啓 蟄 6   100句

啓蟄の蚯蚓の紅のすきとほる   山口青邨   露団々

作品
作者
掲載誌
掲載年月
啓蟄や傘を開くに押しぼたん 飛鳥由紀 200805
啓蟄や三鬼桂郎おくれをり 神蔵器 風土 200805
啓蟄の骨董品屋のぞきをり 楠原幹子 200805
啓蟄や切字にちから賜りて 千田敬 200805
啓蟄の考へてをり食べてをり 甲州千草 200805
啓蟄の靴よく拭いて乗船す 工藤義夫 馬醉木 200805
啓蟄や何かゐさうな池の底 村上絢子 馬醉木 200805
啓蟄やほのかに兆す旅心 島田山流 春燈 200805
シャベルカー啓蟄の土ひっ掴み 岸本久栄 雨月 200805
啓蟄やこの足何処まで伸さむ 若本彰子 酸漿 200805
啓蟄や心の鬼もまかり出し 泉田秋硯 200806
米洗ふ啓蟄の水躍らせて 隅田享子 200806
啓蟄や一握の土鉢に足し 石田定子 200806
啓蟄の筒振つて出す神籤かな 原田慶子 200806
啓蟄のゆるんでゐたる針の穴 森佳子 遠嶺 200806
啓蟄や雲の中からグライダー 安田久太朗 遠嶺 200806
啓蟄や畑仕事といふ遊び 関根洋子 風土 200806
啓蟄や地下鉄を出て迷ひける 竹内悦子 200806
啓蟄や叡山に蟇大急ぎ 宇田喜美栄 200806
啓蟄に数歩越されて吾が頭 金澤明子 200806
啓蟄や外してをりし貝ボタン 貴志尚子 200806
啓蟄の雲に右手を挙げにけり 近藤公子 200806
啓蟄や宇宙発射も近づきぬ 河井富美子 ぐろっけ 200806
啓蟄や標本箱の蝶光り 堀井英子 雨月 200806
啓蟄やうなじに受くる雨のつぶ 水谷ひさ江 六花 200806
啓蟄や東京ロボット研究所 中田みなみ 200806
啓蟄や声のかたちに声の出て 野路斉子 200806
啓蟄や泣く子に母の呪文効き 長谷英夫 馬醉木 200807
啓蟄や探しあぐめる地下出口 渡邉英子 馬醉木 200807
啓蟄の庭へ鳶の輪降りてくる 嶋田摩耶子 ホトトギス 200807
啓蟄の豆腐ふるふるひとり鍋 北川孝子 京鹿子 200807
交差点より啓蟄の人うごく 岩岡中正 ホトトギス 200808
啓蟄や土鍋の両の耳を持つ 松野睦子 遠嶺 200808
啓蟄や爪木一かさ厨口 三谷道子 万象 200808
啓蟄や仏は見せぬぼんの窪 柴崎甲武信 月日 200811
啓蟄や閻王の沙汰聞えきて 勝原文夫 ペン皿 200811
啓蟄や裏返りたる土の色 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
啓蟄やどの子もどこか泥をつけ 鷹羽狩行 200903
啓蟄やつひには帰る地のにほひ 竹貫示虹 京鹿子 200903
啓蟄や声のあふれる電話口 中山静枝 200904
啓蟄の空へ首出し懸垂す 北島正太郎 炎環 200904
啓蟄や鶫啄む朝の芝 阿部悦子 酸漿 200904
啓蟄の関西遠しまた近し 森下康子 200905
啓蟄や轍一条猫車 宮田香 200905
啓蟄や一つ空きたる椅子で酌む 四條進 200905
啓蟄や死にたうないの仙高ウん 太田一貴 炎環 200905
啓蟄の日に見参の墓太郎 水原春郎 馬酔木 200905
啓蟄の石鎚山なほも雲の中 石本秋翠 馬酔木 200905
啓蟄や今日の水撒く伝馬町 大島翠木 200905
啓蟄や天井の節動き出す 森理和 あを 200905
啓蟄や五感の動く気配して 佐久間由子 200905
