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一杖の身にて霞へ深入りす    村越化石   俳句年鑑

作品
作者
掲載誌
掲載年月
亀戸天神鳥居のこして霞かな 堀内一郎 あを 200503
高速艇音も霞んでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200504
霞より現れて佳人と判るまで 稲畑廣太郎 ホトトギス 200503
船音の遠ざかりつつ霞みけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200503
遠富岳海に浮かせて春霞 宮川迫夫 遠嶺 200505
春霞沖行合ひの鳥のみち 中村房子 馬醉木 200505
頂上に五人の女薄霞 木下野生 200505
ポケットに財布飴玉夕霞 木下野生 200505
大袈裟にもの言うてみる遠霞 芝尚子 あを 200504
霞みつつ海幸彦の沖荒るる 淵脇護 河鹿 200506
会ひに来てくれる人あり棚霞 村越化石 200505
八十路なる霞深きへ入りゆけり 村越化石 200505
二上山ふたかみ生駒山いこまも今日の大霞 高松由利子 火星 200505
富士五湖の霞んで甲斐の国霞む 塩川雄三 築港 200505
岬行く船の汽笛や遠霞 中村功 築港 200505
霞でも花粉でもなし黄砂降る 鈴木ヤスエ 築港 200505
葛城の遺跡かくまふ大霞 山下佳子 200506
千年の塔の壁画や八重霞 青木久子 遠嶺 200506
夕霞出てゆく船を見てをれば 木下野生 200506
大和三山霞みて入江泰吉亡し 酒本八重 里着 200506
山くらげ咽を通る霞かな 浜口高子 火星 200506
春霞目覚めし山の吐息とも 内山照久 200506
送電線弛みたるみて山霞む 中谷葉留 風土 200506
国見すと神話の丘や霞立つ 小林和子 風土 200506
降臨の天地ひとつに霞みけり 小林和子 風土 200506
堂に脱ぐ足より霞む高山寺 小林和子 風土 200506
浮き草の教師の履歴霞みけり 沼口蓬風 河鹿 200507
霾か花粉か霞む高尾山 若本彰子 酸漿 200506
パリー博見てより栖鳳遠霞 林日圓 京鹿子 200506
薄がすみ画心生きいき霞中庵 林日圓 京鹿子 200506
春霞水夫かこ踏んばつて舟を曳く 坂本ひさ子 遠嶺 200507
夕霞道は港でゆきどまり 木下野生 200507
鬼投げし島に佇み遠霞 松本恒子 ぐろっけ 200507
女囚遠流の姫島霞む玄界灘 三輪洋子 200506
波の底の都在りとて海霞む 森川泰雄 200507
ホイホイとあとついてゆく霞山 吉弘恭子 あを 200506
花の雲奥の霞はすももなり 阿部ひろし 酸漿 200507
望楼に声市街地の霞む中 鳴海清美 六花 200507
逃亡の霞どこまで床屋の灯 梶浦玲良子 六花 200507
尾根筋の入り組んでゐる霞かな 土井田晩聖 銀化 200104
霞して一山塚のごとくなり 山下しげ人 ホトトギス 200508
霞立ち揺らぐ灯火道標 中川みよ子 200506
遠霞武士しのぶ五輪塔 伊藤和子 遠嶺 200508
木簡の破片の三文字棚霞 安原ときこ 遠嶺 200508
鐘霞む鎌倉彫の格天井 安原ときこ 遠嶺 200508
叫ぶ鳥永遠に叫ぶや遠霞 大高芭瑠子 炎夏 200507
ぼんやりと炒子の島の遠霞 松本恒子 ぐろっけ 200508
霞む野へ人は肩巾忘れゆく 山元志津香 八千草 200509
巨き犬牽ける少女も夕霞 瀧春一 菜園 200509
みすずかる北信五岳遠霞 関戸文子 酸漿 200601
渋滞の霞の中にある迷路 稲畑汀子 ホトトギス 200603

 悼・加藤三七子様

熊野灘霞みて佳人攫はれし

品川鈴子 ぐろっけ 200604
夕霞峡の一戸に燈が点る 尾辻のり子 河鹿 200605
夕霞む空港に時差正しけり 水原春郎 馬醉木 200605
伊豆の海菜の花色に霞みけり 永峰久比古 馬醉木 200605
瀞の巖おのおの霞み起き臥せり 瀧春一 常念 200606
拍手や晝の霞のゆるがざり 瀧春一 常念 200606
山並を遠くのぞめば朝霞 矢嶋みつ江 遠嶺 200605
振り向けば霞に消えし鳥の声 宇都宮滴水 京鹿子 200605
朝霞マクドナルドの灯の止まず 松田有伽 河鹿 200606
法螺貝の音残りたる霞かな 本多俊子 さくらの音 200605
大霞比良白嶺を浮き立たす 沢田清子 200606
春霞空の汐汲み車かな 中島陽華 200606
縄文の響きのありぬ山霞 岩月優美子 200606
メビウスの帯の中なる遠霞 岩月優美子 200606
波音も七里ヶ浜も霞みをり 山本康 200605
火祭の果て山並の春霞 安田青葉 対岸 200605
吉野郷霞の奥を戻り来し 溝内健乃 雨月 200606
春霞顔かおかほの砂の風呂 林美智 ぐろっけ 200606
音もなく雲か霞か夕桜 落合絹代 風土 200606
国東の山々霞む仏道 志村秀子 風土 200606
かんばせの辺り霞みて寝釈迦山 山口速 200607
遠来の人待ちゐたる春霞 根本ひろ子 火星 200607
春霞山の水ごと鯉運び 柴田佐知子 200607
戸を繰りて言葉も出でず霞濃し 伊藤康子 ぐろっけ 200607
帯のごとくに尾道水道霞みたる 山形麗子 ぐろっけ 200607
遠嶺は万年雪よ春霞 佐原正子 六花 200607
春霞大きな山を入れにけり 小坂アイ子 四葩 200607
夫の呼吸いま水平や夕霞 吉沢野笛 200607
一日を何回にも分け春霞 佐藤喜孝 あを 200607
霞かな夫婦滝ある庭にゐて 佐原正子 六花 200608
蕨長け大佐渡の山けふ霞む 有働亨 馬醉木 200609
鳴きながら鴨飛びゆけり夕霞 高橋ふじ 酸漿 200609
霞なき唯の浜辺を喜べり 市場基巳 200611
棚霞む辺り軍場関ヶ原 須藤美智子 風土 200701
三ツ石の先より霞動き初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 200703
霞より霞見てゐて抜けられず 稲畑汀子 ホトトギス 200703
霞みても富士を探しぬ空の旅 稲畑汀子 ホトトギス 200703
太平洋霞みて沖のなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200703
見えてゐし富士を霞に失へり 稲畑汀子 ホトトギス 200703
霞みたる富士の所在を又探す 稲畑汀子 ホトトギス 200704
橋四つ渡る下総霞みをり 松崎鉄之介 200704
岬鼻一湾へだて島霞む 大内佐奈枝 万象 200704
霞 5      

 

2021年3月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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