木の葉髪 1     200句

捨つるため指にきりきり木の葉髪   稲垣きくの

作品
作者
掲載誌
掲載年月
木の葉髪高くまとめて祝ぎの座へ
稲畑汀子
ホトトギス
199811
一糸とておろそかならず木の葉髪
稲畑汀子
ホトトギス
199811
褒貶の褒を怖るる木の葉髪
大橋敦子
雨月
199903
くろぐろとあるかな妻の木の葉髪
林翔
199912
木の葉髪枯るるを知らぬ好奇心
藤井みち子
200001
木の葉髪死ぬまで夫と同い年
山田弘子
円虹
200001
手鏡に梳けばこぼるる木の葉髪
名越夜潮
円虹
200001
木の葉髪日記こまごま書きしるし
柳生千枝子
火星
200002
人生はまだまだ愉快木の葉髪
山田弘子
円虹
200002
教育に捧げし生命木の葉髪
中井苔花
円虹
200002
木の葉髪病むこと知らず来し我に
中井苔花
円虹
200002
取つてやる患者の肩の木の葉髪
松尾白汀
円虹
200002
木の葉髪雨の二日となりにけり
岡本眸
200002
いとほしむ父母より享けし木の葉髪
柏井幸子
ホトトギス
200003
木の葉髪二男おしやれを気にし初む
小川龍雄
ホトトギス
200003
もの言はぬ夫にもの云ふ木の葉髪
藤堂西涯
ホトトギス
200003
しつかりと遺骨だきしめ木の葉髪
藤堂西涯
ホトトギス
200003
喉仏探し拾ふも木の葉髪
藤堂西涯
ホトトギス
200003
まだ恋を諦めきれず木の葉髪
須藤常央
ホトトギス
200003
別れすぐ来て木の葉髪梳くばかり
須藤常央
ホトトギス
200003
恋よりも仕事が大事木の葉髪
須藤常央
ホトトギス
200003
パソコンを少しいぢりて木の葉髪
伊藤まさ子
ホトトギス
200003
パソコンを簡素に使ひ木の葉髪
伊藤まさ子
ホトトギス
200003
木の葉髪己がペースにパソコンを
伊藤まさ子
ホトトギス
200003
おもちや箱より柔らかき木の葉髪
家永亜紀子
ホトトギス
200003
争はぬ月日となりぬ木の葉髪
芳根元子
ホトトギス
200003
青春の夢なほ吾に木の葉髪
芳根元子
ホトトギス
200003
リストラにはじまる挫折木の葉髪
受川秋郊
ホトトギス
200003
くせっ毛の幼なに還る木の葉髪
三輪慶子
ぐろっけ
200003
禅の門入りて縁なき木の葉髪
藤丹青
円虹
200004
人の情物の情あり木の葉髪
藤丹青
円虹
200004
木の葉髪まとめて祝ぎの身づくろひ
稲畑汀子
ホトトギス
200011
木の葉髪ゆづれぬことの多くなり
松崎幹
200101
おそろしく少女の長き木の葉髪
山尾玉藻
火星
200101
女々しさを叱られてゐる木の葉髪
石橋翠
いろり
200101
略奪の婚も時効の木の葉髪
中村みち子
ぐろっけ
200101
帽とれば風が頭を刺す木の葉髪
堀田恵美子
雨月
200102
木の葉髪ほとけを彫ってゐたりけり
柴田いさを
船団
200103
革命も恋も遠のき木の葉髪
吉川郁美
200105
せかせかとこの道生きて木の葉髪
保坂さよ
いろり
200112
今もなほ内助の功や木の葉髪
大平保子
いろり
200112
木の葉髪美容院にてととのへて
熊谷みどり
いろり
200112
寺普請あとには引けず木の葉髪
古田考鵬
雨月
200201
木の葉髪耳いたきまで烏鳴く
堀内一郎
あを
200201
項知るかな一と筋の木の葉髪
大橋敦子
雨月
200202
する仕種母似となりし木の葉髪
浅井千鶴子
いろり
200202
旅遠く静けき朝の木の葉髪
水田清子
200202
夫よりも我が老早し木の葉髪
小林希世子
200202
靖国の神にはならぬ木の葉髪
北村香朗
京鹿子
200202
女来と波瀾含みの木の葉髪
遠藤美由樹
銀化
200203
山川を流れて木の葉髪といふ
木曽岳風子
六花
