毛 虫 1       100句

父と共に毛蟲燒きゐてふと淋し   すえ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
毛虫焼き非情非非情つくしけり 山田弘子 春節 199503
花苗と毛虫を買うて誕生日 浜口高子 火星 199808
晴耕の或る日毛虫を焼いてをり 吉田呉天 風土 199812
躁の日の欅毛虫をあまた下げ 松永史子 船団 199902
毛虫見てよりその辺にゐるやうな 稲畑汀子 ホトトギス 199907
毛虫ゐる木陰と知つてしまひけり 稲畑汀子 ホトトギス 199907
毛虫ゐる木陰に長居してをりし 稲畑汀子 ホトトギス 199907
酒好きの男朝より毛虫焼く 皆川盤水 春耕 199907
毛虫焼きゐる公会堂の裏 山尾玉藻 火星 199908
松毛虫宇宙遊泳してをりぬ 水谷契江 六花 199908
国道を渡る捨身の毛虫かな 水谷契江 六花 199908
登りつめ青雲の志の毛虫かな 豊田都峰 京鹿子 199909
息抜きに毛虫退治をしてをりぬ 細野恵久 ぐろっけ 199909
見ぬふりのもうできぬほど毛虫わく 三瀬教世 円虹 199912
大毛虫道を横ぎる速さかな 松本恭昂 火星 200004
哲学の径なり毛虫ぎつしりと 山尾玉藻 火星 200006
貧乏ゆすり毛虫が穴を出づる日の 田村みどり 京鹿子 200006
鬼心仏心毛虫を殺め樹を愛し 林翔 200009
「梶原の松」の年古り松毛虫 星佳子 200009
毛虫焼くためのマッチを探しをり 関井花子 200009
毛虫焼く無規範も焼け世紀末 近藤憙治 船団 200010
降るほどの毛虫育ちぬ古墳山 鳴海清美 六花 200010
藤棚を転げ落ちたる毛虫かな 二瓶洋子 六花 200011
毛虫焼く炎の残像の眼鏡拭く 鈴木まゆ 馬醉木 200012
遠雷の比叡や毛蟲を羊歯で突つき 柳生正名 海程 200012
手後れや毛虫と気づきたるときは 稲畑汀子 ホトトギス 200105
これはもう真剣勝負毛虫焼く 石橋翠 いろり 200106
お隣へ逃げし毛虫も居るらしく 稲畑汀子 ホトトギス 200107
退治すること考へて毛虫見る 稲畑汀子 ホトトギス 200107
突堤を毛虫の這へる真昼かな 山尾玉藻 火星 200107
毛虫垂れ下りて不老長寿の木 品川鈴子 ぐろっけ 200107
干竿の毛虫に甲斐の山の容 飯塚ゑ子 火星 200108
でこぼこの地に波うてる毛虫かな 澤本三乗 200108
毛虫焼き昼酒に刻深めたる 皆川盤水 春耕 200108
松毛虫身をよじりては向き変ふる 渡辺美知子 200108
悠然と毛虫の這へり島の径 中山砂光子 200109
太陽に愛され毛虫波うてる 澤本三乗 200109
もう一人の私の好きな毛虫焼く 渡辺知美 銀化 200109
蝉丸の塚は毛虫を遊ばせて 品川鈴子 ぐろっけ 200109
毛虫焼く木の照らされてゐたりけり 森賀まり 百鳥 200110
毛虫焼く絶交状をくべるごと 大和あい子 百鳥 200110
威し銃ぽろりと毛虫落ちにけり 大串章 百鳥 200112
又毛虫ゐさうな木立抜けてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200205
傘さして毛虫の下を通りけり 山田六甲 六花 200206
踏みつぶす毛虫はらわたまで緑 栢森定男 あを 200206
木かげなる陰陽石を毛虫這ふ 品川鈴子 ぐろっけ 200206
風音にあらず毛虫の食める音 山田弘子 円虹 200207
黒毛虫黒き舗装を急ぎをる 万城希代子 200207
毛虫嫌ひ蚯蚓嫌ひも草取りす 村越化石 200208
声先に届いて毛虫拂ひくれ 白石峰子 円虹 200208
鬼が島毛虫に負けてをりさうな 白石峰子 円虹 200208
