啓 蟄 9   109句

啓蟄の蚯蚓の紅のすきとほる   山口青邨   露団々

作品
作者
掲載誌
掲載年月
啓蟄や母校を映す水たまり 広渡敬一雄 201504
啓蟄や家の囲りに砂利敷きて 小島良子 201504
啓蟄やうごめく古語の活用形 井上石動 あを 201504
啓蟄や仏足石の苔生して 服部鹿頭矢 馬醉木 201505
啓蟄の野を一川の光かな 藤井君江 馬醉木 201505
庭に来て雀啓蟄啄めり 松嶋一洋 201505
啓蟄や釦ひとつをはづしをり 千田敬 201505
啓蟄の石ころ目覚めたがるなり 辻美奈子 201505
啓蟄や幾らか緩む釘の穴 細川洋子 201505
啓蟄やペンと手帳と好奇心 本池美佐子 201505
啓蟄や砂文字どこか呪文めく 近藤喜子 201505
啓蟄や退院許可のやうやくに 奈辺慶子 雨月 201505
啓蟄やここに病院建つと言ふ 石谷淳子 雨月 201505
啓蟄や深きにひそむ石の息 藤岡紫水 京鹿子 201505
啓蟄や夫の散歩を遠くして 水田壽子 雨月 201506
啓蟄や鉛筆一本あれば良い 米沢美幸 六花 201506
啓蟄やグリーンのスカーフひるがへし 中西明子 京鹿子 201506
啓蟄や庭のホースにねぢれ癖 塩田杉郎 風土 201506
啓蟄の米を盛りあげ地鎮祭 内藤静 風土 201506
啓蟄やぐらつく石に足を掛け 生田恵美子 風土 201506
啓蟄のうら寒き午後風の出て 飯田ひでを 201506
啓蟄や園児せつせと土を掘る 小島昭夫 春燈 201506
啓蟄や雲の流るるにはたづみ 西岡啓子 春燈 201506
啓蟄や商家を出づる女下駄 太田良一 末黒野 201506
啓蟄の薪食らふかに登り窯 荒木甫 201506
啓蟄や地べたに釘を挿す遊び 山本無蓋 201506
啓蟄の薪食らふかに登り窯 荒木甫 201506
啓蟄や杖つく足をやや高く 吉村摂護 201506
啓蟄や肩肘のぬけ一張羅 元橋孝之 京鹿子 201507
啓蟄や小川の淵に遊ぶ子等 秋山文子 末黒野 201507
啓蟄のごとく人出て体操す 岩岡中正 ホトトギス 201508
啓蟄の土を湿らすほどの雨 林昭太郎 201510
啓蟄の足裏のツボの数多かな きくちえみこ 港の鴉 201510
啓蟄を待てず出て来る君は誰 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603
啓蟄やこの道程を誤たず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603
啓蟄や枕辺に落つブレスレット 布川直幸 201603
啓蟄のてんまつながく書き足せり 田渕昌子 京鹿子 201603
啓蟄の神の山より動悸音 鈴鹿仁 京鹿子 201704
啓蟄の土くすくすと動きけり 矢崎すみ子 201704
啓蟄や鉛筆すべてキャップ入り 江見巌 六花 201704
啓蟄や座面の窪む森の椅子 中嶋陽子 風土 201705
啓蟄の日のトーストの狐色 安藤久美子 やぶれ傘 201705
啓蟄の三面鏡に逃げ場無し 能村研三 201705
啓蟄や母校の土塀破れしまま 井上正子 春燈 201705
啓蟄やからくり時計の螺子を巻き 片山博介 春燈 201705
啓蟄といふ新しき土の色 黒滝志麻子 末黒野 201705
啓蟄の机上に開く昆虫記 岡淑子 雨月 201706
啓蟄や我もそろそろ出でなむと 片岡良子 雨月 201706
啓蟄や二人暮しの一人旅 赤座典子 あを 201705
正夢となる啓蟄の午後は晴 丸井巴水 京鹿子 201706
啓蟄や道路工事の立看板 遠山悟史 京鹿子 201706
啓蟄や菜につく虫を鳥あさり 新井八重子 末黒野 201706
啓蟄やブルドーザーの造成地 高橋正江 末黒野 201706
啓蟄や万年床をはたきゐて 赤松赤彦 六花 201706
啓蟄やまたこの季節がやつてきた 谷口一献 六花 201706
啓蟄やもだま酢味噌といふがあり 中島陽華 201706
