2     200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
牛蛙いまは夜中の二時三時 津村美和 200211
夕蛙まだ描けさうな絵筆拭く 楠木薫子 200211
UVカット目玉ばかりの牛蛙 梶浦玲良子 六花 200211
牛蛙腹式呼吸会得せり 陶山泰子 ぐろっけ 200212
ふるさとは闇うつくしや牛蛙 梅村すみを 200301
土塊の目がありと見し初蛙 中山砂光子 200302
初蛙聞きとめてまた闇深し 阿部ひろし 酸漿 200304
黒々と蛙になる日待てる塊 稲畑廣太郎 ホトトギス 200304
牛蛙鳴くとき地震の感じられ 加藤白狼子 築港 200305
牛蛙手にし小犬の重さなる 加藤白狼子 築港 200305
うすれゆく記憶の郷や初蛙 関口ゆき あを 200305
考へて考へてをる蛙かな 市川伊團次 六花 200305
灯の下にもの書くならひ遠蛙 鷹羽狩行 200305
帳場にて殿様蛙のやうな奴 小澤克己 遠嶺 200306
ふるさとに母もう在さず夜の蛙 久保田雪枝 雨月 200306
泉水にとぎれとぎれの初蛙 赤座典子 あを 200306
夫の葬儀終ふるに鳴けり初蛙 島田千晶子 200306
三つ四つと数ふ里の灯初蛙 藤岡紫水 京鹿子 200307
昼蛙千枚の田の底歩く 代田青鳥 風土 200307
万葉の池万葉の蛙鳴く 塩川雄三 築港 200307
脈絡のなき思ひごと遠蛙 香川正子 200307
夜蛙の相模なまりと思ひ聞く 今井千鶴子 円虹 200307
峡村に蛙声満ち満つ月まどか 林翔 200307
受け継がる権三わらぢ昼蛙 林裕子 風土 200307
田の中に据る巨岩や夕蛙 村田さだ子 酸漿 200307
イグアナも蛙も愛し八十路なり 長屋璃子 火星 200307
月山の闇ふかぶかと初蛙 加瀬美代子 200308
この棚田殿様蛙ばかりゐる 安部和子 雨月 200308
初蛙仕事仕舞ひの鍬洗ふ 佐藤景心 200308
湖の真中に蛙鳴きにけり 大石ひろ女 百鳥 200308
かきくけこ山の夜蛙舌足らず 伊藤白潮 200308
存在を示すバリトン牛蛙 伊藤稔代 200308
草の葉の蛙飛び着く大石に 二瓶洋子 六花 200308
蛙飛螺もて首尾を言祝げり 朝妻力 雲の峯 200308
終電車過ぎて蛙の村となる 森田久枝 築港 200308
蛙鳴くか行変化に切字欲る 松本鷹根 京鹿子 200308
牛蛙来ての騒動カフェテラス 刈米育子 200308
牛蛙鳴きて御廟の昼深む 渡辺政子 雲の峯 200308
隠れ湯に星が写るよ遠蛙 谷口千枝子 200308
まんまんと出羽の夜闇や遠蛙 植松安子 200308
多忙かな蛙に借す目持たざりし 野村智恵子 八千草 200309
蛙田のどれもロメオの声ばかり 次井義泰 200309
法被着し犬もつきゆく蛙飛 梅谷昌弘 雲の峰 200309
城跡の人来ぬ濠に牛蛙 仲田志げ子 200309
所詮世は一人の旅路遠蛙 吉村けん ホトトギス 200309
重さうに牛蛙鳴き雨ぽつぽつ 斉藤利枝子 対岸 200309
立夏なり戯画の蛙の飛ぶ構へ 乗光雅子 雨月 200309
錫の音の響く吉野の蛙飛 大柳篤子 雲の峰 200309
堂前に御輿荒ぶる蛙飛 阿波谷和子 雲の峰 200309
