桐の花 7     100句

桐の花薄化粧して老いんかな   原コウ子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
約束は遠くにありて桐の花 神宮きよい 馬醉木 201507
空つぽの犬小屋桐の花咲いて 大島英昭 やぶれ傘 201507
花桐や胸に棲む子の夢に来る 鈴木漱玉 馬醉木 201508
水軍のひそみし浦や桐咲けり 深川淑枝 201508
臥す母に夜のすぐ来る桐の花 宮井知英 201508
淡あはと空に泛びて桐の花 伊藤由良 末黒野 201508
若かりし日の白昼夢桐の花 木下夕爾 春燈 201508
屋根よりも高きブロンズ桐の花 小林陽子 201508
こもりくの初瀬丈六桐の花 橋添やよひ 風土 201508
この木にも暗き歴史や桐の花 鈴木阿久 201508
桐咲いて剥落はげし海鼠壁 谷村祐治 雨月 201508
風が見すきりきり舞ひの桐落花 谷村祐治 雨月 201508
山並の遠くなりたり桐の花 榎本文代 万象 201508
たうたうと流れの早し桐の花 川越昭子 万象 201508
桐の花故山いよいよ遥かなる 吉田順子 201508
雨戸まだ開かぬままや桐の花 須賀敏子 あを 201508
桐の花白雲城へ急ぎけり 古賀しぐれ ホトトギス 201509
桐咲いて言はねばならぬこと多し 鴨下昭 201509
桐の花久しく人の住まぬ家 遠山のり子 201510
二人とも昭和ひと桁桐の花 中村三郎 京鹿子 201510
下総の山並みやさし桐の花 原田達夫 箱火鉢 201511
桐の花納豆食べて家継がず 鴨下昭 201601
桐の花盥に曲る山の鯉 伊藤通明 201603
上枝には桐の花房立ちにけり 池田友之 夏雲 201603
咲く高さ遠さ活けたる桐の花 稲畑汀子 ホトトギス 201605
喪の什器人来て洗ふ桐の花 中川句寿夫 あを 201607
廃線のレール埋もれて桐の花 本田武 やぶれ傘 201608
暮れつかた出できし風や桐の花 岩永はるみ 春燈 201608
親代り葉に守られて桐の花 七郎衛門吉保 あを 201608
どの坂も城に繋がる桐の花 大日向幸江 あを 201608
桐の花下に子を抱く家鴨かな 内海保子 万象 201608
桐の花オペラグラスで見てをりぬ 大内佐奈枝 万象 201608
手のひらの思はぬ軽さ桐の花 大山春江 万象 201608
雨を呼ぶ風の重たき桐の花 藤岡紫水 京鹿子 201608
雨上りの桐の花房見上げをり 中貞子 201608
唐寺の国宝ふたつ桐の花 田川美根子 201609
花桐や二楷の窓を開け放つ 小川玉泉 末黒野 201609
吊橋に触れむばかりや桐の花 森清堯 末黒野 201609
老人に次の夢あり桐の花 柴田志津子 201609
花桐のここだ散りゐて楽しき歩 金森信子 雨月 201609
水口に堰板入るる桐の花 深川淑枝 201610
裏山の番人らしき桐の花 瀬川公馨 201610
その先に海の展けて桐の花 小林愛子 万象 201610
降り立てば父郷は桐の花ぐもり 笠井敦子 201610
山峡の空低くして桐の花 中村襄介 ホトトギス 201611
花桐へ山の朝日が一直線 内海良太 青嶺 201612
人まばら湖畔に桐の花散れる 赤堀洋子 万象 201701
風に香を放ちつつ落つ桐の花 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
喪の什器人来て洗ふ桐の花 中川句寿夫 ここのもん 201705
桐の花母の手提げの木の把手 甲州千草 201706
たかし忌や花桐の香の惜みなく コ井節子 馬醉木 201707
桐咲いて水田あかりの長屋門 高久正 201708
曇天や里わの桐の花明かり 吉田きみえ 末黒野 201708
散り敷きて香りたちたる桐の花 箕輪カオル 201708
古家に抜ん出てゐし桐の花 廣畑育子 六花 201708
母郷美し疎林の端の桐の花 松橋利雄 春燈 201708
昼月のうするる空や桐の花 荒井ハルエ 春燈 201708
鈴なりの巫女のみすずや桐の花 小林文良 春燈 201708
桐の花仰ぎ見る度母の色 大村峰子 万象 201709
曲がるたぴ海見え隠れ桐の花 藤井美晴 やぶれ傘 201708
ふるさとの空遥かなり桐の花 山崎稔子 末黒野 201709
淀殿を偲べと咲きて桐の花 玉置かよ子 雨月 201709
海桐咲く崖の半ばに水走る 鈴木良戈 201710
八海山に雪形はつか桐の花 大沢美智子 201710
海桐花咲く空港島の舟着き場 西村操 雨月 201710
重さうなる雲のゐすわり桐の花 森清信子 末黒野 201710
歩道橋越しに梧桐花散らす 土井三乙 風土 201711
約束の合図は目にて桐の花 田岡千章 201712
昼月のうするる空や桐の花 荒井ハルエ 春燈 201803
この先も一喜一憂桐の花 押田裕見子 201802
紫は人欺かず桐の花 稲畑廣太郎 ホトトギス 201805
桐の花近景といふ潔さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201805
この郷のすべてを領(し)りし桐の花 鈴鹿仁 京鹿子 201806
入院の三日の留守や桐の花 豊谷青峰 春燈 201807
明日着る喪服衣桁に桐の花 鈴木石花 風土 201808
水音の遠のくあたり桐の花 宮内とし子 201808
桐の花敗者たたへて村豊か 鈴鹿仁 京鹿子 201808
廃校の深きねむりや桐の花 山中志津子 京鹿子 201808
むらさきに重ねる師恩桐の花 井尻妙子 京鹿子 201808
桐の花女は強し母強し 西村滋子 京鹿子 201808
桐の花咲きたる高さ教へられ 片岡良子 雨月 201808
一天を仰げと桐の花咲ける 竹下陶子 ホトトギス 201808
むらさきの靄一面や桐の花 加藤みき 201809
水音に添へばふる里桐の花 井尻妙子 京鹿子 201809
雨脚の音を吸ひたり桐の花 森清信子 末黒野 201810
見返りの桐の花咲く雨もよう 西村亜紀子 船団 201811
長女には長女の務め桐の花 松田明子 201811
桐の花四国の旅路彩れる 稲畑汀子 ホトトギス 201905
近くより遠くの視界桐の花 稲畑汀子 ホトトギス 201905
一村を水に浮かべて桐の花 羽田英晴 船団 201906
母偲ぶ日暮むらさき桐の花 浅田セツ子 春燈 201907
鳥の園海桐の花を結界に 中根美保 風土 201907
はたらきものに育ちし娘桐の花 田嶋洋子 春燈 201908
人の生きる高さをこえて桐の花 水野恒彦 201908
桐の花ビルの谷間に色の風 藤田美耶子 201908
嫋やかや静もる里の桐の花 堀江久子 末黒野 201908
桐咲いて風やはらかき奥会津 山本久枝 やぶれ傘 201908
戦国の私部きさべ城址や桐の花 庄司久美子 201909
雨男なりし兄の忌桐の花 梅田武 末黒野 201909
桐咲くや工作小屋の槌の音 佐渡谷秀一 春燈 201909
桐の花→ 8

 

2023年6月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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