200203
正直に生きし証の木の葉髪
小澤スミエ
200203
幸せに生きたつもりの木の葉髪
山本節子
200203
木の葉髪を掌に眺めけり農休日
木船史舟
200212
水髪を結へたる昔木の葉髪
河合笑子
あを
200212
木の葉髪身に辺境をこしらへつ
山野みどり
銀化
200212
木の葉髪長子に頼り暮す日々
高橋照子
雨月
200301
木の葉髪頼みの兄に逝かれけり
久保田雪枝
雨月
200301
波立つを怠るこころ木の葉髪
京武井清子
銀化
200301
木の葉髪落ちるにまかせ本を読む
中村邦彦
200302
木の葉髪あはれひと日の走り旅
岡本眸
200302
旅の夜をしみじみと梳く木の葉髪
金森教子
雨月
200302
今にして母敬ひぬ木の葉髪
竹内喜代子
雨月
200303
すれちがふ霧笛短かき木の葉髪
中村恭子
200303
栄転も左遷もむかし木の葉髪
木場田秀俊
200303
又ひとつ重荷をおろす木の葉髪
城石美津子
京鹿子
200304
しまひ湯の心やすさよ木の葉髪
中島たまな
200304
褒貶の褒に縁なし木の葉髪
丁野弘
200311
手をつなぐ夫サルトル似木の葉髪
篠田純子
あを
200311
木の葉髪また天邪鬼つのらせて
乗光雅子
雨月
200401
還暦のあとの早さや木の葉髪
永見嘉敏
酸漿
200401
はらからの膝つき合はせ木の葉髪
有島夛美
河鹿
200402
邂逅に先づはまばたく木の葉髪
田村園子
200402
木の葉髪挙式予算をオーバーす
鈴木えり子
百鳥
200402
疎まれて頑固貫く木の葉髪
阿部一彦
築港
200402
木の葉髪我が人生に悔いは無し
古田考鵬
雨月
200402
木の葉髪遠きはらからみんな老い
落合絹代
雨月
200402
長老の禿進むなり木の葉髪
松田欽吾
雨月
200402
娘(こ)に遠慮嫁に気兼ねの木の葉髪
西村梼子
ぐろっけ
200402
哀歓の月日還らず木の葉髪
佐々木恭子
遠嶺
200403
俎板の上にも一縷木の葉髪
杉山瑞恵
雨月
200403
「贅澤は敵」に育ちし木の葉髪
竹貫示虹
京鹿子
200411
稿上る机上に拾ふ木の葉髪
岡本眸
200412
木の葉髪脱力感のありにけり
塩川雄三
築港
200501
もう二度と戻れぬ月日木の葉髪
塩川雄三
築港
200501
木の葉髪加齢いよいよ疾速す
安藤ヒサ子
河鹿
200502
病いくど越え来しひと世木の葉髪
奈辺慶子
雨月
200502
木の葉髪病臥に化粧ふこともせで
奈辺慶子
雨月
200502
占ひに惑はされをり木の葉髪
石橋萬里
ぐろっけ
200502
思ひやり人にすぐれて木の葉髪
葛馬房夫
雨月
200509
木の葉髪極細といふ櫛のあり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200511
木の葉髪夢にまで見た君なのに
稲畑廣太郎
ホトトギス
200511
木の葉髪せめてととのへ家居かな
稲畑汀子
ホトトギス
200511
木の葉髪吾美しく老いたくて
松本和代
築港
200511
木の葉髪齢は刻を遊ばせず
岡本眸
200511
木の葉髪ホフマン鼻の夫である
篠田純子
あを
200512
木の葉髪真昼の音の流れゐて
水野恒彦
200601
願ふより謝すこと多く木の葉髪
森脇貞子
雨月
200602
重ぬ日々おろそかならず木の葉髪
堀田こう
雨月
200602
報はるることを望まず木の葉髪
西村勝美
春燈
200605
白髪も木の葉髪も見ず茶館混む
赤座典子
あを
200701
木の葉髪挟みて亡夫の旅日記
石岡祐子
200702
聞きながすことにも馴れて木の葉髪
福田孝子
馬醉木
200702
木の葉髪完結編を読み急ぐ
田村園子
200702
硝子戸の中の日ざらし木の葉髪
仲村青彦
