蚊帳/蚊屋 2     43句

つりそめて水草の香の蚊帳かな    飯田蛇笏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
母恋し時には蚊帳を吊ってみむ 松岡和子 璦別冊 201408
遠き日や蚊帳吊る釘の錆深し 桐島加代子 ろんど 201408
人こほし誠に蒼き蚊帳の香や 鈴木直充 春燈 201409
蚊帳知らぬ子らとかやつり草遊び 松本美簾 馬醉木 201410
蚊帳消えて昭和の暮し遠くなり 羽賀恭子 201410
ごん狐のおはなしせがむ蚊帳の中 上川いつ子 201410
吊ることもなき蚊帳展げ半夏生 根本公子 末黒野 201411
外したる蚊帳子供らの海となる 河野美奇 ホトトギス 201412
怪談の蚊帳を恐れし頃の闇 押田裕見子 201412
死神を畳みこみたり秋の蚊帳 山内碧 201501
蚊帳たたむ器用自負せしこと昔 稲畑汀子 ホトトギス 201506
蚊帳吊つて現世少し遠ざかる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201506
蚊帳隔て羽音の悔しがつてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201506
嫡男といふ母衣蚊帳の主かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201506
蚊帳吊つて母の噺を口伝へ 湯橋喜美 201508
初めての寝返り打てり枕蚊帳 福島せいぎ 万象 201510
母衣蚊帳や母が子にしてやれること 高橋将夫 201510
よみがへる昔の暮し蚊帳の中 橋本くに彦 ホトトギス 201511
蚊帳に入るしぐさ大正昭和かな 橋本くに彦 ホトトギス 201511
麻の蚊帳まづ二張りを断捨離す 布川孝子 京鹿子 201511
質草に蚊帳あるむかし初ちちろ 久保東海司 風鈴 201512
蚊帳くぐる妻が女にみえしころ 高橋将夫 201610
浪曲は森の石松蚊帳の夜 高橋将夫 201610
蚊帳ありし頃の父母偲ばるる 安立公彦 春燈 201610
たからもの持ちより蚊帳の兄妹 宮崎洋 春燈 201612
母衣蚊帳にいつかかへる日あらむかな 宮崎洋 春燈 201612
母衣蚊帳の赤子の出べそ皆ほめて 山田健太 風土 201709
青蚊帳に青き夢みし戦後かな 小嶋恵美 春燈 201709
露天湯に蚊帳吊りはひる峡の宿 佐々木あつ子 六花 201810
蚊帳吊りし五寸釘ごと家古ぶ 山内碧 201811
亡き母も父も居るなり蚊帳の中 青木朋子 201812
蚊帳吊れば納戸の匂ひしてゐたり 高倉和子 201812
大小の枕並ぶる秋の蚊帳 横山さくら 春燈 201812
騒ぎたる記憶閉ぢこめ蚊帳の果 山崎貴子 ホトトギス 201901
里山に蚊帳の別れといふけぢめ 山崎貴子 ホトトギス 201901
平屋なることも懐かし蚊帳の果 山崎貴子 ホトトギス 201901
雨三日蚊帳の別れとなりにけり 藤井啓子 ホトトギス 201901
蚊帳の景百年といふ時を守り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
蚊帳にあつて蚊帳の外なる話かな 平野多聞 202011
蚊帳の子に怪談噺佳境なり 関妙子 202110
叱られて入水のごとく青蚊帳に 和田照海 京鹿子 202209
蚊帳吊つて蚊帳の中なる波の音 山田健太 風土 202209
青蚊帳や泳ぐ夢より覚めゐたる 塙誠一郎 家系図 202211
蚊帳 →1

 

2023年7月21日 作成

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