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作品
作者
掲載誌
掲載年月
村が消え狐の親子漂へり 柴田朱美 京鹿子 200703
狐去り小指の痛むハイヒール 瀬下るか 200703
狐罠かけて女人のやうにゐる 小澤克己 遠嶺 200703
大注連の結界に棲む白狐の目 丸井巴水 京鹿子 200704
人に隠れて狐を呼ぶと片しぐれ 池田澄子 200704
湯治宿水場に狐来てをりぬ 酒井ひろ子 200704
まばたきの戻るや狐川温む 林いづみ 風土 200705
末黒野をよぎる狐の煤けゐし 大工原清明 万象 200707
呼ぶ声は狐の化身赤子泣く 前田美恵子 200712
公達の影が狐になる夕べ 高橋将夫 200801
どちらとも言へぬ狐と狸かな 高橋将夫 200801
初外出夜道に狐過りけり 大野ツネ子 酸漿 200803
元日の狐の顔の日暮れたる 戸栗末廣 火星 200804
流し目を残して去りし北狐 今井千鶴子 ホトトギス 200804
月光の木洩るる谷戸の狐罠 小山徳夫 遠嶺 200804
凍返る狐鳴く夜のことさらに 谷村祐治 雨月 200805
狐罠かけて百年待つ構へ 林友次郎 天帝 200806
月光の木洩るる谷戸の狐罠 小山徳夫 遠嶺 200808
蕗の葉になまじ隠れし北狐 高橋澄子 200810
狸より狐に逢はむ良夜かな 木村茂登子 あを 200811
太き尾を引きずるとなく狐去る 稲畑汀子 ホトトギス 200812
現はれてしばし狐と分るまで 稲畑汀子 ホトトギス 200812
そこここに狐声跳ぶ芒原 伊藤憲子 200901
狐鳴き天ぷら山と揚げてをり 中島陽華 200902
爪立てて谷地だも上る北狐 榎美幸 万象 200903
洒落帯を締めて狐に啼かれけり 小澤克己 遠嶺 200904
真白なる野に一筋の狐径 須田千鶴子 炎環 200905
逃げこめる女狐の尾の流れけり 山田六甲 六花 200912
黍畑に狐罠かけ知らぬ顔 海上俊臣 酸漿 200912
裏山の狐啼き去る星月夜 小山漂葉 酸漿 201001
牝狐の尾の長きこと太きこと 岡野イネ子 春燈 201002
知慧の矢の的を射貫けず狐罠 禰寝瓶史 京鹿子 201002
炉明りや白狐出るてふ那須の里 太田良一 末黒野 201003
鶏を引く狐の大き顎かな 加藤みき 201003
狐罠かけて眠りの浅かりし 柴田志津子 201004
大寒の晴明の杜白狐跳ぶ 北村淳子 ろんど 201005
裾野村字薄原狐棲む 久染康子 201012
野狐のふはりと雪の闇に跳ぶ 山田六甲 六花 201102
初恋や王子の狐らしきひと 浅野洋子 春燈 201103
雪埋む線路の先に狐ゐて 赤座典子 あを 201103
狐啼く夜は煌煌と月ひとつ 松原仲子 201103
髭も尾も豊かなるかな古狐 藤森荘吉 ホトトギス 201104
狐ゐるところが妖しかりし戯画 後藤比奈夫 ホトトギス 201104
黄昏の雪の恋路を北狐 金山藤之助 201107
沼辺りを狐窺ふ月明り 鈴木千恵子 万象 201109
玫瑰や人馴れのして北狐 田下宮子 201110
騙されてみたい狐と君の嘘 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112
きっと出る松坂屋から銀狐 坪内稔典 船団 201203
狐鳴く白一色の大地なり あさなが捷 201204
かしこみかしこみ伏見狐のスキップす 佐藤凉宇子 ろんど 201204
狐罠指うつくしき男かな 栗栖恵通子 201204
狐罠かけて狐のやうに去る 柴田佐知子 201205
尾袋沼狐に後を付けらるる 菅原孟 かさね 201302
よそゆきの声だしてゐる狐かな 近藤喜子 201303
逆光に狐出て来よ芒原 古川夏子 201303
大年の狐の穴といふを見る 大西八洲雄 万象 201303
この声は正に狐や高地駅 山口輝雄 201304
夕焼の冷めて丹波の狐どち 稲岡長 ホトトギス 201312
石の香を吸うて狐の死にゐたる 山田春生 万象 201402
読み聞かす本や狐のこんと啼く 青木ちづる 201403
父の死のその後狐訪はざりし 和田照海 京鹿子 201404
火の匂ひ残してよべの狐とも 菊川俊朗 201404
月の影濃くなる頃や北狐 玉田瑞穗 万象 201404
画も愉し狐一族のクリスマス 水原秋櫻子 馬醉木 201412
山眠る民話の狐よくしやべり 柴田佐知子 201503
隙あらば墓穴を掘らす狐ゐて 鈴鹿仁 京鹿子 201503
凩や銀座を歩む銀狐 増田甚平 ろんど 201503
北狐九条全文まで知らず 土屋草子 ろんど 201503
変身のできぬ狐の啼きにけり 藤井彰二 馬醉木 201504
山は上野狐と狸花競ふ 上野紫泉 京鹿子 201507
明かりから少し離れて狐啼く 東英幸 船団 201508
稲つるび女狐コンと鳴きにけり 高橋将夫 201512
奥木曾の狐鳴く夜や朴葉味噌 山口順子 馬醉木 201603
信濃路の一会の宿に狐鳴く 小林共代 風土 201604
月代や狐奈落に飛び込みし あさなが捷 201611
鶏小屋の傍に掛けたる狐罠 柴田志津子 201703
イルミネーションの一つは狐の灯 柳川晋 201703
狐来る鹿来る水場氷解く 林陽子 万象 201705
足跡は狐なるべし崩れ簗 土屋啓 馬醉木 201803
暗算の途中狐の横切りぬ 奥田筆子 京鹿子 201804
初明りあなたは狐なのですか 東英幸 船団 201809
木下闇利口な狐騙さない 奥田筆子 京鹿子 201811
山窪の夕日とらへて狐罠 布施政子 馬醉木 201812
人の世のあちらこちらの狐罠 高橋将夫 201904
真夜の庭狐の青き目と逢へり 小林輝子 風土 201905
蕪村忌の句座の灯へ寄る狐かな 柴崎富子 白地 201909
雨のち晴れのち時々狐 高貴美子 202003
絵本より跳び出たやうに北狐 森岡正作 202202
狐鳴く昔話のやうな夜 菊川俊朗 202202
悠々と窓を狐や白き朝 山田ゆきこ 202204
玻璃窓や闇より出づる北狐 平木三恵子 末黒野 202305
狐の栖崩せば勾玉や剣 柴田佐知子 202304
狐→1

 

2023年11月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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