木の実 3          100句

香取より鹿島はさびし木の実落つ   山口青邨   雑草園

作品
作者
掲載誌
掲載年月
てのひらに三日の艶の木の実かな 外川玲子 風土 200212
木の実降るこれが地球のまはる音 丸山佳子 京鹿子 200212
木の実降る大樹の動悸風おこす 鈴鹿仁 京鹿子 200212
大鳥居小鳥居木の実降りつづく 朝妻力 雲の峰 200212
木の実降る音聞いてをり一人なり 當麻幸子 雲の峰 200212
夜の樹海想ふ木の実を掌にしかと 羽根嘉津 200212
木の実落つ樹海の厚き苔褥 藤原照子 200212
保線夫の昼餉の円座木の実落つ 錯木恭子 200212
木の実落ち石に温みの座りぐせ 加藤はま子 200212
木の実拾ひ童心未だ捨てまじく 久保田雪枝 雨月 200212
時折に木の実降りくるカフェテラス 神原操 雨月 200212
赤芽樫大きく揺れて木の実降り 河合笑子 あを 200212
この風も沙汰のひとつよ木の実降る 大場佳子 銀化 200212
木の実落ちゐる一つひとつの時間かな 高田令子 200301
裏山は満身創痍木の実落つ 木村みかん 200301
手力男命の飛礫の中の木の実かな 小林共代 風土 200301
弾む子にはづんで見せる木の実独楽 柴田久子 風土 200301
駅頭に木の実の見本並べられ 柿沼盟子 風土 200301
木の実降る音夜へつなぐ峡日和 本郷桂子 円虹 200301
木の実独楽見知らぬ人と回しけり 中村美沙 百鳥 200301
忘恩に過ぐ歳月や木の実降る 松林順子 雨月 200301
一揆の山木の実ころころ坂ころげ 堀田清江 雨月 200301
木の実落つ猿ゐるかと思ふほど 萩谷幸子 雨月 200301
いづこから飛びきし木の実波の上 加藤みき 200301
怒りとは悲しみのこと木の実降る 渡部義雄 200301
木の実落つ即ち生命のはじめとも 船越美喜 京鹿子 200302
封切りのやうに木の実がさわぎだす 柴田朱美 京鹿子 200302
貝殻は海の木になる木の実とも 直江裕子 京鹿子 200302
生きるべし音はずませて木の実落つ 城石美津子 京鹿子 200302
木の実道明日の糧の力得て 府川房江 遠嶺 200302
木の実踏む露伴も住みし谷中かな 長志げを 遠嶺 200302
木の実独楽はづみつかれてしまひけり 鈴木ゆき子 風土 200302
それぞれの重みに木の実落ちにけり 土屋酔月 火星 200302
児が唄ひをり鍵盤に木の実並べ 田中美智代 200302
目を凝らし僧は木の実を数へてる 矢野千佳子 京鹿子 200302
斎宮の杜の木の実の何と大 竹内喜代子 雨月 200302
弟恋の歌碑に木の実の降りにふる 竹内喜代子 雨月 200302
一村の水源の森木の実どき 松原ふみ子 200302
木の実独楽頑なに嘘吐き通す 陶山泰子 ぐろっけ 200302
木の実打つ闇を聞きゐる半跏仏 羽田岳水 馬醉木 200303
一山の気息の木の実拾ひけり 長尾岬月 円虹 200303
木の実落ち音に怯ゆるけもの道 一瀬昭子 馬醉木 200303
木の実落つ悟り開けるはずもなく 陶山泰子 ぐろっけ 200303
犬の耳ぴくと木の実の落ちにけり 池円倶子 雨月 200304
切株に水筒ふたつ木の実植う 藤井初江 百鳥 200305
捨てられぬ木の実傍聴席にをり 浦川聡子 水の宅急便 200305
木の実一つ渡されてゐる別れかな 浦川聡子 水の宅急便 200305
ぬきん出て餓鬼大将の木の実独楽 小林呼溪 200310
木の実落つ虚子も年尾も見し大樹 稲畑廣太郎 ホトトギス 200310
山門を入るに木の実を踏むことよ 島谷征良 風土 200310
