桐の花 5      100句

誕生日午前十時の桐の花   平井照敏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
里山に桐の花咲く日和なり
青木政江
酸漿
200808
雨強くなれり峠の桐の花
島崎勇作
酸漿
200808
山裾の家並新し桐の花
青木陽子
酸漿
200808
桐咲くや野守の鏡夕明かり
後藤眞由美
春燈
200808
桐咲くや夜は花弁を空に解き
青森公子
200809
断崖に残党のごと桐の花
北澤星子
遠嶺
200809
桐咲くや入院待ちといふ時間
井上信子
200809
正中を逸れて病みたる桐の花
井上信子
200809
青島チンタオの視野一面の桐の花
渡部磐空
200809
妣よりも妻との月日桐の花
川崎光一郎
京鹿子
200809
桐の花諏訪湖さざなみしてゐたり
村田冨美子
京鹿子
200809
桐の花風の澄みたる高さまで
高橋スミ子
万象
200809
ブーメラン投げ合ふ親子桐咲けり
内藤順子
酸漿
200809
幾重なる山をそびらに桐咲けり
山村修
酸漿
200809
桐咲いて石炭王の蔵の窓
坪内稔典
船団
200809
往生の父の鼻筋桐の花
浅井敦子
万象
200810
桐の花いつもの辻に迎へくれ
舩越美喜
京鹿子
200810
夕雲に触れしがこぼれ桐の花
丹羽啓子
馬醉木
200901
桐の花感傷滓として残る
瀧春一
深林
200901
戒名に貞の字のあり桐の花
篠田純子
あを
200907
青空の音こぼれけり桐の花
榎本慶子
炎環
200907
白雲や夫の墓道桐の花
岡野ひろ子
200907
桐の花姉を載せゆく霊枢車
濱田ヒチヱ
ぐろっけ
200907
三郎も祥子も逝けり桐の花
水原春郎
馬醉木
200908
里山に夕影及ぶ桐の花
村上絢子
馬醉木
200908
一片の雲なき空や桐の花
吉田晴子
200908
人生はあまたのドラマ桐の花
伊東和子
200908
桐の花遠のくものに祖母の声
星井千恵子
遠嶺
200908
座敷牢残る下田や桐の花
近藤一石
炎環
200908
井戸水のはじめ濁れる桐の花
戸栗末廣
火星
200908
すぐ横によその夫ゐる桐の花
城孝子
火星
200908
塩飽諸島を臨む山々桐の花
平田恵美子
ぐろっけ
200908
巡礼の道はあふみへ桐の花
浜福惠
風土
200908
目印は往きも帰りも桐の花
河北美智子
風土
200908
桐の花きのふの旅の遠ざかる
笠井敦子
200908
前山は次の札所や桐の花
山本無蓋
200908
吊り橋を渡り切つたる桐の花
相良牧人
200908
輪の中にのつぽの鬼さん桐の花
瀬川公馨
200909
開拓の空に溶け込む桐の花
宮崎みゆき
万象
200909
伐採の斧入れる音桐の花
船橋とし
200909
磐梯山ばんだいは右の車窓へ桐の花
大島英昭
やぶれ傘
200909
赤駒の駈けし横山桐の花
山路紀子
風土
200909
機町の今は廃れし桐の花
兼子栄子
酸漿
200909
暮れ際は空もむらさき桐の花
山田弘子
ホトトギス
200910
桐の花運河に船の水脈残る
江見悦子
万象
201004
桐の花時速百キロ高速路
稲畑汀子
ホトトギス
201005
無にまさる桐の花こそ仰ぐとき
丸山佳子
京鹿子
201006
桐の花拾うて桐を見上げけり
山田六甲
六花
201006
桐の花テニスラリーの音響き
長濱順子
201007
天領水も日田ひたの特産桐の花
坂上香菜
201007
誕生のメール届けり桐の花
