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作品
作者
掲載誌
掲載年月
仏壇に肥りてゐたる菊の虫 水谷ひさ江 六花 200711
段々と羅漢の素顔菊日和 佐藤健伍 200712
庭師との昔語りや菊日和 鈴木阿久 200712
菊咲くと空より雀祝福せり 村越化石 200712
菊日和心ゆくまで背をあぶり 村越化石 200712
見事なる厚物なりし夢の菊 村越化石 200712
大輪の菊を見舞ひの句友かな 高橋邦夫 風土 200712
菊花展その裏側の薬缶酒 能村研三 200712
菊香る「地久節」とは言はねども 林翔 200712
丹精がほころび初めし菊の鉢 長谷川鉄夫 200712
菊日和旅に求めし手漉和紙 井上幸子 酸漿 200712
還暦の夫に購ふ菊机 平照子 酸漿 200712
野路菊やダム湖に消ゆる工事道 国永靖子 ぐろっけ 200712
菊焚ける人消えゐたる湖の晴 山尾玉藻 火星 200712
香に思ひ出づる人あり菊ひらく 柳生千枝子 火星 200712
小菊咲く次々と黄のいろともし 柳生千枝子 火星 200712
独り身の菊に水足す夜更けかな 宇賀英二 火星 200712
たまはりし喜寿の齢や菊日和 木村茂登子 あを 200712
深呼吸小菊あふるる四ツ目垣 森理和 あを 200712
うつくしき夕べの空や菊を焚く 長沼紫紅 200712
新しき袋帯締む菊日和 八木岡博江 酸漿 200712
菊の香の花舗にはじまる散歩道 永見嘉敏 酸漿 200712
路地菊の色とりどりを見つつ行く 三入久子 酸漿 200712
気丈なりし母の納骨菊日和 石田玲子 200801
菊の香や白きスーッの師の決意 高柳ちゑ 遠嶺 200801
菊花展重ねし歳に帯締めて いしだゆか 遠嶺 200801
酒の香や五柳先生菊を手に 村田菊子 遠嶺 200801
ひともとを活けて蕎麦屋の菊日和 黒澤登美枝 200801
乱れなき卒寿のいのち菊薫る 岡野ひろ子 200801
懸崖の菊一丈の影を置く 中村悦子 200801
菊食うべ在所の兄のよく眠る 深澤鱶 火星 200801
聖職を退きたる人の菊咲けり 高尾豊子 火星 200801
一升餅かつぎて転ぶ菊の晴 高尾豊子 火星 200801
雨の日の菊の香籠る仏間かな 木野本加寿江 火星 200801
烏骨鶏に水溜りあり菊日和 杉浦典子 火星 200801
山晴れて香の立ち初めし菊畑 塩田博久 風土 200801
白菊の一本づつの通夜あかり 村田冨美子 京鹿子 200801
江戸菊の江戸の下町露地あかり 伊藤希眸 京鹿子 200801
懸崖の菊に余念のなき漢 伊藤希眸 京鹿子 200801
風にのる菊の香人形立ち通し 伊藤希眸 京鹿子 200801
大輪の菊に人の名法の庭 伊藤希眸 京鹿子 200801
菊畑煙ただよひきて溜る 宮津昭彦 200801
棒杭のやたらと立てり菊畑 小泉良子 200801
友禅菊胸にかかへて朝の客 林和子 万象 200801
うつすらと白き遠山菊くくる 松原智津子 万象 200801
食道無き夫へ飴買ひ菊を買ふ 加藤和子 万象 200801
斎場の人の輪重く菊の香 瀬下るか 200801
貴船菊旧家の庭によく咲けり 平島利男 酸漿 200801
菊日和列なす島の佃煮屋 奥田妙子 ぐろっけ 200801
瞑れば千灯ともる菊の中 渡邉友七 あを 200801
はさみ手に身を沈めたる菊畑 長沼三津夫 200801
犬嫌ひに犬も身構へ菊花展 泉田秋硯 200802
菊を焚く栄華の時は語らずに 泉田秋硯 200802
縁側に母と話して菊日和 前川由美子 200802
重文の門をくぐりて菊花展 谷越勝司 200802
まだ咲かぬものもまじへて菊花展 谷越勝司 200802
ご相談賜りますと菊花展 谷越勝司 200802
菊薫る坐像の勢至菩薩かな 松波とよ子 春燈 200802
菊薫る御座所の奥の紙燭の灯 川口襄 遠嶺 200802
選外の鉢慰むる菊花展 玉川悠 遠嶺 200802
気がつけば人より老いし菊花展 村田文一 遠嶺 200802
晩菊やとぎれとぎれの昔歌 岩淵彰 遠嶺 200802
現世のしがらみはなれ菊花展 塩野きみ 遠嶺 200802
喪疲れに続く出産菊日和 本杉千保子 万象 200802
われからや大輪の菊並びあり 中島陽華 200802
飛び来たる紙一枚と菊を焚く 天野きく江 200802
懸崖の菊の香にをる水輪かな 中野京子 200802
人形の嘘も本音も菊の中 松田都青 京鹿子 200802
東京へ戻るひとあり菊に噎せ 田原陽子 200802
由布姫の黄菊白菊ふんだんと 富沢敏子 200802
外人の赤子をあやす菊日和 富沢敏子 200802
二十年の小菊の盆栽木(ぼく)の茎 松崎鉄之介 200802
翅音のする梢あり菊花展 飯塚ゑ子 火星 200802
神殿の奥まで見えて菊の秋 安部和子 雨月 200802
菊花展懸崖菊の盾並らベ 馬越幸子 ぐろっけ 200802
菊花展作者労う江戸小紋 大空純子 ぐろっけ 200802
一株を蛸に仕立てり菊花展 加藤奈那 ぐろっけ 200802
おむつの子列なし菊見相楽園 伊勢ただし ぐろっけ 200802
白菊を包みゐし紙匂ひけり 筒井八重子 六花 200802
うらおもて色を違えて菊ひらく 黒田令子 六花 200802
切り屑も菊の匂ひを失はず 黒田令子 六花 200802
寺町や古道具屋に匂ふ菊 小島三恵 酸漿 200802
マラソン見る路肩に供華の菊預け 小島みつ代 200802
電照の菊咲くハウス闇に浮く 辰巳比呂史 200803

 『菊』膾序句

菊さはに活けて菊咲月を待つ

鷹羽狩行 200803
竜脳菊暗き納戸に衣裳櫃 勝野薫 ぐろっけ 200803
菊晴といふ僅かなる冷えをもて 野路斉子 200803
菊花展愉しやたらと賞の出て 野路斉子 200803
菊まつり納めのころの池の光り 木内憲子 200803
婚一つもて懸崖の菊の張 木内憲子 200803
白菊を一輪持ちて葬儀社来る あさなが捷 200804
菊日和白石和紙にあるぬくみ 小島左京 ホトトギス 200805
百を生き菊の忌日でありにけり 藤浦昭代 ホトトギス 200805

 『神の手』序句

神苑に菊の白妙あふれけり

鷹羽狩行 200805
菊を焚く栄華のときは語らずに 泉田秋硯 二重唱 200806
相応しき名に香りたり菊揃へ 邑橋節夫 菊揃へ 200806
み仏の父母招き菊に酌む 竹下陶子 ホトトギス 200808
孤独長し小菊に屈みゐて夕べ 柳生千枝子 火星 200808
菊の前深息をして去らんとす 柳生千枝子 火星 200808
安倍川の土手に見出でぬ錦鶏菊 松崎鉄之介 200808
菊 →9      

2021年11月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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