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作品
作者
掲載誌
掲載年月
周濠の古きを訪ね昼蛙 浜福惠 風土 201607
望郷や蛙乗せたるたなごころ 田中臥石 末黒野 201607
三百年振りに蛙は古池に 柳川晋 201607
軽々と飛んで闇へと青蛙 高倉和子 201607
手足出て暫し蝌蚪とも蛙とも 苑実耶 201607
谷間のぬるき出湯や遠蛙 秋山信行 やぶれ傘 201608
遠蛙妣のはなしになる夕べ 小森泰子 馬醉木 201608
蛙鳴く水の浸み出す遊歩道 門伝史会 風土 201608
暮れ落つや帰宅促す川蛙 安永圭子 風土 201608
結界の竹にとびたる雨蛙 笹村政子 六花 201608
田蛙に水送る夕美山 和田照海 京鹿子 201608
心経のギャーテーギャーテー田蛙も 大畑善昭 201608
雨蛙牛の目玉のぬれぬれと 中貞子 201608
裃着せてやりたき蛙かな 中島昌子 201608
雨蛙鳴きて予報を過たず 長谷英夫 馬醉木 201609
石積みの囲む棚田や遠蛙 林八重子 馬醉木 201609
蛙鳴く遠祖は弥生時代から 杉本薬王子 風土 201609
パソコンの手を休めをり遠蛙 杉本薬王子 風土 201609
泥清めばすぐに蛙のこゑしたり 赤堀洋子 万象 201609
田蛙の声を分け入る夜道かな 塩野谷慎吾 201609
明日旅の髭剃つてをり雨蛙 田中臥石 末黒野 201609
声明に似て首塚の雨蛙 永淵惠子 201609
牛蛙闇を重たくしたりけり 山本則男 201609
雨蛙寺の静けさ広ごれり 本多正子 雨月 201609
雨蛙急ぎ鳴きせり詰め将棋 丸井巴水 京鹿子 201609
七十路や何に向き合ふ青蛙 前田美恵子 201609
ニュータウンに残る古池牛蛙 中田禎子 201609
睡蓮の鉢を栖に雨蛙 駒井でる太 馬醉木 201610
医王寺の蛙合戦まのあたり 原田しずえ 万象 201610
雨蛙ひよんと跳び乗る石仏 田中幹也 万象 201610
森青蛙子を滴らす神の池 岩崎眉乃 万象 201610
いづこより来しや窓辺の雨蛙 志方章子 六花 201610
牛蛙後生ごしやうと呻きをり 荒木甫 201610
葉のしづく記憶の底の雨蛙 岡山敦子 京鹿子 201611
倒れ稲鳶が蛙をわしづかみ 山田六甲 六花 201611
牛蛙鳴けばさざなみ生るなり 原田達夫 201611
濁声の筋を通して雨蛙 工藤ミネ子 風土 201612
雨蛙如露の水にかしこまる 浜野桃華 万象 201612
雨蛙墓石の色に紛れゐし 浜野桃華 万象 201612
阿弖流為の裔といふ顔ひき蛙 内海良太 青嶺 201612
万葉の歌碑に川風蛙飛ぶ 鈴木漱玉 馬醉木 201701
遠蛙酒の器の水を呑む 石川桂郎 風土 201701
にんげんも蛙も臍出し子供の日 若森京子 船団 201701
同じ夢児て冬眠の蛙たち 高橋将夫 201702
これよりは父の生地や蛙とぶ 秋山信行 やぶれ傘 201702
競ふことなく遠蛙とほかはづ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201704
初蛙昨日鳴きしが今日鳴かず 田中藤穂 あを 201704
蛙いま呑まるるところ見てしまふ 中川句寿夫 ここのもん 201705
父看取る更に遠くの夕蛙 中川句寿夫 ここのもん 201705
誰か来て帰ったやうで雨蛙 中川句寿夫 ここのもん 201705
めったには引かぬ殿さま蛙かな 中川句寿夫 ここのもん 201705
