桐一葉 2        145句

桐一葉落葉の中にひるがへり    朴魯植

作品
作者
掲載誌
掲載年月
明日見えぬ思ひに拾ふ桐一葉 水谷芳子 雨月 200511
桐一葉待たずに切らる痛みかな 安部里子 あを 200511
若き日に朱子を学びぬ桐一葉 松崎鉄之介 200512
桐一葉桐の葉らしく落ちにけり 岩木茂 風土 200512
桐一葉知り尽くしたる屋敷跡 有島夛美 河鹿 200601
桐一葉ひとの流離を聴きをれば 安達実生子 200601
男とて美しく老いたし桐一葉 嶋木勝次郎 遠嶺 200602
見えてくる心の起伏桐一葉 稲畑汀子 ホトトギス 200608
桐一葉静寂破りて又一葉 稲畑汀子 ホトトギス 200608
天と地の默契として桐一葉 竹貫示虹 京鹿子 200608
桐一葉けふ善相の天王山 吉田島江 火星 200611
演者とは艶なものなり桐一葉 小澤克己 遠嶺 200611
桐一葉余生を語る友と居て 岩月優美子 200611
天平の礎石の上の桐一葉 中村洋子 風土 200611
結界の音を大きく桐一葉 長沼三津夫 200611
筆の腹使ふ一文字桐ひと葉 千坂美津恵 200612
池の面へためらひもなく桐一葉 岡本淳子 200612
まめまめしき妻に歳月桐一葉 木村風師 馬醉木 200612
悠揚と裏におもてに桐一葉 北川英子 200612
御納戸にあかぬ長持桐一葉 岩崎真理子 遠嶺 200612
淡々と告知受けをり桐一葉 川口襄 遠嶺 200701
地より湧く薬湯甘し桐一葉 山内なつみ 万象 200701
書き写す百句の重み桐一葉 外川玲子 風土 200701
「賀状無礼します」友の便りや桐一葉 舘泰生 風土 200701
桐一葉空の青さを知り尽くし 安達実生子 200703
桐一葉青々として道の上 瀧春一 200706
茅葺の資料館なり桐一葉 吉田康子 火星 200711
桐一葉拾ひて持てば天狗なる 品川鈴子 ぐろっけ 200711
東方へ廻す地球儀桐一葉 天野きく江 200711
桐一葉落つそれからの永きこと 田辺博充 200711
四捨五入すれば八十路や桐一葉 さのれいこ 春燈 200712
桐一葉真昼の音を立てにけり 根岸善行 風土 200712
桐一葉落ちて硯に一雫 西村昌三 遠嶺 200712
桐一葉落ちこの家に人住まず 椋本一子 雨月 200801
諦めのよい手相にて桐一葉 丸山佳子 京鹿子 200801
葛飾の輪より離れし桐一葉 北村香朗 京鹿子 200802
桐一葉黄泉に落ちゆく音ならむ 南一雄 200803
桐一葉日差拒んでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810
桐一葉夕風よりは朝の風 井上信子 200811
また母が遠くなりゆく桐一葉 外川玲子 風土 200811
桐一葉京一条に戻り橋 西村雪園 風土 200811
桐一葉下校子すいと拾ひけり 酒本八重 200811
桐一葉思ひ当らぬ膝の痣 野中啓子 200812
桐一葉枷ひとつ身を離れゆき 北川とも子 ぐろっけ 200812
桐一葉落ちたることに富士の見え 嶋田一歩 ホトトギス 200901
桐一葉かわきし風のいづこより 近藤きくえ 200901
身の程を知るや夕ベの桐一葉 川口襄 遠嶺 200901
小面の置かれし書院桐一葉 浜田はるみ 遠嶺 200901
桐一葉持ちてかすかに老いにけり 前川明子 200901
息吸うて吐かぬは死なり桐一葉 徳植よう子 200901
紫式部渡りしあたり桐一葉 門伝史会 風土 200901
桐一葉風に思案が裏返へる 西條李 京鹿子 200901
桐一葉落ちて眉月残しけり 國保八江 やぶれ傘 200901
桐一葉従姉の記憶欠落す 久保田由布 ぐろっけ 200902
山国の井戸のかたへに桐一葉 滝沢伊代次 万象 200908
桐一葉片便りかと思ひけり 鷹羽狩行 200909
世の中がまた変ります桐一葉 丸山佳子 京鹿子 200909
桐一葉落ちたる音の山磧 山尾玉藻 火星 200910
死にざまは生きざまなりし桐一葉 宮崎左智子 200911
桐一葉犬吠えつづく留守の家 松本美智子 炎環 200911
桐一葉大悲の音を立ててをり 鈴木勢津子 樹間 200911
桐一葉一葉に昼の深みけり 前原早智子 春燈 200911
散会は駅前広場桐一葉 高橋泰子 200911
見てゐたる水に降りきし桐一葉 山尾玉藻 火星 200911
桐一葉浮き上がるかに落ちにけり 笹村政子 六花 200911
桐一葉散りて静けさいや増しぬ 堀口香代子 ぐろっけ 200911
桐一葉落つるが如く友の逝く 堀口香代子 ぐろっけ 200911
天空を切り絵のごとく桐一葉 岡佳代子 200912
人の世の起承転結桐一葉 中野京子 200912
桐一葉落ちゆく先を定め落つ 柴崎甲武信 春燈 200912
独り居の広き屋敷や桐一葉 奥村眞人 雨月 200912
桐一葉ひろふ真つ直ぐ歩ききて 杉浦典子 火星 200912
桐一葉空心町に待ちをれば 戸栗末廣 火星 200912
桐一葉覆はれてゐる姫路城 垣岡暎子 火星 200912
桐一葉落ちて淮南子ひもどきぬ 安立公彦 春燈 201001
