風 花 8      129句

風花や蹤き来てそれし一少女   角川源義  歳時記(産調出版)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
風花やうなじに息のかかるごと 平居澪子 六花 201005
風花の綾なす光眩しみぬ 富田範保 201005
遠山のよく見ゆる日や風花す 八木喜世子 201005
風花や高層ビルに陽の射して 藤井美晴 やぶれ傘 201006
この道の灯まばらや風花す 藤井美晴 やぶれ傘 201006
風花や綿菓子の綿ふくよかに 堀江惠子 201006
風花を言葉に乗せて一句成る 筏愛子 201006
風花や故郷の湖光るなし 花岡豊香 酸漿 201006
風花や熱き紅茶の紙コップ 芝尚子 あを 201006
風花を掬ひ巻きこむ水車かな 大久保白村 ホトトギス 201007
風花の幾片纏ふ骨納め 品川鈴子 ぐろっけ 201012
座禅てふ隠遁街に風花とぶ 伊藤希眸 京鹿子 201101
風花を追ふや千曲のはぐれ鳶 木内博一 春燈 201102
風花やこの地に住まふかと思ふ 相良牧人 201102
空晴れて物干日和風花す 筒井八重子 六花 201102
風花や運命線をひらくとき 堀内一郎 あを 201102
箱根路を来て風花の湖尻かな 丑久保勲 やぶれ傘 201102
風花の少女に添ひて盲導犬 松村晋 ぐろっけ 201102
推敲に風花時空さ迷へり 仲田眞輔 ぐろっけ 201102
風花にもう年の瀬と腹括る 泉田秋硯 201103
風花や瞬を惜しめと師の声が 千田敬 201103
猟犬の油断なき耳風花す 内山花葉 201103
風花や円覚寺より建長寺 神蔵器 風土 201103
何の木か育たぬ木なり風花す 井上信子 201103
風花や在来線の駅舎出づ 甕秀麿 201103
鯉揚げの舟風花を戻りきし 蘭定かず子 火星 201103
一言を願ふ観音風花す 木野本加寿江 火星 201103
風花の舞はワルツや朝日なか 宮田香 201104
風花や奈良坂越えの竹送り 笠井清佑 201104
風花の舞の清らや神楽殿 高谷栄一 201104
贖罪や風花すべて空に消ゆ 水野恒彦 201104
眉を描く鏡のおくの風花す 本多俊子 201104
風花の空あり眼あげるべし 近藤喜子 201104
音大のステンドガラス風花す 宮川みね子 風土 201104
風花の大きく来たる薬医門 宮川みね子 風土 201104
紅絹磨く漆器の艶や風花す 下山田美江 風土 201104
風花や丸太づくりの喫茶店 森高さよこ 風土 201104
風花に浮力重力舞はせけり 泉田秋硯 201104
風花や会津に選りし絵蝋燭 名取袿子 201104
風花や青春の日の遥かなる 池本喜久恵 201104
風花の草津穴守稲荷かな 有賀昌子 やぶれ傘 201104
女人高野賽の河原に風花す 宇都宮敦子 201104
風花や靴音の浮く石の橋 浜口高子 火星 201104
風花や獅子のたてがみ眠たさう 福本郁子 火星 201104
風花や鴛鴦の影なき今日の濠 石垣幸子 雨月 201104
風花の自由自在を見て飽かず 本多寿美子 雨月 201104
風花舞ひ父の忌日を病みてをり 島貫寿恵子 雨月 201104
お骨抱き戻る麓の風花す 近藤豊子 雨月 201104
風花の溶けて夕暮仄かなり 千田敬 201104
風花や雲は変幻富士不動 大久保白村 ホトトギス 201105
風花の地に着くきはの速さかな 十川たかし 201105
風花の気ままな軌跡見て飽かず 泉田秋硯 201105
ただよふも追ひこすもあり風花す 菅野蒔子 末黒野 201105
風花やむらさき色のキャベツ畠 大山文子 火星 201105
風花の生れしあたり讃岐富士 内藤三男 ぐろっけ 201105
風花は光りの中に輝ける 志方章子 六花 201105
風花や敦子先生より電話 上坂渥子 雨月 201105
銅山の荒き地肌や風花す 大木茂 万象 201106
風花にピンクの蕊のふるへかな 西田美ち ろんど 201106
山越えてくる風花よ豊後咲く 東芳子 酸漿 201106
風花の平家の秘話を飛ばしをり 竹下陶子 ホトトギス 201107
六甲を背に風花は未来へと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110
花婿は風花嫁はラベンダー 木暮陶句郎 ホトトギス 201111
風花の消えて消えざる大地かな 稲畑汀子 ホトトギス 201201
風花と気づかぬ人も居りにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201201
