毛糸玉    75句

毛糸編む  毛糸玉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
痩せてよりなかなか尽きず毛糸玉 中根美保 風土 199902
些細なる誤解巻き込む毛糸玉 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 199905
誰もゐぬ夜へ転がす毛糸玉 宮倉浅子 遠嶺 200105
電話より山頂の声毛糸玉 森理和 あを 200112
編棒がうたた寝毛糸玉ころげ 篠田純子 あを 200201
毛糸玉転げ童話の森に入る 小澤克己 遠嶺 200203
置かれたる毛糸玉より星のこゑ 小澤克己 遠嶺 200203
毛糸玉芯に良き事ありさうな 吉野のぶ子 遠嶺 200205
青夜置く羊の國の毛糸玉 久保田鼓笛 京鹿子 200210
教壇へ弾んできたる毛糸玉 斉藤由美子 ぐろっけ 200211
引つぱれば離れて行けり毛糸玉 丸山敏幸 200302
年上の妻とあかさる毛糸玉 飯塚ゑ子 火星 200303
欲しい色だけない不思議毛糸玉 竹田圭子 帆船 200303
円周率解くごと毛糸玉崩る 遊橋惠美子 風土 200304
毛糸玉想ひて遠き人ばかり 萩原記代 200305
毛糸編む転がり回る毛糸玉 佐本英介 築港 200402
転がつて日を得し赤き毛糸玉 今瀬剛一 対岸 200402
店番の椅子に編みかけ毛糸玉 市橋香 ぐろっけ 200403
待ち呆けらしき日赤き毛糸玉 狩野朝子 対岸 200404
寅さんの腹巻き編まん毛糸玉 片山タケ子 200503
児とゐればいつもにぎやか毛糸玉 筏愛子 200504
畦ひとつ曲り損ねし毛糸玉 梶浦玲良子 六花 200504
捧げむは盛花心に毛糸玉 鈴木榮子 春燈 200505
毛糸玉虫鳴く方へ転びけり 城孝子 火星 200512
着る人を編みこんでゆく毛糸玉 片山タケ子 200602
夫の腕まはして太る毛糸玉 遠野萌 200602
いとほしき日々遠ざかり毛糸玉 梶浦玲良子 六花 200604
母の箱半端な毛糸玉にほふ 風間史子 200702
辻褄を考へてゐる毛糸玉 環順子 遠嶺 200703
寝そべりて転がしてゐる毛糸玉 ことり 六花 200712
またひらくなり菓子箱の毛糸玉 井上信子 200803
毛糸玉痩せて思ひ出残りけり 山田孝枝 酸漿 200804
夜は夜の考へとなる毛糸玉 高橋道子 200903
毛糸玉より一本の糸となり 倉持梨恵 200903
毛糸玉転びゆく見て一人編む 大泉美千代 雨月 200904
椅子二つ一つに毛糸玉置いて 八田木枯 晩紅 200908
毛糸玉縺るるときの深呼吸 藤原若菜 春燈 201003
誰がために編んで解いて毛糸玉 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201004
日溜りや紳士の膝の毛糸玉 野口光江 遠嶺 201004
毛糸玉セーターに愛移りゆく 中田みなみ 201005
私の居場所死に場所毛糸玉 佐藤弘香 ろんど 201104
引けばなほころがり離れ毛糸玉 松田明子 201105
毛糸玉家族の絆引きよせて 宮内とし子 201202
手のひらに無心に踊る毛糸玉 宮崎きみ枝 201204
毛糸玉も母も日暮るてゐたりけり 荒井千佐代 201212
引く度に明日へころがる毛糸玉 笠井敦子 201303
育つ子にほどきては編む毛糸玉 平野伸子 馬醉木 201303
ころころと編む手はなるる毛糸玉 東秋茄子 京鹿子 201503
身構へて子猫飛び来る毛糸玉 斉藤裕子 あを 201503
毛糸玉一個編み切る無心の夜 須賀敏子 あを 201601
引く度に逃げてゆくなり毛糸玉 押田裕見子 201604
夜更しや行方知れずの毛糸玉 鈴鹿呂仁 京鹿子 201701
解かれて丸き昔や毛糸玉 矢崎すみ子 201702
毛糸玉追ひ駆ける猫猟師の目 七郎衛門吉保 あを 201702
毛糸玉も嬰もころがし転がれり 井上菜摘子 京鹿子 201703
虚と実のあはひにころがる毛糸玉 北川孝子 京鹿子 201703
猫はねてそれに負けじと毛糸玉 河前隆二 馬醉木 201704
手繰り寄す母の面影毛糸玉 中島昌子 201704
指先の遊びつかれて毛糸玉 雨宮桂子 風土 201704
たぐりてはとほくなりゆく毛糸玉 兵藤惠 201802
毛糸玉くわえて蹴って犬笑う 三池しみず 船団 201809
毛糸玉引けば引くほど遠のきぬ 能美昌二郎 201904
よきご縁待つや真白き毛糸玉 中貞子 201904
天狼星の時空編込む毛糸玉 若泉真樹 201907
昭和てふ時代名残りの毛糸玉 北川孝子 京鹿子 202005
善き先へ転がりてをり毛糸玉 横山さくら 春燈 202102
毛糸玉子へ初めてのミトン編む 佐々木澄子 末黒野 202103
編み棒の交差に踊る毛糸玉 山咲和雄 末黒野 202104
ふる里の彩より合はす毛糸玉 村田あを衣 京鹿子 202112
昭和てふ時代名残の毛糸玉 北川孝子 京鹿子 202201
相聞の毛糸玉なり今ひとり 北川孝子 京鹿子 202201
猫じやれて床にころがる毛糸玉 佐藤まさ子 春燈 202202
われひとりさすらふ夜の毛糸玉 北川孝子 京鹿子 202203
想ひ出を芯に巻きたる毛糸玉 石原孝人 京鹿子 202204
帽子編む会話の絡む毛糸玉 長尾タイ 末黒野 202304

 

2023年11月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。