蛙の目借時1   100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
パピルスの茎叢河馬の目借時 三神あすか 船団 199811
気負はねば仕事の出来ぬ目借時 保坂加津夫 会者定離 199900
崖下にうしほつぶやく目借時 吉本昴 馬醉木 199906
常闇のこの身寧しと目借時 村越化石 199906
生かされて頭の細る目借時 保坂加津夫 いろり 199906
水琴窟の音の微々たる目借時 岡和絵 火星 199907
目借時ピクンピクンと猫の髭 鶴濱節子 船団 199909
壁時計止まつてをりし目借時 杉良介 200004
指先にそむく縫針目借時 岡田和子 馬醉木 200005
目借時帝釈天の跳ね猿も 大島竜子 200005
山川の眠り深めて目借時 熊谷みどり いろり 200006
心眼を貸出してゐる目借時 川名将義 銀化 200006
大学に干物を焼く香目借時 中谷葉留 風土 200006
大鍋に湯をたぎらせて目借時 浜口恵以子 風土 200006
乱れ字の交じる箇所あり目借時 桑垣信子 いろり 200006
口中に餡の甘みや目借時 高村梢子 火星 200007
目借時車窓にビルの傾ける 三井孝子 六花 200009
ドロップ缶かたこと振りて目借時 三神あすか 船団 200011
パスミーソルトプリーズ蛙の目借時 ロツキイ 六花 200104
父と児が眠りむさぼる目借時 林田加杜子 いろり 200104
オカリナに指ままならぬ目借時 那須淳男 馬醉木 200105
山白き町の理髪屋目借時 佐藤慶一 遠嶺 200105
観音の真うしろ邪相目借時 小林輝子 風土 200106
鶏の一声蛙の目借時 玉川悠 遠嶺 200107
手引書の外語ばかりや目借時 池田草曷 雨月 200107
魔法瓶つぶやいてゐる目借時 能村研三 200107
目借時一日一句とはいかず 桑垣信子 いろり 200107
目借時二度とは兎油断せず 貝森光大 六花 200107
にんじんのポタージュ蛙の目借時 わたなべじゅんこ 船団 200108
水飲みてすこしさびしき目借時 能村登四郎 200108
風に頬撫ぜられてをり目借時 二本松輝久 風土 200108
流し目のおとこ蛙の目借時 延原ユキエ 船団 200202
江戸川の流れの止まる目借時 大沼眞 200205
号砲のどんと鳴らむか目借時 吉村幸子 雨月 200206
目借時赤児に耳を掴まるる 梅原悠紀子 百鳥 200206
メール打つ指おぼつかな目借時 芝尚子 あを 200207
レシートを栞としたる目借時 中谷葉留 風土 200207
活弁の身振りも茫と目借時 岸はじめ ぐろっけ 200207
漢方の講義はいつも目借時 岡田章子 ぐろっけ 200207
水尾に出来不出来のありし目借時 横松しげる 200207
歩道橋下りの辛き目借時 中村和江 ぐろっけ 200207
援農の学徒でありき目借時 遠藤とも子 ぐろっけ 200208
砂に書く飛の筆順や目借時 鳴海清美 六花 200208
遅遅として進まぬ作句目借時 片野光子 ぐろっけ 200208
竹竿の売声蛙の目借時 宮原みさを 花月亭 200208
目借時順番待ちの長きに倦み 小田知人 ぐろっけ 200208
団子屋の椅子がたかたと目借時 梅村達子 帆船 200301
句にならず短歌にならず目借時 横瀬伸子 帆船 200305
山見ては思考はなるる目借時 加藤哲也 銀化 200305
選評に空耳つかふ目借時 森川喜美子 銀化 200305
読みゐし書手より逃げゆく目借時 野沢しの武 風土 200305
むぎ書房あやめ茶房や目借時 池田冨美 帆船 200306
園遊具暇もてあます目借時 吉年虹二 円虹 200306
目借時おとぎ列車に客一人 吉年虹二 円虹 200306
すぐ年のせいにしてゐる目借時 塩川雄三 築港 200307
トーストのひとりの昼餉目借時 平田紀美子 風土 200307
マンシヨンに遮光カーテン目借時 房安栄子 築港 200307
モニターに臓の空洞目借時 滝本香世 百鳥 200307
襖絵の花の零るる目借時 大東由美子 火星 200307
誰も居ぬ真昼蛙の目借時 天野きく江 200307
踏切の鉦の高鳴る目借時 宮田悦子 200307
目借時からくり時計楽奏す 岡田有峰 築港 200307
コンパスと定規・分度器目借時 市川英― 遠嶺 200308
潮待ちの纜ゆるぶ目借時 塙三千男 馬醉木 200308
目借時景気対策頭打ち 角直指 京鹿子 200309
床下の土の湿りや目借時 高倉和子 200406
目借時瓦礫の中の珠玉の句 今瀬剛一 対岸 200406
目借時将棋真顔にホームレス 辻恵美子 栴檀 200406
目借時片手で送るEメール 木村みかん 200406
野ざらしのひとつふたつや目借時 南一雄 200406
畦草の摘みて萎ゆる目借時 北村和子 草の花 200407
書いて消し書いては消して目借時 長石肇 築港 200407
身の箍の一つ弾けし目借時 近藤幸三郎 風土 200407
人の訃を己にかさね目借時 村越化石 200407
人形の言葉蛙の目借時 今瀬剛一 対岸 200407
長命寺行きバスに乗る目借時 黒田咲子 200407
天井の染みを見てゐる目借時 高野清風 雲の峰 200407
無人ピアノ鳴りて蛙の目借時 山下佳子 200407
目借時居眠ると言ふ眠りあり 村越化石 200407
目薬をさしてもの憂き目借時 福盛悦子 雨月 200407
目借時斜塔のごとく本積みて 江崎成則 栴檀 200409
なにやかや予後と申して目借時 山元志津香 八千草 200410
難解書開けば蛙目借時 田中時子 八千草 200410
孵化しさうなトマトのはらわた目借時 直江裕子 京鹿子 200411
香具山をつまむ指欲し目借時 中村房枝 六花 200503
目借時日がな外国船の位置 今瀬剛一 対岸 200504
江の島へバスを乗り越す目借時 吉沢かねよ 帆船 200505
目借時記憶もどしの一歩二歩 能村研三 200505
ゆるゆると水車の廻る目借時 大石よし子 雨月 200506
能ヶ谷に叱られに行く目借時 神蔵器 風土 200506
百号の富士や蛙の目借時 森山よね子 帆船 200506
目借時ほとけどぢやうの池巡る 中谷葉留 風土 200506
目借時鉛筆の芯よく折れて 田中佐知子 風土 200506
山中に岩も安らぐ目借時 村越化石 200507
大甕の水がまつ黒目借時 松岡隆子 200605
母に読むきのふの続き目借時 堤京子 馬醉木 200605
びんろうの実を噛みくだく目借時 岩下芳子 200606
ファスナーが布噛んでゐる目借時 今瀬一博 200606
メビウスの帯や蛙の目借時 雨村敏子 200606
上司から細やかな指示目借時 濱上こういち 200606
蛙の目借時→ 2      

2021年4月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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