木の実 10   6句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
よく晴れて木の実降る音弾けたる 今橋眞理子 ホトトギス 201604
木の実落つ松陰の世を奏でつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
木の実落つビブラフォンめくアスファル 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
木の実落つ音の静寂に包まるる 稲畑汀子 ホトトギス 201610
又踏んでしまひし木の実前うしろ 稲畑汀子 ホトトギス 201610
毛物らに木の実の森の夜明けかな 山田六甲 六花 201610
高曇り木の実をひとつ拾ひけり 藤井美晴 やぶれ傘 201611
ままごとの皿に盛りたる木の実かな 松田ひむれ 201612
木の実落つ戦争知らぬ改憲論 中江月鈴子 201612
落葉の中の木の実を拾ふ仁王門 中江月鈴子 201612
石に坐す思案木の実は落ちて撥ぬ 松本鷹根 京鹿子 201612
木の実踏みレンタサイクル出発す 中井保江 201612
辻に子の走り木の実の降りしきり 野中亮介 馬醉木 201612
木の実落つ木馬から尻はみ出して 辻水音 201612
ビストロに小さき黒板木の実降る 中井保江 201612
仁王の木の実降らしむ大嚔 高野昌代 201612
木の実独楽皆童心に帰りたる 桜井知恵子 雨月 201612
本意なき相鎚いくつ木の実落つ 峰崎成規 201612
木の実落つ十六井戸の水音楚々 頓所友枝 201612
墓井戸のけもの鳴きして木の実降る 坂口晴子 201612
哲学の道にころがる木の実かな 柴田志津子 201612
ハンカチの木の実真鍮の写真立 早瀬淳一 船団 201701
抜け殻も木の実も湿る森の径 宮内とし子 201701
鬼灯と木の実供ふる六地蔵 南雲秀子 万象 201701
ローマにて拾ひし木の実ペン皿に 小林愛子 万象 201701
降るといふ言葉たのしや木の実降る 箕輪カオル 201701
山祇の手籠を洩るる木の実かな 江澤弘子 201701
木の実落つ思ひあたるといふやうに 高橋道子 201701
聞き耳の羅漢と笑まふ木の実径 鈴鹿呂仁 京鹿子 201701
愛らしき栗鼠の仕草や木の実降る 佐藤まさ子 春燈 201701
木の実落つ弾むも沈む訳でなく 森屋慶基 風土 201701
頑なに守る山畑木の実降る 宮井知英 201701
ポケットに溢るる木の実カラー帽 岩田洋子 201701
栗鼠安眠木の実の落つる音の中 有松洋子 201701
大は小に弾き出されし木の実独楽 岩下芳子 201701
神木の木の実を拾ひ幸拾ふ 三輪温子 雨月 201701
アスファルト道へ木の実のしきり落つ 松村光典 やぶれ傘 201702
たこ焼きに楊枝を木の実しきり落つ 安藤久美子 やぶれ傘 201702
ゆくりなく肩のツボ打つ木の実かな 森俊人 201702
木の実落つ池の深さを知りたくて 深川敏子 春燈 201702
腰掛けに手ごろなる石木の実降る 森清信子 末黒野 201702
木の実投げ沼に波紋の次ぎつぎと 川上恵子 雨月 201702
はるかなる友呼ぶごとく木の実降る 川上恵子 雨月 201702
木の実降るこの世に出でし神獣鏡 横田敬子 201703
ひもろぎの献花台にも木の実降る 田中とし江 201703
猫溜り木の実溜りや宮の裏 田岡千章 201703
木の実踏む命のかたち糺しつつ 伊藤希眸 京鹿子 201703
風湧くや木の実降り来る堂庇 高木邦雄 末黒野 201704
子らの声聞かぬ里道木の実落つ 大川暉美 末黒野 201704
落ちざまに墓に弾かれたる木の実 岸洋子 201704
もともとは両手ん利きで木の実独楽 中川句寿夫 ここのもん 201705
木の実独楽話の要外さるる 中川句寿夫 ここのもん 201705
木の実落つ磴に音階奏でつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
木の実落つ首都の喧噪吸ひ込みて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
木の実植う日の本の明日信じつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
谷筋の歩道水木の実の青し 高田令子 201711
機嫌良き順に落ちたる木の実かな 菊地光子 201711
銃弾の音やはらかや木の実落つ 沼田巴字 京鹿子 201712
木の実独楽草のにほひを風にして 熊川暁子 201712
木の実落ち太古の詩歌はじまりぬ 稗田寿明 201712
ポケットに同床異夢の鍵・木の実 能村研三 201712
空つぽの抽斗木の実入れてやろ 楠原幹子 201712
木の実落つ誤差の範囲でありにけり 相良牧人 201712
水木の実美術の時間静かなり 高田令子 201712
ふんぎりの旅とも木の実あまた降る 山崎靖子 201712
ぽつぽつと「てにをは辞典」木の実降る 鈴木みのり 201712
木の実降る何も無き日の音楽室 原友子 201801
木の実落つ小さな屋根の投句函 中田みなみ 201801
古戦場の木の実ひとつを拾ひけり 矢口笑子 春燈 201801
転がつて運切り開く木の実かな 矢口笑子 春燈 201801
よもすがらすだまの落とす木の実かな 片山博介 春燈 201801
たぬき色きつね色なる木の実踏む 原田しずえ 万象 201801
野の草を摘めば木の実の落つる音 大坪景章 万象 201801
偶然は風のいたづら木の実落つ 三木享 201801
空堀の風抜ける道木の実落つ 片桐紀美子 風土 201801
青空のはりつめてゐる木の実かな 山田健太 風土 201801
木の実打つ師の一喝と思ひけり 間島あきら 風土 201801
木の実集めて側溝のどん詰り 上辻蒼人 風土 201801
きしきしと雨の玉砂利木の実落つ 平田きみこ 風土 201801
枝跳ぬる音澄みわたる木の実かな 玉田瑞穂 万象 201801
木琴の音して屋根に木の実降る 城戸ひろみ 雨月 201801
木の実落ち命あらたに始まりぬ 岡田正義 雨月 201801
木の実降るいよいよ風の有頂天 齊藤實 201801
ホームズの推理の視点木の実落つ 矢口笑子 春燈 201801
木の実降るペットポトルの中に泡 上谷昌憲 201801
てのひらを幼くしたる木の実独楽 菅谷たけし 201801
掃き清む木の実いつぱい今朝の冬 今井充子 201802
艶つやとこの世に落つる木の実かな 斉藤マキ子 末黒野 201802
旅好きの木の実飛び込む川下り 西村白杼 京鹿子 201802
木の実降る古地図に探す白刃跡 山中志津子 京鹿子 201802
木の実落つ一二三四(ひいふうみよう)あとは風 水井千鶴子 風土 201802
木の実拾ふ児等のポケットきりも無し 奥田茶々 風土 201802
音に音かさねし音や木の実降る 橋本くに彦 ホトトギス 201802
木の実植う日の本の明日信じつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
水底の日の斑のゆらぎ木の実落つ 佐津のぼる 六花 201803
園内に落ちたる木の実小粒かな 仲山秋岳 万象 201803
木の実独楽力の尽きて膝の前 久保東海司 201804
臭木の実十一人の観察隊 つじあきこ 船団 201806
おろしたての靴でステップ木の実降る 中井保江 船団 201806
拾ひ来し木の実加へてゆきし箱 稲畑汀子 ホトトギス 201810
木の実 →11

2021年11月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。