辛 夷 2     100句

花辛夷人なつかしく咲きにけり    松本たかし

作品
作者
掲載誌
掲載年月
花辛夷やまびこゆきてかへるかな 坂田和嘉子 京鹿子 200205
花辛夷朝の光りにふるへ咲く 勝又寿ゞ子 200205
辛夷咲き兄の回忌の日取りなど 志水芳秀 雲の峰 200205
嘶きに目覚めし宮居辛夷咲く 辻井桂子 雲の峰 200205
ささくれし木椅子の脚や花辛夷 溝口八重子 雲の峰 200205
花辛夷いつも先行く父であり 暮岸江 銀化 200205
辛夷散る傷みし匂ひ土に置き 鎌倉喜久恵 あを 200205
暮れ際のすつくと辛夷浮かびけり 吉田政江 200205
声あげる辛夷の花の総立ちに 杉本光 200205
トランポリンに弾む青春花辛夷 田中康雄 200206
宿坊の錆びし庇に辛夷満つ 池森昭子 馬醉木 200206
山肌に光揉み合ふ花辛夷 野口香葉 遠嶺 200206
点景の辛夷夕空深くせり 藤森すみれ 200206
逆光の辛夷の花芽空青し 辻田明 200206
辛夷咲き古き祠を知りにけり 岸野美知子 酸漿 200206
邂逅や草とる園に咲く辛夷 増田八重 酸漿 200206
秩父晴れ辛夷を散らす風吹けり 小林螢二 春耕 200206
辛夷咲き墓所のまはりを明るくす 荒川優子 春耕 200206
万蕾の辛夷かがよふ秋篠寺 小林玲子 ぐろっけ 200206
太陽がいっぱい辛夷咲きそろふ 千坂美津恵 200207
花辛夷天に航路のありにけり 土井三乙 風土 200207
花嫁の絹のドレスや花辛夷 与川やよい 遠嶺 200207
視野開くたびに辛夷の花の白 吉永とほる 円虹 200207
人訪はぬ国東の古寺辛夷咲き 西村操 雨月 200207
白木蓮と辛夷のあひだ行き来する 井上菜摘子 京鹿子 200208
人の世の濁らざる日の花辛夷 小澤克己 克己句集 200209
あの時は辛夷の花の道白し 東亜未 あを 200304
クレーン車辛夷の花をとり巻ける 東亜未 あを 200304
一瀑のひびきだしたる花辛夷 那須淳男 馬醉木 200305
こきざみに抜けるトンネル花辛夷 那須淳男 馬醉木 200305
張りづめの空も辛夷の咲くを待つ 宮津昭彦 200305
昼からは雨のきざしの辛夷山 飯田はるみ 築港 200305
かたくなに女人禁制辛夷咲く 森脇恵香 雲の峰 200305
花辛夷見上げて村に入りけり 大串章 200305
花辛夷帝のやまひ癒えにけり 石川笙児 200305
六甲の夜空を遊ぶ花辛夷 山田弘子 草の蝉 200305
まだ売れぬ屋敷五度目の花辛夷 武司琴子 ぐろっけ 200305
辛夷咲き迫々かげる椎葉村 有働亨 馬醉木 200306
中天を大カンバスに辛夷咲く 石岡祐子 200306
辛夷咲く牧を下り来る牛の列 大島翠木 200306
心ふと遠く置くとき辛夷咲く 吉村春風子 遠嶺 200306
星出でし夕空深き花辛夷 田中清子 遠嶺 200306
ぎんいろの翳を脱ぎたる辛夷かな 関根洋子 風土 200306
秩父嶺の風神おそふ花辛夷 関まさを 酸漿 200306
山襞にただ一本の辛夷咲く 井関祥子 酸漿 200306
幣辛夷花弁よぢりて咲き出でぬ 宮津昭彦 200306
金砂磯出辛夷咲く空濁りなし 杉山たかを 200306
駅跡に記念の車輪花辛夷 久保田喜代 雲の峯 200306
遠山の辛夷明りを数へ過ぐ 金森恭子 築港 200306
反戦へ峰起するかに花辛夷 川崎光一郎 京鹿子 200306
山辛夷谷の深さのありにけり 八木玲子 百鳥 200306
墓地の空高く咲きたる辛夷かな 沖増修治 百鳥 200306
故郷へ行く気定まる花辛夷 西川五郎 馬醉木 200307
溶接と辛夷短絡して満てり 禰寝瓶史 京鹿子 200307
花辛夷風まさらなる峡の朝 海輪久子 円虹 200307
喝采の湧くごと風の辛夷かな 岡淑子 雨月 200307
壺中より濤音ひたと花辛夷 環順子 遠嶺 200307
公園がバスの終点花辛夷 菅龍一 百鳥 200307
辛夷咲くモデルルームの赤子かな 植木戴子 200307
あけがたを勢ひて数の花辛夷 長沼三津夫 200307
空割つて真白き辛夷日和かな 中沢司枝 200307
放心のいろにも似たる花辛夷 梅森スミ子 200307
花辛夷ひねもす瀬音ひびきけり 中島霞 ぐろっけ 200307
日表にまはり辛夷の木をあふぐ 佐藤喜孝 あを 200308
夜も蒼き空よひらひら花辛夷 金田きみ子 200308
城跡と云ふは名ばかり花辛夷 野村智恵子 八千草 200309
惑ひ咲く梅雨の最中の姫辛夷 和田喜智子 酸漿 200309
朝雨の上るはやさよ花辛夷 石井邦子 酸漿 200309
遠辛夷磁石のやうに故山あり 山元志津香 八千草 200310
高嶺晴辛夷の花は風に覚め 平井あい子 馬醉木 200312
辛夷一本聖者とも見ゆ丘の上 犬塚芳子 200312

