桔 梗 2       99句

きりきりしやんとして咲く桔梗かな   一茶

桔梗   きちかう

作品
作者
掲載誌
掲載年月
何時死ぬかも判らぬ桔梗植ゑ直す 中江月鈴子 201506
福知山の桔梗本能寺の桔梗 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
その中の桔梗の菓子に句座和む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
梅雨晴間きのふ蕾の桔梗咲く 上原重一 201509
夏桔梗活けられてゐる座敷かな 白石正躬 やぶれ傘 201509
岩桔梗紫紺いちづに亨の忌 今田清三 馬醉木 201510
紋所桔梗に埋もる光秀塚 嶋崎豊子 雨月 201510
桔梗咲き天寿の猫に褒め言葉 田中珠生 馬醉木 201511
夫の忌のさはなる白き桔梗かな 和田幸江 春燈 201511
桔梗のふつくら風の莟かな 穂苅照子 万象 201511
むらさきのひと筋走る白桔梗 宮本加津代 万象 201511
山風に花増やしたる沢桔梗 黒滝志麻子 末黒野 201511
桔梗の触れてはならぬ気品かな 大橋晄 雨月 201511
桔梗のひらけば急にお喋りな 辻美奈子 201511
白桔梗弦を離るる矢音かな 林紀夫 春燈 201512
白桔梗亡き母の杖ゆづりうけ 野畑さゆり 201512
あだし野に見えぬ雨降る白桔梗 大橋伊佐子 末黒野 201512
桔梗や男同士が椅子頒ち 松田泰子 末黒野 201512
朽ちかけの小さき木橋や沢桔梗 加藤静江 末黒野 201512
水浴びの鳥の羽音や沢桔梗 菅野日出子 末黒野 201512
開かんとする桔梗に雨連打 湯川雅 ホトトギス 201601
桔梗や漱石句碑の帰源院 大橋伊佐子 末黒野 201601
瀬の音を色に映して沢桔梗 甕秀麿 201602
桔梗のふはり片恋つつみをり 直江裕子 京鹿子 201603
先立てる弟へ桔梗捧ぐ墓 木山白洋 馬醉木 201610
泣き上戸の羅漢くすぐる白桔梗 塩貝朱千 京鹿子 201610
桔梗のひらくや切絵開くごと 田川美根子 201611
修験者の宙飛ぶきほひ岩桔梗 鎌田八重子 馬酔木 201611
桔梗や水木洋子の佇まひ 楠原幹子 201612
桔梗や玄関にある明かり窓 篠藤千佳子 201612
桔梗のふくらみきつて開かざる 石井秀一 風土 201612
侠気とふ内なる炎山桔梗 荒木甫 201612
木道に焼印しかと沢桔梗 成田美代 201612
月山の浅き沼染め沢桔梗 阿部月山子 万象 201612
雨ごとに紫極め桔梗かな 大日向幸江 あを 201610
泥壁の屋根一輪の桔梗咲く 木村嘉男 201611
金雲の間にくつきり桔梗佛 瀬川公馨 201701
桔梗の蕾の角に狂ひなし 山本則男 201612
桔梗や流れに鯉の抗しゐる 秋山信行 やぶれ傘 201702
桔梗や子規庵庭の文庫蔵 小沼ゑみ子 末黒野 201704
カーネーションの如くに土耳古桔梗来る 山田六甲 六花 201706
いふなれば君は桔梗吾は風 高橋和女 風紋 201709
白桔梗はらから散居してをりぬ 亀井福恵 京鹿子 201709
旅果ての朝の目覚めや夏桔梗 水田壽子 雨月 201710
桔梗一りん唯一りんの青極む 塩貝朱千 京鹿子 201711
桔梗の律儀な々正五角形 金森信子 雨月 201711
桔梗咲く母の忌修す甲斐の寺 富田要 万象 201712
風過ぎて傾くままや沢桔梗 中根美保 風土 201712
人を待つ心を活けて白桔梗 阪上多恵子 雨月 201801
岐れては径細くなる沢桔梗 松田多朗 馬醉木 201801
木道に昨夜の湿りや沢桔梗 窪みち子 201802
