜経て机上の木の実袴脱ぐ 庄中健吉 200501
木の実落つかさとも鳴らず死亡記事 星加克己 ぐろっけ 200501
戦争もテロも知らぬ子木の実独楽 影島智子 200501
木菟工作木の実を目とす森の家 恩田甲 200501
ニユートンの万有引力木の実降る 中坂和子 帆船 200501
手品師のまづは右手の木の実かな 杉浦典子 火星 200501
木の実降る個展に足を止めにけり 堀木基之 百鳥 200501
木の実独楽廻す手加減なるものを 久保晴子 雨月 200501
木の実踏む靴炸裂のひびきあり 丸井巴水 京鹿子 200501
木の実独楽作るのが好き木の実選る 塩川雄三 築港 200501
木の実掌にまつすぐ行けば海ある筈 櫻井多恵 200501
音に出て笛のよろこぶ木の実笛 鷹羽狩行 200502
庇より跳ねたる冬の木の実かな 東福寺碧水 万象 200502
二三度は回つて倒れ木の実独楽 木下野生 200502
廃帝の菩提寺址や木の実降る 杉山瑞恵 雨月 200502
木の実独楽エノケン映画久々に 津田霧笛 ぐろっけ 200502
正倉院木の実時雨のただ中に 河合佳代子 栴檀 200502
帰りたくなき分拾ふ木の実かな 土岐明子 遠嶺 200502
木の実降る旧道虫歯地蔵あり 石山惠子 遠嶺 200502
てのひらに冬の木の実の赤すぎる 戸栗末廣 火星 200503
猫神の丸き背な打ち木の実落つ 石榑正徳 栴檀 200503
木の実降る給食室に食器音 高橋さえ子 200503
国栖の里崖の社へ木の実踏む 山口耕堂 万象 200504
回はらずにガタゴト走る木の実独楽 三浦如水 ぐろっけ 200505
木の実植う続きのありし童歌 大曽根育代 遠嶺 200506
木の実植ゑ死後のことには触れずおく 大串章 百鳥 200506
木の実落つ音にも虚子を偲ぶ園 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
かすみ網かすみて紅き木の實照る 瀧春一 菜園 200509
たちまちに木の実時雨を誘ふ風 稲畑汀子 ホトトギス 200510
木の実踏み外せし怪我と聞きてより 稲畑汀子 ホトトギス 200510
神の鶏木の実しぐれを駈けにけり 山尾玉藻 火星 200510
木の実 5→      

2021年10月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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