啓蟄や旅程吐き出すファクシミリ 永島雅子 春燈 200905
啓蟄の空に屋根葺き替ふる音 西岡啓子 春燈 200905
啓蟄の粗壁にあるコンセント 坂口夫佐子 火星 200905
啓蟄や子育の悔今更に 川合八重子 酸漿 200905
啓蟄や旅案内の西東 渡辺玄子 酸漿 200905
水平線におよぶ鳶の輪啓蟄日 益田寿美子 春燈 200905
啓蟄や一字読むためルーペ買ふ 西谷良樹 春燈 200905
啓蟄や過ぎし昔は振向かず 滝沢幸助 春燈 200905
啓蟄のカレーライスの隠し味 貝森光洋 六花 200905
啓蟄や地下の酒場にたむろする 松村光典 やぶれ傘 200905
啓蟄や赤鉛筆のマップ旅 木村幸 200906
虫塚合掌啓蟄乃金剛身 朝日正人 200906
啓蟄や塵の分別ややこしく 高橋芳子 火星 200906
啓蟄や天狗の祓ふ能舞台 鈴木朗月 万象 200906
啓蟄や岡本太郎等身像 吉村はづき 炎環 200906
啓蟄や三和土より立つ生き柱 門伝史会 風土 200906
啓蟄や羽毛をのせて川流れ 中谷葉留 風土 200906
啓蟄や首を廻せばコキと言ふ 須藤美智子 風土 200906
啓蟄やとなりの留守を頼まるる 乗鞍三彦 春燈 200906
啓蟄や電動ウォーカーの歩を延ばす 卜部黎子 春燈 200906
啓蟄やセール会場長き列 後藤とみ子 ぐろっけ 200906
啓蟄や会釈のふゆる老の試歩 松林順子 雨月 200906
シャベルカー啓蟄の土山と積み 松林順子 雨月 200906
啓蟄の土に半日親しめり 仙石君子 雨月 200906
啓蟄の晴れたり松のこもはがし 山口まつを 雨月 200906
啓蟄の石動かして庭作り 田中春子 雨月 200906
啓蟄や六腑貫くアクアビット 荒木甫 200907
啓蟄やゼロから始めやうと思ふ 竪山道助 風土 201001
啓蟄や新しき雲槻の木に 野沢しの武 風土 201002
啓蟄の穴よりひよいと大統領 林日圓 京鹿子 201002
啓蟄の火縄臭めく百人町 千田敬 201004
啓蟄の雲がうながす野の辺り 鈴鹿仁 京鹿子 201004
啓蟄やゆっくり午後の自鳴琴 田中芳夫 201005
啓蟄やうごめく蚯蚓五寸五分 宮崎左智子 201005
啓蟄やゆっくり午後の自鳴琴オルゴール 田中芳夫 201005
啓蟄や久々に聞く土の声 岡野ひろ子 201005
啓蟄の留守番役に薬缶鳴る 山本無蓋 201005
啓蟄の小尻隠してをりにける 栗栖恵通子 201005
啓蟄や雨気孕む風生れにける 前田美恵子 201005
啓蟄や隣家解体始まりぬ 松山直美 火星 201005
風音や雨音や啓蟄の勇み足 柴崎富子 春燈 201005
啓蟄や草刈り鎌を研ぐ翁 小山ミツ子 末黒野 201005
啓蟄や畝傍山はほうとせり上がる 土居通子 ろんど 201005
啓蟄やエスカレーター地下に入る 福永尚子 ろんど 201005
啓蟄の土こそばゆし足裏かな 代田青鳥 風土 201005
啓蟄や書肆に積まれし時刻表 林佳枝 酸漿 201005
啓蟄や土より一寸チューリップ 中村芳夫 201005
啓蟄や閼伽桶ならぶ井戸の端 芝宮須磨子 あを 201005
啓蟄の蟇待つ庭の風すこし 安部里子 あを 201005
啓蟄 →7      

 

2021年3月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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