 石田玄祥さんを悼む

川べりのあの幣辛夷咲きをらむ

藤田あけ烏 草の花 200403
おつぱいは男にもあり花辛夷 山田六甲 六花 200404
学園の木といふ辛夷咲きにけり 阿部ひろし 酸漿 200404
高麗川の照のひねもす花辛夷 岡本眸 200404
薬師様辛夷の白が眩しくて 芝宮須磨子 あを 200405
なほ高き空を求めて辛夷咲く 宮津昭彦 200405
嵐峡を望む高台花辛夷 伊藤葉 雲の峰 200405
連れ合ひに隣り辛夷の花数ふ 古林美幸 雲の峰 200405
合掌をしづかにほどき辛夷咲く 松本圭司 200405
みちぐさもときには大事辛夷咲く 蓮尾あきら 風土 200405
辛夷咲く己れ励ます白衣着て 西川五郎 馬醉木 200405
曇りぐせ抜けきらぬ空辛夷咲く 西屋敷峰水 河鹿 200406
辛夷咲く白き日暮れをさみしめり 蒔元一草 河鹿 200406
遠辛夷電飾のごと日を返す 菅谷たけし 200406
大空にグーチョキパーと花辛夷 山崎ミチ子 帆船 200406
辛夷咲き忌明の家を明るうす 古田考鵬 雨月 200406
とびきりの青空の朝辛夷咲く 和田一 雨月 200406
又一つ越えし県境山辛夷 和田一 雨月 200406
去年咲きしところに辛夷咲きにけり 今瀬剛一 対岸 200406
花散りし身軽さにあり辛夷の木 中島正夫 対岸 200406
花辛夷思ひもよらず冷えにけり 金川眞里子 百鳥 200406
辛夷咲き和毛のの湿りかな 岩下芳子 200406
白骨と化して辛夷のさかりなり 竹内悦子 200406
星影にこたへ艶ます辛夷かな 永田勇 六花 200406
花辛夷道となりたる屋敷跡 水谷節子 栴檀 200406
万葉の里の並木の花辛夷 岡田有峰 築港 200406
姫辛夷紙片のごとく揺れゐたり 上石哲男 築港 200406
まだ青き空が残れり花辛夷 千手和子 馬醉木 200406
辛夷咲く陸奥二の戸風寒し 田中きよ子 酸漿 200406
辛夷3→      

 

2021年4月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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