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ゆく雁やふたたび声すはろけくも  皆吉爽雨  皆吉爽雨句集

作 品
作 者
掲載誌
掲載年月
雁や逝きても父の誕生日 水原春郎 馬醉木 200512
雁わたる井桁に積みし窯の薪 ほんだゆき 馬醉木 200512
初雁や万葉の浦潮満ちて 窪田粧子 馬醉木 200512
湖畔宿突如頭上に雁の声 牧野睦子 200512
初雁や巌育てて妙義山 坂ようこ 200512
縁先に佛寝てをり雁の夜 中島陽華 200512
足枕高きを雁のわたりけり 栗栖恵通子 200512
わが命果つる日雁の渡り来よ 廣畑忠明 火星 200512
雁渡る組み体操の塔の立ち 柿沼盟子 風土 200512
初雁や祝儀袋を買ひに出て 水谷ひさ江 六花 200512
初雁や港神戸をひとめぐり 水谷ひさ江 六花 200512
山形に鉤形になり雁の列 水谷ひさ江 六花 200512
人工の島に大樹や雁渡る 水谷ひさ江 六花 200512
別れしも逢ひしも雁の渡るころ 藤井昌治 200512
雁鳴くや板の間多き故郷の家 加瀬美代子 200512
雁わたる人にもしつぽありし頃 定梶じょう あを 200512
月もやや欠けての雁の渡りかな 有働亨 馬醉木 200601
いちまいの水となるまで雁仰ぐ ほんだゆき 馬醉木 200601
汀線が一途の標雁わたる 泉田秋硯 200601
手術日や玻璃を斜めに雁渡る 次井義泰 200601
ややあつて置いてけぼりの雁渡る 岡崎桂子 対岸 200601
雁鳴くや延命玉子剥きにけり 大城戸みさ子 火星 200601
雁やおんころ紺紙銀泥経 延広禎一 200601
その先は闇の海ゆく雁の棹 大島翠木 200601
雁の棹近江の空を拡げゆく 尾野奈津子 春燈 200601
雁の棹大和三山曳くごとく 佐野まさる 百鳥 200601
舳先立てしぶきを宙に雁渡る 村田北斗 百鳥 200601
雁の列サーカス小屋の上をゆく 大串若竹 百鳥 200601
水音して雁一斉に動きけり 三輪慶子 ぐろっけ 200601
雁渡舟を足とす島暮し 足立典子 雨月 200601
夕雁の声あきらかに峠越ゆ 佐藤よしい 風土 200601
白砂に流木かわく雁の頃 宮川みね子 風土 200601
逝く父の髭剃りをれば雁の声 奥山絢子 風土 200601
街に出て対き合ひ食べて雁のころ 仲村青彦 200601
広々と無垢の空あり雁の声 永井雪狼 200602
新調の眼鏡が捉ふ雁の棹 隅田享子 200602
雁や地霊ざはつく穴太積 延広禎一 200602
腿踵雁落つ夜となりにけり 小形さとる 200602
神山に日の入り雁の渡りをり 近藤きくえ 200602
最後尾の雁が追ひ付き棹となる 大森慶子 母衣 200602
閨秀の若書きの稿雁渡る 野々村紫 百鳥 200602
初雁の日落つるまで寛がず 吉田明子 200602
どこまでも紅葉どこまでも雁の道 西川五郎 馬醉木 200602
母と見し空ありにけり雁わたる 廣瀬義一 雨月 200602
雁の声登校の子にふりそそぎ 岡崎桂子 対岸 200602
雁の棹いつも後方乱れをり 星王子 対岸 200602
天平の木組みの御殿雁の空 河合佳代子 栴檀 200602
ゆく雁や屑屋くづ八菊四郎 久保田万太郎 春燈 200603
東京の雁ゆく空となりにけり 久保田万太郎 春燈 200603
蹠にてやうやく雁の渡りかな 小形さとる 200603
去る雁と行同じうし五能線 秋葉雅治 200604
夕日染む佐渡の岩礁雁わたる 駒井でる太 200605
濁りなき子どもらの眼に雁渡る 瀧春一 常念 200606
那須篠原風が渡るや雁が渡るや 木多芙美子 春燈 200611
初雁は渡り篝は焚かれをり 小澤克己 遠嶺 200611
夜もまた沼へ落ちたる雁のこゑ 藤井昌治 200611
雁渡る西海あまた島放ち 千田百里 200611
散骨のダム渡りゆく雁の棹 大島翠木 200612
列なして雁飛ぶさまを見てをりぬ 柳生千枝子 火星 200612
貝柱やうやく取れて雁の声 柳生千枝子 火星 200612
初雁といふ侘び助に偲ぶ人 稲畑廣太郎 ホトトギス 200701
ゆふぐれの二棹三棹雁渡る 勝見玲子 200701
初雁や小江戸の水に馴染みたり 小宮山勇 遠嶺 200701
燈台を越ゆるに乱れ雁の棹 乗光雅子 雨月 200701
旅寝して雁の声きく衣川 浅田光代 風土 200701
雁や今日の運勢ラジオより 後條さと子 200702
雁の声此岸彼岸と渡りけり 佐土井智津子 ホトトギス 200702
こんな夜は雁渡るらむ能登を恋ふ 長山あや ホトトギス 200702
地蔵堂多き浦町雁渡る 青山悠 200702
草原の果ては荒海雁渡る 長谷川友子 春燈 200702
弟子いちにんもたず候雁のこゑ 水野恒彦 200702
来る雁は遊子故山は捨て難し 川口襄 遠嶺 200702
学友の一人づつ減り雁渡る 足利ロ子 ぐろっけ 200702
杜わたる風の高さも雁の頃 日置榮子 200702
一瞬に家並に消ゆる雁の棹 本間勇 酸漿 200702
マラソンの空にVの字雁の列 池田忠山 200703
風に生れ風に引きゆく雁の声 中野京子 200706
雁金や真つ黒な鍋宙吊りに 松崎豊 200706
はつ雁にすこし違ひし夢二つ 水野恒彦 200707
雁渡り来よみづうみへ幾山河 稲畑汀子 ホトトギス 200709
たちまちに雁の渡りとなりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200709
雁渡る道をよぎりて空の旅 稲畑汀子 ホトトギス 200709
雁降りて来たる水面の一瞬に 稲畑汀子 ホトトギス 200709
風吹きて雁渡る空ととのへり 稲畑汀子 ホトトギス 200709
空に道あり雁高くありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200709
人知れず渡り来し雁隠沼に 稲畑汀子 ホトトギス 200709
夜をこめてひそかに渡り来し雁も 稲畑汀子 ホトトギス 200709
雁渡る空の漲りはじめけり 稲畑汀子 ホトトギス 200709
蕪風にときどきしなふ雁の棹 土井田晩聖 万事 200711
雁や恋ひしきときは椅子深く 柴田佐知子 200711
竜の背に見ゆる長城雁渡る 手嶋小夜子 200711
渡る気のもう無ささうなはぐれ雁 柳川晋 200711
天つ空雁わたりゆく響きかな 本多俊子 200711
ひとり酒酌めばしみじみ雁のこゑ 小野喬樹 馬醉木 200711
ちちははの骨を思へり雁の頃 荒井千佐代 200711
雁鳴くと出て月明の降るごとく 長沼三津夫 200711
初雁やまんまんまるの子のおしり 東亜未 あを 200711
劇団の船で行く島雁渡る 高根照子 200712
雁や頑固一徹通しける 前田美恵子 200712
雁 →5      

 

2021年11月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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