小 春 10      207句

古里の小春日和の七日哉   伊万里梅城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
この病ふと治る気の小春かな 有松洋子 緑光 201411
はるばると来てみそなはせ湖小春 稲畑汀子 ホトトギス 201411
晴れの国てふ小春日の備前かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
あでやかな和服小春を連れて来し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
とび石の一つ浮きたる小春かな 山田六甲 六花 201411
まひるまにほろと人逝く小春かな 今井肖子 ホトトギス 201412
小春日の鷺もったりと羽づくろひ 篠田純子 あを 201412
鵜も鷺も陸で寛ぐ小春風 篠田純子 あを 201412
その家に椰子抜きんづる小春かな 山尾玉藻 火星 201412
だまし舟つまんだやうな小春かな 山田六甲 六花 201412
子にそれぞれ小春日和のさつまいも 築城百々平 馬醉木 201501
石臼の睡気を誘ふ峡小春 田中俊尾 馬醉木 201501
授乳機に仔牛擦り寄る牧小春 田中俊尾 馬醉木 201501
天水を山羊と分ちて島小春 城台洋子 馬醉木 201501
小春日や大きく傾ぎやじろべゑ 能勢俊子 馬醉木 201501
窯出しの壺に小春の日のぬくみ 塩路隆子 201501
年上の干支など問ふも小春縁 落合晃 201501
小春空ぽっくり寺の賑はへる 宮崎左智子 201501
小春日の凪をミシガン音も無く 橋本靖子 201501
出不精の夫に謎かく小春かな 諸岡孝子 春燈 201501
小春ころころ大樹寺の羅漢さま 辻美奈子 201501
塔の影重ね小春の文士墓碑 宮内とし子 201501
贈呈の一誌一誌を読む小春 布川直幸 201501
縹渺として海原の小春かな 渡辺安酔 201501
比良の水引きて小春の小野の郷 橋添やよひ 風土 201501
陵の鉄扉の匂ふ小春かな 山尾玉藻 火星 201501
小春日や猫と男と板塀と 加藤みさ 201501
小春日や吾子の瞳の万華鏡 藤井杏愛 京鹿子 201501
立つ影も佇む影もみな小春 藤岡紫水 京鹿子 201501
小春日を両手で掬ふ母の笑み 藤井杏愛 京鹿子 201501
餡を添へ団子出さるる小春かな 根橋宏次 やぶれ傘 201501
イーゼルに絵の具を置いて小春の日 篠田純子 あを 201501
園小春結婚式とスケッチと 須賀敏子 あを 201501
小春日を喫煙室にこもる人 松村光典 やぶれ傘 201502
小春かな個展を開く風雅人 赤松赤彦 六花 201502
小春日や夕爾をおもふ水ぐるま 西岡啓子 春燈 201502
江戸手拭選ぶ小春の木挽町 千手和子 馬醉木 201502
野紺菊小春にいのちながらふる 溝内健乃 雨月 201502
櫓の音がとき刻みをり小春凪 平田はつみ 馬醉木 201502
みどり児に言葉のふゆる小春かな 市村明代 馬醉木 201502
正論を掲げられても小春猫 辻美奈子 201502
海沿ひに単線鉄路安房小春 伊藤よし江 201502
小春日は急かず遅れず日が暮れる 松田都青 京鹿子 201502
家ごとに小橋渡して峡小春 生田作 風土 201502
一万人のラインダンスや小春風 奥田茶々 風土 201502
小春日や子がウクレレを弾いてをり 伊勢きみこ 火星 201502
小鳥屋の窓開いてゐる小春かな 涼野海音 火星 201502
膝抱きて耳瞑る羅漢小春空 松本三千夫 末黒野 201502
山雀の手の餌啄む小春かな 松本三千夫 末黒野 201502