太陽を隠す雲生れ風花す 稲畑汀子 ホトトギス 201201
風花の止めばはじまる楽のあり 稲畑汀子 ホトトギス 201201
源氏名に風花舞へり路地明り 辻知代子 201203
青天のどこかほころび風花す 岡澤田鶴 201203
風花や住宅地面の調査員 鴨下昭 201203
風花を連れて曳売先斗町 中村房子 馬醉木 201203
風花や空のかろさを鳥よぎり 岡部名保子 馬醉木 201203
風花や前頭葉を清めたり 鎌田悟朗 ろんど 201203
風花や犬の訃報の届きたる 藤田素子 火星 201203
風花や空也蒸しなどいただいて 本多俊子 201203
追憶は海に沈めぬ風花す 森清信子 末黒野 201203
湯の町の夕べの鐘や風花す 河合とき 末黒野 201203
風花のふわりふわりと犬の家 福田かよ子 ぐろっけ 201203
くちびるがおもひだしたる風花を 佐藤喜孝 あを 201203
舞えや舞え風花この世を舞い尽くせ 貝森光洋 六花 201203
風花のあかるき海へ去りにけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201203
好きに舞ふと見せて風花風の意に 高谷栄一 201204
ひるがへりては風花の消えにけり 稲岡長 ホトトギス 201204
風花や仏足石に来てとまる 竹内悦子 201204
風花の肉もて万死くり返す 瀬川公馨 201204
輝ける風花の舞ふ山の朝 丸山酔宵子 かさね 201204
風花や刷毛目きつぱり石の庭 佐々木薫 かさね 201204
風花や初音小路の迷ひ猫 山田正子 201204
風花や通勤女性の前髪に 小野寺節子 風土 201204
尼寺の葵の御紋風花す 内藤静 風土 201204
風花や走者はゴールのみ見つめ 竪山道助 風土 201204
風花す延暦寺への本坂に 岡本尚子 風土 201204
風花や島に伝はる能舞台 中沢三省 風土 201204
風花に話の途切れ御用聞き 小川玉泉 末黒野 201204
風花や鳥の巣の口乾きゐる 井上淳子 火星 201204
生きるとは演技すること風花す 松田都青 京鹿子 201204
割れ石に億年の貌風花舞ふ 伊藤希眸 京鹿子 201204
風花は思惟仏の思惟妨ぐや 荒木稔 ぐろっけ 201204
風花と奥につたへる夕まぐれ 芝宮須磨子 あを 201204
風花や長子富山へ帰りゆき 岸本林立 雨月 201204
町の景ふと華やぎて風花す 大泉美千代 雨月 201204
ひとしきり降り風花となりにけり 瀬島洒望 やぶれ傘 201204
風花の大内宿となりにけり 國保八江 やぶれ傘 201204
風花も吹き飛んで来し舞鶴港 稲岡長 ホトトギス 201205
身軽るとはかかることかも風花す 松田都青 京鹿子 201205
二枚目の文の余白や風花す 服部郁史 京鹿子 201205
被災の日明けて風花舞ふ朝 大橋晄 雨月 201205
風花や天の言の葉下に受けて 樺山翠 雨月 201205
風花の路地を舞子の二人連れ 大橋雅子 万象選集 201205
風花や雀こぼるる畑道 東田淑子 万象選集 201205
竹なりて嵯峨に風花ひとしきり 新井仁 万象選集 201205
風花の磴百段を社殿まで 瀬戸悠 風土 201205
風花の中に昼月双子生る 井村和子 風花 201206
風花や糸に頼れる赤牛の首 石川笙児 馬込百坂 201206
風花の舞ふだけ舞うて落ちにけり 近藤牧男 六月 201206
葬送の列風花の煌めける 大島翠木 201206
風花に空は明暗くり返し 山下美典 ホトトギス 201206
風花の中の雲梯子らの声 松村晋 ぐろっけ 201206
風花や古鏡のごとき空のあり 小谷延子 万象 201206
風花や震災死の姉一周忌 田中臥石 末黒野 201206
風花の象の背を越え消えにけり 竹下陶子 ホトトギス 201207
風花をつけてまばたく寒立馬 北崎展江 くりから 201209
風花のまつはる髪やがれの道 近昌夫 春燈 201212
風花を舞はせ山懐に住む 稲畑汀子 ホトトギス 201301
風花を零せし雲の逃げ易く 稲畑汀子 ホトトギス 201301
風花や重き扉の無言館 コ田千鶴子 馬醉木 201301
風花の聲はひろへず殯 鈴鹿けい子 京鹿子 201301
風花や山路の茶屋の店仕舞 廣瀬雅男 やぶれ傘 201301
風花や城主の墓にワンカップ 川端俊雄 火星 201302
風花→ 9      

 

2021年2月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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