風 花 10      200句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
風花の消えて夢とも現とも 福島照子 京鹿子 201503
風花や焦がしバターのケーキ切る 鈴木みのり 201503
風花やもろ手さしのべ天意乞ふ 犬塚李里子 201503
風花や神の峯峯そそり立つ 鈴木初音 201503
風花の舞ひ上りたる鷹ヶ峰 岩下芳子 201503
風花に生きしもの皆静もれる 柴田靖子 201503
風花やははの言葉の天降るごと 清水節子 馬醉木 201503
風花や母に別れの子守唄 小幡喜世子 ろんど 201503
風花や僅かの喜捨を雲水に 内藤静 風土 201503
風花す脇参道を帰るころ 渡邉孝彦 やぶれ傘 201503
風花を恋の誘ひと思ひたる 安居正浩 201503
風花や護摩焚終へし僧の列 甲州千草 201503
風花や乳鋲の門の酒林 藤原照子 201503
正午指す時計塔より風花す 大谷茂樹 京鹿子 201504
風花に出島灯台影伸ばす 松本鷹根 京鹿子 201504
風花のかすれに木末の夕ごころ 豊田都峰 京鹿子 201504
隧道の隔つ風花大吹雪 藤原照子 201504
風花や気づまりな用一つ終へ 高橋あさの 201504
風花や路上ライブの津軽三味線 今井春生 201504
ミサの鐘風花密となりにけり 土屋草子 ろんど 201504
風花ややぐらの奥に虚子の墓 塩田博久 風土 201504
詩ごころを追うて風花舞ひにけり 寺田すず江 201504
風花や露上ライブの津軽三味線 今井春生 201504
逝く人に風花日和日光路 山中サク子 201504
風花に青首大根半裸なり 山中サク子 201504
風花は天帝の子の小悪戯 久染康子 201504
風花や籔の日ぐれのさやぎなく 豊田都峰 京鹿子 201504
湯壺まで十歩ばかりを風花す 青谷小枝 やぶれ傘 201504
五指ひらき風花を追ふ童かな 山田春生 万象 201504
風花や西陣の路地機音し 武生喜玖乃 雨月 201504
風花に巫女の緋袴匂ひたつ 水谷文謝子 雨月 201504
風花やけぶりのやうにけふも暮れ 木村嘉男 201504
母看取らざりし日に似て風花す 竹内弘子 あを 201504
風花やけぶりのやうにけふも暮れ 木村嘉男 101504
宇宙よりもるる吐息か風花す 今村征一 ホトトギス 201505
東京駅百年記念風花す 遠藤逍遙子 風土 201505
風花す東京駅の大時計 岡尚 風土 201505
風花や税申告の列につく 小川玉泉 末黒野 201505
風花や歩み初めたる子の髪に 宮沢治子 春燈 201505
風花や円空仏の彫に笑み 小林和世 201505
風花のころがる三十三闢ー 佐藤喜孝 あを 201505
さあかすに風花にあふ旅先で 佐藤喜孝 あを 201505
風花や五色ありたるランドセル 井上静子 201505
仮名の名も昭和も古び風花す 半田稜 ろんど 201505
風花や弔辞の言葉つまりたる 村上美智子 雨月 201505
風花に路地を塞かれゐたるかな 住田千代子 六花 201505
風花の漂うてゐて地を知らず 住田千代子 六花 201505
風花のはるかかなたに朱雀門 平居澪子 六花 201505
葬りなか風花にのり風に乗り 上野紫泉 京鹿子 201505
風花のヴェニスの空に天使像 山田佳乃 ホトトギス 201506
風花や天女の吐息白く舞ふ 涌羅由美 ホトトギス 201506
風花や湯が滾ぎりゐる夜の無人 松田都青 京鹿子 201506
風花や美容院より出でたれば 今井春生 201506
風花や手話の自在に輝る指輪 久保東海司 201507
風花の舞ひ上りたる鷹ヶ峰 岩下芳子 201508
風花の隣り町までさすらいぬ 辻村拓夫 船団 201508
風花のあかるき海へ去りにけり 大崎紀夫 虻の昼 201510
風花や枝にからすの羽ばたきて 大崎紀夫 虻の昼 201510
吹かれ来し風花となり消えしもの 稲畑汀子 ホトトギス 201512
風花と見る間に積り来たりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201601
風花に仕上げられゆく富士の空 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
風花や館の産声上げし日も 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
風花のほんたうはお日様嫌ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