如人上人終焉の地の木の実かな 中島正夫 対岸 200310
人待つや木の実落つるを待つや君 林翔 200311
木の実独楽回し炭酸泉味見 大柳篤子 雲の峰 200311
木の実落つまた谺せる銃の音 杉江茂義 雲の峰 200311
横になりがちの木の実をまた廻す 大橋敦子 雨月 200311
子を憂ひをれば又落つ木の実かな 田所洋子 雨月 200311
空堀は魑魅のすみか木の実降る 高橋あさの 200312
木の実落つ信濃の空の軽くなる 高橋あゆみ 200312
木の実賞で劔遊ばせ谷戸住ひ 坂ようこ 200312
樹海には自然の音のみ木の実落つ 渡辺玄子 酸漿 200312
猿田彦祀る石龕木の実落つ 牧悦子 200312
木の実降る神戸教会多き町 塩川雄三 築港 200312
木の実噛み言ひたきことを飲み込んで 塩川雄三 築港 200312
拾ひたる木の実の顎に擦過傷 小林正史 200312
木の実降る向う猩々笑ひけり 山尾玉藻 火星 200312
木の実降る神父に訛ありにけり 高尾豊子 火星 200312
木の実落つ沸点の山膨れだす 鈴鹿仁 京鹿子 200312
あるだけの木の実落して山軽し 宇都宮滴水 京鹿子 200312
落書の汽車の終点木の実落つ 清水喜造 帆船 200312
木の実降るからりと午後の稲葉山 朝妻力 雲の峰 200312
木の実降る音に目覚めし母の家 北吉裕子 雲の峰 200312
久闊を叙す公園や手に木の実 辻本興雲 雲の峰 200312
木の実落つ鉢の割れたる兜岩 山路紀子 風土 200312
塵取に木の実濡れをり杉本寺 大串章 百鳥 200312
木の実落つわづかとなりし通夜の客 藤井昌治 200312
木の実拾ふ良きこと一つ増えしごと 高倉和子 200312
木の実降る洞ヶ峠や幟立つ 浜明史 風土 200401
図書館にヒポクラテスの木の実落つ 下山田美江 風土 200401
木の実降るもぐらの跡の土濡れて 山岸治子 馬醉木 200401
朱の神に畏み曰をす木の実連れ 禰寝瓶史 京鹿子 200401
大きめのリュック誇らし木の実雨 藤井智恵子 百鳥 200401
木の実落つ古井戸囲む授業かな 金川眞里子 百鳥 200401
木の実降る子どもの頃の写真館 小林奈々 百鳥 200401
横っ跳びして木の実独楽そっ気なし 岡淑子 雨月 200401
木の実降り供華新しき野の仏 平野千恵子 雨月 200401
谷底へ木の実の数の音も墜つ 泉田秋硯 200401
独楽造る当てなく木の実拾ひたり 南港 築港 200401
潮風に促されゐて木の実落つ 大石登志美 築港 200401
林道に散らばる木の実蹴り進む 美波治恒 築港 200401
木の実降る行者ひとりの夜を灯す 有島夛美 河鹿 200401
眠る児の掌よりこぼれし木の実かな 高橋瑛子 河鹿 200401
ひそやかに木の実の落つる高瀬川 奥田節子 火星 200401
監獄にゆきどまる道木の実落つ 石原光徳 酸漿 200401
木の実降る風上に向き歩きけり 深見かおる 草の花 200401
水呑み場乾いてをりて木の実降る 天野初枝 草の花 200401
墓に骨納めれば降る木の実かな 石見邦慧 200402
島人に大き木の実をもらひけり 丸山照子 火星 200402
天雲を操つてゐる木の実独楽 小澤克己 遠嶺 200402
木の実独楽陶土の乾く爪の先 久保知音 対岸 200402
城跡に雲の影ゆく木の実落つ 荻野みゆき 対岸 200402
木の実 4→      

 

2021年10月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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