鶏 頭 6   100句

人の如く鶏頭立てり二三本    前田普羅

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鶏頭の夜は鉄塊となりにけり 柴田佐知子 201609
鶏頭の背丈の揃ふ夕日光 中江月鈴子 201610
風を呼び鶏頭炎立ち初むる 大島寛治 雨月 201611
鶏頭に風やむときの風の色 山本喜朗 雨月 201611
応ふなら明快ならむ鶏頭花 近藤喜子 201611
鶏頭の天に向けたる怒髪かな 山口ひろよ 201611
鶏頭の色鮮やかに長屋門 大湊栄子 春燈 201611
空支ふ鶏頭の槍炎立つ 松井志津子 201612
横降りの雨にも負けず鶏頭花 岡村彩里 雨月 201612
供華束ぬる母鶏頭を芯にして 下田奉枝 雨月 201612
釣り人の寡黙の背ナや鶏頭花 田中たつを 雨月 201612
火柱の鶏頭に弾力の空 近藤喜子 201612
鶏頭や燃えざりし日の遂になし 柴田靖子 201612
片されし子規の文机鶏頭花 奥田茶々 風土 201612
写生てふ俳句の大事鶏頭花 石井秀一 風土 201612
鶏頭の残花くれなゐ学徒の碑 藤岡紫水 京鹿子 201612
落日の返り血浴びて鶏頭花 山口ひろよ 201612
素通りを許さじと燃ゆ鶏頭花 藤沢秀永 201612
鶏頭花すすり泣くとは思はざり 辻水音 201612
夕方の鶏頭いよよ色の濃く 内海良太 青嶺 201612
鶏頭の潭身の色友癒えよ 平田はつみ 馬醉木 201701
鶏頭を倒して矮鶏のくぐもれり 廣畑育子 六花 201701
子規の庭まづ鶏頭を数へけり 山田正子 201701
鶏頭を触ればやはり武骨なり 山内碧 201701
鶏頭がひとつしばらく行つてまた 大崎紀夫 やぶれ傘 201701
鶏頭の頭が今日も叩かれる 白水良子 201702
鶏頭のこぼれ種より真紅の芽 飛高隆夫 万象 201702
子規庵の鶏頭の種蒔きにけり 永淵恵子 201705
わが星のかく燃えてあれ鶏頭花 近藤喜子 201711
鶏頭の大ぶり挿して父の墓 南うみを 風土 201711
鶏頭の炎離るる眩みて 今井妙子 雨月 201711
天を突く槍鶏頭や昼の月 栗山恵子 雨月 201711
子規偲びためらはず買ふ鶏頭花 高塚三枝 馬醉木 201712
鶏頭や閉ざせしままの綾子の居 山田春生 万象 201712
先鋒のまづ打ち取られ槍鶏頭 高橋ひろ 万象 201712
廃校の鳩小屋朽ちし鶏頭花 澤照枝 万象 201712
東京五輪まで妻生きよ葉鶏頭 田中臥石 末黒野 201712
括られてなほ立つ炎鶏頭花 稲垣佳子 末黒野 201712
鶏頭の炎えてたちまち暮れにけり 中江月鈴子 201712
鶏頭に潮鳴りに闇深くなる 荒井千佐代 201712
葉鶏頭垣根を越えて根付きたる 黒澤佳子 あを 201712
鶏頭を抜けば滂沱に種こぼる 岡本尚子 風土 201712
天辺の緋の暮れのこる鶏頭花 辻美奈子 201801
鶏頭は貸農園の境ひ目に 丑久保勲 やぶれ傘 201711
鶏頭の畦をはみだす子規忌かな 太田良一 末黒野 201802
種採つて鶏頭の火の消えにけり 和田華凛 ホトトギス 201803
鶏頭の襞深きまま枯れにけり コ井節子 馬醉木 201803
入り際の日を握りたる鶏頭花 川内谷育代 馬醉木 201803
子の頭ほどの鶏頭逆撫です 岸洋子 201801
伸びをして外に行く猫葉鶏頭 苑実耶 201801
悲しみをごつと蒐めて鶏頭花 正谷民夫 末黒野 201804
くれなゐは太き茎まで葉鶏頭 河原敬子 201804
鶏頭やあちこち軋む母の家 苑実耶 201811
鶏頭や縁側に梳く母の髪 苑実耶 201811
髪薄くなりしは禁句葉鶏頭 谷口一献 六花 201812
