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少年にわれは霞か龜の鳴く   高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
紀の国の縹色して遠霞 山口天木 雨月 200704
金縷梅や下界の町の薄霞 阿部悦子 酸漿 200704
春霞紙工場のにほひ来る 山田六甲 六花 200704
登仙のあとをとどめず大霞 鷹羽狩行 200705
霞こそ伊豆とや魚籃観世音 百瀬七生子 海光 200705
蔵の扉を霞へ開く重さかな 百瀬七生子 海光 200705
衛士ひとり霞の番をしてゐたり 百瀬七生子 海光 200705
大霞せり火の山もその中に 村越化石 200705
春霞ぬけ岡崎城天守閣 山路紀子 風土 200705
白波の浜に寄せつつ霞む沖 谷寿枝 酸漿 200705
怒濤打つ小坪の海に霞む富士 小島三恵 酸漿 200705
日雀鳴き萌黄霞の飛騨郡 根岸善雄 馬醉木 200706
ふるさとと指さす山の霞けり 丸山照子 火星 200705
妙義嶺を残して四方の霞みけり 茅貴美子 春燈 200706
春霞納豆の糸銀いろに 雨村敏子 200706
ひちりきの響きやまずよ海霞む 本多俊子 200706
揺るぎなき嶺や迢々と春霞 小澤克己 遠嶺 200706
亡き妻を思へば霞ただならず 大橋晄 雨月 200706
黒船のごときタンカー夕霞 大石よし子 雨月 200706
霞出て霞に入れる小舟かな 笹村政子 六花 200706
見えざれど海聞えくる霞より 塙告冬 ホトトギス 200707
入船も出船も遅々と浦霞む 増田善昭 ホトトギス 200707
遠霞鉄路に沿うて川流る 中村勝行 200707
のれそれの点の眼や遠霞 岩月優美子 200707
介山の峠遥かに大霞 田村すゝむ 風土 200707
春霞大地の息と思ひけり 須藤美智子 風土 200707
鏡台の脇の文筥鐘霞む 安原ときこ 遠嶺 200707
この波は日本に続く遠霞 中山皓雪 200707
沖霞掌に乗りさうな瀬戸の島 石橋萬里 ぐろっけ 200707
夕霞鉄塔黒く林立す 市橋章子 ぐろっけ 200707
霞より湿り移れる一樹かな 山田六甲 六花 200707
白内障の故か万物遠霞 大橋晄 雨月 200707
杉の秀の法の御山の薄霞 池田倶子 雨月 200707
鐘霞むなり赤人の歌誦せば 落合絹代 雨月 200707
おもむろに桑のはてより夕霞 瀧春一 200706
梨棚のそこはかとなき夕霞 瀧春一 200706
伊豆の山海へなだれて霞みけり 瀧春一 200706
麥の丘海荒るゝ日を霞みゐる 瀧春一 200706
晝霞枯葦群も美き色に 瀧春一 200706
朝霞町の牛山君を訪ふ 瀧春一 200706
花林檎信越五岳霞む中 宮入河童 200708
みよし野のうすくれなゐの霞かな 長山あや ホトトギス 200708
神の座として連嶺の照り霞む 伊藤白潮 200708
六甲の霞に乗つてゐる書斎 山田弘子 ホトトギス 200709
しのぶれど百戸の谿は桃霞む 山元志津香 八千草 200709
みづうみの霞より閼伽汲んできし 浅田光代 風土 200711
対岸の伊吹山麗はし薄霞 中川すみ子 200802
跳ね継ぎて霞の遊戯ゆげや竜馬坂 築城百々平 馬醉木 200804
霞見て霞に届かざる行手 稲畑汀子 ホトトギス 200804
城下浜撒く潮よりも濃き霞 品川鈴子 ぐろっけ 200804
浅間嶺は霞がくれに風生忌 大崎紀夫 やぶれ傘 200804
春霞木馬の目玉ありし穴 坪内稔典 稔典句集U 200804
ニコライの鐘の音霞む夕まぐれ 中村悦子 200805
眼を凝らす北方領土棚霞 相沢有里子 風土 200805
巻物の題箋はらり春霞 中島陽華 200805
国生みの島や架橋の遠霞み 大石喜美子 雨月 200805
遠霞クレーンが挟む近江富士 大阪河村泰子 ぐろっけ 200805
朝霞なんの花かと近寄れり 山荘慶子 あを 200805
段畑に杭打つこだま夕霞 窪田粧子 馬醉木 200806
遠山は霞み模型のごとき街 上原重一 200806
春霞む積木のやうなタワービル 中村悦子 200806
やはらかき草より湧きてくる霞 近藤喜子 200806
遠霞車中連句で時忘れ 勝野薫 ぐろっけ 200806
朝霞満月透けて残りをり 北川とも子 ぐろっけ 200806
