小 春 8      129句

古里の小春日和の七日哉   伊万里梅城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
真向ひのビルの小春日眩し過ぎ 大橋敦子 雨月 201112
櫛の歯を入れ小春心の意気立てな 大橋敦子 雨月 201112
小春日を浴びゐて亡母ひた恋ほし 大橋敦子 雨月 201112
亡き父の句心小春心なれ 大橋敦子 雨月 201112
幸せの追はねばひよいと来る小春 鷹崎由未子 花野 201112
マーラー五番亡き人と聴く小春かな 鷹崎由未子 花野 201112
円墳の頂上からの小春かな 篠田純子 あを 201112
子の漕ぎて上野不忍小春空 コ田千鶴子 馬醉木 201201
百仏の赤き前垂れ小春の日 前川ユキ子 201201
豁然と見開く古面小春の日 坂上香菜 201201
小春風江の生まれし地に立ちて 竹内悦子 201201
てくまくまやこん犬のおすわり小春の日 森下康子 201201
縄跳びの園児四五人小春かな 五十嵐勉 201201
地下鉄にうつらうつらと小春かな 紀川和子 201201
車椅子に頼る明け暮れ小春かな 久保東海司 201201
雲一片も無き小春日の千倉浜 中江月鈴子 201201
六十年振りの小春の高尾山 中江月鈴子 201201
駈け上がりし記憶小春の男坂 中江月鈴子 201201
縁小春お尻干す嬰をうら返す 茂木なつ 春燈 201201
旅了へてひと日を無為に小春かな 藤丸誠旨 春燈 201201
如来椅像美男に御座す小春かな 白神 かさね 201201
絵付け待つ干支人形や小春風 小池清司 かさね 201201
犬連れて小春日和のペット自慢 柳田皓一 かさね 201201
小春日や朝市の立つホテル前 白石善子 雨月 201201
風聞にいにしへ人となる小春 鈴鹿仁 京鹿子 201201
小春日やどの角曲り帰らうか 辻直美 201201
半日で乾く魚干し島小春 宮内とし子 201201
みどりごの口ぽと眠る小春かな 栗原公子 201201
サッカーボール蹴るや小春の放物線 佐野ときは 201201
小春日や草刈機音ひろがれり 山荘慶子 あを 201201
小春日や相客の髪一瞥す 久米なるを 201202
棚の本置換へてみる小春かな 田中涼平 201202
霊松の支柱と小春日和かな 中島陽華 201202
小春日や轆轤新らたな壺を生む 久保東海司 201202
長堤をそぞろに歩む小春かな 本郷宗祥 かさね 201202
小春日の波問に遊ぶかもめどり 吉田博行 かさね 201202
小春日やうたた寝によき縁の先 吉田博行 かさね 201202
小春日や老人ホーム見学会 安居正浩 201202
小春日の土偶の目蓋ぽつてりと 細川洋子 201202
小春波ゆつたり海も呼吸して 田所節子 201202
さざ波の小春語りや三番瀬 渡部節郎 201202
小春日の童話の国に行かれしか 宮内とし子 201202
身のこなし軽くて小春の白寿かな 岡野ひろ子 201202
再会の握手ときめく小春かな 相沢有理子 風土 201202
板前の憩ふ小春の厨口 吉川隆 春燈 201202
小春日や亀が甲羅を干してをり 本田保 春燈 201202
小春日や収集切手のぺージ繰る 棗怜子 春燈 201202
小春日の母の手術のあつけなく 竹内慶子 春燈 201202
寄り掛かるベンチ一つの小春かな 吉村さよ子 春燈 201202
小生とつぶやいてみる小春かな 小嶋恵美 春燈 201202
小春日や仏足石と仏手石 中田寿子 ぐろっけ 201202
小春日を拾ひ歩きの昼休み 野口喜久子 ぐろっけ 201202
小春日のジャグラー何でも抛り上げ 松井洋子 ぐろっけ 201202
小春日や駅弁の蓋そりかえる 荒木稔 ぐろっけ 201202
釣舟の渚煌めく小春かな 安出一郎 京鹿子 201202
小春日や小姓ちびつ子合奏会 安出一郎 京鹿子 201202
行楽の輪の声高し小春の野 安出一郎 京鹿子 201202
小春日や家事あれこれと欲の出で 宮島ムツ 末黒野 201202
両手あて大樹の息吹き聴く小春 中山良子 末黒野 201202
小春日や九十五歳もて余し 三谷ゑい 末黒野 201202
富士山といふあなた眩しみ旅小春 足立典子 雨月 201202
鉢植の花地に戻す小春かな 川崎良平 雨月 201202
小春日の爪切る音の弾みをり 川崎良平 雨月 201202
よく鳴きて小春雀と名付けたし 川崎良平 雨月 201202
絵馬に押す嬰の手形や宮小春 和田一 雨月 201202
牛窓のエーゲ海めき瀬戸小春 和田一 雨月 201202
小春日や羅漢哄笑きこゆかに 本多正子 雨月 201202
浜名湖の小春や小舟点々と 宮本俊子 雨月 201202