風花や越後の友の便りとも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
風花やあるがままとは難しき 片山煕子 京鹿子 201601
風花の向う富士の歴史針葉樹 東秋茄子 京鹿子 201602
風花を浴びて大地が騒がしい 鴨下昭 201603
風花や楽屋入りする猿之助 中田みなみ 201603
風花や生前葬をふと思ふ 相良牧人 201603
筆になる渡しの由来風花す 小林共代 風土 201603
風花や父の遺せし二眼レフ 瀬戸薫 風土 201603
風花が電信柱よけにけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201603
風花や亥の神さまの言ふとほり 辻水音 201603
風花や洩るる灯小さき尼僧庵 石田厚子 馬醉木 201604
福音の降るがごとくに風花す 荒井千瑳子 201604
風花の寸秒にして宙に消ゆ 塩野谷慎吾 201604
風花や女の一生(ひとよ)愛と哀 藤岡紫水 京鹿子 201604
老ジヤズマン階段のぼり風花へ 井上菜摘子 京鹿子 201604
風花のしきりや姉の小祥忌 小川玉泉 末黒野 201604
風花の馬の眼に消えゆけり 山本則男 201604
風花や鯨のやうな水族館 森高武 風土 201604
風花の舞へり乳母車の上を 大橋晄 雨月 201604
風花や天上よりのレクイエム 樺山翠 雨月 201604
風花やうぶすな神の磴百段 和田照海 京鹿子 201605
俳号はわが遊園地風花す 井上菜摘子 京鹿子 201605
風花や枕木にのる鉄二本 亀井福恵 京鹿子 201605
風花の一番ホーム電車待つ 横田敬子 201605
風花や素手で解せる米麹 雨村敏子 201605
やきもち待つ列に風花ひとしきり 近藤紀子 201605
風花の雨戸開くれば舞ひに舞ふ 大橋晄 雨月 201605
風花の夢見るごとく舞ひ出でし 中杉隆世 ホトトギス 201606
四次元を舞ふ風花に心寄せ 千原叡子 ホトトギス 201607
将軍塚より一陣の風花吹雪 堀田清江 雨月 201607
老いの家ここは風花一丁目 井上曜子 船団 201612
風花や胸に灯ともす言葉抱き 栗原公子 銀の笛 201612
風花の舞ふ寒さとてなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201701
風花や城石垣の反り強き 長谷川閑乙 馬醉木 201703
風花や遊女の手なる散らし書 太田昌子 馬醉木 201703
風花やみどり真如の通ひ路 菊地光子 201703
風花へ老のつぶやく木挽唄 原田しずえ 万象 201703
風花やサラファン赤きマトリョーシカ 岡本敬子 万象 201703
風花の地に触るるまで舞ひやまず 紅露恵子 万象 201703
風花や天に戻るも地に落つも 林陽子 万象 201703
風花の鬼怒川渓谷道に舞ふ 田中臥石 末黒野 201703
建前の紙垂に風花きたりけり 根橋宏次 やぶれ傘 201703
風花や長寿の眉が華やげり 窪みち子 201703
風花や触れたるものの彩に消え 水野恒彦 201704
虚と実と入り交じりけり風花す 寺田すず江 201704
鴇いろのおほきなリボン風花す 中貞子 201704
風花や余白ばかりのパスポート 楠原幹子 201704
白きもの干せば忽ち風花す 西川保子 春燈 201704
風花や捨つると決めし本広ぐ 廣瀬克子 春燈 201704
風花やこの青空のいづくより 斉藤マキ子 末黒野 201704
青鹿の跳んで風花残しけり 森和子 万象 201704
思ひ出すやうに風花ちらつきぬ 大石喜美子 雨月 201704
峰寺を辞する刻かも風花が 山本漾子 雨月 201704
風花や鳥影黒きミステリー 塩貝朱千 京鹿子 201705
風花や日差しの延びる巡礼道 岡山敦子 京鹿子 201705
風花やグレージュといふ言葉あり 瀬川公馨 201705
風花や骨のどこやら死んだふり 齋藤厚子 201705
風花やわが散骨も一手段 服部早苗 201705
あふる風迎うつ風花吹雪 山田六甲 六花 201705
風花や傘を持たずに小買物 大内幸子 六花 201705
風花やたいこ橋行き本殿ヘ 渕田則子 末黒野 201705
ロマン探る乙訓の町風花す 東野鈴子 雨月 201706
偲ぶ旅待てば風花舞ふ湖畔 大木さつき ホトトギス 201706
固さまだ残る川風花三分 石黒興平 末黒野 201707
風花のこぼれ来る空静かなる 黒川俊郎 201707
縄文風花瓶に秋草の束を 辻美奈子 201711
白バイも走者もをみな風花す 諸岡和子 201802
風花の舞ふ駅にある投書箱 秋川泉 あを 201802
風花の吹き戻されて宙に消ゆ 吉田順子 201802