啓蟄やきのふと違ふ日の匂ひ 本多俊子 201706
啓蟄やブラウス一枚新調す 岩田洋子 201706
啓蟄の雨の遠山烟るかな 安斎久英 末黒野 201707
啓蟄の蟻ポストヘの道いそぐ 服部早苗 201707
啓蟄や夫は歯医者に行くと言ふ 千田百里 201805
啓蟄やきつく結びし靴の紐 能美昌二郎 201805
啓蟄や地を這ふものに吾の影も 菊地光子 201805
啓蟄や漢方講座に耳を揉む 中嶋陽子 風土 201805
啓蟄の材木にほふ材木屋 丑久保勲 やぶれ傘 201805
かくれんぼする啓蟄のこもれびに 安藤久美子 やぶれ傘 201805
啓蟄の畑に支柱のちらほらと 秋山信行 やぶれ傘 201805
啓蟄の玻璃に揺れる枝映りけり 神山市実 やぶれ傘 201806
啓蟄の駅前交番ひとけなし 柴崎和男 やぶれ傘 201806
啓蟄の犇めく土や雨あがる 荒尾かのこ 京鹿子 201806
啓蟄の堆肥を掘れば動くもの 升田ヤス子 六花 201806
啓蟄や波形を知らす線グラフ 江見巌 六花 201806
啓蟄の板戸の隙間尻尾かな 辻響子 201806
啓蟄や集合時間触れ歩く たかはしすなお 201806
啓蟄の浦の子かごめかごめかな 赤石梨花 風土 201806
啓蟄や大和三山つつむ風 小嶋紘一 末黒野 201806
啓蟄や石組みの井の縁に草 上月智子 末黒野 201806
啓蟄や耳輪片方ポケットに 峰幸子 末黒野 201806
啓蟄やぶぅぶぅメール受信音 篠田純子 あを 201806
啓蟄や忘れ雪舞ふ立石寺 沼澤石次 馬醉木 201905
啓蟄や今日の外出のポストまで 大森三保子 馬醉木 201905
啓蟄のハチ公前に逸れけり 大西由美子 春燈 201905
啓蟄や夫婦の下駄は下駄箱に 山田暢子 風土 201905
啓蟄や埴輪に一つ傷の跡 藤岡紫水 京鹿子 201905
稽古場に啓蟄の風通しけり 吉清和代 201905
啓蟄のさだめに生きてさからはず 柴田靖子 201905
啓蟄や根開きすすむ山毛欅の森 小森泰子 馬醉木 201906
啓蟄や全細胞の深呼吸 水野恒彦 201906
啓蟄の日のありどころ交野山 杉原ツタ子 201906
啓蟄の貝がらきらり海女が畑 小形博子 201906
カットして啓蟄の風身にまとふ 菊池和子 京鹿子 201906
啓蟄や影もつものの動き出す 山崎英子 京鹿子 201906
啓蟄や地下ヘの磴に風の急 柿沼盟子 風土 201906
啓蟄や魚はまぶた持たざりき 林いづみ 風土 201906
啓蟄の渋谷にあまた出入口 奥田茶々 風土 201906
啓蟄の乾きし土を粗く鋤く 森田節子 風土 201906
啓蟄や針箱に胃の常備薬 山田健太 風土 201906
啓蟄の少年ひょいと木に登る 川島由紀子 船団 201906
啓蟄や墨をたっぷり「夢」と書く 松井季湖 201906
啓蟄の夜ふけて雨のつのるかな 岡田史女 末黒野 201906
啓蟄や空の青さとちぎれ雲 福田禎子 末黒野 201906
啓蟄や土塊解す庭仕事 浜市川夏子 末黒野 201906
啓蟄のアコーディオンの吐く叙事詩 山中志津子 京鹿子 201907
啓蟄や蟻歓喜して這ひ出づる 赤川誓城 ホトトギス 201908
啓蟄や我も生きとし生ける物 赤川誓城 ホトトギス 201908
啓蟄や褒められて持つ裁ち鋏 中田みなみ 201909
啓蟄や桂郎三鬼ぞろぞろと 神蔵器 『貴椿』 202002
啓蟄の庭を通りて来し客も 稲畑汀子 ホトトギス 202003
啓蟄や雨の一と日となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202003
啓蟄 →10      

 

2021年3月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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