木の葉 3     104句

木の葉散り尽して見える木の正座   田沼文雄   呼気

作品
作者
掲載誌
掲載年月
公園の木の葉散り敷く台風過 横路尚子 末黒野 201501
里山は月夜つづきに木の葉降る 豊田都峰 京鹿子 201501
歌あれば夢の数だけ木の葉舞う 覚本秀子 ろんど 201501
木の葉散るその時空の青かりき 豊田都峰 京鹿子 201501
木戸たたく木の葉まじりの夜の風 豊田都峰 京鹿子 201501
木の葉散るかくてすぎゆくことばかり 豊田都峰 京鹿子 201501
風神の操る木の葉思ふまま 佐々木和子 201502
いつか散るための木の葉の重さかな 太田佳代子 春燈 201502
野火止の速き流れを木の葉かな 水野加代 万象 201502
谷川の渡つ瀬に舞ふ木の葉かな 中野久雄 末黒野 201502
すいつちよに馬乗りさるる木の葉かな 北郷和顔 末黒野 201502
山里丸陰りて木の葉降るばかり 樺山翠 雨月 201502
萩往還木の葉しぐれに志士の影 川村欽子 雨月 201502
木の葉落つ落ちればやがて散り散りに 濱上こういち 201502
佇むは木の葉しぐれの音の中 鈴木直枝 ろんど 201502
落ちさうで落ちぬ木の葉に風吹いて 齋藤博 やぶれ傘 201502
群れ雀木の葉にあらず降つてきし 志方章子 六花 201503
とめどなき木の葉の中のカメラマン 渡邉俊子 京鹿子 201503
あの世まで運ぶ荷もなく木の葉散る 松田都青 京鹿子 201503
地べたとは悲しき言葉木の葉散る 松田都青 京鹿子 201503
次の芽の兆しを見せて木の葉落つ 都留百太郎 末黒野 201503
一呼吸置きては木の葉舞ひしきる 杉山瑞恵 雨月 201503
風乗せる駐輪場の木の葉かな 布川孝子 京鹿子 201504
手相見の看板に散る木の葉かな 瀬島洒望 やぶれ傘 201504
波を噛む多摩の荒瀬や木の葉雨 鈴木静恵 花こぶし 201508
ででむしの角先覗く木の葉かげ 後藤眞由美 春燈 201509
葉に触れて木に触れて降る木の葉かな 根岸善行 風土 201602
いくつかは微笑みながら木の葉散る 有松洋子 201602
はらはらと木の葉散る散るすずめ散る 松村光典 やぶれ傘 201602
木の葉散る自由と不安なひまぜに 菊谷潔 六花 201602
木の葉散る孤独な奴と群れる奴 齊藤實 201603
木の葉雨色さまざまに芝飾り 水谷直子 京鹿子 201603
妣の衣を妻は出かけ着木の葉ちる 元橋孝之 京鹿子 201603
木の葉降り止まず塵取と竹箒 竹内悦子 201603
晩節の今を惜しめと木の葉散る 石田きよし 201603
せせらぎに応ふるやうに木の葉散る 箕輪カオル 201603
降り積みて降り積みてなほ積む木の葉 柿沼盟子 風土 201603
春の雷やがて木の葉を叩く雨 藤井美晴 やぶれ傘 201605
目の端に小さな木の葉散りにけり 山田六甲 六花 201610
木の葉散る色を尽して丸の内 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
木の葉舞ふ空に音符を描きつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
散りやまぬ木の葉しぐれの別れかな 荒井ハルエ 春燈 201612
石仏は寒山拾得木の葉雨 嶋崎豊子 雨月 201701
坂の名の由来探しに木の葉踏む 田村すゝむ 風土 201701
不惑にもならずに逝けり木の葉雨 頓所友枝 201701
秋の空木の葉ゆらゆら薄むらさき 水谷直子 京鹿子 201702
石垣の崩れし城址木の葉舞ふ 遠山のり子 201702
序破急の風のまにまに木の葉散る 卜部黎子 春燈 201702
木の葉散る喬樹連なる大通り 岡田史女 末黒野 201702
木の葉散るみどりの芝に描くごと 水谷直子 京鹿子 201703
何もせぬ一日の木の葉時雨かな 岡田史女 末黒野 201703
庭箒と熊手を買ひて木の葉道 小沼ゑみ子 末黒野 201703
木の葉散り風は寄処を失ひし 梶本佳世子 ホトトギス 201704
引力をばらばらにして木の葉散る 七種年男 201704
木の葉散るこれで君とは終りです 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
電波塔天辺目差し木の葉舞ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
栞り置く木の葉掃き寄せ置く木の葉 稲畑汀子 ホトトギス 201711
一枚の木の葉を風が浚ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201711
とり敢へず句帳に栞る木の葉かな 稲畑汀子 ホトトギス 201711
雨よりも風に木の葉の従へる 稲畑汀子 ホトトギス 201711
蹴散らして木の葉に心乗せてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201711
明日は又雨の予報や木の葉坂 稲畑汀子 ホトトギス 201711
木の葉舞ふ待降節に入りてなほ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
木の葉舞ふ夕陽が丘の黄金比 鷺山珀眉 京鹿子 201712
八つ橋の木の葉時雨となりにけり 大島英昭 やぶれ傘 201711
大道芸失敗も芸木の葉舞ふ 湯橋喜美 201802
地下道に天窓とふ空木の葉散る 辻由紀 雨月 201802
晩鐘や木の葉しぐれの音を追ふ 片山煕子 京鹿子 201802
