風 花 1       100句

風花は凡てのものを圖案化す   高浜虚子   小諸百句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
風花は村の童話よ葱を掘る 保坂加津夫 自在抄 199600
労られをり風花に濡るゝさへ 山内山彦 ホトトギス 199806
風花の谿千年の静寂かな 川口襄 王道 199809
風花は序曲だけにて終わりけり 保坂加津夫 会者定離 199900
風花の明るさを地に消してゆく 稲畑汀子 ホトトギス 199901
消えて地に風花なごり置かざりし 稲畑汀子 ホトトギス 199901
風花やこの地に建つと告げてより 稲畑汀子 ホトトギス 199901
風花や碧空シベリアより越えて 稲畑廣太郎 ホトトギス 199901
風花の六角堂を曲りけり 堀江かつみ 199901
髪刈りし子に大きな瞳風花す 岡部玄治 199901
風花の舞ふがごとくに召されしと 山田弘子 円虹 199902
風花や野布施の菓子の堅づくり 中原道夫 銀化 199902
瘡蓋の痕の肉いろ風花す 大嶋康弘 銀化 199902
風花や生木に深き楔傷 鈴木まゆ 馬醉木 199903
風花の誘ひし日矢か裸祭 鷹羽狩行 199903
風花の坂を下りて夫見舞ふ 山田弘子 円虹 199903
風花の闇をこはさぬ退り腰 竹村悦子 銀化 199903
風花は天女の泪かもしれず 高橋伸子 199904
風花の奥や白水阿彌陀堂 関根洋子 風土 199904
風花の中来て面会五分間 山田暢子 風土 199904
やわらかい心臓のまわり風花す 田中空音 海程 199904
鯉料る八ツ岳に風花舞ふ夕べ 皆川盤水 春耕 199904
風花や作務衣干さるる山の寺 岸恒雄 春耕 199904
風花や一匹の鬼飼ひならし 杉浦典子 火星 199905
風花の幕引きとなる波止場かな 村山和子 海程 199905
風花やいま前衛へ転向せむ 深澤鱶 ヒッポ千番地 199905
姉上に耳かたむける嬉々と風花 廣嶋美惠子 船団 199906
風花の呼ぶ風花や墓あそび 桐木榮子 船団 199908
風花や三月兎は迷走中 星野早苗 船団 199912
大氷河上風花の無音界 千代田葛彦 馬醉木 200001
風花の消息山を降りてくる 稲畑汀子 ホトトギス 200001
風花や今日は音なき工事場に 稲畑汀子 ホトトギス 200001
風花のデカンショ節の村にをり 山尾玉藻 火星 200001
風花にさらさるることなつかしく 保坂加津夫 いろり 200001
風花に三代句碑の騒きかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200001
俳磚に風花及ぶ一とところ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200001
風花や開館の日を引き寄せて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200001
風花や芦屋は山の近き町 稲畑汀子 ホトトギス 200001
青空の消えて生れて風花す 稲畑汀子 ホトトギス 200001
風花や年に一度の母校訪ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200001
浅酌の風花へ手をひらくかな 松村武雄 200002
風花や和傘選りゐる朝市に 相沢有理子 風土 200002
神馬の馬銜は重たし風花す 宇都宮滴水 京鹿子 200002
風花や空のままなる鳥の籠 田中藤穂 水瓶座 200002
黒姫山より飛びきたる風花か 田中藤穂 水瓶座 200002
風花を携帯あやつりつつ来たり 星野早苗 空のさえずる 200002
文字読まぬ少女風花流れけり 星野早苗 空のさえずる 200002
風花やアールグレイをおもてなし 松下幸恵 六花 200002
腹案の切り出しどきと風花す 能村研三 200003
風花や天階にゐて独りなり 小澤克己 遠嶺 200003
風花す瓢箪文手もんちょう水平ら 神蔵器 風土 200003
風花や濠の餌台の傾ぎたる 武久昭子 風土 200003
風花や会釈たまへる老聖尼 山岸治子 馬醉木 200003
風花の夕べとなりぬ神楽笛 池松昌子 馬醉木 200003
風花と舞ひてはなやぐ鷹一羽 中澤文次郎 200003
風花や竜馬を慕ふ絵馬の文 朝妻力 雲の峰 200003
風花や墓地のふもとに六地蔵 杉江茂義 雲の峰 200003
風花や両手で磨く杉丸太 渡辺周子 雲の峰 200003
風花や父母亡き家に寄らで過ぐ 長谷川満子 雲の峰 200003
風花の吹き上げてくる古刹かな 鷹羽狩行 200004
風花や切株の芯紅さして 杉浦典子 火星 200004
裏山につづく竹林風花す 加古みちよ 火星 200004
風花や両手翼の一輪車 坂口夫佐子 火星 200004
風花の湖面に消ゆる音なりし 堀義志郎 火星 200004
風花や描きて龍のやぶにらみ 伊東みのり 遠嶺 200004
風花や人伝てに聞くダムの悲話 上原若子 200004
風花の空がらんどう大欅 小野誠一 春耕 200004
風花や紅茶の好きな人とゐる 松木知子 ヒッポ千番地 200004
風花や電車遅るるアナウンス 志方桜子 六花 200004
風花や塔見の茶屋の小座布団 辻のぶ子 俳句通信 200004
風花に赤いバイクの郵便婦 松原到 ぐろっけ 200004
風花や次の火葬とすれ逢ふ 浜口高子 火星 200005
風花や赤いベンツが走り去る 木野本加寿江 火星 200005
風花を数へてゐたり乗換駅 豊田都峰 京鹿子 200005
風花や背山にひびく発破音 屋代孤月 遠嶺 200005
風花や鉄骨光る仮の橋 玉川悠 遠嶺 200005
風花の庭でワルツを踊るごと 福井久生 200005
風花や落ちゆく先を迷ひつつ 木村美猫 ぐろっけ 200005
風花や着地寸前無重力 稲用飛燕 船団 200006
風花は天使の悪戯くちびるに 鶴濱節子 船団 200007
風花を撤きし空ある魚の骨 松永典子 船団 200008
風花を時の砂鉄と思いけり 吉川真実 海程 200009
風花やマルセーユより吉草油 中原幸子 遠くの山 200010
愛なんか風花の夜はココアだよ 中原幸子 遠くの山 200010
風花や停れば日射す汽車の中 阿部寒林 200010
風花や風呂敷包みはらふ門 鬼頭桐葉 春蘭 200010
風花や魚屋さんの量り売り 森景ともね 船団 200011
風花は海にとどかず夫の墓 石本百合子 馬醉木 200012
風花やこんなに軽き母の骨 緑川啓子 馬醉木 200101
一陣の風花こぼし日を零す 稲畑汀子 ホトトギス 200101
ここに又虚子の足跡風花す 稲畑汀子 ホトトギス 200101
風花や空の明るさあるところ 稲畑汀子 ホトトギス 200101
ガラス工房廻る火玉に風花す 後藤志づ あを 200101
鮪糶り終りし市場風花す 中川冬紫子 春耕 200101
ひび割れし青滋の花器や風花す 石橋翠 いろり 200102
風花や牛糶る声のよく透る 荻原芳堂 春耕 200102
風花や渚へつづく牧の柵 香川はじめ 春耕 200102
巴投げのあとのさびしさ風花す 彌榮浩樹 銀化 200103
風花に風鐸の鳴る多宝塔 木村てる代 俳句通信 200103
風花やショパンのソナタ一人聞く 池尻足穂 俳句通信 200103
風花 →2      

 

2021年1月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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