石川かおり
201007
山里の日暮ゆたかに桐の花
丹羽啓子
馬醉木
201007
日に三度茶碗洗つて桐の花
荒井千佐代
201007
浜風にスカーフほどく桐の花
坂口夫佐子
火星
201007
桐の花見上ぐ隣の木に凭れ
内海良太
万象
201007
揺する風撫でてゆく風桐の花
長崎桂子
あを
201007
目を瞑り黙しゐる男桐の花
長崎桂子
あを
201007
桐の花見あぐ頂ニュータウン
鈴木勢津子
201008
花桐の落花巻き上げ競べ馬
手拝裕任
201008
分校の窓より見えて桐の花
田中佐知子
風土
201008
とうふ屋の商ひ終へし桐の花
内藤静
風土
201008
山越ゆる雲へ手を挙ぐ桐の花
豊田都峰
京鹿子
201008
月しろの高き影絵となる花桐
豊田都峰
京鹿子
201008
自己流のしあわせに生き桐の花
北川孝子
京鹿子
201008
父母は夢にのみにて桐の花
鈴木良戈
201008
朧気な余生を律す桐の花
田中貞雄
ろんど
201008
枝伸びて生花のように桐の花
武智恭子
ぐろっけ
201008
今頃はもしやと仰ぎ桐の花
田原陽子
201008
むらさきの雨のそぼ降る桐の花
續木文子
あを
201008
野は桐の花ざかりなり友癒えよ
久田澄子
馬醉木
201009
桐の花地酒に潰けて香にも酔ふ
谷泰子
ぐろっけ
201009
海桐花咲く海辺に釣果競ひあふ
片野光子
ぐろっけ
201009
集落は海へと開け花海桐
細野恵久
ぐろっけ
201009
桐の花仰ぎてのちは胸に栖む
和賀俊子
ぐろっけ
201009
桐の花南朝ゆかりの跡とこそ
杉山瑞恵
雨月
201009
花桐の高さに山の風わたる
井上浩一郎
ホトトギス
201010
鉄橋は山から山へ桐の花
瀬島洒望
やぶれ傘
201010
花海桐人より多き島の墓
平賀扶人
馬醉木
201011
母に色あらば夜明けの桐の花
小澤利子
201101
桐の花の盛りなりけりチューリヒ湖
田中きよ子
酸奬
201103
桐の花忘れし頃に桐の花
稲畑汀子
ホトトギス
201105
迫り来し色の邂逅桐の花
稲畑汀子
ホトトギス
201105
帰路昏れて気配とてなし桐の花
稲畑汀子
ホトトギス
201105
ここよりは山深くなる桐の花
稲畑汀子
ホトトギス
201105
途方なき空に残され桐の花
竹貫示虹
京鹿子
201105
思ひみな散文に似て桐の花 山田暢子 風土 201107
身に叶う明るさに居り桐の花 柴田朱美 京鹿子 201107
切妻の懐深く桐の花 柴田朱美 京鹿子 201107
県境は橋のまん中桐の花 柴田朱美 京鹿子 201107
村道にぽつりと一樹桐の花 大橋晄 雨月 201107
七十代半ばや高き桐の花 山多暢子 風土 201108
いまわれに女どきの風や桐の花 山路紀子 風土 201108
雨霧は天へのぼりぬ桐の花 田中佐知子 風土 201108
高きより我呼ぶ声や桐の花 中島節子 春燈 201108
今更と見直す家紋桐の花 藤岡紫水 京鹿子 201108
桐の花うしろ見るなと言はれても 竹貫示虹 京鹿子 201108
娘夫婦同居始まる桐の花 福島松子 ぐろっけ 201108
桐の花故山いよいよ遥かなり 笠井敦子 201108
観音へ通ふ峠の桐の花 水谷芳子 雨月 201108
外苑にむらさきの雨桐の花 稲垣佳子 末黒野 201108
桐の花→ 6      

 

2021年5月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。