一堂に吉野の行者蛙飛 大柳篤子 雲の峰 200309
折紙の蛙を笹に星祭る 山口マサエ 雲の峰 200309
地を這うて法螺ひびきくる蛙飛 梅谷昌弘 雲の峰 200309
だしぬけに聞ゆ一と声牛蛙 小山尚子 雨月 200310
月影の揺るる水田や牛蛙 井出やすはる 酸漿 200310
駅員の一人に蛙よく鳴けり 池部久子 酸漿 200310
田続きの庭の小池に棲む蛙 奥村鷹尾 京鹿子 200311
牛蛙鳴いて物憂き日でありし 佐藤冨士男 ホトトギス 200311
牛蛙時止まりたるごとく浮く 常澤淑子 200311
里小径一葉一葉に乗る蛙 西島みね子 八千草 200401
リバーシブルの変身の術枝蛙 芦川まり 八千草 200401
目と鼻を出す牛蛙水平ら 藤井美智子 対岸 200402
磐座の水をもらひて初蛙 竹中龍青 200403
霊水に礼を尽くせし初蛙 磯貝碧蹄館 握手 200403
初蛙二月の星も雨のあと 阿部ひろし 酸漿 200404
冬眠の蛙の上を歩きけり 谷口佳世子 200404
夕蛙帰りそびれし遠き日よ 清水房夫 帆船 200404
頬打つて頭を働かす遠蛙 岡本眸 200404
保護色の蛙に動く目の二つ 稲畑汀子 ホトトギス 200404
いま学べいま遊べとや夜の蛙 西川五郎 馬醉木 200405
夜蛙の沖まで響くかと思ふ 鷹羽狩行 200405
磨崖仏たたへきりころ初蛙 内山芳子 雨月 200406
無人駅の改札口に蛙鳴く 池水雅子 200406
一夜にて蛙の声の田となれる 河本美智雄 築港 200406
パゴダに棲む蛙や蜘蛛に佛たち 佐藤喜孝 あを 200406
初蛙昨日にかはる山の色 淺場英彦 万象 200407
のほほんと風呂上りの貌夕蛙 貝森光大 六花 200407
うたた寝の子の足汚れ遠蛙 栢森定男 「風よ」 200407
牛蛙水郷往き来してゐたる 石脇みはる 200407
若き日の二段ベッドや遠蛙 迫田克子 河鹿 200407
夜蛙や土民のやうに眠り落つ 中村恭子 200407
初蛙やさしき雨の午後となり 阿部正枝 遠嶺 200407
象谷の奥より聞え初蛙 東條未英 200407
蛙鳴く棚田の畦に踏ん張つて 中村功 築港 200407
休み田の水面に浮ぶ蛙の目 中村翠湖 馬醉木 200407
枕やや高しと思ふ遠蛙 片山由美子 200407
星空へ蛙ののんど衰へず 中村恭子 200407
こみあげて一声もらす牛蛙 西山美枝子 酸漿 200407
近づける雨意まんまんと山蛙 淵脇護 河鹿 200407
うたた寝の子の足汚れ遠蛙 栢森定男 風よ 200407
田蛙やいよよ有馬の夜深し 木村てる代 雲の峰 200407
鳴き競ふ夜蛙の目を思ひけり 浜福恵 風土 200408
彗星の見頃と鳴けり牛蛙 金升富美子 200408
たぷたぷと樋に水張る夕蛙 環順子 遠嶺 200408
筒つぽの子が可愛がる赤蛙 大山里 200408
殿様蛙形くづして逃れけり 岡田鉄 200408
ゆく夜の影のたたずむ遠蛙 渡邉友七 あを 200408
風向きの湯屋までつなぐ初蛙 間宮陽夫 馬醉木 200408
利家の父母祀る寺初蛙 丹生をだまき 京鹿子 200408
塾に灯の入るや田蛙鳴きはじむ 浜福恵 風土 200408
罰当番終へて下校の夕蛙 池田耕二 百鳥 200408
回想は祖父母に蛙ころころと 大橋敦子 雨月 200408