魚網結ふ媼の黙や浦小春 中野久雄 末黒野 201502
時頼忌を明日に小春の日和かな 戸田澄子 末黒野 201502
小春日や故郷の山美しき 佐藤健伍 201502
小春日や藤の実爆ぜる音響く 塩千恵子 201502
白き鯉放生池の小春かな 森岡恵子 万象 201502
小春日やけふは大人をひと休み 栗原公子 201502
小春日や貝の舟おく砂の波 近藤喜子 201502
小春日やハートマークの観覧車 江島照美 201502
カリヨンの音の流れきて園小春 大橋晄 雨月 201502
釣れてよし釣れずともよし池小春 岡淑子 雨月 201502
木の洞を潜る父と子杜小春 岡淑子 雨月 201502
アメリカの曾孫の出生聞く小春 細川コマヱ 雨月 201502
聖堂に一刷の雲小春なり 服部珠子 雨月 201502
小春日の鳶と鴉の鬼ごつこ 葦原葭切 春燈 201502
磯の香を纏ひて浜の小春かな 武生喜玖乃 雨月 201502
小春日の無二の浦風享けながら 山崎靖子 201502
返信の返信が来る小春かな 田村園子 201502
右利きのご本尊かな小春の日 濱上こういち 201502
風呂敷を解くがごとき小春なり 平野みち代 201502
小春日や言葉に詰まる新住所 まつのたく ろんど 201502
二度三度鯉飛び跳ねる池小春 鈴木直枝 ろんど 201502
小言など聞かぬ一日小春かな 吉田宏之 201502
小春日や稲荷神社の三狐みけつ 山口キミコ 201502
蜻蛉玉光る静けさ小春かな 國保八江 やぶれ傘 201502
鼻唄の百寿穏やか小春風 粟倉昌子 201502
鳩群れて道とどこほる小春かな 松村光典 やぶれ傘 201502
面にゆき胴を抜かるる小春かな 松村光典 やぶれ傘 201502
板の間のはひはひ囃す小春かな 齋藤博 やぶれ傘 201502
風見鶏くるりと小春日を廻す 栗山恵子 雨月 201503
目尻の朱きっと小春の石白狐 杉山瑞恵 雨月 201503
手の棘を爪で引き抜く小春かな 丑久保勲 やぶれ傘 201503
小春日は母の手ざはりガラス拭く 直江裕子 京鹿子 201503
風小春谷を広げる道路鏡 山本正 京鹿子 201503
ゆるゆるとゆるゆる体操小春風 武智由紀子 201503
小春日や縁の日溜り猫溜り 鈴木みのり 201503
外つ国の牛タン届く小春かな 中島陽華 201503
小春空捨てられてゆくものの音 熊谷ふみを ろんど 201503
小春日や地図のいらない土池歩く 村田岳洋 ろんど 201503
日もすがら長々とおり小春猫 鈴木直枝 ろんど 201503
小春日の引きたくなりし恋みくじ 山田春生 万象 201503
小春日や日時計の錆みどり色 原田しずえ 万象 201503
小春日に清拭の身をゆだねをり 原田しずえ 万象 201503
小春日の玉とも抱き赤ん坊 小林愛子 万象 201503
天平の門天平の倉小春 古賀しぐれ ホトトギス 201503
白猫のねむり預ける小春石 塩貝朱千 京鹿子 201503
小春日や筧の雫光り落つ 安斎久英 末黒野 201503
潜り戸の通用門や寺小春 安斎久英 末黒野 201503
渦潮の鳴りを潜めぬ小春凪 中野久雄 末黒野 201503
猫老いて眠る小春の小座布団 亀卦川萄枝 末黒野 201503
わに口の一打の響き寺小春 橋場美篶 末黒野 201503
遣影の子と雲龍拝す小春かな 森一枝 末黒野 201503
東寺訪ひ西寺址訪ふ小春かな 久保田雪枝 雨月 201503
縁小春黒猫せはしく爪を研ぐ 神田美千留 京鹿子 201504
マンションの横は農園小春かな 遠山のり子 201504
辻に立つ地蔵ぬくもる小春かな 石川叔子 201504
遠富士へ飛んでゆけさう野の小春 田中一美 ろんど 201504
