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春なれや名もなき山の薄霞    芭蕉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
なべて霞むなか濫觴の庵見ゆ 大畑善昭 201004
大佐渡も小佐渡も霞む荒海に 坂根宏子 201005
五百重山かすみて蒼し幟立つ 水原秋櫻子 馬醉木 201005
黒髪に霞ふはりと野外劇 江島照美 201005
夕霞あはあは寄する志太郡 池田達二 風土 201005
雨止みし相模の海の遠霞 横川泰子 酸漿 201005
重畳の山をひとつに霞みたる 大地真理 201005
透し絵のごとき竹生島や遠霞 冨田ヒナ江 201006
おもむろに原潜浮上霞む沖 阪本哲弘 201006
衣食足る楊枝短かし遠かすみ 四條進 201006
晩霞といふ曖昧を身の内に 井上信子 201006
眼力の届く先まで霞みける 柳川晋 201006
法隆寺出れば俗塵夕霞 藤岡紫水 京鹿子 201006
香久山をへだて畝傍の霞みをり 藤岡紫水 京鹿子 201006
棚田をすべり流るる朝霞 東秋茄子 京鹿子 201006
源氏読む折口信夫面霞み 中村嵐楓子 春燈 201006
まほろばの酒は「春鹿」鐘霞む 小張昭一 春燈 201006
黒谷に砦の世あり花かすみ 久保田雪枝 雨月 201006
草霞む鞍に揺られて駿馬の背 赤木和代 201006
吊橋の千歩の揺れや渓霞 中本吉信 201007
惜しまれて揖保の川原の遠霞 浅井青陽子 ホトトギス 201007
さみどりのトンボ玉より春霞 冨松寛子 201007
船が船曳きゆく川の霞みけり 柴田久子 風土 201007
松陰像指差す彼方遠霞 石川友江 風土 201007
亡き人をこんな形に春霞 松川都青 京鹿子 201007
三笠山霞み平安遷都祭 山田をがたま 京鹿子 201007
見ぬかれてゐるもたのしや春霞 荻野千枝 京鹿子 201007
斎場は山ふところに霞みけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201007
かはらけを霞が呑んでしまひけり 久染康子 201007
マリーナに光る帆江ノ島に霞 高木嘉久 201007
うつむきて憶良が歩む霞かな 柴田佐知子 201007
正面に霞める富士か病みし眼に 服部早苗 201007
山頂の城高くして遠霞 羽賀恭子 201007
砂肝を噛んで濃くなる夕霞 浜口高子 火星 201007
朝霞うごく気配の妻女山 大坪景章 万象 201007
小島みな古戦場なり春霞 武田ともこ ぐろっけ 201007
霞みつつそのまま今日の富士となる 今橋眞理子 ホトトギス 201008
沖霞む浜に置きざり浮子数多 萵木篤子 ぐろっけ 201008
山寺は霞のなかに幟旗 白石正躬 やぶれ傘 201008
整然と墓碑並ぶ丘春霞 久世孝雄 やぶれ傘 201008
草取女休む霞の木蔭かな 佐藤和子 万象 201009
霞みたる下界のことは忘れさう 今橋眞理子 ホトトギス 201009
奥信濃五峰を浮かべ棚霞 大沼遊魚 倭彩 201009
故郷は八重の霞の中にあり 大沼遊魚 倭彩 201009
霞みつつ富士全容を整へり 安原葉 ホトトギス 201010
空海の霞食らひて高野山 佐藤真隆 京鹿子 201101
をさまりし風の饒舌富士霞む 稲畑汀子 ホトトギス 201103
遠霞富士一枚にしてをりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201103
みな霞む富士見に出たり入つたり 稲畑汀子 ホトトギス 201103
富士隠す距離とはならぬ霞かな 稲畑汀子 ホトトギス 201103
富士を見てやがて霞を見てをりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201103
霞みても富士の所在のあるところ 稲畑汀子 ホトトギス 201103
霞より抜けて俯瞰の十五階 稲畑汀子 ホトトギス 201103
俯瞰して景に加はる霞かな 稲畑汀子 ホトトギス 201103
