片 蔭 4     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
片陰の尺余たりとも恃みとし 西千代恵 雨月 201401
片陰の小さきを縫ひ根津谷中 能村研三 201406
片陰の途切れていつそ小気味好し 吉田陽代 201407
ビル失せて片陰失せてしまひたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201407
口開けて鯉片蔭に人影に 四條進 201409
参道の片蔭ながし神の杜 四條進 201409
片陰に濃い茶痩せる茶選びをり 塙誠一郎 201410
片陰に潜みて信号待ちにけり 松村光典 やぶれ傘 201410
片蔭をつれて客船出航す 安積亮子 火星 201410
片蔭に乙女のトリオ恋談義 辻香秀 201410
三味線屋のぞき片陰歩きけり 三宅文子 春燈 201410
片陰の給水ボトル走者待つ 小河原清江 201411
プラネタリウム億光年出で片蔭に 奥井あき 201411
片陰を拾ひ明治の香を纏ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201507
片陰の混み合うてゐる散歩道 松嶋一洋 201508
片陰を行げばいいのにあのひとは 八木健 八木健俳句集 201509
片蔭の尽きる老女の寄附集め 和田政子 201509
片陰で朝の井戸端会議かな 渡邊孝彦 やぶれ傘 201510
片陰を選んで歩く猫のをり 松村光典 やぶれ傘 201510
奈良坂の片陰仰ぐ東大寺 落合絹代 風土 201510
物言ふが如き頬笑み片蔭り 風間史子 201510
片陰を選び選びて役こなす 長崎桂子 あを 201510
片陰を濃うして続く武家屋致 小林文良 春燈 201510
片陰を歩く図書館までの道 菊池洋子 やぶれ傘 201512
片蔭に抜け落ちてゐる鳥の羽 秋山信行 やぶれ傘 201512
じりじりと片陰縮む城下町 山田佳乃 ホトトギス 201601
片陰を立ちて鞄に本仕舞ふ 池田友之 夏雲 201603
片陰の一二歩とぎれゐるところ 大崎紀夫 やぶれ傘 201607
句座に着く日除片陰使ひ切り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
片蔭に着ぐるみ纏ふ男ゐて 江島照美 201608
城壁の片蔭弦楽三重奏 奥田茶々 風土 201609
浅草の片蔭えらび弱法師 福島せいぎ 万象 201609
片陰を手押し車に譲りけり 塩野谷慎吾 201609
酒蔵の片陰を折れ地蔵尊 吉田万喜子 雨月 201609
片蔭に入つて熱い息を吐く 高橋将夫 201609
片陰を伝ひ銀座の裏通り 廣瀬雅男 やぶれ傘 201609
盛塩や上七軒の片陰り 今井弘雄 春燈 201610
片蔭の湖の底なる石灰花 中村洋子 風土 201610
横丁は片陰ばかり混んでゐる 小山陽子 やぶれ傘 201610
片陰にあふるる人や赤信号 松村光典 やぶれ傘 201610
片蔭のやせざるうちに済ます用 山崎靖子 201610
片蔭をひと膝ゆづる同世代 高木晶子 京鹿子 201611
片蔭の途切れしところ躓きぬ 永田万年青 六花 201611
土壁の片陰つゞく寺の町 田代貞香 201611
片蔭に必ず終りありにけり 飛高隆夫 万象 201612
公園の猿も片陰離れざる 松村光典 やぶれ傘 201612
片蔭を帰り下剤の効いて来し 中川句寿夫 ここのもん 201705
電車にも片陰のあり片寄れり 内山花葉 201708
すっぽりと高層ビルの片陰に たかはしすなお 201709
温(ゆ)泉の山の片蔭に鳥地獄かな 山田六甲 六花 201709
片蔭の大きな銀座通りかな 竹生田勝次 風土 201709
片蔭にはたきかけつつ待つ車 根橋宏次 やぶれ傘 201708
片蔭に立ちて銀座の待ち合はせ 廣瀬雅男 やぶれ傘 201708
片蔭と片蔭つなぐ蔭のやう 原田達夫 201709
片陰に沿うて真っ直ぐポストまで 大石よし子 雨月 201709
片陰を人と行き交ひぶつかりぬ 篠田純子 あを 201709
片蔭や明治の頃の石畳 高田令子 201710
片陰を父は溢れてをりにけり 藤野力 馬醉木 201710
片陰を来て片陰へ路地曲がる 山田暢子 風土 201710
片蔭を遮ぎつてをる水子地蔵 中西厚子 201710
片陰に入り考への変りたる 谷村祐治 雨月 201710
道迷ひ片陰尽きてしまひけり 谷村祐治 雨月 201710
片陰に寄りてしばしの立ち話 服部珠子 雨月 201710
片蔭に列乱しつつバスを待つ 山口登 末黒野 201710
片蔭の広ごる道の立話 峰幸子 末黒野 201710
片陰のガラスに歪む影の我 柿沼盟子 風土 201711
片陰や今も涸れざる望東尼の井 矢野百合子 201712
片蔭に炭酸煎餅焼く匂ひ 廣畑育子 六花 201712
片蔭へ半身を反りて陶狸 田岡千章 201801
片陰を拾ひては見学の道 稲畑汀子 ホトトギス 201805
片蔭に赤子あやすや風生るる 田中美恵子 201808
母訪はな片陰のまだ恋しき日 大沢美智子 旬日 201808
片陰に崩れる不安感じけり 出口誠 六花 201809
片陰を食み出し来たる力士かな 中西恒弘 201810
片蔭に入りきれない頭かな 永田万年青 六花 201810
片蔭に上衣一枚脱ぎにけり 住田千代子 六花 201810
片蔭を辿りつつ駅目指しけり 橘正義 春燈 201810
片蔭の肩寄せ合へる老夫婦 黒滝志麻子 末黒野 201810
片蔭に蹲るもの本能寺 津田このみ 船団 201811
片陰の続かぬ里を歩きけり 森田明成 201811
片陰の凹凸に添ひ歩きけり 松尾龍之介 201812
片蔭を地獄めぐりのバス走るとか わたなべじゅんこ 船団 201812
いのち大事と片陰をたどりゆく 岩岡中正 ホトトギス 201901
片蔭を松に貰ひて一休み 重原爽美 201904
片陰の山路に出逢ふとき仲間 稲畑汀子 ホトトギス 201906
痩身に片陰はこれだけで足る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
ガジュマルの片蔭にゐて沖遙か 佐久間敏高 201908
拾ひたきものに片蔭オフィス街 松本三千夫 末黒野 201908
片陰をはみ出してゆく反抗期 大杉映美 馬醉木 201909
校舎跡片蔭に聞く童唄 宮田豊子 春燈 201909
片蔭に刈りしばかりの笹匂ふ 中根美保 風土 201909
十字路の角のひとつの片陰り きくみきみえ やぶれ傘 201910
片陰を五等分して友を待つ つじあきこ 201910
片陰も人影も脇道も無し 高木嘉久 201910
商店街寂びて片陰置くばかり 川高郷之助 201910
坂登り来て片陰の立ち話 服部珠子 雨月 201910
ついに来し大片陰のスフィンクス 岡田ちた子 雨月 201910
片陰を選び近くの投票所 須賀敏子 あを 201910
片陰を老落武者のごと行けり 夏生一暁 馬醉木 201911
信号を見計らひつつ片蔭出づ 河崎國代 春燈 201911
片陰 →5      

 

2021年8月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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