200702
手遅れの思ひしみじみ木の葉髪
片野光子
ぐろっけ
200705
木の葉髪最晩年にさしかかり
大橋敦子
雨月
200801
混沌の世に逆らはず木の葉髪
岡有志
ぐろっけ
200801
木の葉髪螺旋階段駆け上り
新関一杜
京鹿子
200802
木の葉髪痛飲したる日の遠し
相良牧人
200802
晩学に誇るものなし木の葉髪
村上美智子
雨月
200802
決心の三日に崩る木の葉髪
宮野照子
馬醉木
200901
木の葉髪はや十年の通院路
四條進
200901
温泉薬師へ一礼二礼木の葉髪
小林輝子
風土
200901
眼の奥に海の溢るる木の葉髪
松田都青
京鹿子
200901
木の葉髪夫の夢見ることしきり
谷榮子
雨月
200901
指櫛の癖いつまでも木の葉髪
小澤菜美
200902
最終てふ同窓会や木の葉髪
鈴木石花
風土
200902
一片の雲なき空や木の葉髪
柿沼盟子
風土
200902
恙ゆゑの下戸を通せり木の葉髪
北岸邸子
春燈
200902
身の不調励まし合うて木の葉髪
大石よし子
雨月
200902
木の葉髪ときに記憶のもつれがち
田中浅子
200903
だらだらと歯医者に通ふ木の葉髪
遠藤逍遙子
風土
200903
賞罰なし肩書なしや木の葉髪
川田好子
風土
200903
木の葉髪なぜつけ背のばし生きめやも
森道子
京鹿子
200903
生涯を俳句にかけむ木の葉髪
赤羽正行
遠嶺
200908
躓きに慣れつこ白き木の葉髪
品川鈴子
ぐろっけ
200910
明らかに妻のものこの木の葉髪
丁野弘
200911
白がちになりて久しき木の葉髪
椋本一子
雨月
200912
余生まだ確かな思ひ木の葉髪
四條進
201001
木の葉髪掴む湯殿の手摺かな
小野口正江
末黒野
201002
既往症端折つて記す木の葉髪
坂場章子
201002
旧姓を捨て半世紀木の葉髪
横井明子
201002
謝すことのみ多くて木の葉髪ながら
上田明子
雨月
201002
木の葉髪夫の遺品の櫛に梳く
田所洋子
雨月
201002
兄嫁とふ任の重しよ木の葉髪
西村操
雨月
201002
旅の途のゲームに執す木の葉髪
城戸愛子
酸奬
201002
樹木医に胸を診らるる木の葉髪
大西順子
ろんど
201003
今落ちし木の葉髪まだ我のもの
竪山道助
風土
201004
木の葉髪言わずもがなを聞かさるる
荒木稔
ぐろっけ
201004
木の葉髪泣くがいやさにわらひけり
久保田万太郎
春燈
201008
そこらぢゆう淋しくなりぬ木の葉髪 竹貫示虹 京鹿子 201011
肺炎のあと木の葉髪木の葉髪 大橋敦子 雨月 201012
木の葉髪免れがたく母である 辻美奈子 201101
木の葉髪ふりむけば捨つるものばかり 森茉明 京鹿子 201101
さなきだに増えることなき木の葉髪 竹内弘子 あを 201101
一櫛に白の増えたる木の葉髪 石岡祐子 201102
空を向くことの増えたる木の葉髪 前川明子 201102
お聴聞うべなふばかり木の葉髪 東野鈴子 雨月 201102
来し方のさして誇れず木の葉髪 中原敏雄 雨月 201102
木の葉髪物忘れまた繁くなり 谷泰子 ぐろっけ 201102
金輪際染めぬと決めた木の葉髪 蓮尾みどり ぐろっけ 201102
木の葉髪ましろに母のお健やか 島谷征良 風土 201103
本籍はまだふるさとに木の葉髪 山田暢子 風土 201103
席立つにふり返る癖木の葉髪 甕秀麿 201103
いくつかの苦楽重ねて木の葉髪 小寺ふく子 六花 201103
俗名のままの師なりし木の葉髪 大西八洲雄 万象 201110
木の葉髪浴室に立ちみつめをり ことり 六花 201112
木の葉髪昭和一桁気丈なり 白石善子 雨月 201201
川添ひにして坂がかり木の葉髪 井上信子 201202
