6    139句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
昼の月土佐の蛙が鳴いてゐる 大崎紀夫 やぶれ傘 201805
雨蛙遠く離れた娘達 大日向幸江 あを 201805
今朝晴れる鳴立て仲間呼ぶ蛙 長崎桂子 あを 201806
まだ雨を呼ばぬ蛙となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201806
雨蛙鳴かねば所在なかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201806
理科室に若き玄白蛙鳴く 藤代康明 201806
うららかや戯画の蛙が小躍りす 大石よし子 雨月 201806
高々と恋の蛙の泥しぶき 南うみを 風土 201807
畦に鳴くかへる桂郎の昼蛙 間島あきら 風土 201807
用水に丸太のかかる蛙の子 秋山信行 やぶれ傘 201807
蛙鳴く棚田一枚ごとの声 松本幹雄 馬醉木 201807
仏頭のぐらり蛙の目借時 石田阿畏子 馬醉木 201807
蛙田の真ん中にある暮しの灯 望月晴美 201807
昼蛙声に疲れのなかりけり 饗庭悳子 末黒野 201808
鳴きとよむ蛙に闇の膨らみぬ 大川暉美 末黒野 201808
湿原のひかりの流れ初蛙 岡野里子 末黒野 201808
葉より出で葉に紛れけり雨蛙 松本三千夫 末黒野 201808
望郷の胸に火点す夕蛙 田中臥石 末黒野 201808
牛蛙夜ともちがふ闇に鳴く 辻美奈子 201808
葉桜や石の蛙に無事の文字 矢口笑子 春燈 201808
リハビリの窓にはりつく雨蛙 近藤紀子 201808
雨蛙清く正しく葉のうへに 平沢惠子 春燈 201809
青蛙わたしも自然大好きよ 中貞子 201809
名刹の仔細は知らず雨蛙 亀井福恵 京鹿子 201809
青蛙喜ぶやうに跳びにけり 高倉和子 201809
雨乞ひの呪文繰るなり枝蛙 松尾龍之介 201809
牛蛙さみしくなれば鳴きにけり 持田信子 春燈 201809
水亭の古りし甍や牛蛙 和田慈子 末黒野 201810
水脈を曳く蛙目で追ひ握り飯 伊藤希胎 京鹿子 201810
蛙跳ね但馬の大地には力 和田華凛 ホトトギス 201811
粽解く亀も蛙も鯉もゐて ふけとしこ 船団 201811
五位鷺の声にひるむや牛蛙 楠本和弘 201902
雨蛙田の神へ歌歓喜して 伊藤昌枝 201902
百千鳥そのなかに遠蛙かな 山田六甲 六花 201905
青蛙風に思わずキルケゴル 羽田英晴 船団 201906
まだ眠そううごかぬ蛙そっとして 吉宇田麻衣 201907
みづうみへ恋の蛙のにごり水 南うみを 風土 201907
夕蛙口にやさしき皿のもの 小嶋恵美 春燈 201907
土塊のごとく動かぬ蛙かな 大川暉美 末黒野 201907
日の射して靴紐直す雨蛙 飯塚トシ子 201907
早暁や令和二日の遠蛙 谷田貝順子 201907
そもそもと蛙出てきて留守の寺 山田六甲 六花 201908
牛蛙明石の正午の眠たかり 田尻勝子 六花 201908
暮れてすぐ蛙鳴き出す水の郷 光成敏子 201908
牛蛙沼の静けさ際立てて 石塚清文 やぶれ傘 201908
一筋の水脈の先には初蛙 石塚清文 やぶれ傘 201908
改元を共に祝ふや昼蛙 大霜朔朗 末黒野 201908
山の風森青蛙泡育て 松本三千夫 末黒野 201908
桂郎の亀も蛙も鳴く頃か 田村すゝむ 風土 201908
退く気なし吾も蛙も一歩前 田村すゝむ 風土 201908
畑掘つて出でし蛙と目を合はす 井上静子 201908
子と住むや時には無口遠蛙 土江比露 春燈 201908
夜蛙の声の波打つ雨催 石本百合子 馬醉木 201908
遠蛙聞こえ寝に落つ鄙の宿 岡村彩里 雨月 201909
しとしとしと友が友呼び雨蛙 柴田靖子 201909
十二橋の一橋にゐる雨蛙 中内敏夫 201909
牛蛙ゆつくり動く沼の風 久保久子 春燈 201909
二次会が終わる都会の遠蛙 山田邦彦 201909
時差ぼけの畳の我家遠蛙 小形博子 201909
ぼくいつもその他大勢あま蛙 菊池和子 京鹿子 201910
声にならない呻き地を這ふ牛蛙 直江裕子 京鹿子 201910
夜蛙の真只中の通夜戻り 村上美智子 雨月 201910
堰落つる音に和したる牛蛙 岡田史女 末黒野 201910
少年のこぶし開くや雨蛙 加藤静江 末黒野 201910
青蛙跳ねて庭石残りけり 田中臥石 末黒野 201910
蓮の葉に仏の顔して雨蛙 能美昌二郎 201910
ときどきの居眠りに聞く枝蛙 白石正躬 やぶれ傘 201910
窓を開けて湯屋に聞く蛙の遠音 佐藤香珠 船団 201910
