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雁のこゑすべて月下を過ぎ終る  山口誓子  七曜

作 品
作 者
掲載誌
掲載年月
旅に出て初めて見たり雁の棹 大平保子 いろり 200112
雁渡る仏顔した隅田川 熊谷みどり いろり 200112
又明日と思ふ入日や雁渡る 竹川美佐子 いろり 200112
雁渡るだんだら幕のうしろかな 小形さとる 200112
横顔の子規と雁卍かな 栗栖恵通子 200112
雁や一舟の上に火を熾す 山尾玉藻 火星 200112
雁の頃どこを踏んでも軋む宿 浜口高子 火星 200112
手をつなぐ遊びいろいろ雁の文字 飯塚ゑ子 火星 200112
雁渡るこれに李白の昼の酒 竹市悠紗 京鹿子 200112
初雁やそのうち人は水となり 沼田巴字 京鹿子 200112
井田川の流れゆたかに雁渡る 今井松子 遠嶺 200112
雁来る空目空耳ならざりし 奥田智久 ホトトギス 200201
雁の列真中に入るおひと良し 田渕昌子 京鹿子 200201
戻りくる雁われもふりだしに 坂本京子 200201
神杉の秀の指すところ雁の列 千田敬 200201
昼月に触れて曲がりし雁の棹 大沼眞 200201
雁や表紙のためし刷届く 杉浦典子 火星 200201
藍室に火種入るるも雁のころ 長沼冨久子 馬醉木 200201
浦歌舞伎外題の貼られ雁のころ 石川個子 馬醉木 200201
大岩の上に岩載る雁の棹 岩月優美子 200201
祝詞あぐ木の間を雁の渡りけり 今井松子 遠嶺 200201
雁来ると粋なネクタイ選びをり 宮澤さくら 遠嶺 200201
雁や堤に来たる救急車 高梨美佐子 遠嶺 200201
玲瓏と水の惑星雁の声 祐森彌香 遠嶺 200201
雁の列見しより湖の灯を細む 豊田都峰 京鹿子 200202
脳内に火種の宿る雁の声 木戸渥子 京鹿子 200202
雁の棹茜の空に消えゆけり 進峰月 円虹 200202
オカリナの響く彼方へ雁渡る 北嶋美都里 200202
たまはりし柿の葉寿司も雁の頃 村上田鶴子 風土 200202
真夜渡る雁の声かな寝ねて聞く 遠藤とく 200202
池の面のけば立つてくる雁のころ 加瀬美代子 200202
反芻の牛臥す牧場雁渡る 友田直文 200203
雁の声雲を重しと誰か言ふ 木船史舟 200203
来し方を語らぬがよし雁の空 久保東海司 200203
口紅はだいだい色に雁の空 谷口佳世子 200203
かつてかくありき沼辺に雁仰ぐ 落合伊津夫 馬醉木 200203
雁飛ぶや投網のごとく拡がりて 和田一 雨月 200203
棟上げの栗の太さや雁渡る 平田紀美子 風土 200203
望遠鏡はづして雁の飛翔追ふ 安部和子 雨月 200205
落雁のひとつは影か波小舟 梶浦玲良子 波小舟 200205
山の端に雁が別れの一行詩 北尾章郎 200207
いさぎよき雁の別れを淋しめる 下平しづ子 雨月 200207
振返るたびに数増え雁渡る 宮原みさを 花月亭 200208
上野駅八番線を雁渡る 宮原みさを 花月亭 200208
ふり仰ぐ目の高さあり雁の空 稲畑汀子 ホトトギス 200209
ホルン吹く少年の空雁渡る 水原春郎 馬醉木 200211
ゆきひらを売る町通る雁の声 佐藤よしい 風土 200211
落日のさねさし相模雁渡る 須佐薫子 帆船 200211
光陰の先陣となる雁の棹 佐藤多恵子 銀化 200211
西安の城壁高し雁渡る 大橋克巳 雲の峰 200211