雨蛙板戸一枚開けて留守 中川句寿夫 ここのもん 201705
ほどほどがよけれ蛙に目を借られ 中川句寿夫 ここのもん 201705
川風にはためく更紗初蛙 長谷川祥子 馬醉木 201705
ささやきかつぶやきか田の夕蛙 松本三千夫 末黒野 201706
日和まで呼んで行きたる雨蛙 稲畑汀子 ホトトギス 201706
雨蛙すでに気づかれをりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201706
蛙鳴く父母ありし日のごとく 堀井英子 雨月 201707
蛙鳴く裏も表もなかりけり 寺田すず江 201707
放ちても満つるもの無し牛蛙 中田禎子 201707
蛙鳴く棚田にまくら向け眠る 山田六甲 六花 201707
雨溜まる竹の切り口初蛙 増田幸子 万象 201707
物申す諸手ついたる蛙かな 赤岡茂子 春燈 201707
田蛙や望郷の念突と湧き 石黒興平 末黒野 201708
番号を付さるる棚田初蛙 石黒興平 末黒野 201708
田蛙の波郷恋しと小夜囃す 田中臥石 末黒野 201708
谷間や時に間を置き牛蛙 堺昌子 末黒野 201708
一村の闇に声張る蛙かな 大川暉美 末黒野 201708
枝蛙しづくの翅を咥へをり 南うみを 風土 201708
遠蛙闇をひろげてゐたりけり 高村令子 風土 201708
火の国の喉やはらかき雨蛙 本多俊子 201708
天平の双塔なりし牛蛙 吉田順子 201708
紙漉きの単調破る雨蛙 白澤よし子 馬醉木 201708
遠拝の磨崖佛あり枝蛙 伊丹さち子 馬醉木 201708
蛙田の闇の広がる車窓かな 松尾芳子 万象 201708
目の前のひとつが鳴いて遠蛙 笹村政子 六花 201708
雨蛙遠くで鳴けば近くでも 佐津のぼる 六花 201708
雨蛙柳の下の雨宿り 江見巌 六花 201708
一村を震はせゐるや牛蛙 荒井ハルエ 春燈 201708
牛蛙ボーと鳴いた腹減った たかはしすなお 201709
蛙鳴く犬の太郎は気にもせず 今井康子 201708
田の道や声のなはばり青蛙 七郎衛門吉保 あを 201708
一水の翳に動かず枝蛙 藤岡紫水 京鹿子 201709
牛蛙鳴いて隠沼波立てり 田尻勝子 六花 201709
牛蛙松尾和子がゐてをりぬ 溝渕弘志 六花 201709
雨蛙幼き我の孤影かな 水野恒彦 201709
かつぱ沼の南部曲り家蛙かな 杉原ツタ子 201709
青蛙跳んで葉陰に踏ん張りぬ 久保田富士子 万象 201709
昼蛙そこにゐたのか巻葉揺れ 浜福惠 風土 201709
夕蛙留守にする灯をひとつ点け 高橋恵美子 馬醉木 201709
記紀神話地鳴のごとく牛蛙 吉田葎 201709
草にとび鍬の柄にとび雨蛙 荒井ハルエ 春燈 201709
遠蛙田水は富士の伏流水 杉本薬王子 風土 201710
瑠璃へだて蛙の青き呼吸見し 近藤紀子 201710
帰郷せしわれに蛙の大合唱 中谷富子 201710
終電後田蛙徐々に静もりぬ 禰寝瓶史 京鹿子 201710
楼閣を映す池面や蛙鳴く 竹内喜代子 雨月 201710
雨蛙半眼で診る浮世かな 寺岡直美 京鹿子 201711
牛蛙墓園の闇にひびきけり 出口誠 六花 201711
蛙 →7      

 

2021年5月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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21/05/08 2021年5月8日 2021年5月8日