毛虫焼く奥歯かみしめゐたりけり 小野田和世 200208
毛虫焼き夜の法話に侍りをり 小野田和世 200208
殺生を厭ふ屁理屈毛虫焼く 泉田秋硯 200209
口ゆがめ毛虫を挟み如何にせむ 達山丁字 200209
山門をよぎる毛虫のわさわさと 近藤きくえ 200209
目印に毛虫の樹あり借り畑 品川鈴子 ぐろっけ 200209
毛虫這ふ屈伸の毛を総立てて 熊口三兄子 ぐろっけ 200209
毛虫ゐて騒ぎ出したる列の先 小林玲子 ぐろっけ 200209
むずがゆき木の揺れ毛虫幅利かす 丸井巴水 京鹿子 200210
毛虫焼くそしてたそがれ黙示録 木山杏理 京鹿子 200210
金に黄に青になり這ふ毛虫かな 粟津松彩子 ホトトギス 200211
島ぢゆうが毛虫天国なりしかな 山田弘子 ホトトギス 200212
毛虫焼く後姿の老いにけり 野上智恵子 万象 200212
何食はぬ顔して毛虫焼いてをり 梅村達子 帆船 200301
見てをりし毛虫の所在失へり 稲畑汀子 ホトトギス 200307
毛虫居ることに気づいてしまひけり 稲畑汀子 ホトトギス 200307
美しき毛虫の未来考へず 稲畑汀子 ホトトギス 200307
毛虫這ふ武蔵決闘碑の文字に 吉川ハマ子 築港 200307
啄木の夢見し空ゆ毛虫垂る 南うみを 風土 200308
通勤に励みて毛虫太らせる 加藤峰子 200308
毛虫取ることにも馴れし庭手入 吉成美代子 あを 200308
毛虫焼く意地悪ぢぢいらしく焼く 泉田秋硯 200309
毛虫焼く魔性の炎滾らせて 大西正栄 雨月 200309
毛虫逃ぐ毛虫歩きをしてゐたり 塩川雄三 築港 200309
嫌はれてゐても真剣毛虫這ふ 塩川雄三 築港 200309
愛されず好かれず毛虫這ひゐたり 永川絢子 築港 200309
毛虫逃ぐ精一杯の急ぎ足 永川絢子 築港 200309
園児より先生毛虫怖がつて 大石登志美 築港 200309
疾走の金剛力の毛虫見よ 中村恭子 200309
毛虫取るための割箸わりにけり 元田千重 火星 200310
縁のなき墓の毛虫を払ひけり 大森美恵 風土 200310
殺生戒毛虫に及ぶ及ばざる 栗田武三 ぐろっけ 200310
毛虫てふ小さき刺客を侮らず 栗田武三 ぐろっけ 200310
温顔に毛虫遊ばせ地蔵尊 栗田武三 ぐろっけ 200310
古葉だけ残し毛虫の失せにけり 栗田武三 ぐろっけ 200310
毛虫焼き身内何やらむづ痒し 斉藤陽子 雨月 200311
ミンクの毛持ちて生れし毛虫あり 竹下陶子 ホトトギス 200312
毛虫這ふ多彩は罪を負ふに似る 松本鷹根 京鹿子 200312
八十五歳毛虫退治を得意とす 津久井キヌイ 対岸 200312
ゆく毛虫じわっと怖しわが殺意 山元志津香 八千草 200402
エメラルドグリーンに毛虫這ひ回り 稲畑廣太郎 ホトトギス 200407
毛虫焼くための重装備となりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200407
大風に振りおとされし毛虫焼く 安部里子 あを 200407
毛虫焼き少し寿命を延ばしけり 吉原一暁 200407
国宝の仁王門より毛虫落つ 関根洋子 風土 200407
眉の上の枝を手折りて毛虫焼く 小林てる子 草の花 200407
虫好きの戦嫌いも毛虫取る 長谷川鮎 ぐろっけ 200407
留守畑と知りてかあまた毛虫つく 長谷川鮎 ぐろっけ 200407
とにかくもいちもくさんといふ毛虫 平子公一 馬醉木 200408
毛虫→ 2      

 

2021年6月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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