啓 蟄 3   99句

啓蟄の蚯蚓の紅のすきとほる   山口青邨   露団々

作品
作者
掲載誌
掲載年月
庭仕事吾も啓蟄に加はりぬ 嶋田摩耶子 ホトトギス 200207
啓蟄の客の土産のかすていら 青山丈 200207
啓蟄の庭鶏が掻き散らす 石橋萬里 ぐろっけ 200207
啓蟄の庭に飛び込むブーメラン 波田美智子 をりをりに 200208
啓蟄のフレーム覗くシャベル見ゆ 岡本眸 200209
啓蟄や宇宙の鉤をはづす音 林友次郎 遠嶺 200210
啓蟄の働いてゐるゴムホース 木村みかん 200301
啓蟄の天窓に星生れにけり 田中美智代 200302
活断層啓蟄の虫驚かす 中山砂光子 200302
啓蟄や空のどこかに昼の星 竹内悦子 200304
啓蟄や輪となり子らのはかりごと 鷹羽狩行 200304
啓蟄や催眠術に襲われる 篠田大佳 あを 200304
啓蟄や心の杖の欲しきとき 斉藤静枝 あを 200304
啓蟄や病を越えて着く家路 斉藤静枝 あを 200304
啓蟄や心のまなこ覚めささな 高垣和恵 雨月 200304
啓蟄の水噴くお七墓碑の亀裂 本山卓日子 京鹿子 200304
啓蟄やのつぺらぼうの石仏 那須淳男 馬醉木 200305
啓蟄のドレスアップはピンクとす 北川キヨ子 200305
啓蟄や祝ひの言葉電文に 宮津昭彦 200305
啓蟄の夕空に月生れゐたり 宮津昭彦 200305
啓蟄の鉢をずらせば動くもの 梶島邦子 築港 200305
啓蟄や産院に空きベツドなく 加藤白狼子 築港 200305
啓蟄や使ひ馴れたる車椅子 飯田はるみ 築港 200305
啓蟄や秘仏の扉開かるる 大関とし子 築港 200305
啓蟄や奈良町に売る土の鈴 松浦静子 築港 200305
啓蟄や歩けぬ孫に靴揃へ 長尾あや 築港 200305
啓蟄や駅に迷子のアナウンス 高柳かつを 百鳥 200305
啓蟄や法王庁の赤ワイン 堀内康男 帆船 200305
啓蟄や牟婁の余り湯滔々と 山口たけし 雲の峰 200305
啓蟄や縁より朽ちし丸木橋 上田尚義 雲の峰 200305
啓蟄や汐留にビル競ひ建ち 今村恵子 200305
啓蟄やいくさの微震はじまりぬ 石川笙児 200305
啓蟄の甕に泡の立ちにけり 戸栗末廣 火星 200305
啓蟄の穴ふるはせり遠汽笛 宇都宮滴水 京鹿子 200305
啓蟄の花舗に立ち寄る墨衣 遠野萌 200305
啓蟄や車夫ねむごろに車拭き 佐藤佐代子 200305
啓蟄に家出ず吾は喪に籠る 田中嘉代子 ぐろっけ 200305
啓蟄や気欝の虫もまとひつき 山下佳子 200306
啓蟄やデイサービスの送迎車 植松美根子 200306
啓蟄や畦道の泥踏んでゆく 宇田喜美栄 200306
啓蟄やパラフィン紙より粒薬 若生まりあ 遠嶺 200306
啓蟄や見飽きてなほも視る雀 小林清之介 風土 200306
啓蟄の蟻哲学の道に出づ 大森美恵 風土 200306
啓蟄の頃よりつけし備忘録 浜口恵以子 風土 200306
啓蟄やこだまの光る山の雲 矢崎すみ子 200306
早やも日に跳ね啓蟄のあめんぼう 岩瀬操舟 円虹 200306
啓蟄の天道虫のこぼれ易 岩瀬操舟 円虹 200306
啓蟄や蛸が足出す舟生け簀 藤岡紫水 京鹿子 200306
啓蟄や塗り尽くしたる子の画帳 村田冨美子 京鹿子 200306
啓蟄や屋根で遊んでゐる悪口 河西志帆 京鹿子 200306
啓蟄や列車遅るるアナウンス 谷上佳那 百鳥 200306