小春日や胸刳り深き観世音 田岡千章 201504
小春日や握り語りと言ふ看取り 渡部節郎 201504
女院陵に佇つさめざめと小春の日 伊藤希眸 京鹿子 201504
釣れしかと問へば釣れぬと沼小春 岡安仁義 やぶれ傘 201504
まだ来ぬと老いし句友を待つ小春 岡安仁義 やぶれ傘 201504
店連ね賑橋の小春かな 石川純子 万象 201504
小春日の猫のいそうな道通る 津田このみ 船団 201505
はらわたに曲り角ある小春かな 津波古江津 船団 201505
座布団と義兄と干されている小春 火箱ひろ 船団 201505
戦災も五輪も遠し廊小春 平野無石 201504
小春日や夢を運びし流線型 植木やす子 201504
小春日や川の流れに歩を合はす 野中圭子 京鹿子 201507
小春日やみんなのっぽのお葬式 火箱ひろ 船団 201508
笹叢に風のきてゐる小春かな 大崎紀夫 虻の昼 201510
沼小春あぶく吐き出す奴がゐる 原田達夫 箱火鉢 201511
小春日の風と対話をする司祭 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
講話聞くための小春日なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201511
一年に一度の講話聴く小春 稲畑汀子 ホトトギス 201511
わだなかも小春日和や垂水岬 山田六甲 六花 201511
小春日やミサが終れば吟行に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
翁詠みし小春日返す浮御堂 門伝史会 風土 201512
小春凪千体阿弥陀笑ましゐる 門伝史会 風土 201512
象潟や鳥海映さず松小春 石井秀一 風土 201512
米菓子のポンと弾けて小春かな 宮口征子 馬醉木 201601
除幕てふ沸騰点の小春山 鈴鹿仁 京鹿子 201601
来し方のささら解してゐる小春 直江裕子 京鹿子 201601
糸垂れて暮るる小春の小川かな 宮崎靖夫 201601
口笛がゆく犬がゆく小春道 松嶋一洋 201601
泣く羅漢笑ふ羅漢の小春かな 中島玉五郎 201601
術後の猫そつとそと抱く小春の日 斉藤裕子 あを 201601
街道を猫の横切る小春かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201601
病院にカフェオープンの小春かな 太田佳代子 春燈 201602
小春日や昔の匂ふ船溜 久米憲子 春燈 201602
折紙の兎はねゐる小春かな 久米憲子 春燈 201602
反橋の真ん中に立つ小春かな 荒井慈 春燈 201602
縁起物息かけ磨く小春かな 横田初美 春燈 201602
小春日や仄かに匂ふ御礼肥 山崎刀水 春燈 201602
よく笑ふ稚のやうなる小春かな 建部洋子 馬醉木 201602
胸像のまなざし弛む小春かな 高村令子 風土 201602
小春日や百花繚乱草月展 須藤美智子 風土 201602
小春日や時計回りに摩尼車 奥田茶々 風土 201602
小春日や午後の山の端朱に靄る 広田貞治 風土 201602
小春凪街東西に川流る 仙田孝子 風土 201602
小春日の小江戸の入口連雀町 仙田孝子 風土 201602
友の忌の千代さん今日は小春です 有松洋子 201602
小春日の沼は平らに昏れにけり 内海良太 万象 201602
小春日や古書街に選る俳諧書 山田春生 万象 201602
毛繕ひ余念無き猫縁小春 岡崎春菜 万象 201602
小春日や読経に和する古時計 野口朝世 やぶれ傘 201602