古の謀叛を知るや桔梗咲く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
桔梗の蕾ぱちんと割りゆく子 手島伸子 雨月 201811
めしべだけ残して白き桔梗花 出口誠 六花 201812
めじべのみオレンジ色の白桔梗 出口誠 六花 201812
信長のなぜ討たれしか桔梗花 遠山悟史 京鹿子 201812
一輪の青磁の壺や白桔梗 秋山文子 末黒野 201812
木道の下を水ゆく沢桔梗 大崎紀夫 やぶれ傘 201901
桔梗や母の日記に遺句足して えとう樹里 201902
桔梗生けしばらく正座したまんま 松井季湖 201910
縫紋の桔梗の銀糸風炉点前 斉藤マキ子 末黒野 201910
際立ちて品格高き桔梗かな 大橋晄 雨月 201911
机上なる桔梗真中に据ゑにけり 大橋晄 雨月 201911
沢桔梗傘さすほどでなき雨が 青谷小枝 やぶれ傘 201911
元興寺庭の仏と桔梗と 森幸 雨月 201912
桔梗やほとけ不在の阿弥陀堂 山田由利枝 雨月 201912
余生なほ背筋伸して白桔梗 吉田順子 201912
白桔梗詫び住ひてふ嵯峨日記 本郷 公子 京鹿子 202001
朽ちかけの小さき木橋や沢桔梗 加藤静江 末黒野 202001
爽やかや土蔵の軒の桔梗紋 森田節子 風土 202001
桔梗や修業の尼の紫紺の衣 小田嶋野笛 末黒野 202002
迷ひなきかたちに桔梗開きけり 山田佳乃 ホトトギス 202003
襟の先まで几帳面白桔梗 山田佳乃 ホトトギス 202003
落石の乾きし音や岩桔梗 深川淑枝 202003
杉木立透くる瀬音や夏桔梗 森清信子 露の堂 202008
桔梗やをどり自粛の城下町 浜福惠 風土 202011
桔梗に適ふ古刹の通り雨 小倉征子 202011
紫の折線どほり桔梗咲く 田丸千種 ホトトギス 202101
風くれば桔梗の揺るる喫茶店 枝みや子 やぶれ傘 202101
山肌のしめり抱けり沢桔梗 黒滝志麻子 末黒野 202102
かけつこに揺るる桔梗や暮れなづむ 篠田大佳 あを 202111
白桔梗濁世の風を受け流す 高木邦雄 末黒野 202112
桔梗濃し夫の墓まであと少し 青柳節子 末黒野 202112
桔梗咲き心つなぎの雲流す 菊池和子 京鹿子 202112
キャンドルは桔梗の藍古稀の卓 住田千代子 六花 202112
裏表無きひととなり白桔梗 塙誠一郎 202112
千代紙の裏は真白や花桔梗 本郷公子 京鹿子 202201
桔梗も星も何ゆゑ五角形 松尾龍之介 202205
桔梗活け明智の里の矜恃かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202209
鬼の棲む山和ませて桔梗咲く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202209
白桔梗柱に残る古時計 佐藤稲子 やぶれ傘 202210
桔梗咲く気品ただよふ祖母追慕 針谷忠郎 202210
かたまりて咲きて桔梗の淋しさよ 久保田万太郎 春燈 202211
仏壇を占むる九輪の白桔梗 平野秀子 末黒野 202211
偲ぶ日の一本で足る白桔梗 高木晶子 京鹿子 202211
白桔梗潰えし夢を追ひて咲く 大西逸子 京鹿子 202211
桔梗のつぼみの中の呼吸かな 青木朋子 202212
白桔梗謀反の心などはなく 伊藤希眸 京鹿子 202212
鶴頸へ挿す一輪や白桔梗 秋山文子 末黒野 202301
桔梗や解いてはならぬ守札 平松うさぎ 202301
桔梗→1

 

2023年8月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2023年8月18日