木の葉髪夜叉も菩薩も胸に秘め 石崎@浄 風土 201202
白皙の若き主治医の木の葉髪 先山実子 ぐろっけ 201202
戦も地震をもくぐり木の葉髪 市橋香 ぐろっけ 201202
旅の友語り残せし木の葉髪 岡田愛子 京鹿子 201202
木の葉髪世過ぎはいつも背伸びして 宮野照子 馬醉木 201203
面目も立場も木の葉髪と消ゆ 田中貞雄 ろんど 201203
木の葉髪淋しき時も笑ひをり 細川知子 ぐろっけ 201203
わが身より去るものばかり木の葉髪 岡崎伸 遠眼鏡 201203
木の葉髪治療明日から抗癌剤 嶋田摩耶子 ホトトギス 201204
木の葉髪忘るるといふ加護のあり 永井惠子 春燈 201204
木の葉髪眉月ほどのことを苦に 丸山佳子 京鹿子 201211
木の葉髪一筆箋に納まらず 細野恵久 ぐろっけ 201211
笑顔にも鬼にもなれる木の葉髪 中島玉五郎 201212
加齢とは足し算ならず木の葉髪 竹貫示虹 京鹿子 201212
シャンソンのパリーも知らず木の葉髪 塩千恵子 201301
木の葉髪ピンク電話の役終わる 四條進 201301
チヤイム音に手櫛を通す木の葉髪 田下宮子 201302
古書店の扉のきしむ木の葉髪 宮川みね子 風土 201302
今日も来る喪中のはがき木の葉髪 橋本修平 かさね 201302
煩悩を負へるこの身の木の葉髪 服部珠子 雨月 201302
推敲や手櫛に絡む木の葉髪 松本三千夫 末黒野 201303
木の葉髪束ねて熱き缶珈琲 神戸京子 ろんど 201303
おほかたは知つたかぶりの木の葉髪 細川知子 ぐろっけ 201303
仄聞のうつつとなりし木の葉髪 鈴鹿百合子 猫贔屓 201305
木の葉髪一本にある歴史かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
木の葉髪もう諦めてゐる私 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
櫛に拉致されし百本木の葉髪 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
あなた誰鏡の中の木の葉髪 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
木の葉髪君との過去を乗せて散る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
一男三女育て上げたる木の葉髪 細川コマヱ 雨月 201401
遺髪めくわが木の葉髪拾いける 福田葉子 201401
木の葉髪傷痍軍人絶えんとす 鳳蛮華 201401
何れゆく地獄極楽木の葉髪 吉村摂護 201404
諦めも生きる手立や木の葉髪 宮井知英 201404
木の葉髪憂国の顔ここにもなし 堀内一郎 堀内一郎集 201412
大胆に鋏を入れて木の葉髪 中島玉五郎 201501
木の葉髪泣かぬをんなの泣きほくろ 熊川暁子 201502
浦島の子の裔にして木の葉髪 竹内弘子 あを 201503
冒ひかけし一語躓き木の葉髪 河島坦 京鹿子 201503
木の葉髪タンゴ踊りて恙なし 中林晴雄 201503
美容室は女の世界木の葉髪 野中圭子 京鹿子 201503
崩し書く恋の一文字木の葉髪 宮井知英 201503
争はぬ二人となりぬ木の葉髪 酒井みち子 201504
守り来しいのち一筋木の葉髪 藤岡紫水 京鹿子 201601
まじまじと防犯カメラ木の葉髪 篠田純子 あを 201601
年毎に母似となりし木の葉髪 宮本加津代 万象 201602

木の葉髪→2

     

2021年11月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。