枯 山     80句

枯山や子の骨格に手を置きて    加畑吉男

冬の山 枯山 雪山

作品
作者
掲載誌
掲載年月
火渡りのけむり枯山包みけり 森重夫 春耕 199902
膨らんでバス枯山を登りくる 柳生千枝子 火星 199903
まはれ右しても枯山展望台 丸山佳子 京鹿子 199903
枯山に血が滲む愛しているよ 田中空音 海程 199904
枯山の何見しリフト戻りくる 能村登四郎 芒種 199911
枯山も富士を彩るものとして 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
岩魚食べ枯山深きことを知る 佐藤よしい 風土 200002
枯山のすがしさ誰か鐘をつく 田中藤穂 水瓶座 200002
鈍行が好き枯山や枯谷や 田中藤穂 水瓶座 200002
雑踏にゐて枯山を見てゐたり 山田弘子 円虹 200003
枯山の吐息のごとし昼の月 山本とみを 200003
枯山はすなはち寝釈迦笹鳴けり 神蔵器 風土 200102
何をするお方と聞かれ枯山へ 丸山佳子 京鹿子 200102
ふるさとは枯山に陽のあたりけり 内野聖子 船団 200105
枯山に未だ枯れぬ川侍りけり 能村登四郎 羽化 200110
枯山となり存分に日を湛ふ 斎藤道子 馬醉木 200202
枯山を下りて来し子の金釦 青山丈 200202
枯山に言の葉忘れ来し思ひ 長山あや 円虹 200203
枯山に抱かれ大内宿眠る 山本喜朗 雨月 200203
枯山といふ華やぎを統べし阿蘇 稲畑汀子 ホトトギス 200211
枯山の頂き残す落暉かな 大森美恵 風土 200301
枯山の奥へ奥へと柩行く 安藤孝助 200303
枯山に川音枯れずリズム継ぐ 舩越美喜 京鹿子 200303
枯山の薄きひと刷毛桂の芽 朝倉富次 酸漿 200304
枯山の方位迷はず水流れ 伊藤希眸 京鹿子 200304
枯山へ梯子たてたるごとき燈 館容子 200312
枯山に鋼索の綱ゆるびなし 能村研三 200401
枯山の枯山色に雨けむる 綿谷美那 雨月 200403
枯山にクレー射撃の連発音 山崎ひさを 200404
枯山や点景の人動き出す 加瀬美代子 200404
枯の山近くに駅と小学校 長沼紫紅 200404
枯山を降りゆく言葉先立てて 木内憲子 200405
春山と枯山ならぶ遠の空 吉弘恭子 あを 200406
枯山をロープーウエイの影が行く 渋谷まさ江 築港 200502
らくだ色したる枯山昼の経 竹内悦子 200503
カーテンをはづし枯山近くせり 杉浦典子 火星 200504
枯山を鞣す風あり初不動 戸田春月 火星 200504
枯山を吸ひ込むでゐる道路鏡 伊藤希眸 京鹿子 200504
枯山の木々ふくらみて春めけり 鎌倉喜久恵 あを 200504
枯山のしじま首欠けマリア抱く 辻恵美子 栴檀 200602
採石場枯山の枯深くしぬ 西村しげ子 雨月 200603
枯山に日の射入れる影のあり 清水和子 酸漿 200605
枯山に来て黒手套深く嵌む 上林孝子 200605
枯山のあひに火の山雪ふれり 瀧春一 常念 200606
枯山の月光垢離といふべかり 辻直美 200611
鳥影のちらり枯山まのあたり 加藤富美子 200702
湧水の響きまろやか枯山路 坪井洋子 200702
枯山へ進入禁止の縄と札 稲葉ちよこ 風土 200703
枯山の一戸載せたる安らかさ 百瀬七生子 海光 200705
枯山に煙一すぢ人の栖む 吉田多美 京鹿子 200705
枯山へつづく日向の手毬唄 山尾玉藻 火星 200802
枯山や雲の形の雲の影 大原貴彦 炎環 200903
大鐘の音枯山にぶつつけし 戸栗末廣 火星 201003
眺むれば枯山一色雪の花 小澤正信 201004
枯山を独りたのしむふたりかな 山尾玉藻 火星 201101
枯山に樅の一樹のみどりかな 大坪景章 万象 201103
枯山の碑に添せたり追悼誌 横井博行 万象 201104
枯山の底に沼あり日の差せり 上辻蒼人 風土 201201
枯山の幹まで濡れて青々忌 上辻蒼人 風土 201204
枯山を間近に体温計挟む 杉浦典子 火星 201303
日当りて枯山迫る休み窯 佐久間由子 201303
枯山の方より電車来て止まる 藤井美晴 やぶれ傘 201303
枯山に残る日の色峠越ゆ 和田慈子 末黒野 201306
枯山のどの稜線が由布なるや 稲畑汀子 ホトトギス 201312
枯山のしづかや木々は光り合ひ 大畑善昭 201401
大鐘を撞いて枯山おどろかす 戸栗末廣 201404
夕富士や枯野枯山裾に置き 安斎久英 末黒野 201404
枯山や石の如くに生きてゐる 高野春子 京鹿子 201503
枯山に道なし八十路顧みる 鴨下昭 201503
枯山にぞくぞく孵る星の数 久保東海司 201505
枯山の静かに深く日を溜めて 武政礼子 雨月 201512
枯山を大きく割つて朝日さす 佐藤みち子 京鹿子 201601
枯山の風音が消す般若経 奥村直女 馬醉木 201603
いまは亡き莫逆の友枯山河 大畑善昭 201701
枯山へ通ふ人なき一本道 松原智津子 万象 201702
枯山へ餅搗く音のえくぼなす 神蔵器 風土 201712
枯山の映りて大河しづかなり 市村明代 馬醉木 201802
日のにほふ枯山で見る枯野かな 熊川暁子 201805
枯山へ餅搗く音のゑくぼなす 神蔵器 風土 201912
枯山に槌音ひびく宮普請 浅田光代 風土 202202

 

2023年1月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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