掛け合ひにふざけた声の蛙居て 廣畑育子 六花 201911
千年の杉の霊気を青蛙 楠本和弘 201912
鼾より調べ宜しき牛蛙 村上ヤチ代 船団 201912
夜蛙や電車故障の帰途更けて 水原秋櫻子 馬醉木 202003
酒一合豆腐半丁夕蛙 角野良生 202005
志木街道心平さんの詠む蛙 七郎衛門吉保 あを 202005
雨上がるねぼけまなこの雨蛙 秋川泉 あを 202007
うぶすなと言ふも旅寝の遠蛙 内藤静 風土 202007
一斉に鳴く雨蛙もつと鳴け 森岡正作 202007
切株にわづかな湿り昼蛙 辻水音 202007
青蛙ペコチャンの舌気になりし 庄司久美子 202008
青赤の揺るる信号雨蛙 庄司久美子 202008
青蛙姉のポッケに忍ばする 辻泰子 京鹿子 202008
考へる貌して暫し青蛙 寺田すず江 202008
けろころと蛙鳴く田や蒼き空 堺昌子 末黒野 202008
ドイツ語は得意なんです青蛙 たかはしすなお 202009
腰すゑてけろけろと鳴く蛙かな 泉一九 やぶれ傘 202009
勤行に励む無住寺の雨蛙 和田照海 京鹿子 202009
雨激し蛙の声の高まりぬ 廣畑育子 六花 202009
子の拳ぱつと開けば青蛙 笹村政子 六花 202009
臥す日々に蛙の声の響き来し 善野行 六花 202009
夜蛙の一斉に止みまた鳴けり 廣畑育子 六花 202009
遠蛙会話しばらく途切れたる 浅嶋肇 やぶれ傘 202009
一の倉二の倉暮るる牛蛙 戸栗末廣 202010
今日の葉の色になりきり雨蛙 谷口一献 六花 202010
蓮の葉を飛込台にして蛙 廣畑育子 六花 202011
我が町の畦に白鷺田に蛙 廣畑育子 六花 202011
輪郭は父似と言はれ雨蛙 仲里奈央 202101
水槽に蛙ゆつくり浸かりけり 篠田大佳 あを 202102
遠蛙君を送りしレクイエム 稲畑廣太郎 ホトトギス 202104
初蛙鳴けば田園シンフォニー 稲畑廣太郎 ホトトギス 202104
里帰り叶ふ日は何時夕蛙 稲畑廣太郎 ホトトギス 202104
昼蛙どの畦のどこ曲がらうか 石川桂郎 風土 202104
霾や飛び出してゐる蛙の目 田辺満穂 202104
初蛙隠し田に日の溢れゐる 渡辺清 202104
数独に消しゴムのかす夕蛙 滋野暁 末黒野 202104
蛙 →1
桜ごと消えし風景遠蛙 岩藤礼子 やぶれ傘 202105
初蛙いつまでも声重ならず 谷田明日香 風土 202106
武甲山写す棚田に青蛙 須賀敏子 あを 202107
青蛙しみじみと見て緑色 須賀敏子 あを 202107
遠き日の子らの輪唱夕蛙 釜田敬司 202107
天地の闇ふくらませ蛙鳴く 大川暉 末黒野 202107
月の湖を探してゐるや初蛙 小田嶋野笛 末黒野 202107
杖を手に寧らふ夫や夕蛙 亀卦川菊枝 末黒野 202107
古池の月取る夢を見る蛙 平野多聞 202107
雨蛙鳴かせて夕の風呂長し 森岡正作 202108
牛蛙人は大声禁ぜられ 川高郷之助 202108
身にあまる思ひを跳べり青蛙 久保久子 春燈 202108
夜雨抱く夢を枕に雨蛙 鈴鹿呂仁 京鹿子 202108
枝蛙葉陰に残す真の色 鈴鹿呂仁 京鹿子 202108
夕蛙稿に追はるる古机 森清堯 末黒野 202108
沼に雨雨の向うに牛蛙 大崎紀夫 やぶれ傘 202109
雨蛙千が鳴き出す千枚田 西村白杼 京鹿子 202109
雨蛙句碑に一茶の翳を追ふ 石原孝人 京鹿子 202109
郷愁を誘ふ夕べの田の蛙 田中臥石 末黒野 202109
一塊の雲呼びとめて雨蛙 亀田虎童子 202109
鳩首して蛙の手術してをりぬ 善野行 六花 202109
睡蓮の池を支配す牛蛙 森高武 風土 202109
青蛙結束できぬ世に鳴けり 阿部さちよ 202109
はやり歌憂しと聞きをり遠蛙 牛島晃江 202110
いつからか寄る辺なき身に青蛙 浜崎喜美子 202110
眼を病むと書田蛙の氣狂ひ音 石川桂郎 風土 202110
下校児のこぶしの中の青蛙 門伝史会 風土 202110
古池の暮れて呼び合ふ牛蛙 奥中双樹 京鹿子 202110
跳ぶ前の息ととのへし青蛙 井上つぐみ 202110
一跳びの力溜めをり雨蛙 山田佳乃 ホトトギス 202111
しんがりは殿と見受けり青蛙 三輪桜花 京鹿子 202111
産土を揺らしてゐたる牛蛙 森田明成 202112
休耕田舞台となりて初蛙 稲畑廣太郎 ホトトギス 202204
井の中の蛙ぐらしよ芹なづな 久保夢女 202204
里山の柵のほころび夕蛙 黒滝志麻子 薫風 202205
 

 

2022年5月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
22/05/08 2022年5月8日 2022年5月8日