岩頭に眠り目の猿小春かな 原田達夫 201602
船橋のアンデルセン像小春凪 田部井幸枝 201602
小春日や話し出しそな西鶴像 大橋晄 雨月 201602
小春日や少し緩びしこころの緒 杉山瑞恵 雨月 201602
乾杯の声にふくらむ小春の賀 滝澤圭子 雨月 201602
浮雲の流るるとなく小春空 滝澤圭子 雨月 201602
句碑の辺に寄する漣余呉小春 久保田雪枝 雨月 201602
小春日の縁側で切る母の髪 横田敬子 201602
母猫の坐る寝そべる小春の日 鴨下昭 201602
小春日や正規不正規賑やかに 鴨下昭 201602
乳母車そばに小春日寄り添ひぬ 池田光子 201602
小春日の賢治を背負ふ猫人形 池田光子 201602
鐘撞きて余韻にひたる寺小春 岡野ひろ子 201602
小春日や駅を通過の貨車数ふ 小川玉泉 末黒野 201602
大仏の丈余の影の小春かな 黒滝志麻子 末黒野 201602
与力の墓遊女とならぶ小春かな 牧はるか 末黒野 201602
小春日の鴉たはむる空に雲 上家正勝 末黒野 201602
夫の手の錠剤かぞふ小春かな 山田六甲 六花 201602
やはらかき嬰抱かさるる小春かな 佐津のぼる 六花 201602
古希の会流れ小春の動物園 平居澪子 六花 201602
尾の先で返事する猫小春の日 斉藤裕子 あを 201602
江の電の揺れに小春の身をまかす 永淵惠子 201603
小春日や塔の鴉の吉備なまり 和田照海 京鹿子 201603
外濠をめぐる小春日出口なし 高木晶子 京鹿子 201603
ジオラマを寅さんがゆく小春かな 高野春子 京鹿子 201603
小春日の湖へ放てり三井の鐘 布川孝子 京鹿子 201603
数独のすらすら埋まる小春かな 金子正道 京鹿子 201603
小春日のローカル列車極楽へ 中貞子 201603
晴れをとこは俺だ己よと小春かな 石田きよし 201603
車椅子のブレーキ握る小春空 山口ひろよ 201603
小春日や林の中の薬医門 中嶋陽子 風土 201603
釣り具屋にサンダル五色小春凪 中嶋陽子 風土 201603
やりとりの庭師の親子小春かな 鈴木庸子 風土 201603
錆びてゐるポンプを押してみる小春 大島英昭 やぶれ傘 201603
小春日や据わりの悪きカフェの椅子 瀬島洒望 やぶれ傘 201603
綺麗な膝小僧ですね小春 つじあきこ 201603
小春日や炒飯しようかナンもある 辻響子 201603
小春日の新郎は我が息子です おーたえつこ 201603
砂利舟の沈まむばかり小春凪 松田泰子 末黒野 201603
おもむろにペンを胸より小春空 森清堯 末黒野 201603
小春日や金毘羅宮へ竹の 斉藤マキ子籠 末黒野 201603
小春日や砲台跡の静けさよ 龍町子 末黒野 201603
小春日や伊根の漢の京言葉 廣畑育子 六花 201603
小春日のこんなところに富士見えて 今橋眞理子 ホトトギス 201604
鼻といふ第五の手足象小春 古賀しぐれ ホトトギス 201604
水際に雑魚の群れゐる小春凪 石川倜子 馬醉木 201604
リハビリや小春日和の植物園 岡山敦子 京鹿子 201604
見返りの弥陀の目差小春風 今村千年 末黒野 201604
経堂にはたきかけたき小春かな 田中とし江 201604
落慶に侍る幸せ寺小春 竹内喜代子 雨月 201604
空路組新幹線組旅小春 安原葉 ホトトギス 201605
遊びゐる雲も小春でありにけり 木村享史同 ホトトギス 201605
納経帳入れて小春の柩かな 井上和子 201606
小春→11      

2021年11月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。