片 蔭 3     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
片蔭をゆるりと戻る母子鹿 小林成子 200909
片陰を伝ひて芭蕉稲荷かな 須賀敏子 あを 200909
片蔭もなき黄河見下ろす古戦場 中山皓雪 200909
片蔭の空つぽなりし乳母車 根本ひろ子 火星 200909
漢方舗のこる奈良町片蔭り 伊東和子 200910
片陰長きカーン博士の通ひ路 鈴木榮子 春燈 200910
片陰や白木の塔婆かかへゆく 竹内弘子 あを柳 200910
風ゆくや片陰の道ゆつくりと 筒井八重子 六花 200910
ガイド聴くや片陰大き清涼殿 永島雅子 春燈 200910
大樹下に片蔭生るる散歩どき 吉田晴子 200911
世を拗ぬる如く片蔭ひろひけり 田耕造 末黒野 200911
片蔭にいつも置かれし一輪車 宮田香 200911
片蔭を選りて歩める小猫かな 伊藤憲子 200911
片蔭を出づれば生るるひとり影 山本信子 200911
片蔭を拾ひポストヘ遠まわり 伊藤憲子 200911
片蔭にボスがひそみて女掏摸 林哲夫 ぐろっけ 200911
城壁といふ片陰を拾ひ歩す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201005
片陰を子猿に譲る親のゐて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006
片蔭を選びて歩く老夫婦 滝沢伊代次 万象 201007
地獄絵を抜け片陰の風に逢ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201008
せめて片陰を拾はん傘忘れ 稲畑汀子 ホトトギス 201008
すぐそこが遠い田舎の片陰り 小黒加支 酸漿 201008
片蔭へとをぢさん顔の盲導犬 木村茂登子 あを 201008
地を這うて餓鬼が来るなり片陰り 前田美恵子 201008
片陰を頭ひよこひよこしてをりぬ 佐藤喜孝 あを 201009
片陰の途切れて銀座四丁目 廣瀬雅男 やぶれ傘 201009
片蔭や影おきざりにして真昼 山崎@青史 ろんど 201009
衛兵の人形のごと片陰に 吉成美代子 あを 201009
オランダ坂の片陰をゆく修道女 森幸 雨月 201009
いくつもの片陰拾ひ帰宅せり 鈴木良戈 201010
片陰を細身ほそ身に拾ひけり 数長藤代 201010
片陰に帽子の紐をゆるめけり 久染康子 201010
片蔭の尽きて縁談断りに 和田政子 201010
片蔭の一部となりて抜け出せず 吉田希望 201010
片蔭に入りたる肩をゆるめけり 蘭定かず子 火星 201010
片陰を選んで歩く退院日 島内美佳 ぐろっけ 201011
片陰を行き交ふ人とゆづり合ふ 上原光代 酸漿 201011
片蔭を拾ひて進む車椅子 池田光子 201011
片蔭や疑似餌を造る人とゐて 池端英子 ろんど 201011
片蔭の長椅子に在る忘れ杖 泉田秋硯 201011
片蔭に円あり三角四角あり 川村文英 ろんど 201011
片陰の壁に凭るる読書人 渡邉孝彦 やぶれ傘 201012
片蔭もなし帆船の帆をたたみ 館容子 201012
猫知らんぷり片陰を離れざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201106
片陰の消え人通り失せし道 稲畑汀子 ホトトギス 201107
下町に片陰探すとは至難 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108
片蔭に入りて持ち寄る昼餉かな 和田政子 201108
さう言へば片陰少しいけるかも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108
片蔭の紅殻格子なりしなり 加藤みき 201109
片陰の空の真青にローマかな 浅井青二 雨月 201110
すれ違ふマイケル・ジョーダン片陰に 森下賢一 春燈 201110
片陰の伸びたる方へ歩を運び 川崎良平 雨月 201110
片陰に誘はれてより道連れに 平居澪子 六花 201110
片蔭に入り足踏みすチンドン屋 渡邉美保 火星 201110
片蔭に青待つハーレーダビットソン 坂上香菜 201110
午後二時の片陰地図が胸のあり 篠田純子 あをかき 201110
口開けて片陰ひろふ鴉かな 榎本桂子 万象 201111
片陰を盲導犬に明け渡す 佐瀬晶子 ろんど 201111
片蔭を歩けば出逢ふみすゞの詩 中井登喜子 201111
片蔭に憩ふ人夫や午后三時 藤波松山 京鹿子 201111
片蔭にかがむのはあの嫌な奴 だいじみどり 201111
片陰を競ひ伸びゆく摩天楼 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
片陰の駐車場へとホテルマン 稻畑汀子 ホトトギス 201207
片陰の出来丸の内らしくなる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
片蔭の水に漬けある砥石かな 西村節子 火星 201208
片陰をはみ出してゐる己が影 高橋将夫 201209
片蔭の途切れぬ露地を散策す 後藤克彦 かさね 201209
片蔭の店先通つてスーパーヘ 菊地崇之 かさね 201209
片蔭に歩みを止めて汗を拭く 吉田博行 かさね 201209
片蔭に寄りて一息二息も 福本すみ子 201209
片蔭にタクシーも休む昼下がり 青木英林 かさね 201209
くすくすと半身よけあふ片蔭り 来海雅子 201209
電柱の片陰に入り待つてゐる だいじみどり 201209
これよりは片蔭のなき道ぞいざ 服部早苗 201209
片蔭に駐車の列の昼休み 米田文彦 かさね 201210
片陰を拾ひてかこつ齢かな 松本三千夫 末黒野 201210
片陰をしかと見定め小買ひ物 塩田博久 風土 201210
片蔭の長くなり道に人戻る 坂上じゅん かさね 201210
片蔭にながながと寝る猫二匹 荒井和昭 201210
片蔭に自画像入れる車椅子 鴨下昭 201211
片蔭に佇ちて見送る霊柩車 長節子 201212
片陰に横浜の色沈みけり 木暮陶句郎 ホトトギス 201304
向かひくる人も片蔭身を斜(はす)に 村田とくみ ぐろっけ 201310
鯉群るる池に片蔭ありにけり 佐津のぼる 六花 201310
一人立つほどの片陰バスを待つ 中嶋昌子 春燈 201310
それぞれに片陰を持ち墓並ぶ 高橋将夫 201310
片蔭に入りて見上ぐる空眩し 池内とほる かさね 201310
片蔭り渡り廊下を踏みしめて 加藤みき 201310
片陰や仏都正午の鐘渡る 森屋慶基 風土 201310
片陰の途切れて会話とぎれけり 林昭太郎 201310
片陰に黙祷始む長崎忌 赤座典子 あを 201310
片蔭を拾ひて老女歩が弛み 田中清秀 かさね 201310
片蔭の途切れし道を迷ひけり 杉浦典子 火星 201310
片蔭のうすき時間の外出かな 佐藤喜仙 かさね 201310
細り来る片蔭鉾の巡行路 北尾章郎 201310
二本立て観し片蔭を帰りきし 垣岡瑛子 火星 201310
片陰の個性的なる屋敷町 出口誠 六花 201311
片蔭の何か酸つぱき家並かな 瀧春一 花石榴 201312
片陰が途切れても尚歩かねば 向江醇子 ぐろっけ 201312
片蔭の長屋それぞれ商へる 瀧春一 花石榴 201312
片陰→4      

 

2021年8月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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