木の葉降るたびおほぞらの色うすれ 南うみを 風土 201802
地球といふ星の木の葉の降る音か 本多俊子 201802
玄関に這入りたがつてゐる木の葉 安原葉 ホトトギス 201804
木の葉散り尽くすまで待つ心かな 稲畑汀子 ホトトギス 201811
栞りたく拾ふ木の葉もありぬべし 稲畑汀子 ホトトギス 201811
散り尽くすまでは掃かざる木の葉かな 稲畑汀子 ホトトギス 201811
日の本に兵の夢木の葉散る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
木の葉舞ふ都庁天辺目指しつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
風音やひらがな紡ぐ木の葉雨 鈴鹿呂仁 京鹿子 201901
一枚の木の葉の本志天へ向く 鈴鹿呂仁 京鹿子 201901
直感のときに危ふし木の葉散る 北川孝子 京鹿子 201901
自分史の終章木の葉降り止まず 山中志津子 京鹿子 201902
荒風に流され木の葉ちりぬるを 西村白杼 京鹿子 201902
夫々の生き様見せて木の葉散る 岩月優美子 201902
先触れは一陣の風木の葉散る 久保夢女 201902
いと小さき業平塚や木の葉散る 黒滝志麻子 末黒野 201902
散ることの一途や木の葉音もなく 滝口洋子 末黒野 201902
降りしきる木の葉に猫の顔をあげ 秋川泉 あを 201902
ツーリングはげしく木の葉降る中を 秋川泉 あを 201902
讃美歌を聴く窓木の葉雨しきり 福岡かがり 雨月 201903
いったんは大空へ翔び木の葉散る 下田奉枝 雨月 201903
木の葉一枚拾ひ日常に戻る 井尻妙子 京鹿子 201903
風尖り木の葉しぐれの黙誘ふ 菊池和子 京鹿子 201903
缶蹴りの終はりにはしる木の葉雨 藤井杏愛 京鹿子 201903
祈るかに句を詠む司教木の葉降る 藤井啓子 ホトトギス 201904
木の葉雨浴びつつ散歩四千歩 橋本美代 やぶれ傘 201904
掃かぬまま木の葉の庭を楽しまむ 稲畑汀子 ホトトギス 201911
風吹けばとどまる木の葉なかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201911
木の葉散る時の流れを諾ひて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
雨落ちて森の木の葉の跳ぬるかな 石川憲二 六花 202001
白壁に影あそばせて木の葉かな 菊池和子 京鹿子 202001
木の葉降る空一面のロンドより 鷺山珀眉 京鹿子 202001
木の葉散る色も踏む音も十色なる 五十嵐貴子 末黒野 202002
永別の鉄扉閉ぢられ木の葉散る 宮本俊子 雨月 202002
木の葉散り尽し一山の深き黙 密門令子 雨月 202002
夕日なか風のかたちに散る木の葉 武田未有 202002
散る時の木の葉狐の眼しましたか 奥田筆子 京鹿子 202003
木の葉降る中や園児の鬼ごつこ 高橋正江 末黒野 202003
乾濠道潅濠や木の葉散る 岡田史女 末黒野 202003
石段に石段つづく木の葉雨 秋山侶行 やぶれ傘 202003
降りたての木の葉の浮かぶこもり沼 大島英昭 やぶれ傘 202003
確信のもてぬ世木の葉降りやまず 本郷公子 京鹿子 202003
かたまつて玻璃戸に木の葉あたる音 南うみを 風土 202004
木の葉散る都心に音の乾きゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
木の葉散る神のタクトに導かれ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
木の葉にて天塞れてゐたる水 山田六甲 六花 202012
木の葉散る酒のつまみのビターチョコ 青谷小枝 やぶれ傘 202101
一片の美しき木の葉の語る旅 安原葉 ホトトギス 202101
木の葉舞ふラリーの音のとほくより 谷田貝順子 202102
切りも無く舞ひ散る木の葉夕日さす 小長谷紘 末黒野 202102
道ゆづり譲られもして木の葉雨 黒滝志麻子 末黒野 202103
木の葉散るこれが人生ならむかな 志方章子 六花 202103
のぼりからいつか下りに木の葉雨 大島英昭 やぶれ傘 202103
落日に黒く暮れゆく木の葉かな 今橋眞理子 ホトトギス 202104
散り尽くす木の葉未来を信じつつ 若泉真樹 202105
公園のぎつたんばつこ木の葉散る 廣瀬蝗男 やぶれ傘 202201
肉まんの昼餉ベンチに木の葉降る 青谷小枝 やぶれ傘 202201
寝室の玻璃戸に音す木の葉かな 山浦紀子 春燈 202202
古庭の窪みに溜まる木の葉かな 中上馥子 春燈 202202
火の落ちし炉辺に木の葉がひとつあり 岩木茂 風土 202202
揚々と空に舞ひたる木の葉かな 本間せつ子 末黒野 202205
舞ひきたる帚の先の木の葉かな 立竹人 春燈 202304
寂しめば詩のやうに降る木の葉かな 森岡正作 202301
先走る木の葉いちまい雨もよひ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202301
ゆづり合ふ緑道へ散る木の葉かな 大庭美智代 末黒野 202302
木の葉→ 1

 

2023年11月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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