蛙鳴く池のさざ波寄るところ 谷合青洋 酸漿 200408
初蛙短く鳴きてあとは風 浅田浦蛙 対岸 200408
月山の水に孵れり蛙の子 須永トシ 栴檀 200408
田が植わり百の蛙の輪唱湧く 北原東洋男 200408
ふつくらと米炊きあがる夕蛙 託正夫 200408
首洗ひ池一面の蛙の子 古川昭子 栴檀 200408
蛙鳴く川を挟める古戦場 岡村葉子 栴檀 200408
遠蛙水豊かなる過疎の島 森山のりこ あを 200409
人の訃に蛙は声をしぼりけり 中桐葉子 春燈 200409
咽袋破れんばかり蛙鳴く 堀田恵美子 雨月 200409
闇になほ奥行ありぬ遠蛙 糸井芳子 200409
童等の道草の岸蛙飛ぶ 池部久子 酸漿 200409
田水満ち蛙の国となりゐたる 江崎成則 栴檀 200409
門限にざんねん声の牛蛙 丸山佳子 京鹿子 200410
牛蛙図太く生きて愛さるる 伊藤希眸 京鹿子 200410
真夜覚めて声明のごと蛙聞く 清水昌子 河鹿 200410
地の底をぶち抜け来たる牛蛙 宇田喜美栄 200411
牛蛙鳴かぬ故郷遠くなる 鈴木實 百鳥 200411
減反田なれど変らぬ遠蛙 原田竜子 河鹿 200412
跳び乗りて蛙沈めし浮葉かな 岡村葉子 栴檀 200501
記憶にはサハラの蛙空を摩す 泉田秋硯 200501
蛙鳴く夜道の帰路となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200504
この世には人語のぬくみ遠蛙 鈴鹿仁 京鹿子 200505
固まつて蛙になる日待つてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200505
このところ続く寝不足昼蛙 小川匠太郎 200505
岩庭の静寂の中の初蛙 青木久子 遠嶺 200505
蛙跳ぶヘッドライトの道となる 稲畑汀子 ホトトギス 200505
水面より出て目が動く蛙かな 稲畑汀子 ホトトギス 200505
風強き二月芹田に蛙鳴く 川原典子 酸漿 200505
今生は快楽快楽と初蛙 伊藤白潮 200505
こんな日の蛙の誘ふ畦の道 鈴鹿仁 京鹿子 200505
田まはりのすめば月夜の遠蛙 豊田都峰 京鹿子 200506
眼鏡ぬぐふ灯ともし頃や遠蛙 岩田都女 風土 200506
初蛙夕餉仕度の菜を摘めば 八木岡博江 酸漿 200506
茨田堤にのこる水門昼蛙 今井すえ子 200506
初蛙広き仏間に一人寝る 大西八洲雄 万象 200507
地下足袋の小鉤をゆるめ遠蛙 大野里詩 帆船 200507
てんでんに鳴いて蛙の声和せり 森永美保 築港 200507
羯諦もへちまもあるか夜の蛙 山田六甲 六花 200507
小蛙の壺に跳び入り跳び出せず 奥村鷹尾 京鹿子 200507
蛙鳴き山寮寂を直深む 岩崎憲二 京鹿子 200507
歯軋りの蛙に田水あふれけり 中村恭子 200507
花卉で生く池多き八尾蛙鳴く 松崎鉄之介 200507
初蛙しばし憩ひてやくし茶屋 斉藤小夜 風土 200507
夜蛙のきゆきゆつと鳴きて成就せり 山田六甲 六花 200507
次つぎと紙袋から赤蛙 高橋将夫 星の渦 200507
牛蛙夜のしじまを破る声 早崎泰江 あを 200507
実篤の村の棚田に昼蛙 大西八洲雄 万象 200507