朝霞あの人のふと現れさうな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
霞より抜け来し若き新主宰 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
払ひたき霞の中に彷徨へる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
大江戸といふ大らかな大霞 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
朝霞関東平野沈みゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
悌を心に栞り夕霞 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
すっぽりと湖国に帷昼霞 小澤菜美 201104
セーヌ河岸に色を差したる春霞 瀬川公馨 201104
河岸を行くタオルの漢朝霞 鈴木俊孝 末黒野 201104
川霞今緩流のひとところ 能村研三 201104
全長を使うて麟麟霞食む 塩路隆子 201105
春霞に詩をひそませり竹生島 山根征子 201105
夕霞筑波の男嶺女嶺浮く 鈴木良戈 201105
ウィンクする羅漢もありて霞む山 福田かよ子 ぐろっけ 201105
鶏鳴のひつぱつてゐる霞かな 柴田佐知子 201105
武蔵野の雲なき昼の霞みけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201105
雀五羽おくれて一羽夕霞 藤井美晴 やぶれ傘 201105
春霞下校の子等の声ひびき 伊藤公子 酸漿 201105
春霞レゴ遊びめくループ橋 森理和 あを 201105
霞むあの辺り里坊湖を航く 前川ユキ子 201106
川舟のある辺りより霞けり 白石正躬 やぶれ傘 201106
名を持たぬ小島の数や遠霞 堀田順子 馬醉木 201106
バードビュウ地図には載らぬ遠霞 田中涼平 201106
水煙や飛天の霞まとひたる 岩下芳子 201106
道荒るる霞の底の精錬所 大木茂 万象 201106
草霞む水汲み坂の幾曲り 當間シズ 万象 201106
有馬富士真中にありて遠霞 大橋晄 雨月 201106
霞む中しっかと据る伊吹山 大橋晄 雨月 201106
茫々と沖の船影大霞 尾崎みつ子 雨月 201106
背振山越ゆれば唐津遠霞 山口博通 ぐろっけ 201106
見はるかす関東平野春霞 根岸善行 風土 201106
霞みたる三輪へ入山鈴たすき 坂根宏子 201107
視野検査終へれば辺り夕霞 中川すみ子 201107
春霞比叡愛宕を包み込み 難波篤直 201107
寝姿の大山 だいせん優し春霞 松田和子 201107
大阪を半分落し大霞 古賀しぐれ ホトトギス 201107
繋がれし牛と目の合ひ夕霞 乙坂きみ子 末黒野 201107
湖の霞に吸はれハーモニカ 太田良一 末黒野 201107
橋三つ越ゆれば海ぞ赤穂霞む 和田絢子 春燈 201107
山霞シルエットとなる河童橋 福田かよ子 ぐろっけ 201107
乖離したままの交渉春霞 植田雅代 ぐろっけ 201107
列車停電霞む山々茫と見て 大橋晄 雨月 201107
故郷の山の彼方や遠霞 池部久子 酸漿 201107
畑広く湖につづけり夕霞 藤井美晴 やぶれ傘 201108
絵図面の霞むあたりに羅城門 山中志津子 京鹿子 201108
黄檗のわたり来し海大霞 鳳蛮華 201108
悲話のこる在所の宮は霞む中 安武晨子 201108
天守より霞の底の漁舟 菅野日出子 末黒野 201108
地震の町一夜の明けて霞立つ 赤川誓城 ホトトギス 201109
田も畑もおよそ土色遠霞 渡邊孝彦 やぶれ傘 201110
峰入を終へし昼餉は霞なか 片岡石走 ろんど 201110
春霞ひと山越えて郵便夫 雲所誠子 風土 201201
霞→ 7      

 

2021年3月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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