雁来るや地図の余白の太平洋 小野恵美子 馬醉木 200212
針箱に昭和の日付雁渡る 熊丸淑子 馬醉木 200212
阿武隈の河口に雁の列乱る 金升富美子 200212
騎馬戦の帽子散らばり雁渡る 杉浦典子 火星 200212
低周波高周波受く雁の頃 野澤あき 火星 200212
雁渡る荷を振分けにしたりけり 浜口高子 火星 200212
一筆を友にしたため雁の棹 雲所誠子 帆船 200212
突堤に釣人二人雁渡る 山崎ミチ子 帆船 200212
雁の宮城野の空あかねいろ 石脇みはる 200212
地球とは大いなる磁場雁渡る 長岡新一 200212
苦楽知る齢となりて雁仰ぐ 下平しづ子 雨月 200212
雁秋や生きて哀しみ又増ゆる 下平しづ子 雨月 200212
唄ひ出ぬ一節雁の渡る故 中原道夫 銀化 200212
佛壇を小さく収め雁渡る 鉄山幸子 銀化 200212
古利根へつなぐ渡船も雁のころ 藤井昌治 200212
戒名に智の字のありて雁渡る 冨田はるみ 対岸 200212
辞書を持つ青年の像雁渡る 村上和子 対岸 200212
機音は昔語りや月の雁 大谷茂 遠嶺 200212
雁渡る高千穂の嶺ふり返る 小林共代 風土 200301
雁や遺品愛しき影を抱き 関根洋子 風土 200301
今朝雲の重き但馬や雁渡る 南孝 円虹 200301
蕉風にときどきしなふ雁の棹 土井田晩聖 銀化 200301
雁渡る外より開かぬ非常口 岡崎るり子 銀化 200301
雁渡る方にマゼラン大星雲 雨村敏子 200301
雁のころ帆立貝など焼いてをり 谷口佳世子 200301
しんがりの目配り確か雁の棹 富川明子 200301
父の樹の齢を思ふ雁の雨 矢崎すみ子 200301
行く雲は雁の姿や離宮道 延川五十昭 六花 200301
寂しさを言葉に出さず雁を見る 土屋酔月 火星 200302
わが耳に還るわが声雁渡 立石萌木 雨月 200302
貝塚やいくたび雁の渡りしか 清水孝子 200302
一雁の大きな月をよぎりたる ほんだゆき 馬醉木 200303
田の雁の吹かれ歩きも暮れにけり ほんだゆき 馬醉木 200303
まなぶたを溢れ夕雁落ちつけり ほんだゆき 馬醉木 200303
万の雁落ちつぎ山河憔悴す ほんだゆき 馬醉木 200303
雁守の水の月より現れし ほんだゆき 馬醉木 200303
山影のするどき霜夜雁鳴けり ほんだゆき 馬醉木 200303
雁の声聴きつくしたる旅枕 ほんだゆき 馬醉木 200303
雁や瞑れば見ゆる杳かな日 ほんだゆき 馬醉木 200303
夕闇を錐揉みに雁落ちにけり 小森泰子 馬醉木 200303
銀嶺の立山はるか雁渡る 山田耕子 京鹿子 200304
ゆく雁のこゑふる田居の一軒家 佐藤国夫 馬醉木 200305
夕空へハングル文字を描く雁 有賀元子 八千草 200305
塒へと四方より雁のラッシュアワー 有賀元子 八千草 200305
月に雁思へば神も仏なり 小澤克己 遠嶺 200309
うまき物喰ふ列につく雁渡 須佐薫子 帆船 200309
雁行の方位あやまちなかりしや 鷹羽狩行 200310
葺き下ろす真屋丈長き雁の空 能村研三 200311
後円の一樹が赤し雁渡る 浅川正 雲の峰 200311
鶴橋も女も赤し雁のころ 山尾玉藻 火星 200311
雁→3      

2021年11月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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