小 春 6      130句

小春日や淺間の煙ゆれ上る   正岡子規   寒山枯木

作品
作者
掲載誌
掲載年月
小春日和厳父賢母もすでに亡く 松井のぶ 200912
幼児の起居すんなり小春なり 大橋敦子 雨月 200912
足もとへ何を探しに小春の蝶 丸山佳子 京鹿子 200912
鷹匠の試技に息呑む小春かな 阿部ひろし 酸漿 200912
鷹の子も試技に加はる小春かな 阿部ひろし 酸漿 200912
小春日の久屋に集ふ歩をやはらか 伊藤敬子 200912
村の名に字がつづきて小春かな 遠藤実 あを 200912
小春日や羽根なき我は杖を持ち 芝尚子 あを 200912
小春日や牛乳箱の木のぬくみ 石川かおり 201001
小春日や腰痛の妻庭に立つ 日山輝喜 201001
小春日を膝にあつめて研師かな 栃木志津 末黒野 201001
上げ潮のしかと小春の柳橋 徳田千鶴子 馬醉木 201001
人影に野鳩よりくる小春かな 四條進 201001
小春日やビールの空瓶並んでる 鴨下昭 201001
猫のゐて老母ゐて午後の小春かな 鈴木セツ 201001
大楠に抱かれてみたき小春かな 竹内慶子 春燈 201001
小春日や新宇治橋は檜の香 小滝奈津江 酸漿 201001
小春日を一日畑に過しけり 長谷川幸恵 酸漿 201001
小春日や音ひびかせて薪作り 横川泰子 酸漿 201001
小春空仰ぎ見神田川のぞき 藤野寿子 あを 201001
小春日や記念切手の列に居る 森山のりこ あを 201001
久々の姉妹に小春日和かな 須賀敏子 あを 201001
いにしへのままの山廬の小春かな 伊藤敬子 201001
しみじみと貰ふ小春日山廬廬ふ 伊藤敬子 201001
玉のごとき小春陽を浴ぶ墓碑囲む 伊藤敬子 201001
小春日の蛇笏の木椅子借り申す 伊藤敬子 201001
山頂へゆく風もなき庵小春 伊藤敬子 201001
岩座を撫づる小春の恋の宮 小澤淳子 201001
木の影に収まり小春去来塚 五十嵐勉 201002
三代目の社旗の掲揚小春風 北尾章郎 201002
小春日や御廟菊花の透し彫 井口淳子 201002
小春日の道に親しく魚屋来る 伊東和子 201002
小春日の琵琶湖の水面藍深き 坂根宏子 201002
小春日や供花新しき矢倉仏 緑川啓子 馬醉木 201002
浜に出て小春の砂の踏みごこち 清海信子 末黒野 201002
波音の波におくるる小春凪 乙坂きみ子 末黒野 201002
縁小春いつもの顔のそろひけり 菅野蒔子 末黒野 201002
弁天の琵琶鳴りさうな小春かな 山口郁子 末黒野 201002
小春日の炒り豆本舗鳩寄せて 成宮紀代子 201002
絵手紙に小春の空の色があり 佐々木群 201002
鳥獣の踏み跡あまた沼小春 田村園子 201002
沼小春あぶく吐きだす奴がゐる 原田達夫 201002
小春日の光へ放つ車椅子 佐藤弘香 ろんど 201002
小春風明日香の土の肩を吹く 西田美ち ろんど 201002
野道には石ころもいる小春の日 鎌田悟朗 ろんど 201002
小春日の足湯や睡魔駆けのぼる 泉田秋硯 201002
小春日や昔へつなぐ糸電話 林紀夫 春燈 201002
老犬の尻尾甘ゆる小春かな 堀内五齢 春燈 201002
「わが妻へ」てふ亡父の日記や小春日や 小菅礼子 春燈 201002
もう少し海見てゐたき小春かな 生田高子 春燈 201002
野良猫を飼ふと決めたる小春かな 本多遊方 春燈 201002
家無きもあるも小春のベンチかな 宮崎裕子 春燈 201002
道問はれ道連れとなる小春かな 北岸邸子 春燈 201002
小春日や姉の手織の草木染 渡辺若菜 春燈 201002
ゆつくりと牛タンを噛む小春かな 岩淵彰 遠嶺 201002
干されある魚網小春の波しぶき 環順子 遠嶺 201002
悪霊の棲む浮島や小春凪 山田禮子 遠嶺 201002
外したる眼鏡をさがす小春かな 中谷葉留 風土 201002
山頂に白き塔立つ小春かな 根岸善行 風土 201002
小春日のトテ馬車湖を一巡り 竹久みなみ 風土 201002
白ペンキ親子で塗つて小春かな 中島陽華 201002
舌の上に載せてもみたき小春日や 小形さとる 201002
小春日やホースの丈を使ひきる 橋本順子 201002
双眼鏡掛けて外して小春かな 松下八重美 201002
小春日の影絵に遊ぶ母と子と 宮崎きみ枝 201002
くるぶしに力小春の小次郎像 村戸弥牛 万象 201002
せきれいの胸の濡れゐる小春かな 松井千鶴子 201002
小春日や大佛の目のおだやかに 塚本京子 201002
三猿の教へに生きて小春かな 高橋照子 雨月 201002