啓蟄や家揺るがせて体操す 沖増修治 百鳥 200306
啓蟄や一家団欒期待せず 後藤志づ あを 200306
啓蟄の芝生を歩む愛子様 坂口三保子 ぐろっけ 200306
啓蟄やホーム端まで人溢れ 蓮井いく子 200307
啓蟄や何もうごかぬ水の上 島谷征良 風土 200307
啓蟄や癌細胞の現るる 小林朱夏 200307
啓蟄の古道の木切れ文と見ゆ 鈴木浩子 ぐろっけ 200307
啓蟄や古稀の手習ひ賑々し 岡部三和江 ぐろっけ 200308
啓蟄やあらいざらいの靴みがく 武井玲子 八千草 200309
啓蟄や熔接工事火花咲き 飯塚雅子 200401
人集ひくる啓蟄の百草園 小山徳夫 小春の山河 200401
大川に啓蟄の空映しをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200403
啓蟄や口ぽつかりと出土品 小林呼溪 200403
啓蟄や庭よりあがり稿を継ぐ 鷹羽狩行 200404
啓蟄や兄は祖父似の暴れ者 山田六甲 六花 200404
啓蟄や子規居士の墓やや傾ぎ 神蔵器 風土 200404
啓蟄や高きたかきへ人住まひ 岡本眸 200404
青啄木鳥の啓蟄の沢巡り鳴く 長田秋男 酸漿 200405
啓蟄や脳に効くてふ粉ぐすり 志水芳秀 雲の峰 200405
啓蟄の望遠レンズ磨きをり 若山実 雲の峰 200405
啓蟄や古びし地図と錆磁石 若山実 雲の峰 200405
啓蟄の藁屑浮かぶ心字池 浅川正 雲の峰 200405
啓蟄の芝闊歩せり大鴉 伊藤葉 雲の峰 200405
啓蟄や鬱勃とある老の覇気 田中芳夫 200405
啓蟄の墓地横切つてケーキ屋へ 鍬形幸子 百鳥 200405
啓蟄に地球動いてをりにけり 塩川雄三 築港 200405
啓蟄や吾もそろそろ這ひ出さん 楠木君子 築港 200405
啓蟄や琉球の壺腰円し 岡田有峰 築港 200405
啓蟄に幼子の眼が虫捕ふ 川口弘子 築港 200405
啓蟄や稚児に言葉の一つ増え 清水澄江 築港 200405
啓蟄やさてこれからが正念場 西川五郎 馬醉木 200405
啓蟄や天敵鴉すでに死し 泉田秋硯 200406
啓蟄や園児を募るクレヨン画 松浦光子 200406
啓蟄や土蔵で出逢ふ肖像画 中元英雄 河鹿 200406
啓蟄の書棚に戻す裏の顔 吉田明子 200406
啓蟄の赤子にしるき片ゑくぼ 戸栗末廣 火星 200406
啓蟄やいよよに黒き観世音 深澤鱶 火星 200406
啓蟄やか細く光り蜥蜴這ふ 松田欽吾 雨月 200406
啓蟄や日向を雀つと走り 松田欽吾 雨月 200406
啓蟄や結婚したら云へること 鈴木えり子 百鳥 200406
啓蟄や土にまみれて幼き子 高卯石男 200406
啓蟄のゆくほどに土匂ひけり 水野恒彦 200406
啓蟄や出荷の苗を掘りおこす 植松美根子 200406
啓蟄や鯉の立てたる泥煙 大野公子 栴檀 200406
啓蟄や一途の道のありてこそ 安永圭子 風土 200406
啓蟄やもの言ひたげな埴輪の目 木村仁美 馬醉木 200406
啓蟄やほこほこ抜ける畑草 伊藤以玖子 対岸 200406
啓蟄や畳の嬰と火縄銃 林友次郎 遠嶺 200406
啓蟄→ 4      

 

2021年3月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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