歌留多 1       99句

歌留多とる皆美しく負けまじく    高浜虚子    五百五十句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
歌留多にはめつぽふ強き女かな 稲畑汀子 ホトトギス 199811
夫の手の早きは恋の歌かるた 野口光枝 高籬 199812
どこまでも人に遅れをとるかるた 稲畑汀子 ホトトギス 199901
はぎれよき声を逃さず歌留多とる 稲畑汀子 ホトトギス 199901
歌留多読む声の遊んでをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199901
名人の如く歌留多をとりはじむ 稲畑汀子 ホトトギス 199901
かるた取る汝の手別の手を持てる 大橋敦子 雨月 199903
ひらがなの余白の恋の歌かるた 深澤鱶 火星 199904
歌留多の座用意忘れてゐしことを 稲畑汀子 ホトトギス 200001
歌留多取る大事なときは目をつむり 後藤比奈夫 円虹 200001
歌留多とるごと俳磚に見つけし名 山田弘子 円虹 200002
目の前の札盗られけり歌かるた 山田六甲 六花 200002
歌留多取り終へて見せ合ふ蚯蚓脹れ 山梨幸子 200003
日本の言の葉やさし歌留多取り 伊東みのり 遠嶺 200004
奇天烈な句ばかり覚えカルタの子 塩見恵介 虹の種 200005
恋かるた和泉式部は横向きて 河村泰子 ぐろっけ 200005
開封のされざる歌留多そも遺品 密門令子 雨月 200101
歌留多とる度に晴衣の帯きしむ 柳生千枝子 火星 200104
雪の夜やカルタのテープ流し聞く 伊藤セキ 酸漿 200104
娘と競ふ恋の歌留多や御手付きす 辻享子 六花 200104
カルタ切る雪は止まぬと思ひつつ 梅田津 銀化 200104
児が気付くまで手びかえる歌留多取り 足利徹 ぐろっけ 200104
指先に力をこめし歌カルタ 宮森毅 六花 200111
はね上げし歌留多は妻の懐へ 宮森毅 六花 200111
恋歌のあの一枚や歌留多とり 宮森毅 六花 200112
かるた取り膝に近きを奪はるる 東尾G子 馬醉木 200204
坊守が一の取手の歌かるた 大橋麻沙子 雨月 200204
歌留多取る指に判定下りけり 吉村玲子 円虹 200204
恋の句は取られてばかりかるた会 中野哲子 六花 200204
諳んずる歌留多睨めつけ子らの息 三宅昌子 ぐろっけ 200204
かるた会闘志くぐつてゆきし門 村田明子 円虹 200205
日本にむかしむかしがあり歌留多 嶋田一歩 ホトトギス 200206
一枚を死守してをりし歌かるた 西宮舞 200212
大方は忘れてゐたる歌留多読む 塩川雄三 築港 200303
よく透る声の読手や歌留多取 森脇恵香 雲の峰 200303
文学のはじめの歌留多飛ばしけり にいざ蚯蚓 銀化 200303
今もなほ十八番おはこ忘れぬ恋歌留多 柴田雪路 200303
宙を飛ぶ恋の歌留多の選手権 玉川悠 遠嶺 200304
幾世経し歌留多の角の角なさず 窪田佳津子 雨月 200304
かるた取り葩餅を傍に 阿部敬子 百鳥 200304
歌留多会坊主の札の舞ひ上がり 江坂衣代 百鳥 200305
歌かるた読手はいつも母と決め 山崎ミチ子 帆船 200403
ひらがなの対峙弾けて歌留多取り 千田敬 200403
過ぎし日の恋を束ねし歌留多とり 柴田朱実 京鹿子 200403
みぞおちの紐の固さや歌留多の夜 柴田朱実 京鹿子 200403
ひとまづは胸に収めて歌留多読む 柴田朱実 京鹿子 200403
歌留多きる過去につながる音のして 柴田朱実 京鹿子 200403
歌留多札はじき飛ばして雪を呼ぶ 柴田朱実 京鹿子 200403
幾たりの手を経し傷み歌かるた 中島知恵子 雨月 200404
