毛 虫 3       94句

栗毛虫走る体の中にをり   金子蛙次郎   獐

作品
作者
掲載誌
掲載年月
毛虫焼く男の意地の一徹に 塩路五郎 201107
震へつつ毛虫高きを目指しけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107
毛虫這ふ視線の中に加はりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201107
白き手ののびて椿の毛虫焼く 神蔵器 風土 201108
よく肥えた毛虫早足道渡る 永塚尚代 ぐろっけ 201109
この世とはこんなところよ毛虫焼く 菊地葉子 やぶれ傘 201109
ブギウギウギワクワクワクと毛虫逃ぐ 原友子 201110
嫌はれしまま焼かれたる毛虫かな 松田明子 201111
芥取りのごみの中より毛虫かな 渡邊孝彦 やぶれ傘 201112
近付けば毛虫震へてをりしこと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
毛虫這ふ七色の身をくねらせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
里山の茂れる枝に毛虫這ふ 後藤克彦 かさね 201207
眼前にポトリ刺客の大毛虫 丸井巴水 京鹿子 201209
毛虫焼く煙どこかが痒くなる 神田千枝女 雨月 201209
どの子にも逃げられ毛虫焼いてをり 渡たみ 馬醉木 201210
悲鳴あぐ娘の膝を這ふ毛虫 藤田京子 ぐろっけ 201210
横歩きして毛虫焼く日の虚ろ 中山酷霊 201210
起き上がる無数の眼毛虫焼く 吉田葎 201210
ためらはず毛虫を踏めり増女 橋本順子 201211
毛虫ささやく天神の牛の耳 熊川暁子 201211
丁か半かわらわらとをる冬毛蟲 瀬川公馨 201302
人参の葉につく毛虫人参色 亀田やす子 ははのこゑ 201306
葉桜に忍びのごとく毛虫這ふ 後藤克彦 かさね 201307
時効なき罪と言ふべし毛虫焼く 山崎青史 ろんど 201309
糸つまみ毛虫を脇の枝に移す 升田ヤス子 六花 201309
道標に毛虫八匹恙なし 竹内悦子 201310
黙と云ふ時間の重し毛蟲焼く 村田岳洋 ろんど 201310
舗装路の毛虫全速力を出す 稲山忠利 ぐろっけ 201310
祖父のせしごとくに毛虫焼きにけり 國保八江 やぶれ傘 201310
伸び縮み黒き針列毛虫行く 稲岡長 ホトトギス 201311
蓑踊りありし国なり毛虫焼く 貝森光洋 六花 201311
まるまると毛虫肥らす山椒の木 村上倫子 201312
退治せし毛虫が歩きをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201407
夜叉ごころ持ちて毛虫を焼きにけり 水谷文謝子 雨月 201407
もしかして毛虫に生れ来しかとも 稲畑汀子 ホトトギス 201407
いつの間に付きし毛虫や鋭かり 山荘慶子 あを 201408
無季の句碑毛虫が季節添へにけり 森脇貞子 雨月 201408
しろがねの糸に雨つぶ毛虫の子 浜口高子 火星 201408
山河晴れその真ん中に毛虫肥ゆ 豊田都峰 京鹿子 201408
もりもりと毒たづさへて毛虫来る 原田達夫 201408
磨崖仏訪ふや毛虫を浴びながら 升田ヤス子 六花 201409
青毛虫踏ん付けてより殺気立つ 村上倫子 201410
踏み潰す毛虫静脈にて還る 柳本渓光 ろんど 201410
そのまつ毛あのつけまつ毛この毛虫 中井保江 船団 201502
夢はこぶやうなる毛虫枯木道 中島讃良 ろんど 201503
毛虫焼く茶漬ですます昼餉かな 鈴木鳳来 故山 201505
かいま見し嫁の気性や毛虫焼く 河口仁志 201507
いづこよりゴスペル毛虫降りてくる 上谷昌憲 201510
焼かれたる毛虫のやうに戦死せり 池田光子 201511
直向きな金色毛虫十二月 辻響子 201603
羽化近き毛虫吹かるる草の先 南うみを 風土 201608
もこもこと毛虫の急ぐ昼下り 本間羊山 風土 201608
句碑のま下に来て絢爛の毛虫かな 浜福惠 風土 201609
毛虫焼きし数ほどの星その夜出る 深川淑枝 201609
青白き炎一閃毛虫焼く 笹村政子 六花 201610
下がりくる桜毛虫をかはしけり 笹村政子 六花 201610
毛虫焼きし手に開きたる聖書かな 井上正子 童女 201701
毛虫這ふ大樹縮んでゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
グランドの外が教室青毛虫 つじあきこ 201709
毛虫焼き平らかな日となりしかな 井上菜摘子 京鹿子 201709
隊列の一糸乱さぬ毛虫かな 山下良江 万象 201709
いでたちは完全武装毛虫捕り 山下良江 万象 201709
毛嫌ひす始祖は氷期の毛虫とて 卯木堯子 春燈 201709
嫌はるる身をばかこちて毛虫急く 山口ひろよ 201710
実り田の道をよぎれる毛虫かな 山田六甲 六花 201710
釈迦力の路上の毛虫リズミカル 相良牧人 201711
頭を振りつ振りつ毛虫の前進す 正谷民夫 末黒野 201712
毛虫焼く炎の垂るる誕生日 和田照海 京鹿子 201808
毛虫焼く身の程を知る知らぬ者 鈴鹿呂仁 京鹿子 201809
毛虫焼く五分の魂懼れつつ 金森教子 雨月 201810
揚羽いま毛虫のころを懐しむ 山中正己 船団 201811
踏切を渡り切つたる毛虫かな 角野良生 201811
毛虫焼いて毛虫の魂の漂へり 岩下芳子 201811
国道を過ぎる毛虫を見届けり 植村蘇星 京鹿子 201811
七色に毛を震はせて毛虫這ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
ペン先に揺らされてゐる毛虫かな 廣畑育子 六花 201908
焼ける火にもんどり打って毛虫落つ 大橋淳一 雨月 201910
耶蘇名聖ルチアてきぱきと毛虫焼く 荒井千佐代 202006
神木の毛虫を天の使ひとも 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
毛虫取る朝な朝なの妻の眉 善野行 六花 202009
大毛虫枝の先まで食ひ尽くす 江見巌 六花 202009
全身を震はせ毛虫横断す 武藤節子 やぶれ傘 202009
真昼間のちんたらぽんの青毛虫 つじあきこ 202009
毛虫落ついよよ佳境のミステリー 伊藤昌枝 202009
毛虫より嫌な男が近くに居 木村享史 ホトトギス 202010
尼の手の焔するどく毛虫焼く 中村重幸 202010
毛虫這ふ色鮮やかに嫌はれる 松本鷹根 京鹿子 202011
舗装路を一目散や大毛虫 小林拓路 末黒野 202109
この一樹だけは毛虫を許さざる 山田佳乃 ホトトギス 202112
裏庭の同じ場所にて毛虫焼く 高倉和子 202112
毛虫垂れことの善悪風ゆだね 松本鷹根 京鹿子 202206
毛虫乗る二葉完食即爆睡 伊藤鴉 末黒野 202209
揺れて見ゆ檸檬の花の毛虫かな 谷口一献 六花 202209
気の毒なほど叫ばるる毛虫かな 荒井桂子 ホトトギス 202212
丈六の肩へ休むる毛虫かな 山田和 京鹿子 202306
毛虫→ 1

 

2023年6月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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