片 蔭 2     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
片陰や今は昔の港町 大堀鶴侶 雨月 200409
つぎつぎに片陰の中戻り来る 赤星惠子 あを 200409
片陰や高野山の町の昼下り 大堀鶴侶 雨月 200409
片蔭をたどつて押しぬ車椅子 亀井幸子 築港 200409
片蔭や清め塩盛る占ひ師 高野清風 雲の峰 200410
東山見ゆる町家の片蔭り 廣畑忠明 火星 200410
毀たれし家並片蔭失せにけり 矢野律子 200410
片陰や同じ方角向くベンチ 木村みかん 200410
片蔭の濃きに誘はれ町めぐり 鷹羽狩行 200410
あて曲げの道に片蔭選り歩く 浅川正 雲の峰 200410
片蔭をはなれずにゐる猫二匹 松山美眞子 雲の峰 200410
片陰を脛ながき子のゆきにけり 井上有利子 草の花 200410
片陰や北国街道宿場跡 山本明彦 遠嶺 200411
片陰へ友引き込んで語りけり 塚本泰子 酸漿 200411
片蔭のなき道ばかりウォーキング 永本純子 200411
身の幅のほどの片陰拾ひ行く 山内須磨子 草の花 200411
片蔭の張りつく街の寡黙かな 伊藤敬子 遠嶺 200411
豪華船片陰つくり着岸す 目羅忠雄 百鳥 200411
わが過去を連れて片蔭ひろひけり 西澤ひで子 遠嶺 200411
片蔭といふ申し子を拾ひゆく 谷口文子 京鹿子 200412
散歩犬日蔭片蔭引きずられ 小松サチコ ぐろっけ 200412
吾が蔭を片蔭に捨て身の軽し 藤原りくを 八千草 200502
片陰といふには家並低かりし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200507
片蔭の濃き山門を潜りけり 斎藤くめお 対岸 200507
常照皇寺片陰の縁に持参の斎 鈴木榮子 春燈 200508
城門の片蔭にある一輪車 大山文子 火星 200508
片陰をひよこひよこと出る頭かな 佐藤喜孝 あを 200508
片陰や住んでゐたまち他所の町 篠田純子 あを 200508
片陰は塀よりも濃く存在す 佐藤喜孝 あを 200508
鴨親子川の片蔭ゆつくりと 長崎桂子 あを 200509
片陰や海の白きにつきあたる 瀧春一 菜園 200509
片蔭を踏んで地獄絵見にゆけり 山尾玉藻 火星 200509
片蔭に石碑(いしぶみ)太し飛鳥寺 今谷脩 ぐろっけ 200509
片陰へ母のかひなをついと引く 遊橋恵美子 風土 200510
母のゐし町片陰の多き町 太田佳代子 春燈 200510
片蔭を母のスカート握る子も 平居澪子 六花 200510
片蔭の切り絵のやうな蔵の町 田代ヨシ 河鹿 200510
片蔭の身幅がほどを譲り合ひ 石垣幸子 200510
片蔭に入るそこよりの路地深し 青山丈 200510
片蔭に一番近い人が兄 富沢敏子 200510
片蔭といへぬ片蔭選つて行く 上出曙美 築港 200510
電線の影も片蔭をんな行く 淵脇護 河鹿 200510
片蔭の方に水音してゐたり 南浦輝子 火星 200511
片蔭もなくて運河の道続く 河村靖子 築港 200511
片陰にいざり寄り行く草取女 大塚民枝 酸漿 200511
片蔭の尽きて訪ふ家見つからず 小川匠太郎 200607
蕉像の片陰といふ丸さかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200608
あさくさの濃き片陰も市のあと 藤井昌治 200609
片蔭に居るを拾はれゆきし猫 村越化石 200609
素潜りの鰭つけてをり片陰り 佐々木よし子 200610
片陰や泣く児のねむり誘ふ刻 山川好美 春燈 200610
片陰や京の古書肆は東向き 佐々木新 春燈 200611
駅までの古本市や片蔭 平田紀美子 風土 200611
祈るなり五重塔の片陰に 坊城俊樹 ホトトギス 200612
覚悟もて折れゆく道や片蔭無し 林翔 200707
片蔭や飛び石つたひ風つたひ 上原重一 200707
一列に片陰を行く人の列 戸谷たみ子 酸漿 200707
片陰や列士の墓の小さかり 能村研三 200709
片陰や姉の手にいま母の杖 佐藤いね子 馬醉木 200709
片蔭の一列に蹤くS字坂 篠田純子 あを 200709
片蔭を逸れ少年の反抗期 大川冨美子 ぐろっけ 200710
片陰を拾ひて老いの立話 岡野ひろ子 200710
旅人に片陰伸ばし陣屋門 岩崎可代子 ぐろっけ 200710
寺町の坂ゆるやかに片蔭り 芝尚子 あを 200710
片陰をたどりて友を見舞ふなり 吉野美江 酸漿 200710
片蔭を拾ひ拾ひて古書の街 市橋章子 ぐろっけ 200710
片蔭に入りて歩巾の戻りけり 市川十二代 ぐろっけ 200710
追ひ越してまた片蔭の側に人る 清水幸治 200711
片陰を求む折鶴漂へり 河内桜人 京鹿子 200711
片陰やわれらは持たぬ労働歌 金井充 百日紅 200711
片蔭を出で天竺にでも行くか 土井田晩聖 万事 200711
片蔭を拾ひ拾ひて抜ける路地 小川今日哉 200711
片陰へ添ひ来し影と入りにけり 大山妙子 酸漿 200712
片蔭をその日の糧のみ購ひ帰る ふじの茜 200801
臨海に片蔭多き街生まれ 吉村昭雄 八千草 200801
神官の片陰に来て縁起説く 椋本一子 雨月 200807
片蔭り午後の日差しを邪樫にし 中島玉五郎 200807
虫の屍にいま片陰の及びけり 林翔 馬醉木 200808
野面積てふ片陰の角度かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200808
片陰に吸ひ込まれゆく己が魂 稲畑廣太郎 ホトトギス 200808
片蔭来る少女本読む眼を離さず 藤田宏 200809
片陰のすぽーんと消えて再開発 斉藤裕子 あを 200809
片蔭は尺程となり猫消えぬ 藤田宏 200809
片蔭に先客として猫ありぬ 長屋璃子 火星 200809
片陰をゆづりて受くる京訛 深町まさこ 馬醉木 200810
片陰や此処に夢二の住居跡 網野茂子 酸漿 200810
片陰の八の坂道踏み出せり 細川和子 炎環 200810
片蔭に売り声のしてタコ焼屋 瀬島洒望 やぶれ傘 200810
内宮の片蔭をゆくベビーカー 村上留美子 火星 200810
電柱の片陰に拠る喪服かな 寺岡ひろし 雨月 200810
良寛を訪ねし径の片蔭 関口青稲 万象 200811
片蔭を通ひ慣れたる浮気猫 泉田秋硯 200811
片蔭を繋ぐ道順ひと思案 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200811
片蔭もわが影も無し峡石見 四條進 200811
片蔭に口ひらきたる骨董店 佐藤眞隆 京鹿子 200901
片陰と十円玉を拾ひけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200908
片陰の次の片陰まで長し 高橋将夫 200908
片陰に人訪ふ襟を正しけり 松本俊介 春燈 200908
片陰に下町といふ広さあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200908
折れてより片陰のなき壬生屯所 豊田都峰 京鹿子 200909
片陰→3      

 

2021年8月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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