棚霞子ら吸いこまる始業ベル 西田敏之 ぐろっけ 200806
平安を吾がものと知る春霞 石川龍士 春燈 200806
休めたる翼のやうに霞む山 邑橋節夫 菊揃へ 200806
鳶の笛船舶事故の沖霞み 小島みつ代 200806
煙突のロケットめきし沖霞 吉沢陽子 200807
大霞「ああ竹生島」と確かむる 岸田爾子 200807
この橋を渡り霞に近づかむ 東良子 遠嶺 200807
神々の眠る砂漠や遠霞 宮川迪夫 遠嶺 200807
五七調乱し山鳩霞詠む 禰寝瓶史 京鹿子 200807
木曽谷の霞の端に遊びけり 樋口英子 200807
白河は奥のとば口春霞 佐川三枝子 200807
夕霞うぐひす豆の笑ひ声 梶浦玲良子 六花 200807
霊園の彼方の海に帆が霞む 岡有志 ぐろっけ 200807
呑み込めぬパソコンの技春霞 片野光子 ぐろっけ 200807
春霞む空へ跳ね橋開きけり 川合まさお ぐろっけ 200807
春霞超音波にて孫に会ふ 中井光子 ぐろっけ 200807
霞濃し母重篤の日の朝も 村田文一 遠嶺 200808
木の折れる音して忌日沖霞む 藤田守啓 船団 200809
野の霞より生れたる遍路かな 上崎暮潮 ホトトギス 200810
雨濡つ御影堂ゆかし春霞 王岩 あを 200810
霞濃し海なき如く海のあり 大槻右城 ホトトギス 200811
浜梨のむこうに霞むオホーック海 八張さち ぐろっけ 200811
遠霞こころ待ちとは長きこと 上原榮子 京鹿子 200901
峠路に湧きて霞でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200903
朝霞み船出の銅鐸は七五調 品川鈴子 龍宮の客 200904
議事堂を目隠ししたる霞かな 鷹羽狩行 200904
惜景の塔は霞にあづけおき 片山由美子 200904
春霞からくり時計とび出しし 伊藤季実 炎環 200904
出土めくおはじき一つ春霞 関洋子 200904
蛸壺の駅弁ずしり瀬戸霞む 森理和 あを 200904
霞みつつ地球が丸く見える丘 伊東和子 200905
太平洋の霞に三千世界あり 本多俊子 200905
むら霞浄土と修羅の夢違ひ 西村純太 200905
清水の舞台つつめる霞かな 片山博介 春燈 200905
揚子江対岸のビル霞みゐて 高木典子 雨月 200905
縄跳びの上手も下手も霞みをり 山田美恵子 火星 200905
初島も沖ゆく船も霞みけり 鈴木鳳来 春燈 200905
日の入れる時ぞ霞の町照らす 筒井八重子 六花 200905
春霞三十六峰一如かな 笹田浩朗 200906
朝霞晴れて泰然富士の影 北尾章郎 200906
霞みつつ浪のさわぎや由比ヶ浜 藤見佳楠子 200906
霞より抜け来し猫と生活くらしをり 竹中一花 200906
四囲の山霞む試飲の赤ワイン 浜口高子 火星 200906
大霞より一筋の銀の川 奥田順子 火星 200906
即身仏拝して野山かすみけり 中山純子 万象 200906
一列に艇還りくる霞かな 堀口希望 200906
川越のそびらに霞む秩父かな 竹生田勝次 風土 200906
黄の花を川すぢとして遠霞 豊田都峰 京鹿子 200906
梵鐘の音色をつつむ春霞 須藤トモ子 200906
帰らざる夫との生活たつき大霞 高根照子 200907
春霞ふるさとの橋かけ替り 望月晴美 200907
比良の山失せ湖の遠霞 仙石君子 雨月 200907
霞して古里の山まろまろと 田中春子 雨月 200907
両端の消えし架橋や昼霞 KOKIA 六花 200907
妙義嶺の奇岩溶かせし霞かな 土沢幸次 ろんど 200907
紫に城ごと霞む金華山 有元洋剛 200909
葛飾に思ふ師系や霞立つ 渡部節郎 転舵の渦 200911
霞立つ京より三千六百峰 門伝史会 風土 200911
鐘霞む仏面竹にそつと触れ 小林共代 風土 200911
霞より現はれて来し平家の世 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
霞 →6      

 

2021年3月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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