桐一葉せかされてゐる身のほとり 舩越美喜 京鹿子 201002
滑空の様に池へと桐一葉 稲垣佳子 末黒野 201003
桐一葉聖母子像の懐に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201007
桐一葉ことばが触れただけなのに 大沼遊魚 倭彩 201009
古書市や糺の森の桐一葉 笠井清佑 201010
桐一葉マンション住みとなりにけり 森下康子 201010
桐一葉矢つ張りドルは買ひかしら 千田百里 201011
桐一葉あとさき選びやうもなく 北川英子 201011
投函につなぐ心や桐一葉 藤原照子 201011
桐一葉地につくまでのしじまかな 藤岡紫水 京鹿子 201011
賃機の音も絶えたり桐一葉 木下忠雄 酸奬 201011
桐一葉門田に夕日あかあかと 佐々木新 春燈 201012
年甲斐もなき望郷や桐一葉 野中啓子 201012
友という淋しきもあり桐一葉 貝森光洋 六花 201012
桐一葉同窓会は打ちどめに 堀内一郎 あを 201012
来し方は努力賞やも桐一葉 西村純代 201101
桐一葉肩にさらりと触れにけり 吉原田鶴子 万象 201101
桐一葉地球の裏より便りあり 岩永充三 201101
桐一葉何処に住まふと仮の宿 松田都青 京鹿子 201102
ばさと音静寂破りぬ桐一葉 稲畑汀子 ホトトギス 201108
桐一葉ゆるやかに風とどきけり 前川ユキ子 201110
桐一葉落つる夜明の静寂かな 池田節 春燈 201111
桐一葉夫に悲しき嘘をつき 宮崎高根 201111
桐一葉うす雲まとふ汚染の香 鴨下昭 201111
桐一葉昼の月よりはがれしか 楠原幹子 201112
桐一葉自立と独歩その日まで 鎌田慶子 ろんど 201112
桐一葉落ちたる一期一会かな 竹内悦子 201201
桐一葉それから後の独り言 大橋伊佐子 末黒野 201202
金堂を閉じる軋みや桐一葉 西本育子 ろんど 201202
今日も又仕事優先桐一葉 稲畑汀子 ホトトギス 201208
これからの計れぬ余生桐一葉 鈴木良戈 201211
桐一葉落つる間際に流れけり 藤生不二男 六花 201211
天平の塔の空より桐一葉 山田春生 万象 201211
ゆるやかな麒麟の歩み桐一葉 松田千枝 春燈 201211
桐一葉旧道沿ひの瓦塀 三輪慶子 ぐろっけ 201212
人気なき農家の裏手桐一葉 三輪慶子 ぐろっけ 201212
墓地離れ眼鏡拭へば桐一葉 大坪景章 万象 201212
三輪山は雲の中なり桐一葉 田中文治 火星 201212
桐一葉連れ呼ぶ風の出でにけり 横田初美 春燈 201301
桐一葉音なく落ちてちがひなし 嶋田一歩 ホトトギス 201301
桐一葉影となりつつ落ちにけり 嶋田一歩 ホトトギス 201301
桐一葉罅の走りし百度石 城戸緑 末黒野 201301
歳近き男の訃報桐一葉 久世孝雄 やぶれ傘 201302
鶏をすこし走らす桐一葉 柴田佐知子 201311
桐一葉地に着くまでのしじまかな 藤岡紫水 京鹿子 201311
桐一葉行くも退るもまにまにに 加藤みき 201312
街角のある夜ひそかに桐一葉 中島芳郎 201312
桐一葉出棺知らす二番鉦 塩路隆子 201312
桐一葉落つるを一人見てゐたり 大橋伊佐子 末黒野 201312
検診の危ふき数字桐一葉 久米なるを 201312
天地のゆらぎに舞ひし桐一葉 田中文治 火星 201312
寄せ墓や風おくように桐一葉 金田けいし ろんど 201401
点滴の雫落つるや桐一葉 竹内悦子 201401
桐一葉そつと心に受け止むる 高橋将夫 201402
桐一葉いよよ深まる空の色 佐藤晴子 万象 201402
孤高とは人目につかぬ桐一葉 柳川晋 201402
身を立つる芸ひとつ無し桐一葉 だいじみどり 201403
桐一葉梢に残りいたりけり 中原幸子 船団 201403
桐一葉風に音階ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
音の無き楽を奏でて桐一葉 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
桐一葉けぢめつけねばならぬこと 楠原幹子 201411
桐一葉拾ふ我が掌の小さくて 中尾朱帆 京鹿子 201411
白日の海光載せて桐一葉 小野恵美子 馬醉木 201412
桐一葉竹箒おく勝手口 塚越.弥栄子 末黒野 201412
声出せばこもる深井や桐一葉 柴田志津子 201501
桐一葉たましひのごと落ちにけり 戸栗末廣 201501
姿見の見えてゐる家桐一葉 山田美恵子 火星 201501
桐一葉猫が背筋を伸ばしゐて 原田しずえ 万象 201501
桐一葉落つる渓谷舟下り 能勢栄子 201502
ベンチ立つきつかけとなる桐一葉 小川龍雄 ホトトギス 201504
桐一葉 →3      

 

2021年8月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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