菜畑に虫太らせてゐる小春 柴田良二 雨月 201002
何も無く小春日のみの無人駅 上田明子 雨月 201002
降りたくなし小春日和の渡し舟 上田明子 雨月 201002
小春日の系図に白洲次郎の名 高松由利子 火星 201002
小春かな水着一枚干しに出で 藤田素子 火星 201002
初顔を合はせ小春のバスツアー 松井倫子 火星 201002
父母は田舎の小春日育ており 貝森光洋 六花 201002
身に纏ふ小春日和となりにけり 五ヶ瀬川流一 六花 201002
鶺鴒の走る姿や畑小春 渋谷ひろ子 酸奬 201002
小春日の見舞よろこぶ翁なり 村井洋子 酸奬 201002
枯萩を束ねて寺の小春かな 青木陽子 酸奬 201002
教子もはや還暦よ小春の日 家塚洋子 酸奬 201002
家中の網戸洗へり小春の日 石川元子 酸奬 201002
小春日や散歩に添ひてパン買うて 山荘慶子 あを 201002
病得ておのれを知りぬ小春空 野坂民子 馬醉木 201003
鳶小春気流巧みに捉へつつ 山下美典 ホトトギス 201003
天目に小春の雲の流れけり 本多俊子 201003
杖外し歩く喜び小春の日 木村幸 201003
身の内の病魔の失せて旅小春 西村しげ子 雨月 201003
譬ふれば小春日和のやうなひと 山本漾子 雨月 201003
小春日や泊船の生む槌の音 小川玉泉 末黒野 201003
上げ潮の運河まばゆき小春かな 熊切光子 末黒野 201003
近ぢかと鴉来鳴けり小春凪 熊切光子 末黒野 201003
小春日てふ眩しき一日なりにけり 小池みな 末黒野 201003
小春日やつがひ雀のベランダに 長尾良子 末黒野 201003
小春日の弟の墓所たづねけり 今井松子 遠嶺 201003
小春日やふと口遊む一茶の句 山野惣一郎 遠嶺 201003
シャネル館小春の空の玻璃に映ゆ 近田登志子 遠嶺 201003
小春日や羊羹の文字辞書に聞く 渡辺和夫 ろんど 201003
葛城の里の小春を訪ねけり 田村すゝむ 風土 201003
植木屋のとんと下り立つ小春かな 根橋宏次 やぶれ傘 201003
ざくろの絵馬揺るる小春や宮参り 荻野嘉代子 春燈 201003
軽トラの荷台の母子小春かな 生方義紹 春燈 201003
小春日のミシン踏む母よみがへる 沼田桂子 春燈 201003
おづおづと虎猫通ふ小春かな 竹内慶子 春燈 201003
復元の帆船据ゑて波止小春 塩出眞一 ぐろっけ 201003
小春日の光眩しき術後なり 明石文子 ぐろっけ 201003
つけし侭網戸を洗ふ小春かな 松本文一郎 六花 201003
寄添ひて猟犬眠る小春かな 関戸国子 酸漿 201003
衣々に祝ぎし日思ふ小春かな 井口初江 酸漿 201003
小春日の浅瀬に見えて蜷の角 渡邉紅華 酸漿 201003
花嫁の美しき涙の小春かな 岡田誠吾 201003
うらうらと小春の旅や鞆の浦 酒井湧甫 201003
海光のきらめける瀬戸小春凪 原桂子 201003
石舞台小春にふはり浮きさうな 長山あや ホトトギス 201004
目指す嶺の透ける小春の柞径 小山徳夫 遠嶺 201004
引く波に引かるるものもなき小春 佐藤博美 201004
床の間の軸かけ替へる小春かな 丑久保勲 やぶれ傘 201004
小春日の空に鯨の雲浮かぶ 天野美登里 やぶれ傘 201004
川縁に船頭とゐて小春かな 白石正躬 やぶれ傘 201004
小春かな鉋の滑る音軽く 松本文一郎 六花 201004
小春日や屋根の仔猫の親離れ 松本文一郎 六花 201004
窓小春ふたたび開かざる瞼 今井肖子 ホトトギス 201005
鴻の鳥小春日の空おほひけり 筒井八重子 六花 201005
皿そばの皿つみ上げて小春なる 筒井八重子 六花 201005
小春日や影を大きく鳥翔くる 川口崇子 万象 201006
銘菓さげ申分ない道小春 丸山佳子 京鹿子 201010
小春日やワイングラスに透ける君 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
人生の回想などもして小春 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
朝の雨止みて小春の旅となる 稲畑汀子 ホトトギス 201011
釣り上げし魚に小春の日差しかな ことり 六花 201011
小春 →7      

2021年11月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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