鶏頭花列組み何に手向かふや 伊藤希眸 京鹿子 201812
海凪いで鶏頭のもう発火点 小野恵美子 馬醉木 201812
葉鶏頭夕日捉へて阿修羅めき 斉藤マキ子 末黒野 201812
鶏頭や無頼に生きることもなく 藤田美耶子 201812
こころ秘すなら鶏頭の襞のなか 富川明子 201812
鶏頭やいつも真中のデヴィ夫人 嶋本博司 201812
鶏頭花極まる赤を仏前に 長崎桂子 あを 201812
種零しこぼし鶏頭影細る 大沢美智子 201901
鶏頭や時には力抜くことも 土井三乙 風土 201901
子規の濃き三十五年鶏頭花 藤井啓子 ホトトギス 201901
鶏頭花よりぱらぱらと黒き粒 野口希代志 やぶれ傘 201902
子規居士に十一月の鶏頭花 雨宮桂子 風土 201902
鶏頭や昏れ落ちてなほ庭焦がし 岩崎藍 末黒野 201902
ふるさとの広き夕空枯鶏頭 岸洋子 201906
鶏頭は泣き止まぬ子の味方かな 仲里奈央 201909
鶏頭に寄せる忌日の巡り来し 稲畑汀子 ホトトギス 201909
鶏頭の五本が十本にも見ゆる 稲畑汀子 ホトトギス 201909
鶏頭を活けて根岸の一忌日 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
鶏頭に塗り替へられてゆく忌日 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
鶏頭花咲くと云はれぬ昏さあり 宮内とし子 201911
泣き通す子供の力葉鶏頭 柴田佐知子 201912
事務的に引く削除線鶏頭花 高木晶子 京鹿子 201912
鶏頭のどれもだんまり通しをり 大川ゆかり 201912
一度通つてみたきこの路地葉鶏頭 松井志津子 201912
鶏頭の花の肉厚日暮くる 栗原公子 201912
したたかな芯を包みし鶏頭花 能村研三 201912
鶏頭を熱くしてゐる鉄路かな 平沢恵子 春燈 201912
鶏頭の一鉢向きを変へてみる 加倉井たけ子 201912
街頭の雨に灯さる鶏頭花 阪倉孝子 201912
つんつんと槍鶏頭の天下なり 久保夢女 201912
深紅いま極む夕日の鶏頭花 浅井青二 雨月 201912
横になり子規の目線の鶏頭花 中村洋子 風土 201912
地図にない家に七年葉鶏頭 たかはしすなお 202001
帰るには早すぎて鶏頭に佇つ 廣畑育子 六花 202001
鶏頭やかつてこの庭子規のゐて 今村千年 末黒野 202001
窓を透く鶏頭夫婦相病めり- 田中臥石 末黒野 202001
月山に槍千本の鶏頭花 藤原明美 202001
鶏頭の赤極まりし憎さかな 直江裕子 京鹿子 202001
駅頭の花壇くれなゐ葉鶏頭 山下健治 春燈 202001
縺れ毛糸なり鶏頭枯れはじむ 廣畑育子 六花 202001
鶏頭の種はびつしり欲しいまま 石井秀一 風土 202001
蜑が家の軒の雨垂れ鶏頭花 森清信子 末黒野 202002
ぎらぎらと日は衰へず鶏頭花 湖東紀子 ホトトギス 202002
鶏頭が畑に咲いて西の京 渡邉孝彦 やぶれ傘 202002
鶏頭を活けた花瓶の置きどころ きくちきみえ やぶれ傘 202002
鶏頭に拳で触れて掌で触れて 大崎紀夫 やぶれ傘 202002
夕暮の中に正しき鶏頭花 木村和也 船団 202003
欲触愛慢の色や鶏頭花 梅津昌広 船団 202003
鶏頭の枯れて残りし紅の色 廣瀬雅男 やぶれ傘 202003
鶏頭→ 7

 

2023年10月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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