風花がふはと百万石通り 渡邉孝彦 やぶれ傘 201803
風花や明治は遠き四ツ目結 鈴鹿呂仁 京鹿子 201803
遠き日の伏せ字の恋よ風花す 鷺山珀眉 京鹿子 201803
風花や暮色の峡に人見えず 壺井久子 馬醉木 201803
風花す列島に時差生まれけり 本池美佐子 201803
外に出でよ風花の野を突つ走れ 片桐てい女 春燈 201803
風花や治癒告げられし身の軽き 綱徳女 春燈 201803
風花の触れし露座仏またたけり 升田ヤス子 六花 201804
五線譜の音符はらりと風花す 藤田美耶子 201804
ふるさとは今も単線風花す 西千代恵 雨月 201804
画学徒の軍事郵便風花す 和田照海 京鹿子 201804
風花や画廊を巡る裏通り 今村千年 末黒野 201804
古書店を出づや神田は風花す 今村千年 末黒野 201804
風花や仏心目覚む永平寺 大室恵美子 春燈 201804
風花を音符と舞へるカプリッチオ 浅田セツ子 春燈 201804
風花の舞ひ包みたる柩出す 久保東海司 201805
風花や気儘な旅は楽しいか 時澤藍 201805
風花やはらはらと舞ふ恋の文字 江島照美 201805
風花やポストをさがす旅の駅 高橋泰子 末黒野 201805
ねんごろに尾を振る鳥や風花す 曽根富久恵 201806
風花や流人小屋めく塩焚き場 深川淑枝 201806
風花や遊ぶがごとく風に舞ひ 大橋晄 ホトトギス 201808
風花や一切衆生如来身 平子公一 馬醉木 201901
闘将の逝きて風花消えにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
六甲の風花消ゆるところかな 稲畑汀子 ホトトギス 201901
風花や六甲仰ぐとき光る 稲畑汀子 ホトトギス 201901
奥羽街道風花となる夕べ 増成栗人 201901
風花や葉に重なりて露天風呂 吉宇田麻衣 201902
風花や切通しゆく講の鈴 平野無石 201902
風花や見えゐて遠き女人堂 斉藤玲子 馬醉木 201902
風花や妖精からのラブレター 藤田美耶子 201903
朝市の端の刃物屋風花す 増成栗人 201903
風花や海へかたむく瞥女の墓 夏生一暁 馬醉木 201904
風花のやうなひと日でありにけり 近藤喜子 201904
風花す遥かな人の便りかも 犬塚李里子 201904
あの世にも風花舞へば逝くもよし 江島照美 201904
風花やチェロ負うて来る辻楽師 渡辺やや 風土 201904
風花やけふも弥彦に佐渡を見ず 雨宮桂子 風土 201904
しやんしやんと舞ふ巫女の手に風花す 谷口一献 六花 201904
風花や透きとほるまで葛をねる はしもと風里 201904
余情とは一陣の風花洛の忌 鈴鹿仁 京鹿子 201905
弔ひののどの渇きや風花す 井上菜摘子 京鹿子 201905
風花の肩に払ひし指濡れて 升田ヤス子 六花 201905
風花や海山近き神戸愛し 廣畑育子 六花 201905
風花の思はせ振りやビルの街 滝口洋子 末黒野 201905
風花や誰にも会はぬ一日なり 石田蓉子 201905
風花にたけき思ひを放ちをる 近藤紀子 201905
東京をかすめ一瞬風花す 今井千鶴子 ホトトギス 201906
人柱千の碑文字の風花す 長谷英夫 馬醉木 201906
風花に誘はれ叡電ホーム出づ 近藤紀子 201906
風花や堂に痩せたる竹箒 山本則男 201906
風花にふーわり一語ノーリタン 甲斐いちびん 船団 201906
風花やとてもしずかな主人公 津田このみ 船団 201906
風花や祠小さき漁師町 高倉和子 201907
風花とつぶやけばはや消えにけり 山内碧 201909
橋上に経読む僧や風花す 沼田巴字 京鹿子 202001
風花や銃音とよむ谷の底 夏生一暁 馬醉木 202002
風花や東に近江一の宮 竹中一花 202003
風花の見える窓辺でジャワカレー 丑久保勲 やぶれ傘 202003
風花や赤子が繭のごと眠る 柴田佐知子 202003
この山の土と化さむや風花す 平居澪子 六花 202004
風花や言葉とならぬ声いくつ. 吉清和代 202004
始まりは風花かとも飛花落花 豊田みどり 202004
風花の一片父の文として 田中由喜子 馬醉木 202004
風花のかけゆく空や通夜あけぬ 木村嘉男 202005
風花の明るき日なり母の忌来 山岸明子 202005
立枯の樹々を悼めば風花す 平居澪子 六花 202005
風花の招く十方浄土かな 藤田美耶子 202005
風花 →11

 

2021年3月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。