神頼みするほどでなし小春空 川端俊雄 火星 201202
小春かなインクラインをこゑ渡り 根本ひろ子 火星 201202
石山の築地に添へり小春の日 浅井敦子 万象 201202
舟小春湖面に座りゐるやうな 浅井敦子 万象 201202
野良猫と心通はす小春かな 清水侑久子 201203
偶数のどこもとがらず小春空 服部早苗 201203
退院の赤子を抱く小春かな 小林朱夏 201203
小春日やたはむれに引く恋神籤 矢口笑子 春燈 201203
小春日や痩身一茶の足何文 佐藤玲子 春燈 201203
喧騒を呑みて小春の池となる 加藤峰子 201203
福耳の小春和上のにこにこす 佐藤凉宇子 ろんど 201203
小春文殊の智恵貰ひそこねけり 池端英子 ろんど 201203
小春日や靴の軽さを喜べり 加藤千津 ろんど 201203
小春日の近江あきんど通りかな 田村すゝむ 風土 201203
小春日を浴びて五百の羅漢かな 田村すゝむ 風土 201203
小春日の婦人部ばかりの野菜市 田中富有能 風土 201203
小春日やジュゴン輝く辺野古浦 伊舎堂根自子 万象 201203
経を読む清盛像や寺小春 山本麓潮 万象 201203
吉祥天裳裾明るき小春かな 山本麓潮 万象 201203
風紋に残る足跡小春凪 紅露恵子 万象 201203
後先に小春の道の影法師 清海信子 末黒野 201203
小春日や廊下の艶は妻の功 鈴木一三 末黒野 201203
水かけて句碑の文字読む小春かな 西川みほ 末黒野 201203
小春日や盲導犬の車中まで 吉田きみえ 末黒野 201203
紺碧の小春の湾の出船かな 岡野里子 末黒野 201203
東京駅の丸屋根覗く小春空 鍋島武彦 末黒野 201203
漬物を主役の茶うけ小春縁 内山タエ 末黒野 201203
散歩する夫に至福の小春かな 占部美弥子 末黒野 201203
小春日の少し出てゐる猫の舌 師岡洋子 ぐろっけ 201203
束帯の勅使迎ふる陵小春 竹内喜代子 雨月 201203
抱き上ぐる稚に小春の日の匂ひ 堀田恵美子 雨月 201203
遍路ゆく仏の里の小春日を 尾崎みつ子 雨月 201203
小春日やわが前をゆく試歩の夫 山荘慶子 あを 201203
背なの子のずり落ちてくる小春かな 志方章子 蟋蟀 201203
家苞に女夫饅頭小春凪 小川玉泉 末黒野句集 201203
小春日の山道杉の枝にほふ 天野美登里 やぶれ傘 201203
人の縁続く小春の杞陽忌に 山田佳乃 ホトトギス 201204
全容の富士に浮びし雲小春 安原葉 ホトトギス 201204
龍之介いよよ親しき館小春 安原葉 ホトトギス 201204
秋田より小春携へ講師来る 大久保白村 ホトトギス 201204
皇帝ダリア空引きよせる小春かな 佐藤喜仙 かさね 201204
小春日や何もかも忘れひた走る 柳田皓一 かさね 201204
縁に出て体を癒す小春かな 柳田皓一 かさね 201204
小春日の溶けてつぶやく角砂糖 鳳蛮華 201204
競売の海苔島洗ふ小春波 岸川素粒子 万象 201204
小春日や帯と流るる坂の町 梶浦玲良子 六花 201204
小春日や父残したる備忘録 瀬島洒望 やぶれ傘 201204
反物を広げ比べる小春かな 丑久保勲 やぶれ傘 201204
築山も屋敷稲荷も小春かな 國保八江 やぶれ傘 201204
小春日や娘嫁いで家広し 湯本実 やぶれ傘 201204
小春日に理由はいらぬ穴を掘る 鶴濱節子 始祖鳥 201206
盗み聞きしたこと小春だったこと 中原幸子 船団 201206
引く波は見えず寄すのみ湖小春 千原叡子 ホトトギス 201207
骨ひとつ鳴らして何もせぬ小春 鳥居おさむ 鳥居おさむの、背骨。 201207
補聴器を外せばもとの小春かな 長節子 201208
小春てふ声は温泉の町より届く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
迎へたる小春のやうな講師かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
街騒を空吸ひ込んでゐる小春 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
小春日の午前が午後につながらず 稲畑汀子 ホトトギス 201211
話題また逸れて小春の旅仲間 稲畑汀子 ホトトギス 201211
鍵の齟齬さへ小春日のこととして 稲畑汀子 ホトトギス 201211
小春→ 9      

2021年11月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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