流暢な日本語話す歌留多会 景山まり子 百鳥 200404
歌留多取り孫と接点一つ殖ゆ 橘澄男 山景 200408
濤一つ落ちて歌留多の夜が沈む 八田木枯 夜さり 200409
歌留多とる針やまに針刺してきて 八田木枯 夜さり 200409
耿々と母と柱や花歌留多 八田木枯 夜さり 200409
一枚にこだはることも歌かるた 稲畑汀子 ホトトギス 200501
物忘れ激し歌留多を覚えゐし 重藤慶 築港 200503
歌留多取る全神経を研ぎ澄まし 柴田毅 築港 200503
ひらがなの散らばつてゐる歌留多会 鈴木あき子 築港 200503
歌留多の蓋開けざるままで仕舞ひけり 川越勢津子 200504
歌留多とり節をつければ母に似て 高山志げる 築港 200504
双六もいろは歌留多も上がりは京 宮地れい子 春燈 200504
歌留多よむ坊主めくりが済みて後 史あかり ぐろっけ 200504
古なじみ集ひて「一茶かるた」取る 禰寝瓶史 京鹿子 200504
おてつきの切つ先の舞歌留多とり 吉澤利治 遠嶺 200504
迷ひなきころの声なる歌留多かな 戸田和子 200504
ほこほこと家族のふえて花歌留多 津田礼乃 遠嶺 200506
ふっくらの娘の手に譲る恋歌留多 吉田八英子 200506
古典臨書す歌留多の歌ポツリかな 木村鈴代 200507
得手札を膝元に置くかるたかな 高橋将夫 炎心 200510
なほ執すむすめふさほせ歌かるた 稲畑汀子 ホトトギス 200601
遍照と小町が並び歌かるた 森洋子 京鹿子 200601
手の下を手のすり抜けし恋歌留多 山田六甲 六花 200601
歌留多読む男の子いつしか変声期 白神知恵子 春燈 200603
かるた会の熱未だ覚めぬ手をつなぐ 柳生千枝子 火星 200603
ただ一首幼覚えし歌留多とる 阿部悦子 酸漿 200603
霜の夜歌留多の姫の髪長し 今瀬剛一 対岸 200603
かるた会宅配のピザ届きけり 仲村洋子 百鳥 200604
水平に声うち出だし歌留多読む 渡部志津子 200605
歌留多とり少しのずるは見逃して 中尾廣美 ぐろっけ 200605
花歌留多貌が見えない子が坐る 吉弘恭子 あを 200605
先づこれやこのを覚えし子の歌留多 安原葉 ホトトギス 200606
あひみてののちのこころに取る歌留多 今井千鶴子 ホトトギス 200606
かるたの句次々浮かぶ京は秋 飯田泰子 八千草 200606
軍衣袴のわびしき一人かるた会 瀧春一 瓦礫 200606
子規さんと手軽に呼んである歌留多 後藤比奈夫 ホトトギス 200608
何れどれとのぞく夢中の花骨牌 吉弘恭子 あを 200612
歌かるた母の手にある恋の札 水原春郎 馬醉木 200703
古稀の吾孫らに負くる歌留多とり 金升富美子 200703
涙目の孫と真顔の歌留多取 河野政恵 酸漿 200703
業平の在さぬ歌留多祖母残し 三浦ひろみ ぐろっけ 200703
世のモラルいろは歌留多に教へらる 辰巳比呂史 200704
三世代恋のかるたに興じけり 物江康平 春燈 200704
読み方の声の高ぶる歌留多かな 赤松丹山 雨月 200704
煥発の気あひ尊びかるた取る 森脇貞子 雨月 200704
理事長のこゑ裏返る恋かるた 中山皓雪 200704
背中から隙間風くる歌留多取 山田六甲 六花 200801
華やかな色は褪せるれど歌歌留多 ことり 六花 200801
取り合ひになるは恋歌歌留多取り ことり 六花 200801
目配せで合図し合うて歌留多取り ことり 六花 200801
歌留多→ 2      

 

2021年1月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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