体内の時計くるはす夕蛙 丸山佳子 京鹿子 200507
田に面す我が家に満ちる蛙声 辻田忠俊 築港 200507
高原の蛙ころろと雨を呼ぶ 村上光子 馬醉木 200508
壮年とおぼしき声の牛蛙 遠山みち子 200508
とむらひの三食近し遠蛙 櫨木優子 200508
付添ひの枕の固し遠蛙 高木杏子 馬醉木 200508
森抜けて蛙の声を踏みにけり 高木智 京鹿子 200508
集落に禁煙の札昼蛙 南恵子 万象 200508
城下出て蛙の声に親しみぬ 丸山佳子 京鹿子 200508
ころころとほろほろと蛙睡魔呼ぶ 斎藤道子 馬醉木 200508
バス停の壊れしベンチ牛蛙 田中藤穂 あを 200508
悪童に釣り上げられし牛蛙 中山勢都子 200508
汝(な)がいのちとりとめし今宵初蛙 瀧春一 菜園 200509
蛙鳴く連鎖反応月のぼる 早崎泰江 あを 200509
すさまじき霧にひびかふ枝蛙 瀧春一 菜園 200509
乗鞍と同じ高さの枝蛙 戸栗末廣 火星 200509
山水の景より出づる赤蛙 黒田咲子 200509
妻恋ひの牛蛙なら憎からず 吉田明子 200509
遠蛙戀のシーンの煌々たり 瀧春一 菜園 200509
突つつけば蛙の腹の鳴くばかり 伊藤希眸 京鹿子 200509
いいお風呂いただきました遠蛙 高千夏子 200509
朝すでに暑き水辺や牛蛙 塩田博久 風土 200510
幣打てば蛙とび出す虫送り 江崎和子 栴檀 200510
田一枚泳ぎきつたる夕蛙 新井泰子 馬醉木 200510
牛蛙池は真昼の火照りなす 市場基巳 200510
場所取りの筵の上の蛙かな 宮澤さくら 「今生」 200510
輪唱に遠の蛙も加はれり 谷口外穂 200510
牛蛙池の暗さに慣れて聞く 鈴木實 百鳥 200510
妻癒えよ夜を徹し鳴く蛙 徳田正樹 河鹿 200510
隠沼の語部めきて牛蛙 今成公江 200510
故郷に昔なじみの蛙鳴く 山本千里 200511
夜蛙の一枚水田鏡なす 市場基巳 200511
禅寺の法話の中に牛蛙 辻兎夢 200601
牛蛙七百年の仕切り癖 渡辺貞子 京鹿子 200601
尾瀬小屋の消灯はやき遠蛙 楠原幹子 白卓布 200602
立出でし闇深めつつ初蛙 阿部ひろし 酸漿 200603
夕蛙かんざしできて來りけり 久保田万太郎 春燈 200603
蛙鳴く夜の新し独り酒 滝沢伊代次 万象 200604
夕蛙をしへられたる道あらず 相馬黄枝 200604
うたた寝の思はぬ深さ昼蛙 鷹羽狩行 200604
灯ともりていづこも隣家初蛙 鷹羽狩行 200604
地震がきて思へり今朝の蛙の死 人見靖子 対岸 200605
猪垣の邊(へ)に晝蛙聞えくる 瀧春一 常念 200606
初蛙林檎の枝を下ろす日に 瀧春一 常念 200606
竹林公園行くに迷へり遠蛙 阿部範子 200606
大鍋に飼料(かいば)の煮ゆる夕蛙 瀧春一 常念 200606
薫風や蛙鳴く野をペダル踏む 亀田やす子 万象 200606
なりはひの箸削る灯や蛙鳴く 瀧春一 常念 200606
金蓄むる百姓に鳴く晝蛙 瀧春一 瓦礫 200606
蛙 →3      

 

2021年4月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。